モンスターストライク 〜星ノ呼ビ聲〜   作:犬社長

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前回の補完

・舞台となる移動要塞都市ですが、原典では、ただ単に〈イースターの移動要塞〉ってなっているんですね。名前が無い。…それは寂しいし、やり難いので〈オーステルン〉って名前を付けました。

・ニュウ君は、公式のイラストが存在しない…しないよね?…なので、完全にオリジナルの妄想となっております。一応、ネオと並んだ時、違和感無い感じに調節してるので、多分大丈夫…ハイ。





3話 〈星が産みし獣とその訪れ 〉

 

 

 

 

 

 

〈移動要塞都市 オーステルン〉とは。

 

 

 

ーーーーーーーーー数ある移動要塞の中でも上位に位置する人口と、規模の大きい都市面積を持つ、()()()()()()()()()()()()()である。

 

 

 

 

 

 

……さて、ココでザックリと〈連邦政府〉について説明しておこう。

 

 

 前回述べた通り、この星は今、〈星の花〉と人類にのみ有害となる瘴気〈星のセラム〉によって覆い尽くされている。

 

 そして人類の中には、〈星の花〉を武力をもって破壊しようとする集団が存在し、それが現在(いま)〈連邦政府〉を名乗って居る訳だ。

 

ーーー多くの加盟要塞都市に支援されながら、この星を再び人類のモノにする。………その為に、ありとあらゆる手段を講じ、〈星の花〉の破壊…及び〈星のセラム〉の消滅を目的とする…〈連邦政府〉とは、そんな世界的な組織なのである。

 

 

ーーーーーーーーー但し、彼ら連邦の行い全てが一概に褒められる物では無いが……。ーーーーーーそれについては、また機会があった時に説明する事にする。

 

 

 

………では、話を始めよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

ーーーーーーーーー青い空に浮かぶは白い雲。

 

 

ーーーーーーーーー風が吹き、太陽の光が暖かさと明るさを、広く遍く投げかける。

 

 

 

……そんな美しい…実に美しい世界(そら)に、ポツリと〈黒〉が現れたーーーーーーーーー……

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

「………!!!」

 

 

 

彼女(ネオ)は、弾かれた様に顔をあげて歩みを止めた。

 

透き通る様な空を見上げて、ポツリと呟く。

 

 

 

「ーーーーーーー〈ノーマン〉。」

 

 

 

 彼女の青空色の瞳に、黒い米粒の様に小さい影が映し出されたーーーーーーーーー。

 

 

 

……次の瞬間、ネオはその場から走り出す。素早く近くの高さ30メートルはあろう細長いタンクの上へ、その華奢そうな身体のどこからそんな力が出せるのかと思うぐらいの跳躍力を発揮して、一足跳びで飛び乗った。

 

 

ーーーーーースムーズにスタッと着地。タンクの上は風が強く、彼女の水色がかった長い髪をバサリと揺らめかせる。

 

 

「……結構居る。ーーーーーーー等級は…〈三ツ星〉ぐらい?」

 

 

前方に広がる大空を見渡して、ネオは呟いた。

 

………彼女の視線の先には、美しい青い空の至る所に、この場には不釣り合いな〈黒い影〉たちが舞っている。

 

 

 

 

ーーーーーーーーー壊獣〈ノーマン〉だ。

 

 

 

 

 

ウォォォーーーーーーーーーーーーーーーン………

 

 

 

…彼女の耳に、要塞都市の発する緊急警報のサイレン音が風に乗って聞こえてくる。

 

 それと同時に、電話のコール音が上着のポケットから聞こえてきた。…出ない理由は無い。

 

 

「ネオです。」

 

 

…電話の主は男性だった。ーーーネオの良く知っている声だ。

 

「もしもし?…ネオ、今何処にいる?」

 

 ネオは、空の彼方より迫り来る〈ノーマン〉を見据えながら応える。

 

「ーーーーーーー都市の外周部。ノーマンが出現したのを目視で確認していた所。ーーーーー都市の迎撃施設は準備が間に合ってない……私が出る。」

 

電話の向こうで、軽く頷く気配がした。

 

「…分かった。ーーーーーー伝えておくよ。…ああ、そうだ。最大警戒レベルじゃないから、多分大丈夫だとは思うけどーーーーーーー気をつけてね、ネオ。」

 

「……分かってる。ーーーーーーーーありがとう。」

 

 ネオは電話の向こうに礼を言ってから、通話を切った。そして、再び空を見上げる。

 

