モンスターストライク 〜星ノ呼ビ聲〜   作:犬社長

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あ、そうだ。書き忘れてたけど〈快速王ディアボロ〉はモンストに実在するキャラです。






16話 〈一致団結(敵が)〉

 

 

 

XXXX年 9月 25日

 

 

場所:〈移動要塞都市 オーステルン 繁華街郊外 イースター本部〉

 

 

ーーー快速団事件から、13日後ーーー。

 

 

 

 

 

 

 

「わぁ〜〜〜〜〜ッ!?止まらないよぉーーッ!??」

 

 〈イースター本部〉の無駄に広い駐車場にて、何やら騒がしい声が辺りに響き渡っていた。

 

「ちょ、落ち着いて!?…アクセルから手ェ離して!!ブレーキ踏むんです!!」

「ーーーーーーーーブ、ブブ、ブレーキッ!!」

「ちょ、そんなに勢い良く踏んだらーーーーーーーーー!?」

「ひゃあッ!?」

 

 

 ガクンッと駐車場の中程で、赤と黒の二輪車(バイク)が止まる。

 

 急ブレーキで危うく投げ出されそうになった乗り手の女の子ーーーーーーーーアミダは、小さく息を吐いて額の汗を拭った。

 

「危なかったぁ!?……ニュウ〜、やっぱり私には難しいよ。ーーーコレは。うん。」

 

 その彼女の呟きに、近くで様子を見ながら指示を飛ばしていたニュウは、軽く首を振って答えた。

 

「…いや、今のは危なかったけど、もうフラフラとはしなくなったので、アミダさんにも扱える様にはなったと思います。……な?ネオさんもそう思うよね??」

 

 ニュウの横で車止めに座り込んでいたネオはコクリと頷いた。

 

「うん。…パニックになりさえしなければ、もう大丈夫だと思う。」

 

アミダの顔が微妙な表情になる。

 

「うぅ〜ん。…そうかなぁ???」

 

「そーですよ。アミダさん。」

 

ニュウのその声に彼女は小さくため息を吐いた。

 

「はぁ…。ーーーだといいね。…あと、『さん』付けしなくて良いよ。…多分、ニュウの方が、多分私より一つか二つ上だし。本来なら私の方が『さん付け』しなきゃいけないからさ。」

 

「…んでも、アミダさんは〈イースター〉に置いては俺の先輩に当たる訳だし……。」

 

ニュウの弁明に、アミダは微かに苦笑した。

 

「やっぱ、真面目だねぇ〜。」

「…うん。」

 

ネオも同調して頷いた。

 

「ほらぁ、ネオちゃんもそう言ってるんだから、もうちょっと緩〜くなっても良いんだよ???」

 

「いやぁ…でもなぁーーーーーーーーー…。」

 

 

そうニュウが呟いた時だった……。

 

 

「ーーーーーーーーー!!…何か来る。」

 

 

ネオが呟いて立ち上がる。

 

「「………へ?」」

 

首を傾げる二人。

 

 

ーーーーーーーーーその直後に、黒塗りの高級車がいきなり駐車場に乗り込んで来た。

 

「ーーーーーーーーー本当だ、なんか来た!?」

「…誰だ!?…まさか…敵襲??」

「一台だけだから、多分違うと思うけど………。」

 

 目を丸くする3人の前でその高級車はキュッとブレーキ音を立てて止まると、後部座席のドアがガチャリと開き、中から厳ついオッさんーーーーーーーーー()()()()、ベージュ色のコートを羽織った茶髪の女性が飛び出す様に出てきた。首にはオレンジのスカーフを巻き付けている。

 

 

「ーーー如何も〜!!こんにちわ〜!!此処って〈イースター本部〉で合ってます?」

 

 

 溌剌とした声でそう尋ねられ、呆気に取られたまま頷く3人。

 

 その反応を見た女性はニンマリ笑って勢い良く頷いた。

 

