モンスターストライク 〜星ノ呼ビ聲〜   作:犬社長

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ダラダラ書いてたら、若干長くなってしまった……



17話 〈新米社長を護衛せよ〉

 

 

 

前回のあらすじぃ!

 

 

 余計な事をした所為で、三つのギャング団から命を狙われる羽目になったモンパニ社長〈リコル〉から、護衛の依頼を受けたニュウ、アミダ、ネオの3人。

 これから会社の備品を買いに行くと言うリコル社長の車に乗って、一行は複合商業施設へ向かっていたーーーーーーーーー…。

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

(……流石は高級車。滑らかに動くなぁ…。)

 

…窓の向こうを滑って行く街の景色を見ながら、ニュウはぼんやりと思った。

 

 彼は助手席に座っていて、隣には運転手のわかばさんが、後ろに他の3人が固まって座って居る。

 

 ネオはともかく、リコル社長とアミダは互いに話が盛り上がっている様だ。

 

「ーーーいやー、〈イースター〉の皆んながこんなに話し易い人だとは思わなかったよ!…反連邦組織だからちょっと色眼鏡で見てたケド、良い人じゃん君たち〜!!」

「えへへ…そう言われると照れちゃいますぅ。」

 

……ま、楽しそうで何よりではある。

 

「ねぇねぇ、わかばちゃん!この人達うちの社員にしたらダメなのかなぁ??」

 

「ダメに決まってるじゃ無いですか、社長?!〈イースター〉ですよ!?彼女達にはちゃんとした仕事が有るんですから!!」

 

 滑らかに車線変更しながら、わかばが呆れ返った様にリコル社長に突っ込んだ。

 

 アミダがちょっと興味を持ったかの様に話に入って来る。

 

「ーーーそう言えば、リコル社長って何の会社経営してるんですか??」

 

「お!良い事聞いてくれました!!ーーーアタシはコンサルタントの会社を経営してるんだよ。出来たばっかで社員はまだ居ないけどね〜。」

 

ーーーふむふむ、とアミダは頷きながら、彼女の話を聞いて行く。

 

「ーーーま、社員はまた見つけるとして、アミダちゃんは何か仕事に就くとしたら、何の仕事に就きたいの?」

 

 リコルにそう振られたアミダは、人差し指を顎に当てながら暫く考え込んだ。

 

「うーーん…余りイメージが湧かないけど、人助けが出来る仕事が良い……かな。」

 

「…ほうほうほう。じゃ、警察官とかかな?ーーー良いんじゃ無い?似合うと思うよ〜。」

 

 そうリコルは言って、今度は反対側に座って居るネオの方に話を振った。

 

「因みに〜ネオちゃんは、なにかコレがしたいとか、そう言うのある??」

 

 不意に話を振られ、窓の外をぼんやりと眺めていたネオは目を瞬かせた。

 

「…え。ーーーいや、特に考えてないです。」

 

「あ、そうなの?ーーーそっかぁ。……うーん、コレは完全にアタシの一方的な見解になるけど、ネオちゃんはwebデザイナーとかやってそうなイメージがあるかな〜。…パソコンめちゃくちゃ高速で叩いてそうな。」

 

 ニュウの脳裏に、PCに向き合って高速でタイピングするネオの姿がフワッと浮かんだ。(何故かメガネ付き。)

 

「あ!でも、ネオちゃんアレだ…えっと、CA(客室乗務員)やってそうな感じもあるかも??……容姿端麗だしね〜。」

 

 ニュウの脳裏に今度は、スチュワーデス姿のネオがフワッと浮かんだ。(朝焼けの中飛ぶ飛行機付きで。)

 

(割と似合う……。)

 

ーーーーーーーーーそうニュウが心の中でボケっと思って居る内に、目的地に着いた様だ。

 

 車が緩やかにスピードを落とし、目的地である複合商業施設へと進入して行く。…取り敢えず、道中では何も起こらなかった訳だ。

 

「……此処に来るまでには、何も起こりませんでしたね。」

 

ーーーーーーーーー駐車場に着き、車から降りたニュウがわかばに対してそう言うと、彼女も頷いた。

 

「ええ、そうですね。…流石に四六時中張り付かれてる訳では無いですから…。でも、油断は出来ません。」

「分かってますよ。…常に警戒して居るので。」

 

 ニュウは頷く。ーーー要人警護なら少しだが、やった事がある。…まさか此処でもする事になるとは思わなかったがーーーーーーーーー…

 