 要塞都市に迫る影は、もうハッキリとその姿形が分かるぐらいに近づいていた。ーーーーーーーーーこれ以上、近付かせる訳にはいかない。

 

 

「…行こう。」

 

 

そう呟いて、掌を空にかざす。

 

 

 掌に浮かび上がるは、()()()()()ーーーーーーーーー〈セラムキューブ〉ーーーーーーーーー。

 

 

 あたかも、ルービックキューブの様に複数の小さな立方体が組み合わさって、1つのキューブを形作っている()()を、ネオはクルッと手の中で回してから、声高らかに言葉を放つ。……自らを、戦いの中へ誘う言葉をーーーーーーーーーーーーーーーー…

 

 

 

 

 

「〈()()()()()()()〉ーーーーーーON。」

 

 

 

 

ーーーーーーーーー次の瞬間、ネオの手の中にあったキューブが弾け飛び、彼女の周りを取り囲む様に回りながら、形を変えていく。

 

 

 幾つかのキューブが寄り集まって機械の翼の様な形を取り、彼女の背にスライドして実体化したかと思えば、別のキューブの集まりが彼女の足ーーーーーーブーツに集まっていく。

 

 ガシャン!!…と、力強い音と共に、彼女の足に靴と一体化した薄青いスラスターが現れる。

 

 そして、スラスターのくるぶし辺りに、羽根の生えた靴の様な紋様が、光り輝きながら浮かび上がる。

 

ーーーーーーーーーソレで変化は終了だった。

 

 

 

「………よし、行ける。」

 

 

 

 彼女はそう呟いて、タンクの上から身を宙に投じる。

 

ーーーーーーーーー彼女の体は重力に引かれ、地上に向けて落ちる………かに見えた瞬間、背中の翼と足のスラスターが、青い光を放ちながら、彼女の身体を持ち上げる。……重力など無いかのように、フワリと、軽々しく、鳥のように。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーそして彼女(ネオ)は空を舞った………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

『オォォォォォォォォォン………………………』

 

 

ーーーーーーーーー空に響くは、壊獣〈ノーマン〉達が放つ無機質な鳴き声だ。

 

 

…奴らが何を思って生きているのかなんて、分かるはずも無い。故に、理解し合うことはできない。………ならば、戦うのみ。

 

 

「…あまり、時間は掛けられない。最初から、一気に行く…!」

 

 

 ネオは、そう1人で呟きながら、〈ノーマン〉の群れの中へ単身、突撃していった。

 

 

『ーーーーーーーオォォォォォォォ……………!!!!』

 

 

 接近してきたネオに、〈ノーマン〉達の無機質な敵意が向けられる。

 

 そして、彼女に向けて閃光と共に、無数の5属性に輝く光線(レーザー)が放たれた。

 

 

「………ッ!」

 

 

ソレを避けるネオ。

 

 上から…下から…更に左…そして右………空の上では、360°から攻撃が飛んでくる。しかし、高速で飛行するネオには、掠りもしない。

 

 

 

…さっきまで雲が浮かんでいただけの快晴の空が一転、色とりどりのレーザーが乱舞する戦場と化したーーーーーーーーー

 

 

(たとえ、〈三ツ星級〉だとしても、レーザーは受けると痛い………。でもーーーーーーーーー…)

 

 レーザー網を掻い潜って、ネオは〈ノーマン〉に接近する。彼女の手には、いつの間に取り出したのか、細いレイピアが握られていた。

 

 

「ーーーーーーーーー当たらなければ、どうと言う事は無い。」

 

 その呟きと共に、レイピアが振るわれて〈ノーマン〉の1匹が刺し貫かれる。

 

「………次。」

 

 刺し貫いた〈ノーマン〉の息が絶えるよりも先に、ネオは次の〈ノーマン〉を貫いていた。

 

「………次。………次。………次。………次………。」

 

 彼女の呟き一つにつき、一つの〈ノーマン〉が刺し貫かれて息絶え、寿命を終えた星のように、輝きながら爆発する。

 

…そう、倒された〈ノーマン〉は派手に爆発するのだ。……なんでかは知らん。

 

 

ーーーーーーーーーそれはともかく。ネオは順調に〈ノーマン〉の数を減らしつつあった。彼女の通った後の空には、〈ノーマン〉が爆発四散した後の、残骸が漂うのみとなっている。

 

………このまま行けば、あと少しで押し切れるーーーーーーーーー。

 

 

 

『…キュゴォォォォォォォォォォォォォンッ!!』

 

 

