大変お待たせしました。(待っている人が居るかは置いといて)
なんかね、他の二次創作ちょろっと書いたり、ソシャゲやったりと、結構のんびりしてた。
あと、スマホ変えた。バキバキ画面ともコレでおさらばよ。
では、どうぞ↓
迫る七色の終焉。
「ーーーー〈
そんな声と共に、ケテルの周囲を取り囲む様な虹色の輪が、5つ出現する。
それは、この世界に存在する全ての属性を宿した、脅威的な破滅の輪であった。
ーーーー巻き込まれない様に散開して回避するニュウ達。
そして、ケテルを取り囲む様に動いたアビス、アミダ、カノンの3名が、3方向から同時にケテルに向かって必殺の一撃を放つ。
「シール・ジ・アビス!!」
「絶望キルーーーインフィニティ・ブレードッ!!!」
「ホワイトフェザーバースト!」
3方向から迫る3つの
しかしケテルは動かない。
「ーーーー《バリア・
そんな小さな呟きと共に、球状に展開した薄紫の障壁がケテルを覆った。
そして放たれた
バリアが甲高い音と共に揺れたが、砕ける事は無かった。3人の
「ーーーーエナジーソード。」
バリアの中で、ケテルがそう呟いて片手を振る。…その手首から先が光に包まれ、光の剣に変わった。
そしてそれを携え、バリアMを解除したケテルが突撃して来る。ーーーー狙いは、カノン。
「ーーーー!!」
ガブリエルの剣を咄嗟に生み出したカノンは、バリアを展開しつつケテルを迎え撃った。
ーーーーしかし……
「そんな
…カノンが展開した障壁は、エナジーソードの一振りで粉砕されてしまった。
更に、振るわれたエナジーソードがカノンのガブリエルの剣とぶつかり合って、激しい火花と閃光を撒き散らす。
「カノン!」
押されているカノンを助ける為に、間に割って入ろうとしたアミダ。ーーーーしかし、死角から接近した筈の彼女に向かって、ケテルの背中から唐突に〈星の腕〉が突き出し、彼女の腹部に命中する。
「がはっ?!」
可視化された衝撃波が発生する程の力で腹パンされたアミダは、もんどりうって空を吹き飛んだ。
「…ダンサー・イン・ザ・ダーク!」
ーーーーと、此処でカノンの背後から闇を纏ったアルセーヌが飛び出してくる。
……バキッッ!!!
その鋭い回し蹴りが、カノンの肩越しにケテルの首に命中しーーーー
「……効かないのね。」
ーーーーケテルは眉一つ動かさなかった。…当たれば、確実に首がへし折れる程の蹴りの直撃にも関わらず、何の防御も取らずに其処に立っている。
「ん〜…痒いですねぇ。」
そうケテルが呟いた瞬間、アルセーヌの顔に〈星の腕〉が突き刺さった。
更に、カノンもガブリエルの剣をエナジーソードで押し切られ、そのまま肩から袈裟懸けに斬られてしまう。
「あぐっっ…!」
「くっ…!」
吹き飛ばされる二人。代わりに迫るは、炎を纏いし多腕の巨人こと〈
「居合ーーーー
『俺達の金剛の拳を喰らえ!!』
迫る真紅の太刀筋と、紅蓮を纏った巨大な拳。
「何度も何度も…無駄ですよ。」
しかしこの攻撃も、再び張られた《バリアM》で塞がれてしまった。
辺りに飛び散る火花と衝撃波。
「ぐっ……!ーーーーまだまだぁ!!」
衝撃波に揺られながらも、バサラは手に持つ真斬魔刀ヴァラクを、バリアに刺し込み続けた。…太刀の鋒とバリアの表面が干渉しあって、真っ赤な火花が激しく飛び散る。
更に、彼の隣りの〈金剛如来〉も、マシンガンの様な連続パンチをケテルのバリアに叩き込み続けた。
『ーーーー壊れぬバリアなど存在しない!このままぶっ壊れるまで、殴り続けてやる!!』
幾つもの残像を引いて、バリアに叩きつけられる拳の連打。インパクトの度に、爆発の如き炎が噴き上がってバリアを灼く。
しかし、バリアは砕けない。…その堅牢さは、まるで大地を叩いているかの様だった。
「くそッ……!硬え?!」
一切揺らぐ事のない鉄壁の防御に、バサラが驚愕の声を漏らす。彼の太刀の鋒は、1ミリもバリアに切り込みを入れられていない。
そして、火炎に包まれたバリアの中でケテルが更なる技を使用する。
「ーーーー《ラウンド・スパーク》。」
ーーーーバリバリバリィッッ!!!