(……ま、今はコレで良い。…兎に角、護衛の対象から離れない様にしながら、警戒して行こう。)

 

 そうニュウが心の中で思って居ると、わかばが隣で口を開いた。

 

「…そうですね。では、社長達に追い付きましょうか。」

「…ん?追い付く?」

「はい。ーーーもうあんなに遠い所に。」

 

ーーーーーー見ると、リコルはアミダと二人で、既に駐車場のだいぶ離れた所を歩いていた。…大きな施設にテンションが上がって居るらしい。

 

「ーーーちょ、リコル社長!?……アミダさんが居るとは言え、あんまり遠くへ行かないで下さい!?」

 

慌てて、後を追うニュウ。

 

「…活発な人だね。」

 

…ネオがポツリと呟いた。

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

ーーーーーーーーー所変わって商業施設の中。

 

 

 

 買い物とは一体何なのだろうかとニュウは思っていたが、実際に備品の選択や買い物をするのはわかばの役割らしく、リコル社長は施設の中をただブラブラして居るだけで終わってしまった。

 

 

……これに関しては、リコル社長が適当と言うよりかは、わかばが秘書として有能すぎて、全部彼女がやってしまっていただけだが。

 

 

「わかばさん、すごいテキパキしてる…優秀な秘書さんなんだね!」

「ふっふーん!わかばちゃんは最ッ高の秘書だからね〜!アタシの出る幕は此処には無いよ。…まじで。」

 

 そう言っているリコル社長とアミダを横目に、ニュウは周りを警戒しつつ見渡していた。…コートの懐には何時でも取り出せる様、拳銃を実体化させてある。

 

「…そんなに気を張らなくても、良いんじゃ無いかな?」

 

…いつの間にか後ろに来ていたネオが小さく呟く。

 

 ニュウが振り向くと、彼女は店の中によくある長椅子に座って足をぶらぶらさせていた。

 

「いや、分からないよネオさん。…もしかしたら、室内で銃撃戦が始まるかも知れないし……。今この瞬間にも角から刺客が飛び出してくるかも……。」

「真面目。」

「いやぁ………」

 

 二人の話は此処で途切れた。…少し離れたところでは、相変わらずアミダとリコルが盛り上がっている。

 

「ーーーニュウくんはやっぱり警備員って感じかもね。」

「確かに!彼すっごい真面目なんですよ!…警備員ってよりか、まるで軍人みたいなーーーーーーーーー…」

「ーーーあぁ、わかる。なんか優秀だけどーーーーーーーーー……」

 

 

ーーーそれ以上は聞く気が無くなって、ニュウはネオの隣に立った。

 

 

「…………。(チラッ)」

「…………。(無言)」

「………………。」

 

(ーーーどうしようか……。喋る話が…無い!全く無い!皆無!!)

 

…ニュウが悶々としている間も、沈黙は続く。

 

 

『〜〜〜〜〜♬♩♪』

 

 

 その沈黙を、館内放送で掛かっているゆったりとした音楽が埋めていく。…ネオはヘッドホンをしているから聞こえていない様だが。

 

「…………何時もヘッドホンしてるけど…何の歌聴いてるんですか…?」

 

 やっとの事でニュウが絞り出した会話に、ネオは前を見たまま答える。

 

「……『two for all』。」

「…おぉ。…知ってますソレ。何度か聴いたことが…。」

 

ーーーネオがチラリとこっちを見た。

 

「知ってるの?」

「…あーはい、有名ですから。…後は…『背徳』も俺は好きですね。」

「…そう。ーーー今、聴く物とか何か持ってるの?イヤホンとか…。」

「…いや。今は何も。」

 

ネオは軽く頷いて、また視線を前に戻した。

 

「……そうなんだね。」

「…ええ。」

 

 

 

ーーー再び2人の間に沈黙が舞い戻ってきたが、間も無くして秘書のわかばが買い物を全て終えて戻ってきた為、この沈黙は長く続かなかった。

 

…ソレに安堵しつつ、ニュウと一行は店を離れる事にしたーーーーーーーーー…

 

 

 

 

◇◆◇〈車内にて〉◇◆◇

 

 

 

 

「…次は何処向かうんですか?リコル社長ー。」

 

アミダの問いかけに、リコルは笑って答える。

 

「次はアタシの会社に戻るよ〜。人を社内に招き入れるのは初めてなんだ〜。でっかい会社じゃ無いけれど、がっかりはしないでね。…えへへ。」

「おー。リコル社長の会社かぁ。期待しときますねー。」

 

リコルは苦笑した。

 

「…いやいや。…期待して良いのは眺めだけだよ。ーーーその眺めの良さのせいで、今大変な事になってるんだけどね………。」

 

…確かに、とニュウが思ったその瞬間だったーーーーーーーーー

 

 

「…あら?後ろの車なんだかーーーーーーーーー」

 

 

 運転しながら、バックミラーをチラリと見たわかばが、訝しげに呟いた時、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

ーーーーーーーーーガクンッ!!