 

ーーーーーーーーーが、そう簡単に蹴散らせないのが〈ノーマン〉だ。

 

 先程よりかは幾らか感情の宿った咆哮と共に、ネオに向けて光線(レーザー)とは違う、光り輝く弾丸のようなモノが幾つも放たれた。

 

…それは彗星のように尾を引きながら、ネオを追いかけるかのように飛来して来る。

 

 

「コレは……追尾弾(ホーミング)…!」

 

 

 直線的な光線(レーザー)と違って、追尾弾(ホーミング)は対象を追尾する効果が有る。

 

ーーーーーーただ避けるだけでは、対処不可能なのだ。

 

 

 だから、ネオは逆に突っ込んでいった………迫り来る追尾弾(ホーミング)の雨嵐の中へーーーーーーーーー

 

 

(全てーーーーーーーーー弾き返す…!)

 

 

 そう心の中で宣言しながら、ネオは自らを追う夥しい数の追尾弾(ホーミング)と対峙する。

 

 そして、手に持ったレイピアを構え、飛来する追尾弾(ホーミング)をすれ違いざまに弾き返し始めた。

 

 ガキン、ピチュン、と追尾弾(ホーミング)とレイピアが接触しては爆ぜる音が辺りに響き、発生した爆炎と煙が、ネオの姿を覆い隠す………。

 

 

 

ーーーーーーーーーそして、煙が晴れた時。………ネオは、まだその場に立っていた。…しかも無傷で。

 

 この攻撃で被った被害と言えば、服の所々に黒い煤が付いたぐらいだが、元々の服装が黒いので、余り目立ちはしない。

 

 

ーーーーーーーーーーーー宣言通り、彼女は全ての追尾弾(ホーミング)を捌き切ったのだ。

 

 

『ーーーーーーーーーオォォォォォォォォォンッッ!!』

 

 

 青空の下、〈ノーマン〉達が吠える。ネオは背中の翼と足のスラスターを煌めかせ、自分に向かって追尾弾(ホーミング)を放った〈ノーマン〉に肉薄すると、すれ違い様にレイピアを一閃させてその黒い巨体を爆発四散させる。

 

 

「………先ずは、追尾弾(ホーミング)持ちから先に倒す…。」

 

 

 そう呟きつつ、空を駆って〈ノーマン〉を切り伏せ続けるネオ。……既にかなりの数を倒したのだがーーーーーーーーー

 

 

 

『ーーーーーーーーーフォォォォォォォォォンッッ!!』

 

 

 

(思ったより、数が多いーーーーーーーーー?)

 

 白一色の雲海の中から、新手の〈ノーマン〉が咆哮と共に現れるのを見て、ネオは微かに顔を顰めた。

 

 それでも、戦いを止める訳にはいかない。飛び交う追尾弾(ホーミング)と、光線(レーザー)を掻い潜りつつ、淡々と〈ノーマン〉と対峙していく。

 

 

ーーーーーーーーーと、その時。彼女の近くの雲の中から、球体型〈ノーマン〉が1体、飛び出して来た。…雲に紛れて身を潜めていたのだろう。

 

 

(ーーーーーーーーー!!)

 

 

 思ったより近くに現れたので驚きつつも、直ぐに攻撃回避の動きに入るネオ。

 

 丸い球体型の〈ノーマン〉の身体が光る……… 光線(レーザー)の発射体制だ。

 

 1本だけで、直線的な光線(レーザー)なら、避けやすい………そう思ったのも束の間、ネオの想定に反して〈ノーマン〉から放たれたのは1本などでは無い、()()()()()だった。

 

 

「ーーーーーーーーー乱射型(ランページ)!?」

 

 

ーーーーーーーーー咄嗟に身体への直撃は避けたが、背中の翼に1発貰ってしまう。

 

 

「………っと!」

 

 

 

 バランスが崩れた所に、待ってましたと言わんばかりに他の〈ノーマン〉達が接近して来る。彼等の身体に宿るのは光線(レーザー)の明るい輝きーーーーーーーーー………

 

 

(コレは貰ったらタダじゃ済まないーーーーーーーーー()()を使わないと…。)

 

 

ネオは片手を突き出して、()()()()()()()()()を言おうと口を開いた。

 

 

「〈シール………………」

 

 しかし、ネオが最後まで言い切る前に、目の前の〈ノーマン〉達が、突如として爆発したーーーーーーーーーーーー。

 

 

「ーーーーーーーーーえ??」

 

 

 タァーーーーーーーン………と、少し遅れて甲高い銃声のような音が、蒼穹に響く。

 

(銃撃ーーーーーーーーー??でも、一体誰が?)

