前の話で完っ全に書き忘れてたケド、ニュウがイースターに加入してから1週間ぐらい経ってます。
後で前の話に追記しときますね〜
13話 〈ハレルヤ…〉
ーーーーーーーーー2人に向けられるは、数多の殺気……
「ーーーーーーーーーニュウ!出来るだけ、傷付けないで欲しいんだ!!…お願い出来る?」
横でハレルヤがそう叫んだ。
ニュウは頷く。
「了解。」
次の瞬間、彼の拳銃から勢いよくマガジンが飛び出し、砕けて消えると、その破片から別のマガジンが再生して銃に再装填される。
ーーーーーーーーーそして彼の構える拳銃に黒い光が宿った。
「……
彼のそんな呟きと共に、銃口から漆黒の弾丸が放たれ、ジャガーの配下の1人に命中した。
「がふっ?!」
床に倒れ込むジャガーの配下。
…命中した箇所から血などは流れていない。ーーーーーー彼は気絶しているのだ。
「…何ぃ!?1発で気絶しただとぉ!!?」
「おおー良いね。…ニュウってそんな事も出来るんだ。」
ジャガーとハレルヤが、それぞれ思った事を口に出した。
ニュウは気負う事なく銃を構え、撃ち続ける。ーーーーー3人のジャガーの配下が、立て続けに撃ち抜かれて気絶した。
「この弾丸に込められた力は一撃失神…。対象に外傷を与える事なく、一撃で沈められる弾丸です。」
そうニュウが誰に対してでもなく説明をする。
「なるほどなぁ!!ーーーーーー面倒な能力だ!先にてめぇから沈める!!」
それを聞いたジャガーがそう叫んで、手の〈セラムキューブ〉を変形させた。…白っぽい光が迸り、彼の手にどう見てもギターの様なモノを具現化させる。
「「ギター??」」
2人の不思議そうな声に、ジャガーは高笑いで返す。
「ハハハァッ!!コレが俺の力の象徴ぅ!!ーーーーーーーーー喰らいなぁッ!!」
ギュイーーーーーンッ!!…とギターが掻き鳴らされ、そこから半月状の波動が2人に向かって放たれる。
…波動はこちらに近づくにつれ、拡大して巨大になっていく。
「ーーーっと!!」
「……!」
ハレルヤはその場から飛び退き、ニュウは地面にしゃがみ込んでその波動を躱した。
彼らの背後で波動は壁に当たり、炸裂すると大きな亀裂を走らせた。
「拡大する……衝撃波。…コレまた厄介だね。」
そうハレルヤが呟いて、ニュウに叫んだ。
「ニュウ!!ーーー俺は銀行員さん達を安全な場所に逃すから、この人達抑えておいてくれる!?」
「ーーーーーーーーー了解です!!」
「…行かせるかぁ!!それは俺たちの人質だぞ!!」
銀行員に近づこうとするハレルヤに向けて、ジャガーの配下達が色とりどりの攻撃を放つ。
放たれる攻撃の殆どは、〈セラムキューブ〉が変形して生まれた単なる属性弾ーーー拡散弾ーーーだ。
「……拡散弾系統ね。ーーーコレなら、どうにでもなる!!」
ハレルヤはそう言って、自分に向かって来る弾丸を避け、或いは手のガントレットで防ぎながら、銀行員達を守る様にジャガーの配下達の前に立ち塞がった。
そして配下達に向けてガントレットを構えるとーーーーーーーーー
「人を殴るのは嫌いなんだ。ーーーーーーだから、こうさせて貰う!!」
ーーーガントレットから、まるで水の様なモノが迸り、ジャガーの配下達数名を纏めて押し流した。
「「「のわぁーーーーッ!!??水ぅッ!?」」」
迸る奔流に、配下達は押し流されていく。
「さぁ、今のうちに!」
続いてハレルヤは、銀行員達を守る様な水のバリアを発生させると彼らの体を縛る縄を解きにかかった。
「おいテメェ等!?…水如きに押し負けてんじゃねぇぞ!?」
慌てた様にジャガーが叫び、ギターを鳴らそうとするがーーーーーーーーー
「アニキ危ないッ!!」
ーーーーーーーーーパァン!!
