モンスターストライク 〜星ノ呼ビ聲〜   作:犬社長

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15話 〈riding・combat〉

 

 

ーーーーーーーーー店先にズラリと並ぶは、赤や青の車体。

 

 どれも新品ピカピカであり、光を受けて艶めいている。

 

 

 此処は〈オーステルン南商業区〉に有る、とある二輪車専門店…即ち、バイク屋だった。

 

 

 

「おー…結構いい値段すんな。ーーーーーーーー金、余分に持って来て正解だった。」

 

『料金先払いのみ』と書かれた値札を見ながら、バサラが唸る。

 

 比較的広い店内には、バサラ達以外にも客がちらほらと見える。ニュウは辺りを見渡しながら、呟いた。

 

「…バサラさん。別に高いのじゃ無くても良いのでは?」

 

「いや。どうせなら高性能の方がいい。ーーーバイク初めてでも取り回しやすい様なーーーーーー…。」

 

「あ、一応他の人の事も考えてるんですね。」

 

バサラは頷いた。

 

「…全員に乗ってもらいたいからな。ーーーところでニュウ。コイツは如何だ??」

 

 バサラが指差したのは赤と黒のカラーリングの一台のバイク。

 

 雑に貼られた値札をピラピラさせながら、バサラがそこに書いてあるスペックを読み上げていく。

 

「総排気量:249cc。エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒…えー、後は…最高出力が33kW(45PS)/15,500rpm…つまり速いって事で良いのか?んで、値段が93万と5千ちょっと…やるねぇ。」

 

 バサラはそう呟きつつ、店の奥に向かって声を張り上げる。

 

「おーーい!!ーーーこの店の店長か、誰かいるか!?」

 

…しばしの静寂の後、店の奥から何処にでも居そうな小太りの男性が出て来た。

 

「…へ、へい。あっしですが。ーーー何か…?」

 

「コレ、買うわ。金はコッチな。」

 

 バサラはバイクの車体を軽く叩くと、アタッシュケースを彼に差し出す。

 

「コレにするんですか?バサラさん。」

 

「ーーーーーーおう。値は多少張るが、悪く無いと思う。」

 

そうバサラは言って、バイクの値札を剥がした。

 

 店長の男が、アタッシュケースを開いて中の札束を数えていく。

 

「えー……お釣りが出ますな。ーーーちょっと待ってて下さい。」

 

 

 そう言って彼が釣り銭を取りに、店の奥に引っ込んでいったタイミングで、表通りの方から何やら重々しいエンジン音が聞こえて来た。

 

 

ーーーーーーーーーブゥゥゥゥゥンッッ!!!!

 

 

 

「…ん?」

「……あ?」

 

 音がした方を2人が見ると、こちらにバイクの集団が向かって来るのが、目に留まった。…闇の様な黒塗りのカラーリングに、まるで髑髏の様な面をつけた、如何にも暴走族めいた集団だ。

 

「…なんかアレ、こっちに来てません??」

「…あぁ。来てんな…。」

 

そう言葉を交わす2人。

 

ーーーーーーーーーその時、ニュウはバイクの先陣をきる人物の顔(コイツ含め、何人かは面をつけていない。)を見て、多少驚いた。

 

「…あ!ーーーアイツ…さっきの!?」

「…は?」

 

 バサラは分かってなさそうだったので、ニュウは迫り来るバイカーを指差して叫ぶ。

 

「ちょっと前に、バサラさんがキン○マ潰した人ですぅ!!」

 

バサラがあんぐりと口を開いた。

 

「あぁッ!!アイツらか!?ーーー復讐しに来たってか!?早過ぎだろ!!まだ、1時間も経ってねぇんだぞ?!」

 

 その呟きが聞こえたわけでは無いだろうが、先頭に立つ『キ○タマ潰され男』がバサラに向かって声を張り上げて叫んだ。

 

「ーーーーーーーーーそこの白髪野郎ッ!!!よくも俺のタマァ潰しやがったなぁッ!!その罪、轢死で償えッッ!!!」

 

バサラの顔が歪む。

 

「マジかよ、めんどくせぇッ!!ーーーニュウ!一瞬で良いから時間稼げ!!」

 

「了解!!」

 

 ニュウはそう叫んで素早く銃を展開、具現化し、発砲。

 

 

ーーーーーーーーーパァンッ!!