ケテルを中心に発生した真紅のスパークが、バサラと金剛如来を弾き飛ばした。
「ぐはッ!!」
『ぐわッッ!!』
スパークとなって迸った破壊のエネルギーに打たれたバサラは、激しく血を吐きながら吹っ飛んでいく。
金剛如来も、その無数の腕の殆どを破壊されてしまった様だ。
「バサラ!!」
ーーーーバサラと入れ替わる様に、ハレルヤと暁がケテルに立ち向かう。
『ーーーー重力の檻に囚われろ!!』
そう暁が叫んで右手をケテルに突き出した瞬間、増幅された凄まじい重力がケテルに掛かる。
「む……!」
ケテルの周囲を包み込む様に展開された〈重力バリア〉が、ケテルの動きに制限を与えたのだ。
そして動きが鈍ったケテル目掛けて、ハレルヤがクサナギブレードによる薙ぎ払いを放った。
「ーーーークサナギブレード:
ーーーー大気を裂いて放たれる、巨大な三日月型の斬撃波。
ハレルヤが元々持つ、〈水〉のエネルギーが宿ったその斬撃を見たケテルは、微かに目を大きくさせた。
「花の分体を断つ刃ですかーーーーコレは危険ですね…。」
そう呟いたケテルは、三度目のバリアを発動。ーーーーハレルヤの放った巨大な斬撃波と、ケテルのバリアが激突して青い大爆発が起こる。
ーーーーーーーー噴き上がる青い爆炎に混じる、紫色の欠片。
…アビス・カノン・アミダに、バサラ達とハレルヤの
破壊されたバリアは、暫くは張り直せない。ーーーーコレで、攻撃がケテルに通る様にーーーーーーーー
「ーーーー滅びゆく人間がぁッ…!!調子に乗るなぁぁあぁぁああぁあ!!!!!」
ズドンッッーーーーと激しく膨れ上がるケテルの虹色の
「な…!」
「ーーーーマズいッ?!」
次の瞬間、ハレルヤを含めた全員が、質量を伴ったその
更に、その
彼の側には、未だ目覚めないネオと、彼からネオを託されて治療を施していた、アルスラーンの姿があった。
(この波動ーーーー避けたらネオさんに当たるッッ!!)
ニュウは、迫る光の波に対して全力でシールドモードを展開。
ーーーー現れた青紫色の巨大な盾を、自分達が立っている〈セラムの根〉の表面に突き刺して、勢い良く叫ぶ。
「ーーーー〈
…瞬間、巨大な6枚の翼が盾の側面から生え、更に盾自体がニュウの纏う〈心の火〉を宿して強化される。
そして、ケテルが放った七色の波動が〈
「ぐうぅッッ!!」
歯を食いしばり、盾を必死に抑えるニュウ。そんな彼の背中に、『ライオ・アルスラーン』が手を置く。
「ーーー手を貸すぞ!!」
「ありがとうございますッ!!」
彼の頑丈な手の厚みを感じながら、ニュウはなんとか七色の波動を防ぎきった。
「ニュウ…師匠…助かった!すまない!」
二人の後ろに守られていたアルスラーンが、感謝の言葉を二人に述べる。
「良いってことよ!これぐらいしか、我に出来ることは無いからな!ーーー兎に角、お前は星の子の回復に専念しろ!」
そうアルスラーンに指示を飛ばすライオ。
アルスラーンは頷くと、ネオに向かって赤雷の回復能力を行使し続けるのだった。
ーーーバチバチと鳴る赤い雷がネオの身体を包み込み、その癒しの力を以って、ネオの失った血を急速に回復させていく。
「ーーー回復は順調…あと、少しでーーー!」
…少しづつ、ネオの血色も良くなってきた。このまま行けばーーーーーー
「やらせませんよぉッ!!!」
ーーーーーーと、ココでケテルが割り込んできた。
「ネオが、貴方達の最後の希望というわけなのですね!?ーーー良いでしょう!ならばその希望、私が奪い去ってやりますよ!!」
そんな声とともに振るわれる、虹色の光を宿した真紅の長剣。
ーーー狙いは勿論、アルスラーン。
「さぁ!私にネオを渡しなさいッッ!!」
「ーーー!!」
彼女の瞳いっぱいに広がる虹色の光。ーーーしかし、その光が彼女に届くことは無かった。
「我が王には、指一本触れさせるものかッ!!」
「させないからねッ!」
「ボクも…守るんだ!!」
ーーーそう。アルスラーンの前に立ちはだかったハクビ達3人が、ケテルの剣を全身全霊で防いでいたのだ。
「ーーーーーお前たち!!」
目を見開くアルスラーン。
「ハッハッハ!!…良い仲間を持ったじゃないか、アルスラーン!!」
更にそこにライオも参戦する。
「僕の力も使って下さいッッ!!」