乾いた銃声が鳴り響き、ジャガーを庇う様に立ち塞がった配下が1人、
「…ちっ!クソが!!」
「ーーー慕われてるね。…アンタ。」
そうニュウが呟いた。
「…実に面倒な野郎だ!!ーーーコレでも喰らえッ!!」
ジャガーはギターを何度も短い間隔でかき鳴らす。一回ギターが鳴るたびに、今度は小さな三日月状の波動が何個もニュウに向かって飛んで来た。
「………!!」
それを躱すニュウ。しかし、飛んで来る攻撃はそれだけでは無い。
「喰らえ!グリッターボールッ!!」
「アニキを負けさせるわけには行かねぇんだ!!」
「此処で捕まったら俺、新春引けなくなるだろうがぁ!!!」
「………最後の1人は何言ってんだ???」
ーーージャガーの配下達もまた、攻撃に参加しているのだ。
ニュウにあらゆる方向から、様々な攻撃が襲い掛かる。
「ーーーーーーーーー流石に…キツイか??」
そう呟きつつも、ニュウは回避の為に動き出す。床を滑る様に動き、柱を蹴って空に舞い、壁に降り立ち、そのまま壁を走って無数の攻撃を躱して行く。
「ーーーーーーーちょこまかとッ!……てめぇ、曲芸師か何かかよぉッ!?」
ジャガーの配下達がそう叫んで攻撃の手を更に加速させるが、ニュウには当たらない。
更にニュウは攻撃回避の合間に、手に持った拳銃で
勿論、ジャガー達だって狙いをつけられない様に絶えず動き回って、ニュウを撹乱しようとしている。………しかし、そんな対策虚しくニュウの脅威的なエイムと3次元的な立ち回りの前に、皆散って行くしかなかった。
その光景を、銀行員達の拘束を解きながら眺めていたハレルヤは、彼の動きに舌を巻いていた。
(………凄い。相手の体の向き、視線の向き、敵全体の配置関係、次の動き…ーーーーその全てを計算して自分の行動を決めている……。そして少しでも死角や射線が通る場所が見つかれば、迷う事なく攻撃に転ずる………。)
………彼は対人戦に慣れている。ーーーーーーーーーハレルヤはそう感じた。
ーーーーーーーーー気がつくと、その場に立っているのはジャガーだけになっていた。
「………嘘だろオイ。たった1人だぞ相手はッ……???」
ジャガーが呆気にとられた様に呟いた。
「…アンタ等、気合いはあったけど…動きは粗末なものだったね。リーダーのアンタ以外は、自分の力の使い方すら理解してないみたいだ。……それじゃ、勝てないよ。」
ニュウがそう呟いた。……彼の顔に、場慣れした歴戦の兵士の様な昏い表情を感じて、ハレルヤは思わず唾を飲んだ。
ジャガーもまた、気圧されたかの様に半歩、後ろに下がる。
「………ってもなぁ。此処で捕まる訳には行かねぇんだ。」
「テメェらが強いことは分かった!!だが、倒せなくとも俺1人が逃げる事ぐらいは出来そうだなッ!!」
ギターを構えるジャガー。そしてニュウが銃を撃つ前に弦が切れんばかりに勢い良く掻き鳴らして絶叫する。
「ーーーーーーーーーラウンドフラッシュッッッ!!!!」
ーーーーーーーードゴォーーーーーーーンッッッ!!!!
………ジャガーを中心に発生した爆発が、銀行の分厚い筈の壁を吹き飛ばし、大量の瓦礫と土煙が辺りに舞う。
「なっ!?こんな攻撃を隠し持ってたのかーーーーーーーーッ?!」
ニュウは至近距離から爆発を受け、煙の中に消えた。ハレルヤの姿もまた、見えなくなる。
全てが吹き飛んだ爆発の中心で、ジャガーは声高らかに叫ぶ。…己の勝利を確信して………。
「ハ、ハハハハ……手の内は最後まで見せねぇもんだ!!ガキ共ぉッ!!………最後に立っていたのは、どうやらおr…………。」
ーーーーーーーーーザパァン………
彼の声は、途中で聞こえた海の波飛沫が立てる様な音に遮られた。
「は………!?」
驚いて間抜けな声を漏らすジャガー。…見ると、自分の目の前に、巨大な水で作られた繭の様なモノが浮かんでいる。
……然もただの水じゃ無い…まるで丸まった東洋の龍の様な形をしたーーーーーーーー。
「な…なんだ………コレ………?」
………パシャアンッッ!!