「おぉ!!そーですか!!良かった良かった!突然で悪いんだけど、君たちに頼みたいことが有って来たんだ!!ーーーーーーーーーアタシを守って欲しいの!!!」

 

 

 

「ーーーーーーーーーはぁ…???」

 

 

 

 『いきなりなんだ』と顔を見合わせる3人。…と、そこで運転席側のドアが開き、中から秘書の様な格好をした女性が出て来た。

 

「…いきなりソレでは話が伝わりませんよ?!リコル社長??」

 

 目の前のコート姿の女性ーーーリコルは、『あっ』となって手を合わせた。

 

「確かにッ?!わかばちゃん、ごめーん!!」

 

 『わかば』と呼ばれた秘書らしき女性が、深々と溜息を吐いてニュウ達に頭を下げた。

 

「…はぁ。……先ず、急な訪問で申し訳ありません〈イースター〉の皆様。…今、お時間宜しいでしょうか?」

 

アミダは頷いた。

 

「えっと、大丈夫です。ーーー〈イースター〉に依頼ですか??」

「…ええ。そうです。」

 

「ならーーーーーーーーー…」

 

 アミダは、指で本部の方を指さして突然の来客達に告げる。

 

「…一階でお話、聞きましょうか。」

「はい。ありがとうございます。お邪魔します。」

 

彼女(わかば)は3人に頭を下げた。

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

ーーーと、言うことで場面は代わって〈イースター本部〉の一階。

 

 

 備え付けられたソファで寛ぎながら、リコルと秘書のわかばは、ニュウ達一同に訪問の理由を説明していた。

 

 

 

…因みに今本部に居るのはニュウ達3人のみである。(ハレルヤとカノンは一緒に繁華街へ買い出しへ、バサラは放浪中(どっか行ってる)。)

 

 

 

「えー…先ず最初に、自己紹介からさせて頂きます。…私、〈モンストドリームカンパニー〉所属、秘書の『わかば』と申します。宜しくお願い致します。」

 

丁寧な物腰でお辞儀をするわかば。

 

 丁度彼女の向かい側に居るニュウが、ペコリと頭を下げた。

 

「…コレはご丁寧に如何も。ーーーあー…(わたくし)はニュウと申します。」

「私はアミダです。宜しくお願いします〜。」

「……ネオです。」

 

 こちらの自己紹介はさっくりと終わり、次に口を開いたのはわかばの隣に座るリコル社長だった。

 

「…アタシはモンストドリームカンパニーの社長、リコルです。…今のところ社員は誰一人としていないけれどね〜…えへへへへ。」

「…笑うところじゃないですよ社長。兎に角、本題へ。」

 

 わかばの小さな突っ込みに、リコルはコホン…と軽く咳払いしてからニュウ達3人に話を始める。

 

「オッケー!……え〜っと、先ず何から…あ、そうだ。ーーーーーーーえっと、依頼について何だけど、貴方達に私のボディーガードを頼みたいの。」

 

「ボディーガード…ですか?」

 

ニュウが呟いた。

 

「…そそそ!ボディーガード!!」

 

リコルがブンブンと頷く。

 

「しかしまた、どうして私達に??…ボディーガードなんて、此処じゃなくともソレ専門の人達なら、たくさん居るのに。」

 

 そう疑問を呈したアミダに、リコルは少し困った表情を浮かべながら、答えた。

 

「えっとね〜。…先ず、敵の数が多いんだよね。」

 

「ほぉ??」

 

 ニュウの片眉がピクリと上がる。アミダもまた、困惑したかの様に呟いた。

 

「数が多い???……一体どう言う事…なんですか?」

「…………?」

 

 ネオは相変わらず無言だったが、3人と同様、頭に疑問符を浮かべていた。

 

リコルは順を追って説明していく。

 

 