ーーーそして、ニュウも再び展開した
「邪魔ですよ!!!ーーーこの…虫ケラ共がぁ!!」
怒気と共に真紅の剣を押しぬこうとするケテルだったが、彼の予想に反して、5人を押しきる事は出来なかった。
彼等はしっかりと足を踏みしめ、耐え難い筈の破壊と破滅の力に抗っていたのだ。
「なぜですッ?覚醒者たるニュウは兎も角、〈力の統合〉を差し引いても、
ケテルの困惑したような声が、辺りに響く。
「ーーー分かんねぇのなら、教えてやるよ。」
ーーーふと、
「なにッ?!」
ケテルが振り返った時、彼の目には
「ーーーこの死に損ないがぁッ!!邪魔ですねぇ!!」
ーーードンッッッッ、と大気を割って飛び出すケテルの〈星の腕〉。
その長く伸びた無数の腕が、バサラを叩き落とそうとしたが……
「ヒュドン・イン・ザ・ダーク!!」
アルセーヌの声が聞こえた瞬間、バサラの身体が紫の光に包まれて
スカッーーーとバサラの身体を透過してしまう〈星の腕〉。
そして、驚きに目を見開いたままのケテルの胸に、透過状態を解いたバサラの太刀が突き刺さる。
「がはッッッ?!?!」
吐血したケテル。彼はここにきて、初めてダメージを食らったのだ。
更に、バサラの太刀にはハレルヤの〈大海の力〉と、アビスの〈深淵の力〉が宿っており、切り傷からその2つの力が入り込んでケテルの体内を荒し回ってゆく。
「ぐぅうッッッ?!ーーー有りえません!この私が、神が、ヒトから痛みを与えられたなどッ!?」
胸の傷を押さえながら、顔を激しく歪めたケテル。
更に、ケテルが怯んだ事で押し合いに打ち勝ったハクビ達が、ケテルに其々の
「ディスアセンブル・アイライト!!!」
「マスクド・パーム・グラインド!!!」
「バーサーク・ラッシュ!!!」
フェムトの放った光の弾丸が、ハクビが振るう赤い光を帯びた棍棒が、サクアが解き放った獣の爪が、それぞれケテルの体に命中して彼を吹き飛ばした。
「ぬぅうッッッ?!」
吹き飛ばされた先で、態勢を立て直すケテル。その顔は、怒りに歪んでいた。
「〈統合〉では説明の付かないパワー…。ここまでの力が…何故…!」
そう胸を抑えながら呟くケテルに、バサラが話しかける。
「ーーー意思の力さ。ケテル。…セラムの力の強さは、人の意思の強さによって決まる。絶対に仲間を守るという力強い意思が、神をも上回る力を、俺たちに与えてるんだよ。」
その理屈に、ケテルは納得が行かない様だ。
「ありえません……!人と人の戦いなら兎も角、そう易易と根性論だけで神を上回るなど……!!」
ケテル自身も、人の意思がセラムに与える影響力を軽視している訳では無い。
しかし、今の彼は《神》なのだ。…意思の力でも、覆すことが出来ない筈の力の差が、両者にはある筈なのだ。
なのに、何故か今の自分は押されている。
それが認め難くて、ケテルは叫んだ。
「神に仇なす愚か者が……!消え失せなさい!〈ハイ・エナジーサークル〉!!!」
怒りと共に放たれたのは、周囲の一切合切を灰燼に帰す破壊の円環。
広がった虹色の輪が、バサラ達の立つ〈セラムの根〉を破壊しながら迫りーーーーーーーーー
ーーーしかし、届くことは無かった。
「ーーーーー
響き渡る
同時に展開された巨大な青い盾が、ニュウ達一人一人を守るように展開される。
盾は虹色の輪に激突すると同時に砕け散ったものの、ニュウ達がハイエナジーサークルに巻き込まれることは防いでくれた。
更に、ニュウ達の足下に創り出された青色の水晶のような足場が、彼らの落下も防いでくれる。
「ーーーごめん。ちょっと寝てたみたい。」
そんなネオの声と共に、ポン…とニュウの肩に手が置かれた。ニュウは小さく微笑む。
「謝らなくて良いですよ。ーーーーーーネオさん。」
「そっか。ーーーーーーじゃあ…行くよニュウくん!」
ーーーついに復活を遂げた
◇◆◇
ーーーーーー最後の審判を巡る戦いは、佳境へ入る。
ネオ達だけでは無い。
世界中で、長い戦いが終わろうとしていた。
………但し、『壊獣の勝利』によってだが。
混乱の中で死にゆく人々。星の花へ還った彼らの魂は、輪廻の環から放逐され、もう二度とこの世界に戻っては来れない。
コレは罰。神が下した、互いに憎しみ合う事しか出来なかった人類に対する罰なのだ。