 

 

 乾いた音と共に放たれた属性弾は、先頭を走る『キン○マさよなら男』の駆るバイクの前輪に命中し、タイヤをパンクさせる。

 

「おわぁっ!?」

 

 バランスが崩れ、地面に叩き付けられる『金的クリティカルヒット男』。

 

 叩き付けられた勢いで、彼は横を走る味方のバイクの前に身を投げ出してしまう。

 

「うわぁぁあぁっ!!??」

 

 慌てて避けようとする味方のバイカーだったが、間に合わず『キン○マ消失男』の頭を前輪で押し潰してしまう。

 

 グシャッーーーと言う、あまり聞きたく無い音がして、アスファルトに赤いモノが飛び散った。

 

 更に、『キン○マぺしゃんこ男』の操作していたバイクが他のバイクの進行を妨げる様な位置で道路に転がった所為で、それを避けようとしたバイカー達の隊列が乱れて行く。ーーー避けきれずに、第二、第三の転倒者も現れた様だ。

 

 

 

 

コレで稼いだ時間は僅かに3秒ぐらいだろう。

 

 しかし、その間にバサラは行動をしっかり起こしていた。

 

 ニュウの発砲と同時に店の奥にいる店主に向かって叫ぶ。

 

「悪りぃ店主!!釣りいらねぇからキーくれ!!!」

 

「わ、分かりましたッ!」

 

…咄嗟の出来事だったのに、店主は良く反応した方だと思う。ーーーバサラがそう言った次の瞬間には、彼の手に向かってバイクのキーが投げつけられていた。

 

「サンキューっ!!」

 

 キーを受け取り、流れる様にバイクに差し込むとエンジンを掛ける。

 

 グオォォォンッと轟く音と共にバイクが起動。起動したソレにバサラは慣れた手つきで跨り、後ろをバンと叩いてニュウに叫ぶ。

 

「乗れ!!」

 

ニュウは素早く後ろに飛び乗った。

 

「飛ばすぞ!!掴まれよ!?」

「はい!」

 

 

ーーーーーーーーー次の瞬間、バイクが急発進。バイクの凄まじい加速によって生み出されるGが、グン!と掛かってニュウは振り落とされそうになるが、なんとかバサラの腰にしがみ付いて耐える。

 

「ーーーーーーーーー待ちやがれぇぇぇッッ!!」

 

 逃げるバサラとニュウ。追うバイカー。……突如として、〈オーステルン〉で逃走劇が始まったーーーーーーーーー……。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

ーーーーーーーーーフルスピードで、大通りへ飛び出したバサラとニュウ。通りには、沢山の歩行者や貨物運搬用のトラックが行き交っている。

 

「テメェら、逃げられると思ってんのかぁ!!」

 

 直ぐ後ろからそんな怒号と共に、バイカー集団が飛び出して来る。ーーー先頭を行く髑髏の面をつけた1人が、2人に向けて叫んだ。

 

「ーーー俺達、〈快速団〉から逃げおおせた奴なんて、そうそう居ねえ!!…特にこの俺…〈快速王 ディアボロ〉から逃れた奴なんざ、誰一人として居ねぇんだ!!逃げても無駄だぞッ!?」

 

…バサラもまた、バイクを駆りながら叫び返す。

 

「ーーーわざわざ自己紹介どうもッ!!…別にアンタの名前なんて知りたくは無かったがなぁ!!」

 

 髑髏面の男ーーーディアボロは笑ったーーー様に見えた。

 

「ふっ……知る必要は無い…!ーーーーーーーーー何故なら、お前達は此処でハイウェイの藻屑となるからだぁッッ!!!ーーーーーーやれぇ!お前ら!!」

 

『うおおおおおおおッッ!!!』

 

 ディアボロの一声で、彼の周りのバイカー達が雄叫びを上げて加速する。

 

 更に彼らは懐から短機関銃ーーーー所謂SMG(サブマシンガン)ーーーーを取り出して、此方に向けて撃ち始めてきた。

 

弾丸がバイクを掠め、空薬莢が道路にばら撒かれる。

 

 

「うおっ!!ーーーーーーーバサラさん!アイツら撃ってきたっ!!」

 