「ーーーーーえっと。………先ず、とある大きなギャング団が〈オーステルン〉に元々有ったのね。ーーーで、そのギャング団は当時の首領が老衰で死んでから三つの派閥に分裂してたんだけど、アタシがやらかしちゃった所為で、その三つのギャング団が全部敵に回っちゃったんだよね。」

 

 中々大変な事になっている様だ。…ニュウ達は顔を見合わせた。

 

「…えーっと…因みに、何をやらかしたか聞いても…??」

 

リコルは頷いた。

 

「あーソレね。……説明すると、昔の首領が亡くなった後、彼の遺言に従って〈オーステルン〉の街並みが見下ろせる高所に首領のお墓が造られたんだよ。…眺めの良い所に埋葬してくれとか、そんな感じだろうね。」

 

「ーーーへぇ。…リーダーが死んだら、前リーダーの意思なんか知ったこっちゃない…みたいな感じで、すぐに後釜を巡って血で血を洗う抗争が起こるギャング団もあるのに。……その首領はよっぽど慕われてた奴だったんだな。」

 

少し感心した感じにニュウが呟いた。

 

リコルは話を続ける。

 

「そうだね。……で、アタシが何をやらかしたかって言うとーーーーーーーーーそのお墓勝手に撤去して、上に自分の会社建てちゃった……って訳なんだよね。」

 

「………んん????」

 

「その所為で三つの派閥に分かれ混沌を極めていたギャング達が、アタシを殺す為に一致団結パーフェクトキングダムして、アタシを探し回っているから、何とか助けて欲しいって事!!お願いできる???」

 

 

(((……馬鹿なんじゃないかなこの人。)))

 

 

3人の心は今完全な一致の時を迎えた。

 

 

「いやぁ…何というか…ソレって自業自得なんじゃね???」

「先ず建てる前に気付こうよ?お墓でしょ??見たら分かるじゃん???」

「…勝手に撤去されたお墓が可哀想だと思う。」

 

 ニュウ、アミダ、そしてネオがリコルに口々に突っ込んだ。

 

目に見えてしょんぼりするリコル。

 

「そりゃアタシも反省してるけどさぁ…。……いつ殺されるかビクビクしながら居るのも辛くて……。どうしよっかって考えた末に、実力の有る君達に頼むことに決めたの…。…助けてくれる???お願いしますぅ……。」

 

 すっかりしおらしくなってしまったリコルに、アミダが溜息をつきながら頷いた。

 

「…まぁ、うん。幾ら依頼主がPONでも、依頼を断る様な事はしないから、ソレだけは安心して欲しいかな。…内容は難しいけど。受けるよ、ソレ。」

 

 リコルの顔がパァッと輝く。隣のわかばも、顔を綻ばせた。

 

「本当ッ!?良かったぁ…!!今まで他の人からは断られてばっかりだったんだよ!!」

 

(…まぁ、でしょうね。)ーーーと言うのがニュウの本音である。

 

ーーーーーーーとは言え、受けると決めたからには、やるべき事をやるだけだ。

 

アミダ達は立ち上がった。

 

「因みに、コレから用事とか有るの?リコルさん。」

 

「…ええ。…商業区に、会社の内装品とかを揃えに行くつもりだけど…。」

 

アミダは頷いた。

 

「オッケー。じゃ、そこから護衛スタートという事で良い??」

 

リコルは勢いよく頷いた。

 

「勿論、もちろん!!一緒に居てくれるだけで、心強いよ?!」

 

 

 

ーーーーーーーーーこうして、突発的な社長護衛ミッションが、始まったのであった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも、やっぱお墓撤去は不味いって。」

「…いやぁ。小さくて古い感じだったし、別に良いかなって…。」

「ーーー道徳の勉強します?」

「反省してますぅ…。」

 

 





〈オーステルン〉には土などの自然物が無いので埋葬と言っても、焼いた後のお骨を入れた箱を墓石に見立てたもので覆う…みたいな感じです。

あと、モンストドリームカンパニー…絶対みんな忘れてるでしょ???

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