しかし、まだ人類は憎しみを超えられるはずだと信じ、抗う者達がいる。
世界の運命は、未だ決まっていないーーーーーー
「ーーーようやくお目覚めか。…死ぬとこだったぜ?」
ネオの隣にやって来たバサラが、彼女の背中を軽く叩いた。
その横からアミダがネオに飛び付く。
「ネオちゃん復活〜!ニュウくんがキミを抱きかかえて居たときはビックリしちゃったけど、元気になってよかったね〜!?」
「…うん。ごめんね。心配かけた。」
二人に挟まれたネオは、軽くはにかんだ。
そして、前を見る。
ーーー目線の先には、虹色の翼を広げて空に佇むケテルの姿があった。
「……ケテル。」
そう呟くネオ。
対するケテルは、ネオを見つめながらニヤリと笑った。
「どうも。久しぶりですねぇ…ネオ。起きない内に、と思いましたが、目覚めてしまったようですか…。」
「……ドクトゥール・フォリーはどうなったの?」
そのネオの声に答えたのは、隣のニュウだ。
「ケテルが復活して殺されたみたいです。」
「復活しなくて良いのに…。」
あからさまに嫌そうな顔を浮かべたネオ。
そんなネオの反応を見たケテルは、大げさに傷付いてみせる。
「なんとなんとなんと!?ーーーだいぶと酷い物言いじゃありませんかネオ?……言っておきますが、私は何度でも蘇りますよ!貴女を手に入れるまではねぇ!!」
そう言ってから、ケテルはネオへ翼をはためかせて急接近してきた。
残像すら残る勢いで振り抜かれる、虹を纏った真紅の剣。
しかしそれはニュウの
ーーー大気中に舞う、虹色の火花。
ネオが
更に、彼女の攻撃と同時にバサラとハレルヤが、其々の剣でケテルに同時攻撃を叩き込んだ。
「ぬぅんッ!!」
生み出した星の腕で、それぞれの攻撃に対応したケテル。
しかし、星の腕は3人の攻撃を防いだものの、高威力の一撃に耐えきれず砕け散った。
「む……!」
生まれた隙に、ケテルの元に飛び込む二人の影。
ーーーーーーアミダと、アビスだ。
「ーーーインフィニティ・ストライク!!!」
「ーーーシール・ジ・アビス!!!」
「がはッッッ!?」
二人の
更に、二人の間を縫って飛び出したアルセーヌが、闇の力を纏った回し蹴りを放った。
ベキッッ!!!ーーーーーと、音を立ててケテルの首に決まる回し蹴り。
「まだよ!!このまま、くらい続けなさい!!」
更にアルセーヌは蹴りの連撃を続ける。ーーーーー彼女の蹴りは、ケテルに当たるたびに威力を増していっているかのようだった。
「ぐぬ……連撃による威力の強化ですか!!小賢しい!!」
バシッ、とアルセーヌの足を受け止めて叫ぶケテル。
そのままアルセーヌの足を叩き折ろうとしたが、アルスラーンが赤雷を纏ったスレイヴエッジで斬り掛かって来た為、断念して後ろに下がる。
「行け!!」
しかし、アルスラーンの分身弾が追い縋ってきた。更に、カノンがガブリエルの剣で斬り掛かって来る。
それだけでは無い。ーーーージャックザリッパーも、金色のハサミで追撃を仕掛けて来ていた。
「邪魔なんですよ!!貴方達はぁッ!!」
叫んだケテルは分身弾を殴り壊すと、カノンの剣を受け止めて弾き返す。
そして、ジャックのハサミを〈星の腕〉で叩き落とし、そのまま彼女を殴り飛ばした。
そのまま、カノンが放つ〈パラージショットガン〉と〈飛ぶバリア〉の攻撃を七色の翼を閉じて防ぎ、その後ニュウ達へ虹色の光を纏った片腕を突き出して叫ぶ。
「ルナミス・レイ!!!!」
太陽を覆う月の影から、極彩色に輝く破滅の雷光が降り注ぐ。
更にケテルは続けて叫んだ。
「確実に消し去ってやりますよ!!ーーーーー〈ディバインピラー〉!!」
ボッッッッ!!!ーーーと、雲を消し去って落ちてくる破壊の光柱。
シャイニングピラーに似ている技だが、落下場所がランダムだったシャイニングピラーとは違い、明確にニュウ達へ降り注いでいる様だ。
「アレは不味い!!」
ライオが焦ったような声を漏らす。
「ーーーーーー…私が防ぐ!」
そう呟いたカノンが、横から飛び出した。
そして空に翠の翼を広げ、バリアを幾重にも展開する。
重なって生成される薄紫の障壁。…だが、これだけであの破壊の光を防げるかは疑問だ。
…しかも、ルナミス・レイまで一緒に降り注いで来ている。