次の瞬間、ジャガーの目の前で水球が弾け飛んで、中から銃を構えた
「ーーーーーーーーーなにぃぃぃッッッ!!??」
「………
ジャガーが最後に見たのは、銃口から放たれる黒い閃光だった……
◇◆◇
「ーーーん、さっきはありがとうございました。……あの水のバリアが無かったらどうなってた事か。………油断してた。」
ーーーーーーーーー場所は変わり、とあるMの文字のファーストフード店にてニュウとハレルヤは少し遅くなった昼食をとっていた。
…ジャガー達は既に自警団に身柄を引き渡し済みである。
「…いやいや。アレは俺も不意をつかれたよ。…しかし、咄嗟の事だったのに、よく攻撃に転じたね。」
…ズズッと飲み物を啜ってから、ニュウが答える。
「ま、ハレルヤさんの能力ってのは分かってたんでね。ーーー上手く相手が油断しててよかったよ。うん。」
「………凄い腕前だったよ、ニュウ。ーーー闘い慣れしてるみたいだったけど…キミって此処に来る前何してたの??」
フライドポテトから手を離して、ハレルヤがニュウに問う。
ニュウは暫く黙ってストローを咥えていたが、やがて視線を右上に彷徨わせながら、ポツリと話し出した。
「………俺、生まれは連邦なんです。………小さい頃は連邦の要塞都市で過ごしてて………んで、ちょっと大きくなった頃には〈アステール〉に住んでました。」
「………〈アステール〉での暮らしの中で、戦いのセンスとかは磨かれたって感じですね。…そっから先は、いろんな要塞都市を転々として……んで、此処にやって来たって訳です。…はい。」
…余り細かく彼は語らなかった。ハレルヤはもう少し細かく聞きたい様な気持ちになったが、余り他人の過去を掘り起こすのも気が引けて、深く聞くことはしなかった。
……自分にも話したく無いことの一つや二つは有るのだし。
「ーーーーーーーーなるほど。………因みに俺の生まれ育ちは〈日本〉の〈東京〉って言う街なんだ。………知ってる?」
ニュウは首を振った。
「………だろうね。
彼はそう呟いて、フライドポテトを口に放り込んだ。
「…東京は大災害の時に、沢山の新人類が生まれた場所でもあるんだ。…俺達は新人類の事を〈リンクス〉って言ってた。」
「ーーーーーーーーー俺は生まれた年が大災害の日でね。………その時両親は死んだんだ。………でも、俺は生き残った。〈新人類〉として、新しく生まれ変わって…。」
「………………。」
ハレルヤの話を聞いて、……旧人類は新人類になれるのか?と、疑問に思った者も居るだろう。
結論から言うとーーーーーーーーーなれる。
ーーーーーーーーー嘗て、大災害の日に〈新人類〉になる旧人類が一定数いた。………星のセラムに触れても死なず、その瘴気を取り込んで、力を得る人が僅かだが存在したのだ。
この方法で力を得た者達は、生まれながらの〈新人類〉より少し劣るとされている。
しかし、それでも新人類は新人類。………古き人類に比べれば、優れた力を持っている事は疑いようの無い事実である。
故に連邦は恐れた………
「………一部の強い力を持った存在が、今までの世界の勢力図をひっくり返してしまうーーーーーーーーーそれを連邦は強く恐れていた。」
ハレルヤの呟きは続く。
「…だから、連邦は〈新人類〉達を管理しようとしたんだ。東京の〈リンクス〉達も、連邦の管理下に置かれる事が決まった。」
「…それに、どうやら東京に何かの研究施設を、連邦は作ろうとしていたらしい。ーーーそれが何だったのかは、今の俺にはわからない。」
ハレルヤは空になったポテトの箱を潰す。
「…あの時の俺には2つの選択肢が与えられていた。」
ニュウが見ると、彼は眉間に皺を寄せていた。
「………一つは連邦の管理を跳ね除けて、過激派として連邦と戦争すると言う道を選ぶ事。…当時から、〈新人類〉に対する連邦の政策は杜撰なモノが多かった。…連邦の管理下になる事は、皆んなから自由を取り上げる行いだと…そう考える人もいた。」
ハレルヤは飲み物を一口飲む。…カシャリと中の氷が動いた。
「二つ目は、過激派の思想を否定して、連邦を武力で倒すのでは無く、連邦の思想自体を変えていこう…と言う道。…どちらにせよ、連邦の管理下には入らない選択だが、共通のゴールに辿り着くまでの過程が違うんだ。…武力か、対話かの違いが……。」
黙り込んだニュウの横で、ハレルヤは言葉を紡いでいく。
「…俺は選べなかった。……一つ目の選択を取れば、東京は嘗て無い戦火に包まれる。力無き者達は、戦いの中では生き残れないだろう…でも、二つ目の選択を取れば、俺はずっと昔からの
「………そして、全てが終わってしまった。」
彼の暗い声が小さく聞こえた。
「俺が迷ったままだったから、俺の仲間達は連邦に勝てなかった。…力でも対話でも。ーーーーーーーーー皆んな、皆…死んでしまった。…連邦は東京を管理下に置き、都市の名前自体を…消し去ったんだ。新人類に対する勝利宣言の様に……。」
「…………。」
何処かを見つめるハレルヤの目には、ニュウには見えない何かが写り込んでいる様に見えたーーーーーーーーー。
「………あ、昼間から暗い話でごめんね、ニュウ。ーーーコレ飲み終わったし、行こっか??」
「ん?ーーーあぁ、はい。…行きましょうか。」
暗い気持ちを飛ばす様に、ハレルヤがニュウに向けてカラッと微笑んで立ち上がる。ニュウもその後に続く。
ーーーーーーーーー店の外は晴れていた。
……気持ち悪いぐらい、晴れていた。
前回の話も含めて本当は1話に纏めたかった…。無理だったんですけどネ。
ハレルヤくんのお話はアニメのパクリです。…尚且つバッドエンドって言うね……。
ではまた次回。