「分かってる!!当たらねぇよう、仏に祈れ!!」

 

 そう叫んで、バサラはスクランブル交差点を勢い良く曲がる。歩行者達が何事かと驚きながら飛び退き、後から銃を乱射しながらやって来る快速団達を見て、悲鳴を上げながら逃げ出していく。

 

 放たれた銃弾は道を行くトラックや乗用車に命中し、フロントガラスを割り、タイヤをパンクさせ、道路上に混乱を齎して行った。

 

 

「…このままじゃ、道という道が滅茶苦茶になる…!ーーーバサラさん…俺、反撃します!!」

 

 

 そうニュウはバサラに言うと、手に握りしめて居た拳銃を変形させる。ーーーーーーーーー拳銃がガラス細工の様に砕け、一旦本来の〈セラムキューブ〉に戻り、すぐにニュウの意思で変形していく。

 

…ハンドガンよりも大きく、高性能な銃…… SMG(サブマシンガン)へとーーー…。

 

 同じSMGーーーーー但し、快速団どもが使っているモノとはタイプが違う。

 

ーーーーーーー彼らが持つのが高い携行性と連射性に優れた〈マイクロUZI〉に対し、ニュウが具現化したのは精密性に優れた〈MP5〉系統のSMGなのだ。

 

「…今思ったけど…バイク運転しながらUZIブッパとか、ほぼ当たんないよな…?ーーーーーー武器選びも大事だね。」

 

 ズシリとした重さを手に感じつつ、ニュウはボソリと呟く。

 

 そしてバイクから振り落とされない様、車体を両足で締め、迫り来るバイカー集団に狙いを定めると、トリガーを引いた。

 

 

ーーーーーーーーータタタタタタタタタタッッ!!!!

 

 

 軽快な音と共に、弾丸が放たれる。ーーー放たれた弾丸はバイカー集団に次々と命中し、バイクを転倒させて行く。

 

「うわぁっ!!」

「ぎゃーーーっ!?」

「…ヤベッ!!?」

 

 倒れたバイクは火花を豪快に散らしながら道路を横転、そして爆発する。

 

 

ーーーーーーーーードゴーーーーーン!!

 

 

 派手に吹き上がる火柱。…ニュウの脳内に、ノーマンが爆散する時のカーーンと言う爽快な音が自動再生された。

 

「ひゅう…!やるね流石。ーーー便利な能力だ。」

 

バサラが軽く笑って言った。

 

「…でもコレじゃ被害が広まるばかりです!!…どっかで奴らを上手く撒かないとーーー!?」

 

「分かってる!!ーーーーーーちょっと左右に揺れるぞ!?」

 

 バサラはそう言って、大通りから細い道ーーーーー商店街らしき場所へと、バイクを乗り入れた。

 

「ほらほら、退いた退いた!ーーー危ないぞ〜!」

 

 クラクションを鳴らしながら、バサラは歩行者達を避けて行く。ニュウが後ろを振り返ると、快速団達が商店街の入り口を素通りして行く所が見えた。

 

「ーーーーーーーーーアイツら、追ってこない…?いや、コレは……。」

 

 ニュウは一瞬、奴らが諦めたのかと思ったが、そうでは無い可能性にすぐに至った。

 

「…違う!ーーーバサラさん!!多分、回り込まれてます!!」

 

「あぁ、如何やらそうらしいな。…前見ろ!!」

 

「ーーーーーーーーー!!!」

 

 ニュウが前を見ると、商店街の出口に、快速団達がバイクを横付けして待ち構えて居た。

 

 抜け出す為に攻撃をーーーーーーーーーと、思った瞬間後ろからもバイクの迫り来る音がする事に気付いて、ニュウは振り返る。…見ると、後ろからもディアボロに率いられた一団が迫って来ていた。

 

 

ーーーーーーー迫り来るディアボロの髑髏の面と目が合う。

 

 

「…後ろからも来てるのかッ!!挟撃されてる、バサラさん!!」

 

「見たいだな…!路地に来たのは逆効果だったか。」

 

…こうなったら銃を2丁にするかーーーとまでニュウが考えた時、バサラが片手を上げて口を開いた。

 

「俺が前をやる。ーーー後ろ頼む。」

 