それをカノンも理解しているのだろう。彼女の顔は強張っていた。
ーーーだが、ニュウ達がそんな彼女を一人で放っておく筈も無い。
「ーーーー
「
ネオとニュウが、其々の『守る力』を発動してカノンのバリアを補強した。
巨大な青い盾と、再構築能力で作られたブロックの壁が、カノンのバリアに重なる様に生み出され、そこにニュウが展開した
更に、アビスが徐ろに自身の持つ音叉の槍を鳴らした。
コーーン……と、清く澄み切った音が辺りに響き、カノンとネオとニュウの三人の身体を、星雲に似た輝きが包む。
「コレは…星のセラムなの?」
ネオの声に、アビスは頷いた。
「ええ。私の中に眠る深淵の力を、皆さんに付与しています。…副作用などは無いので、安心して身を委ねて下さい!」
「分かった。ーーーー助かるよ、3人とも!」
カノンがそう礼を述べ、更にバリアを展開した。…新たに展開されたバリアは、アビスの力でより堅牢になっているように見える。
また、ネオが創り出した盾とブロックに、ニュウが展開した
…自らのうちに溜め込むだけだった深淵の力を、他者にバフとして付与できるーーーーこれこそ、深淵の先導者から深淵の制圧者となったアビスの新たなる力。
ーーーーその名も、エンハンス・ジ・アビスなのだ。
「受ける気ですか…!神の力を…!」
そうケテルが呟いた瞬間、天と月より降り注ぎし破壊と破滅の光がネオ達の盾と激突した。
ーーーー目も眩む閃光。
広がる衝撃波は辺り一帯の雲を散らし、その波動は地上にまで達する。
浮遊大陸も波動に晒され、大陸中に咲くあらゆる花々と草木が嵐にでも遭ったかのように揺れた。…小さな物は根こそぎ飛ばされたようだ。
そして、辺りに振りまかれた破壊の波動が収まった時、そこに残っていたのはーーーー
「………あ、あぶなかっ…たぁ……!」
ーーーーニュウ達だった。
…へたり、とニュウが水晶の足場の上に座り込む。
ケテルが放った破滅の光は、ネオ達が張り巡らした防御陣を、あと1秒で砕き割るところだった。
覚醒新人類3人の全力の防御+覚醒者に匹敵するアビスの能力強化でも、あと1秒耐えられなかったら死んでいた。…まさに、ギリギリである。
「ーーーー3人とも、守ってくれてありがとう。」
彼等の隣に舞い降りたカノンが、ニコッと微笑んだ。…相当消耗が激しかったのか、だいぶと荒い息をしている。
「いえ、カノンさんのバリアが一番僕たちを守ってくれましたよ。…ありがとうございます。」
そうニュウが呟いた時、前方から強い風が吹き付けて来た。
そして、ニュウ達の前に虹色の翼が翻る。ーーーーケテルだ。
「ーーーーふむ……まさか、私の神の力を受け切るとはねぇ…。」
「……ケテル。」
ケテルを睨み付けたニュウ達。
虹色の後光の中に佇むケテルが、ニュウ達を見下ろしながら呟く。
「コレが神をも超える意思の力ですか…。セラムの力とは意思の力…それを否定はしませんが、意思の力だけで神をも超えるとは想像していませんでしたよ…。」
そう言うケテルは、何処か嬉しそうな表情を浮かべていた。
「認めますよ、皆さん。ーーーー確かに意思の力は神に迫る。」
ケテルは遂に認めた。意思の力は、神すら上回るのだと。
彼は意思の力の強さに気づいた。ーーーー気付いてしまった。
「ならば、
ーーーー膨れ上がる膨大な闘気。
彼の周囲に、真紅の星のセラムが羽衣の如く纏わり付く。
「ーーーー私の意思…それはずっと前から変わらない…ッ!!」
ーーーー次に、彼の翼が無数の〈星の腕〉へと変わった。
何百もの腕が背中から生えて蠢いているという、中々に悍ましい姿となったケテルは、ネオを見つめながら大きく嗤う。
「其れこそが、ネオ!!貴女を愛しているという意思ですよ!!!ーーーーそれだけは、ずっと、ずぅぅっと、変わらない!!ーーーーソコにいるニュウなんかよりも、私のほうがもっと、もぉぉぉっと貴女を愛していますッッッッ!!!」
ネオの顔が、とんでも無いキチガイを見たような表情へ変化する。
「………うわ。」
そして、心の底から引いたような声が彼女の口から漏れた。
しかしケテルは気付かない。
「この愛だけは、誰も上回る事の出来ない〈意思の力〉!!!ーーーーさぁ…意思比べと行きましょうか!!」
ーーーー次の瞬間、ケテルの背中の幾百もの腕が、辺りへ無造作に伸びた。