 

 

…次の瞬間、道路のど真ん中でリコル達を乗せた車が急に減速する。

 

「きゃっ!?」

「わぁ?!」

「…!!」

「ーーーーーーーッ!!」

 

 慌ててニュウが速度計を見ると、60キロ出していたはずの車の速度が、一気に自転車並みの15キロまで落ちていた。…決してわかばが急ブレーキを踏んだ訳では無い。

 

「……減速ッ!??」

 

「えっ、何で!?」

 

 わかばがアクセルを踏んで再び加速しようとした瞬間ーーー

 

 真後ろに来ていた何でもない様な乗用車が、ギャッと音を立ててリコル達の車と横並びになった。

 

ーーーーーーーー並行して走る車の半開きのウィンドウから覗くのは〈セラムキューブ〉の光と、鈍く輝く銃口。

 

 

「ーーーーーーーーー敵襲ッ!!」

 

 

 高速で理解したニュウは、助手席から手を突き出して銃を発砲ーーーーーーーーーするのと、相手の車がこちらの車に向けて発砲するのが、同時だった。

 

 

ーーーーーーーーーダンッ!!ダァンッッ!!!

 

 

 バキィンッッッと音を立てて、リコル達の車のガラスにヒビが入る……一応、防弾ガラスだったらしい。

 

「うわぁ???!!!」

 

突然の衝撃にリコルの体がビクッとなる。

 

ーーーーーーーーーもう一方で、ニュウの放った弾丸…属性弾は、半開きの相手車両の窓から入り込み、銃撃者のこめかみを穿った。

 

…銃撃者が血を噴き出しながら倒れる。その奥に、もう1人〈セラムキューブ〉を手にした男らしき人物が居て、此方にキューブをかざした。ーーー彼の手に浮かぶソレが強く瞬く。

 

 次の瞬間、またリコル達の車の下から青い光が発生し、今度こそ車は完全に停止してしまう。

 

「…減速能力だとッ!!…厄介な能力持ちがいるなッ?!」

 

 そうニュウが叫んだ瞬間、前方と後ろから似た様な車が姿を現した。…間違いなく、襲撃者の仲間だろう。

 

「みんな車から降りろ!!…此処に居たら袋の鼠だ!!!」

 

 そうニュウが声を上げると、全員が一斉に車から飛び出した。アミダとネオがリコル社長を守る様に前に飛び出し、ニュウは背後にわかばを庇う様に立つ。

 

…接近してくる後続車から、〈セラムキューブ〉の複数の輝きが見えた。

 

「…相手も〈新人類〉か!!」

 

 そうニュウが呟いた瞬間、無数の属性拡散弾が一行に襲い掛かる。

 

(コレはーーーーーーーーー車を盾にするしか…!!)

 

 そうニュウが思った時には、既に属性弾は迫り来ていた。

 

「ーーーーーーーやべぇ!!」

 

 回避が間に合わない……そうニュウが息を飲んだ瞬間、ネオが動く。

 

 彼女の手に生じた複数のキューブが回転し、彼女を包み込む。そしてネオは叫んだ。

 

 

 

「ーーーーーーーーー〈シールドモード〉!!!」

 

 

 

 全員を覆う様に、透き通った青い円形の盾が現れる。そして、ネオの体にも、要所要所を守るプロテクターの様なものが出現ーーー具現化して実装された。…胸を覆う様に現れたプロテクターに、青い盾の絵の様な紋様が浮かび上がる。

 

 

ーーーガキーーーーーーンッッッ!!