そう言ったバサラの手に紅の光が宿る。

 

 

「ーーーーーーー婆娑婆娑(バサバサ)。」

 

 

 そう呟いたバサラの手の内に、2枚の羽が互いを巻き込む様に絡まった球体が生まれた。

 

 

「…ッ!ソレがバサラさんの〈セラムキューブ〉…?!」

 

 

 息を呑むニュウ。キューブと言うよりはボールだが、ソレは間違いなく、彼の力の象徴であった。

 

ーーーーーーソレを躊躇いもなく握りしめ、そのまま砕くバサラ。

 

 砕かれた破片が火花の様に散り、煌きながらバサラの周りを舞い出す。

 

 

「ーーーーーーーーー〈ソリッドバレット〉。」

 

 

 その呟きと共に、周りを舞う15の火花が一斉に前に立ち塞がるバイク目掛けて飛んで行った。

 

「何ぃ!?」

 

驚いた快速団が避けようとするが、もう遅い。

 

…飛来した15の弾丸と化した火花がバイクを撃ち抜き、燃料タンクに火が引火して大爆発を引き起こす。

 

「「「ぎぃやぁーーーーーッッッッッッ!?」」」

 

 吹っ飛ばされる快速団達。ーーーーーーーーーコレで前はクリアとなった。

 

「おお!!…すごい!!」

 

 ニュウは彼の攻撃を称賛しつつ、MP5を構える。…狙うは、後ろを走るディアボロだ。ーーー彼らは、挟み撃ちが失敗したことに対して驚いている様子である。…故に向けられた銃口に、反応が一瞬遅れーーーーーーーーー…

 

「何っ!?…しまったぁッ!?」

「ーーーーーーーーーもう遅い!!」

 

ーーータタタタタタタタタタッッッ!!!!

 

…ーーーーーーーーー高速射撃の餌食となった。

 

 

「ぬおおッッッッッッ!!??」

 

バイクを撃ち抜かれ、横転するディアボロ。ーーーなんとか受身を取って、地面に体が叩き付けられることは避けた様だが、バイクは火花を散らして地面をバウンドし、

 

ーーーーーーーーードゴォーーーーーーーンッッ!!

 

…爆発した。

 

「…おぉ、受身取るのうまいな。ーーーでも、もう(バイク)壊れちゃったから、追っては来れないね。」

 

彼の上手な受身を称賛しつつ、ニュウはそう呟いた。

 

 

 

ーーーーーーーーーそしてその言葉通り、快速団がそれ以上、ニュウ達を追って来ることはなかった…………。

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーーーーーーもう大丈夫そうです。バサラさん。」

 

ーーーーーーー商店街から少し離れた大通りにて、ニュウはバサラにそう声をかけた。…そんな二人の横を、消防車がサイレンを鳴らしながら通り過ぎて行く。…商店街でバイクの爆発が起こした火事を止めに行ったのだろう。

 

「…あぁ、もう来ないみたいだな。」

 

少し速度を緩めて、バサラが軽くため息を吐いた。

 

「…はぁ、疲れたわ。俺。腹減ったし…もう速攻で帰るぞ?いいかニュウ?」

 

「了解です。」

 

バサラはハンドルを切りながらニュウに話しかける。

 

「お前は腹減ったか?」

「ええ。もちろん。」

 

「……そっか。」

 

バサラは運転したまま、軽く呟く。

 

「ーーーーーー何もしなくても腹は減るし…何かすりゃあ、もっと腹は減る…。なぁ、ニュウ。何で人は生きてるだけで腹が減るんだと思う??」

 

「いや…ソレは…生理現象でしょ?」

 

ニュウの答えに、バサラはまた笑った。

 

「はっ。ま、そうだな。…やっぱテメェは真面目だよ。」

 

 二人の乗ったバイクは一路、彼らの帰るべき場所へ進み続けていたーーーーーーーーー……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、ガソリン切れたわ…動かねぇ。」

「え??」

「…………帰りは歩きだな。」

「えぇ………。」

 

 

 





モンスト要素ドコ…ココ?

gtasa にこんなミッションありましたよね。バイク乗って敵のバイク集団と戦う奴。

グラセフに引っ張られすぎたわ。…マジデ。
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