そして、其れは意思を持つかのように、空を征く『星の花を目指す魂』達を手当たり次第に掴み取り始める。
クジラの魂に、魚や虫。そして鹿や狼に、鳥の魂。ありとあらゆる魂達がケテルの〈星の腕〉に捕われていく。
その星の腕は更に伸び、地上や空に跋扈する数多の壊獣達も同じ様に捕らえ始めた。
そして腕の一部は、朧げながらも未だ空に浮かぶ〈セラムの根〉さえも掴む。
「な、何だよ…コレ…?!」
フェムトの狼狽えるような声が響く中、ケテルに捕われた魂と壊獣達が、ケテルへと
空を覆う〈セラムの根〉さえも、ケテルの〈星の腕〉が触れた場所から吸い取られていくようだ。
「世界中の空に出現したセラムの根……。あの莫大な量の〈星のセラム〉を、一人で吸収するつもりなのですか……??」
アビスがあ然として、声を漏らす。
「…それだけじゃない。」
ネオが隣で首を振った。
「今のセラムの根は、星の花本体と繋がっている。セラムの根を吸収すると言う事は、星の花そのものを取り込むことに等しい……!そうなったら、
「それって……。」
「はぁ…?まじかよ……。」
ーーーー戦慄する彼等の前で、ありとあらゆるモノを呑み込んだケテルの身体が変化し始めた。
鼓動のような音とともに、ケテルの身体が作り変わっていく。
肌色の皮膚は、透き通った幽霊のような半透明になり、内側に輝く星雲が血の如く流れ始めた。
虹色の翼は、同じく透き通った花弁の様な形へ変わり、やはり星の光が血のように流れている。
彼の顔からは一切の表情が消え失せ、ただ白く光る双眸と口のみがそこに残った。
そして彼の頭上には、2つの三角形が重なって別々の向きに回転している様な、特徴的な光輪が出現する。
「……おぉ……星の力を溢れんばかりに感じます……!!コレが、私の究極の姿!」
…
その姿は、さしずめ『人型の宇宙』と言ったところかーーーー。
「この力なら、創星を成し遂げることも容易い…!破壊も創造も、私の手の内に生じるのですね…!ふふふ……ふははははは!!!!」
哄笑を空に撒き散らしたケテルは、不意に笑い声を収めてネオ達を見下ろす。
その光る瞳が、鋭く細められた。
「ーーーーさぁ。終わらせましょうか。全てのカオスにケリを付ける刻です。」
そう呟いたケテルは、透き通った翼を広げて天高く舞い上がっる。
そして、金環日食を背景に、声高らかに叫んだ。
「聴くが良い!!世界よ!!ーーーー最後の審判は、世界の終わりを告げました!!コレより先は、新たなる世界!!旧き全ては、一度無に帰るのです!!!」
ーーーーその宣告は、文字通り全世界に響き渡る。
未だなお滅びに抗っていた全ての人類は、その声を聞き、そして絶望と共に察した。
……全ては終わったのだと。何もかも、終わったのだと。
「ーーーーそんな事させない!!」
ネオが叫ぶ。彼女にしては珍しい、感情の籠もった叫びだった。
「世界はまだ終わらせない!ーーーー私達は抗う…!最後まで!」
顔を見合わせ、頷くニュウ達。
「その通りです…!まだ終わってはいない!僕たちがここに残っている!」
ニュウがネオの隣に並んで、ケテル目掛けて叫んだ。
バサラ達も頷き、二人の横へ並ぶ。
「あぁ。運命が決まったと言うには、まだちと早いよなぁ?」
「絶望するのは未だだよ!」
「…反逆の狼煙はいまだ消えず。足掻かせてもらうわよ?」
ズラリと並んだ仲間たち。
それを天高くから見下ろしながら、ケテルが嘲笑う。
「いい心掛けです。…しかし、どうするのですか?私の意志の力ーーーー即ち、愛の力には到底叶いませんよ?」
「やってみなきゃ、分かんねぇだろうがよ?…そんな気持ち悪い片想いの力が、果たして俺達を越えられるのかどうかなんてな。」
バサラが煽るように口を開く。
「減らず口が…!私の愛を愚弄するのですか!?」
ーーーー彼の煽りが思ったよりも効いたのか、ケテルの身体がはっきりと分かるぐらい怒りに震えた。
「…やってみると良いさ。ーーーー僕達はお前を超えていく!!」
ニュウがそう叫んで、自分の腕と一体化した〈
その身体を〈心の火〉が煌々と包み込んだ。
(何が、ネオさんの事を愛してるだよ!ーーーーお前が、他でも無いお前が、ネオさんへの愛を囁くなケテル!)
