モンスターストライク 〜星ノ呼ビ聲〜   作:犬社長

25 / 113

4話のカロリーゼロの下りは修正して来ました。

あと、各章のタイトルも少し弄ってあります。




第2章〈星屑の街〉〜第一節 脱走者編〜
25話 〈星屑の街へ〉


 

 

 

 

 

 

 

……歌が、聞こえた。

 

 

 

 

……♭♬♪♭♬♪……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーーーーーーー!!」

 

ネオはふと()()()手を止めて、2階の窓の外へ顔を巡らせた。

 

……透き通った青空の向こうに、微かに《あれ》が見える。

 

「………星の花…。」

 

ネオのその呟きに、隣で寿司のイカを噛み切ろうと悪戦苦闘しているニュウが首を傾げた。

 

「…むぐ?…何か言った???」

「ううん。ーーーーーーなんでもない。……と言うか、イカまだ噛み切れてないの?」

「………むがむぐごむむ。(これ弾力ありすぎなんです。)」

 

もごもごするニュウにスッとお茶が差し出される。差出人はバサラだ。

 

「ーーーーーー取り敢えず茶飲んで、ゆっくり噛めニュウ。」

「…むぐもぐ。(どうも)」

 

差し出されたお茶をニュウが飲んでいる傍らで、アミダが外を見ながら呟いた。

 

「おー…〈星の花〉が見えてきたね。………〈アステール〉は直ぐそこだよ。」

 

それを聞いたイースターの面々が、窓から空を仰ぎ見た。

 

「……おぉ。相変わらず地の果てで偉そうに踏ん反り返ってやがる。」

 

バサラがマグロ寿司を口に放り込みながら呟いた。

 

「……こっから遠い筈なのに、近く見えるよね。…〈星の花〉ってさ。」

 

ハレルヤがそう言って、お茶を一口飲んだ。

 

隣でカノンが小さく頷く。

 

「……私は何だか安心するな。……近くで見守って居てくれてるみたいで。」

「………俺には見守っている様には見えねぇんだよなぁ。…どっちかって言うと見下してるみたいに感じるぜ……。」

 

…そんなバサラの呟きを聞きつつ、ニュウは〈星の花〉を見つめる。

 

地平線の彼方に見える〈星の花〉は、確かにバサラの言う通り全てを見下し、睥睨する様にも見えるし、カノンの言う様に凡ゆる者を遠くから見守っている様にも見える。

 

(………不思議な物だ。ーーー《アレ》がなんなのか、まだ誰もよく理解して居ないと言うのに《アレ》がある世界が最早当たり前となっている。)

 

 

ーーーーーーー理解出来ずとも確かにソコにある物。

 

 

…嘗て人はソレを〈神〉と呼んだ。……今も人はそう呼ぶのだろうか?

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

星暦XXXX年 10月 19日

 

 

場所:星屑の街〈アステール〉

 

 

 

大地に六芒星を描く様に築かれた街ーーー〈アステール〉。

 

 

 

………嘗て、連邦政府は新人類達を管理・監視する為にこの街を作り出した。

 

此処に集められた新人類達は、連邦の謳う〈新人類による新人類の為の街〉と言うスローガンとはかけ離れた連邦政府からの徹底的な監視下に置かれる事となったのだ。

 

 

ーーーーーーーしかし、紆余曲折の末この街は連邦の束縛より解き放たれ、真の意味で新人類達の街となった。

 

…新人類達にとって、この街は連邦からの解放を表す希望の証でもある。

 

そんな街に今、移動要塞都市〈オーステルン〉は停泊していた。

 

ーーーーーーこの街で、この先の運行に必要な物資を補給する為である。

 

物資の補給は長い時間がかかる。…まぁ、万を超える人を乗せた巨大な要塞都市なのだ。物資の消費も激しいし、ましてやこの都市は動く。…動かす為の燃料の量は馬鹿にならない。

 