 

 

 ネオが前に突き出した円形のシールドに属性弾が命中し、全て欠けらとなって散る。

 

「グッジョブ、ネオちゃん!!…このままッ!!」

 

 ネオの後ろから飛び出したアミダがそう言って、自分の〈セラムキューブ〉を顕現させた。円環をなすメビウスの輪の様にも見えるソレをアミダが握ると、ソレが虹色のリボンの様に解け、展開、延長、変形し一振りの剣を生成する。

 

 

「私がーーーーーーーー斬る!!!」

 

 

 アミダがソレを勢いよく縦に振ると、金色に輝く斬撃波が生まれ、迫り来る車をそのボディごと綺麗に真っ二つにし、爆散させた。

 

 

 

ーーーとは言え、後ろから来る車はもう一台あるがーーーーーーーーー…

 

「あと一台ーーーーーー…」

「…アレは俺が引き受ける!!」

 

ニュウはそう言って己の〈セラムキューブ〉を変形させた。

 

 威力の弱い拳銃形態から、たった1発で敵を無力化出来る最大の火力を発揮する武器へーーーーーーーーー…

 

 

「…コレで倒す!」

 

 

 そう言い放ったニュウの肩に光と共に具現化したのは、どっからどう見てもーーーーーーーーー…

 

 

「「…ば、バズーカッッ!?」」

 

 

ーーーーーー携帯式対戦車ロケット弾発射器……即ちバズーカ砲だった。

 

…ソレを構え、迷わずトリガーを引くニュウ。

 

放たれたのは特大のロケット弾ーーーー…もちろん、〈セラムキューブの力〉が具現化した物であり、本物では無い。

 

ーーーしかし、威力は本物…若しくはそれ以上だった。

 

 発射されたロケット弾は、迫り来る車に向かって飛翔すると、着弾と同時に激しい白爆発を引き起こす。……車は跡形も無くなってしまった。

 

「わぁお。……私より派手じゃん。」

 

爆風に煽られながら、アミダがそう呟いた。

 

「ーーーーーー!!…まだ来てる。」

 

 目を細めてネオが呟く。…ニュウが見ると、また新たに数台の車が此方に向かってやって来ているのが見えた。

 

「確かに…最初、リコル社長さんが言ったみたいに…敵は多いな。ーーー流石は三つのギャング団の混成部隊。キリがない。」

 

 ニュウはそう呟いて、頭の中で次の動きを考え始めた。…少なくとも、このまま道路上で戦い続けるのは余りよろしく無い。

 

(…周囲に被害が出る前に、どうにかしないと。)

 

 そう、ニュウは思えど、この状況下では如何にも出来ない。…戦う以外には。

 

ーーーしかし、意外にも戦う選択を向こうの方は取らなかった。

 

「おらぁ!喰らえ、〈ウィンド〉!!」

 

 そんな声と共に、強烈な風がニュウ達に押し寄せて来たのだ。

 

「うおっ!?」

「風ぇ?!」

 

 吹き付ける強風に堪らず吹き飛ばされるニュウ達。…普通の風では起こり得ない力で、重い車すら浮き上がってしまった。

 

 更に、風によってニュウ達はリコル社長達から引き離される形になる。

 

(…ソレが狙いか!?)

 

 ニュウがそれに気付いたが、もう遅い。相手の車が自分達とリコル達を隔てる様に突っ込んでくる。

 

ーーーそして車から何人かの人影が飛び出して来た。狙いは勿論リコル社長達……。

 

「…させないッッ!!!」

 

 アミダがそう言って、剣をさらに変形させ一挺の拳銃を生成する。…ニュウのモノに似ているが細部は違うソレを構え、発射。

 

ーーーーーーーー放たれたのは、弾丸と言うよりかはビームの様な光の奔流だった。ソレが相手の車を一台穿ち、爆発させる。

 

…その爆発で吹き飛ばされる様にして、車の包囲網から脱するリコル社長。しかし、わかばは逃れきれずに捕まってしまう。

 

「おめぇら!!」

 

 わかばを拘束したギャングの1人が他の仲間に向かって叫んだ。

 

「コイツらと此処で戦うな!!…コイツら〈イースター〉だぞ?!秘書は捕まえた!一旦引け!!」

 

『ーーーーーーーーーうす!!』

 

 彼らの動きは素早かった。ーーーあっと言う間にわかばを車の中に押し込むと、喧しいエンジン音と共に急発進。ニュウ達から遠ざかって行く。

 

「ああーーッ?!わかばちゃん!?」

 

「ッ!…アイツらぁ!!」

 

 アミダが銃を撃つが、十字路を素早く曲がって消えていったギャング団の車には当たらず、信号機を撃ち抜いて破壊するだけで終わってしまった。

 

 

ーーーーーーーーーわかばは、連れ去られてしまったのだ………

 

 

 





 本当は前の話とこの話で終わらせたかったんだが、思いの外長引いて終わりが次回になった上、前の話で展開進めなさ過ぎてこの話でめっちゃ詰め込む羽目になった…

皆さんは話の展開は計画的に…しようネ!

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