今のニュウの力は〈力の統合現象〉の影響も含め、最高の状態となっている。
ーーーーここに居る全員も同じの筈だ。
世界が終わりに近づくにつれ、力は星の花へより深く統合されている。
ニュウはビナーから聞いた〈力の統合〉を、今使おうとしているのだ。
湧き上がる、彼方から汎ゆる力が流れ込む感覚。
それを感じつつ、ニュウはネオ達にも〈力の統合〉を促した。
「皆さん!ーーーー兎に角、力を集中させましょう!!今の世界は、星の花にあらゆる概念とか力とかが、集まっている状態なんです!!ここに居る全員が1つになって力を振るえば、あの姿のケテルといえど倒せる!」
「…!!」
ネオ達はお互いの顔を見合わせ、強く頷いた。
「力の統合…私の武器が変わったアレだね。」
「成る程…!取り敢えず、力を込めたら良いんだな!?」
「初耳概念だけど、アイツを倒せるなら何でも良いや!やっちゃうよ〜!!」
そして、ネオ達も自らのうちに力を宿し始める。
全員の背後に、ネオの大剣が現れるときのような空間の歪みが出現し、そこから可視化された力が全員に流れ込む。
「…!ーーーーコレは…すごい力だ…!」
流れる力の奔流の中で、アルスラーンが自分の体を見下ろしながら、あ然と呟いた。
「当然ね。ニュウの言葉を信じるなら、世界中の力が私達に集まっているという事よ。滾るじゃない。」
アルセーヌが微笑む。
ーーーーそして、全員と力を共有したニュウは、ケテル目掛けて叫んだ。
「終わるの世界ではなく、お前の方だ!ーーーー行きましょうネオさん!」
「うん!」
ネオが強く頷く。
それを見たニュウは、素早くセラムキューブを展開し、更に叫んだ。
「
力の統合によって星の花から引き出された無尽蔵の力が、ニュウの体を包み込む。
青紫の水晶のように透き通った機械のパーツが、ニュウを覆うように装着され、あっという間にニュウが巨大な
長く伸びた砲身は、上に人が一人乗れるだけの足場と、そこから真っすぐ伸びる
否、カタパルトの様なーーーーじゃ無い。
「ネオさん!上に乗ってください!!」
「…!!ーーーー分かった!!」
文字通り、カタパルトなのだ。
変形したニュウの上に、
ブゥゥ…ン、とネオを乗せたレールが青いエネルギーを纏い始める。
続いてニュウが叫ぶ。
「バサラさん達で、力を僕にチャージしてください!セラムキューブを、僕の後方に嵌め込むんです!!」
バサラが眉を顰めた。
「はぁ?嵌め込むぅ?」
瞬間ーーーージャキキキキィン、と電磁砲の後ろにリボルバーの
ちゃんと、人数分のセラムキューブを入れられる様に穴の数が揃えてあった。
「コレだね。統合された私達の力を、更に1つにして貴方の力に変えるってことでしょ?」
そうカノンが言って、自分のオーバル型のセラムキューブを弾倉に嵌め込んだ。
ジャキン!と音が鳴り、電磁砲の砲身に宿るエネルギーが強まる。
「なるほどね。ーーーーじゃ、使ってくれ!ニュウ!!」
続いて、ハレルヤがセラムキューブを装填する。ーーーーまた力が一つ溜まった。
イースターの全員と、ハクビやジャック達も後に続く。…勿論、コクウやライオ達も。
「ありがとうございます!!!」
次々と溜まる仲間たちの力。
それを強く感じながら、ニュウはネオに合図した。
「ネオさんも、僕と力を合わせましょう!全力を込めて、貴女をケテルへ撃ち出します!!」
それを聞いたネオは、ニコッと微笑んだ。
「とんでも無い事するね、貴方って。ーーーーでも、良いよ。力を合わせよう。」
膨れ上がるニュウとネオの力。彼女の体を包むニュウの力が、ネオの力と混ざり合い、光となって昇華していく。
(凄い……私とニュウくんだけじゃ無い。…皆の力も籠もっている…!)