………その間、〈オーステルン〉と〈アステール〉は自由に行き来できる様になる。

 

〈アステール〉から〈オーステルン〉にもたらされるのはモノだけじゃ無い。……人もまた、動くのだ。

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「ーーーーーーーさて…〈アステール〉に着いた訳だが、今回はそんなに長居はしないだろうな。……どうせ、2ヶ月後には戻って来るんだし。」

 

ーーーーーーーーー所変わって〈イースター本部〉。

 

昼食に、バサラの誕生祝い的な感じで寿司を食べていたイースターの面々だが、今は食事も終わり各々好きな事をしている。

 

「……2ヶ月後…?」

「ああ。…知らないか?ニュウ。2ヶ月後に〈アステール〉で何が始まるか。」

「………2ヶ月後…あぁ、そうか。なるほど。」

 

眉を(ひそ)めていたニュウが、納得した様に首を縦に振る。それを見たバサラが頷いて続けた。

 

「ーーーそうさ。…〈獣神祭〉が始まるのさ。」

 

 

 

ーーーーーーーーー〈獣神祭〉。……それは12月の半ばから、1月の初めにかけて行われる新年を迎える為のお祭りである。

 

これの歴史自体は古く、何百年も昔から、地域によって名称は異なれど行われてきた祭典であり、その起源を遡るのは難しい。

 

「…何百…もしかしたら、何千年も前からこの星で祝われている祭り。…それは〈星の花〉によって世界が変わった後でも、変わらず続いている物の一つだ。」

 

窓の外を見つめながら、バサラは話を続けていく。

 

「ーーーーーー過ぎ去り行く古き年に感謝し、これから訪れる新年を祝い迎え入れる為の祭り。……〈獣神祭〉には新人類も旧人類も関係ねぇ。皆、一緒になって新しい年の訪れを祝うのさ。」

 

「ーーーーーー特に此処、〈アステール〉の獣神祭は豪華絢爛だと有名だ。…元々は連邦が〈アステール〉のイメージ向上の為にわざと派手にしてたが、今年から連邦はもう〈アステール〉に干渉しなくなった。…手を引いたからな。」

「………じゃあ、今回の祭りはこの街始まって以来初の、完全な〈新人類による新人類の為の祭り〉になるって事ですか?」

 

バサラは頷いた。

 

「ああ。…この1年間で、〈アステール〉は新人類の希望の象徴として自らの情報を発信し続けてきた。……今度の祭りはデカくなるぞ?なにせ、解放記念日みたいなモノでもあるからな。〈オーステルン〉も祭りに来いって呼ばれてる。他にも、反連邦勢力が幾つか祭りに呼ばれてるそうだ。ーーーーーー連邦からして見れば顔面蒼白モンだろうなぁ。なにせ、反社勢力が一堂に会すんだぜ?…連邦にとって、コレ程恐ろしい話は無いだろうな。」

 

そう言って、バサラは笑った。

 

「……ま、それはともかくだ。今はまだ〈獣神祭〉の時期じゃねぇ。祭りの話よりも、先に話しておくべき事があるからな。」

「………ん??」

 

ニュウは首を傾げた。そんな彼に…と言うよりイースター全員に聞こえる様に、バサラが手を上げて口を開く。

 

「…さ、折角〈アステール〉に着いたんだ。降りるぞお前ら。ーーーーーー()()()()()()()の方にも、顔出しておこうじゃないか。」

 

 

………続く

 





変な所で話を区切ってしまいましたが、許して下さい……

話の区切り所が見つからなくてネ。

次回は〈イースター支部〉のメンバーを紹介します。

…一応、4話で『今、紹介できるメンバーはコレで全員』って言ってたり、態々〈イースター本部〉なんて言葉使いをしてたりと、伏線(?)の様な物は貼ってあったので後付けの設定とかじゃ無いです。…だから安心してネ。超獣神祭限定キャラもまだ登場してない人居るし。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。