 

 ネオは首を巡らして、いつの間にか自分から遠く離れた場所になっていた要塞都市の方を見た。………銃弾は要塞都市側から飛んで来たような気がする。

 

(………誰?〈イースター〉の誰かが援護に来たの?)

 

そう考えてから、ネオは首を振った。

 

 要塞都市から此処までは、少なめに見積もっても1キロは離れている。………ネオの知る限り、〈イースター〉のメンバーにこんな遠距離射撃が可能な面子はいない。

 

(…私の知らない誰かが、戦いに加わっている?)

 

………そう考えたその時だった。

 

 

 

ーーーーーーーーーキラッ…。

 

 

 

都市の外縁部、そこで光が煌めいた。

 

………アレは知っている。狙撃銃のスコープレンズに、太陽光が反射した時の光だーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

………タァーーーーーーーンッッ!!

 

 

 

 

 ネオがそう思った瞬間、第二の銃声と共に飛来した弾丸が、〈ノーマン〉達を貫いた。

 

 たった1発の弾丸が、複数の〈ノーマン〉を纏めて撃ち落としていくその様に、ネオは目を見開く。

 

 

 

(ーーーーーーーーー!!たった1回の銃撃で、纏めて〈ノーマン〉達がやられてる………コレは…〈跳弾〉してる??)

 

 

ーーーーーーーーー気がつくと、ネオの前に残っている〈ノーマン〉はごく僅かになっていた。………如何やら、これ以上新手の追加は無いようだ。

 

 

『キュオォォォォォォォォォンッ!!』

 

 

 咆哮と共に、残った〈ノーマン〉が徒党を組んでネオに襲いかかって来る。

 

 ネオは、そんなノーマン達を見据えながら、レイピアを構えた。

 

「…貴方達で、終わりだね。…射撃の主も気になるけどーーーーーーーーー先ずは、この戦いを終わらせる…!」

 

 

 翼とスラスターから吹き出す青い光と共に、ネオは流れ星の様に光の尾を引いて、〈ノーマン〉の残党に突撃して行く。

 

 みるみる近付く〈ノーマン〉達の姿。ーーーそんな姿を睨みながら、ネオはレイピアを引き、そして渾身の力を持って突き出した。

 

 

 

「ーーーーこれで…終わらせる!」

 

 

 

ーーーーーーーーーその言葉と共に、晴天を舞う流星となったネオが、黒い〈ノーマン〉達を貫き、そして爆散させたーーーーーーーーーーーーーーーーーー……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

……スコープの向こうで()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「ひゅう……強っ。ーーーーーーー援護なんか要らなかったかもね。」

 

 

 スコープから目を離し、白色のワークキャップの鍔を軽く持ち上げて、()()()は呟く。

 

 そんな彼の横にあるのは、紫色の金属光沢を放つ、一挺の狙撃銃………。

 

 

「アレで終わりかな。……良し。」

 

 

 静かさを取り戻した空を見上げて、ニュウは呟いた。ーーーーーーー次の瞬間、彼の横にあった狙撃銃が、ガラス細工の様に砕けて消える。

 

 破片はやがて寄り集まって、ニュウの掌の中に、()()()()()()()()を生成した。

 

 

 ソレをクルクルと回しながら、ニュウはネオのいる空を見上げて呟く。ただ1人、自分に言い聞かせるかの様に………

 

 

 

 

「ーーーーーーーーーアレが新人類達の希望〈星の子〉ネオ。………待っててくれ()()()俺は、必ず……。」

 

 

 

 

 

 

…太陽が丁度雲に隠れ、蒼天を見上げて立ち尽くすニュウの背に、影を落としたーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーto be continue

 

 

 

 





後書きという名の蛇足

 ネオにオリジナルの姿を与えた理由は、リバもハロワも、物語的に最終決戦仕様なので、なんかもうちょっと普段使いできる形態が欲しいなって考えただけッス。

 あと、スピードモードの時使ってたレイピアは、リバース形態の時、イラストの前の方に有るあの紫色の剣、アレです。
 気になったらモンスター図鑑のイラスト見るか、持ってるなら、お持ちのネオのイラスト見て確認して下さい。

んで、ニュウ君は銃使いです。

話に余り進展がなかったが、次の話で、色々詳しくやると思う…。ユルシテ。

追記2023.6.1 タイトルを変更 話の一部を編集
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