ネオは渦巻く力の波動の中で目を開いた。同時に、すべての力が開放される。
響くニュウの声。…いや、ネオの声、或いはーーーー皆の声。
ーーーー瞬間、ネオの周囲に、七色の光輪が幾重にも生じたかと思うと、それがグワッと広がってネオを撃ち出した。
全員の力を身に纏って、空へ駆け上がる流星と化したネオ。
輝けるオーラを纏って飛来するネオを見ても、ケテルは怖じる事なく笑みを深める。
「そちらから来てくれるとは、有り難い。……ならば、コチラも見せてあげましょう。私の愛の力を!!」
そう叫んでから、ケテルは虹色に輝く剣を構えた。
その剣に、同じく虹色の光が宿る。
ーーーーそれを構え、ケテルは高らかに声を上げた。
「破
光が強くなる。
更にケテルは呟き続けた。
「
その呪文のような呟きは、神となったケテルの最強にして究極の
「
虹の輝きが、コレ以上無いほど高まる。
背後の天の川や金環日食の光すらも、ケテルの構える剣の輝きに溶けて見えなくなった。
そして、光そのものとなったケテルが、己に溜めし力の全てを解き放つーーーーーーーー
「ーーーーストライクショット:
放たれるは、世界を閉じる滅びの力。
虹色を通り越して、全てを塗り潰す純白の閃光だった。
それがネオと激突する。
ーーーーーー天空でぶつかり合う、ネオの
お互いの全ての力が籠もった一撃同士の激突は、天を割ったかのような衝撃を辺りに撒き散らす。
せめぎ合う両者。
互いの剣に亀裂が走り、荒れ狂う必殺の力が、お互いの体を傷付ける。
「ッ…!ーーーーまだ、まだッ!」
互いに塗りつぶし合う、七色と純白。
その拮抗は、永遠に続くかのように見えたがーーーーーーーー
ーーーーバキッッッッッ!!!
重い音と共に、砕け散る
「…!?!?」
目を見開いたネオ。ケテルが光の中で吼える。
「力の統合ーーーーそれを、ここまで完璧に利用した事は褒めましょう!しかし!!今の私はもはや
そんな絶叫と共に、ケテルはネオを振り切った。
瞬間、巨大な純白の斬撃波が生じ、ネオはそれに押されて地上へ落ち始める。
「くっっっ…!!!」
完全に押し切られた形となったが、それでもネオは柄だけとなった
背中からニュウ達目掛けて落下するネオ。しかし、ネオ自身はまだケテルの力に抗っている。
「ネオさん!!」
彼女の背中を支え、共に巨大な純白の斬撃波を受け止めようとするニュウ。
「私だって!」
「俺も止めるぞ!!」
「私も…!」
「ボクもッ!!」
次々とネオの背中に手を添え始める仲間達。
そして、全員が一丸となってケテルの
「み…みん、な…!!」
ネオは斬撃波を防ぎながらも、彼等に感謝の言葉を述べようとしてーーーーーーーー
ーーーーネオの手の中に残っていた、最後の
「嘘……」
ソレは、もはやネオに抗う武器が無くなったことを示していて………
「ーーーーまだだーーーまだ…!」
そんなニュウの呟きを最後に、ネオ達は純白の閃光に包まれた。
◇◆◇
ネオ達を呑み込んだ純白の斬撃波は、そのまま地上へと迫り、半径100キロ近い範囲を巻き込む大爆発を引き起こした。
吹き上げられた地上の岩盤が、火山が噴火した時の様に太い円柱状の柱となって空へ駆け上り、その爆発の波動は星を何周も駆け巡る。
後に残るのは、巨大なクレーターと見紛うばかりの爆発の痕のみ。
爆心地の穴はマグマの層まで達したのか、轟々と真っ赤な炎が踊っている。
それを空から見下ろしながら、ケテルは嗤った。
「ふふふふふふふふ…ははははははははは!!!ーーーーコレがぁ!コレが愛の力!!!!ふはははははははははは!!!」
誰も居なくなった空に、彼の笑い声だけが響き渡る。
そして一頻り笑った彼は、空から地平線をグルリと見渡した。
殆ど夜と変わらない暗さとなった世界。
今やこの星で光を放つのは、ケテルと燃え尽きかけた〈星の花〉のみ。
そして、まもなく全ては闇に閉ざされる。
「もう、私の世界を拒むものは居ない……。」
ケテルは湧き上がる歓喜に唇の端を歪めながら、両手を広げた。
「さぁ…ネオ。ーーーー私と一緒に、永遠に眠りましょう。魂の園で…!!」
ーーーー空の彼方より来る暗い深淵の闇。
星の灯さえ届かぬ黒に、世界は塗りつぶされて行く。
……その日、古き世界は終焉の刻を迎えた。
かつて、ここまで積み上げた勝利フラグを、こうもへし折る作者が居ただろうか?いや居ない(反語)(多分)
…はい。
なんかもう、途中から『あれ?これ勝っちゃうよ?』なんて思いながら書いてた。
でも、まだ続きがあるんだよ!…ネオのもう一つの形態が残ってるんよ!なんなら、その姿の強さと格好良さと美しさと可愛さを書くために、私は100話以上書いてきたんだよ!!
……ふぅ。失礼。興奮してしまった。
取り敢えず次回、無双開始です。(この展開から?)
…そして、最終回に出来たら良いなぁ…