モンスターストライク 〜星ノ呼ビ聲〜   作:犬社長

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気がついたら40話だった。…このペースで行くと、100話越え余裕なんだよね……。なんとかせねば。




40話 〈天聖は祝福を与えんとす〉

 

 

◇◆◇

 

 

飛び込んだ神殿の中は、星で満たされていた。

 

 

…火の消えた燭台、床に敷かれた赤い絨毯、礼拝堂の中の様に横に並べて置かれている長椅子。

 

 天井はかなり高く、裸体の男女像が柱の代わりとなって天井を支えている。

 

そして、何より目に付くのはーーーーーーーーー……

 

 

「ーーーーーーーなんだ…アレ。…卵???」

 

 

ーーーーーーーーー神殿の部屋の奥、雛壇の様に高くなった場所に鎮座する巨大な漆黒の卵…若しくは繭だろう。

 

 それは神殿の中を漂う〈星のセラム〉に包まれて、静かに佇んでいた。…目を凝らすと、微かに中心が金色に色付いている様にも思える。

 

…そして、その金色は少しずつ、少しずつ、卵全体に広がっている様だ。やがて、黒い卵は完全な金卵に変化するのかも知れない。ーーーそうなった時、何が起こるのかなど知る由もないが、どうせ碌な事は起きないだろう。

 

「卵も気になるけど、……ケテルは、何処にいるんだ…?」

 

ハレルヤが油断無く辺りを見渡しながら、呟いた。ニュウ達の目には、今この場には自分達と謎の卵以外に、何も無い様に見えるがーーーーーーーーー………

 

 

…ピキッ。

 

 

ーーーーーーーーー何かにヒビが入る様な音が聞こえた。

 

 

「…?!ハレルヤさん!!ーーーーーーー()()!!」

 

 卵の方に目をやったニュウが、卵を指差して叫ぶ。ハレルヤが素早く卵の方に目を向けると、彼らの目の前で今まさに卵が割れようとしている所だった。

 

 

ーーーーーーーピシッ……パキパキ…ペキィ…。

 

 

…殻の粉砕音が響き、卵の下のあたりが割れる。

 

 その割れ目から、輝く〈星のセラム〉が溢れ出て来た。ーーーそして、地面を這う様にこの部屋全体へと広がって行く。

 

「……!〈星のセラム〉が…溢れて…??」

 

ニュウの声に、ハレルヤは卵を睨み付けたまま口を開く。

 

「ーーーーーーー見るんだニュウ。()()()()()()。」

「…なに…??」

 

 ニュウの見る先で、漂う〈星のセラム〉がブワリと靡き、中から進み出て来た1人の男の体を露わにした。

 

……見覚えのある顔だ。と言うか、見覚えも何も…今日会ったーーーーーーーーー………

 

「テレケー?!……いや、アイツがケテルだったのかッ…。」

 

 ニュウが苦々しい顔をしながら呟いた。…この地下世界でケテルの名を聞いた時から、薄々感じていた事だ。

 

 一方、卵の中から星と共に現れたケテルは、まるでニュウ達のことなど目に入っていないかの様に、背後の卵を優しく撫でて呟いている。

 

「……申し訳ないですね…ネオよ。暫し1人でお待ちください。ーーー賓客が来ました…。」

 

 ケテルの顔がグルンと人間離れした動きで動いて、雛壇の下から此方を見上げるニュウとハレルヤを見下ろした。

 

 彼の仏の様な物静かな表情がニタリと歪み、舌を伸ばす蛇を思わせる嗤い顔になる。そして、ケテルは2人に向かって歓迎するかの様に、両手を広げた。

 

「ーーーーーーーーー我等の、素晴らしき新世界に。」

 

 広げた手に、血の様に赤い〈セラムキューブ〉が生まれ、それが一振りの長剣となって、ケテルの手に収まった。

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

「ーーーーーーケテルッ!!」

 

…星に満たされた神殿で、ニュウが叫ぶ。

 

 ケテルはニュウとハレルヤの方を見ながら、わざとらしい大袈裟なお辞儀をして来た。

 

「ーーーーーーーーーおやおやおやおや…。コレはこれは…私の神殿にようこそ…ですね。ーーー歓迎の施しは受けて貰えましたかな?」

 

 小馬鹿にしたような表情で宣うケテルに、ハレルヤがガントレットを手に纏わせながら返す。

 

「…何が歓迎…。殺しにかかって来たくせに。」

 

ケテルが笑う。

 

「…んふふふふ……ジョークの通じない方だ。つまらないですねぇ。…ま、良いでしょう。これから始まるのはどんな冗談より面白い事なのですから。」

 

 そう宣うケテルに向かって、ニュウが険しい顔をしながら迫る。

 

「…ケテル。ーーーネオを攫ったのはアンタだよな…?!ネオは何処にいるんだ!!もしかして、その後ろの不気味な卵の中なのか?!」

 

ーーーーーーーー彼は既に、ケテルに向けて〈セラムキューブ〉を変形させて創った拳銃を構えていた。…引き金に指を掛け、いつでも打てる体勢だ。

 

彼の問いに、ケテルは笑みを崩さずに答えた。

 

「……ふふふふふ。その通りですよ、ニュウ…。私がネオを攫いましたし、ネオはこの閨の中に眠っています。……しかし、だいぶと怒っている様ですねぇ?」

「当たり前だろ。ーーーアンタはネオを攫ったんだからな。」

 ニュウは銃を構えたまま、ケテルに一歩近付く。そして、また口を開いた。

「…その卵はなんだ?アンタは何をしていた?ーーー何をしようとしている??」

 

……銃口を間近で突きつけられて尚、ケテルは微笑みを絶やさずに居る。そして、彼の口がねっとりと開いて声を発す。

 

 

 

「子作りです。」

 

 

 

「ーーーーーーーーーは?」

「……え?」

 

2人の戸惑う様な声が神殿に消える。

 

「…ちょっと待てーーーソレって…。」

 ニュウが軽く震えながら、ケテルに言葉の真意を問い掛けようとした時ーーーーーーー…

 

「ーーーーーーああ、勘違いしないで下さい??」

 

ケテルが手を前に出して首を振った。

 

「…私の言う『子作り』とは、そう言う意味ーーー即ち、男女の交わりによって新たな命を創り出す行為の事ではありませんよ?ーーーその様な肉体的なものでは無く、もっと精神的な行いです。」

 

ケテルは笑みを浮かべながら、先を続ける。

 

「…そもそも、私は罪の穢れなき清らかなる存在ーーーーーすなわち、〈神〉を目指しているのですよ?ーーー肉体的な交わり…即ち性行為は、原罪の咎を背負った生命をこの世にまた1人生み出してしまうと言う、『罪なき神への路』から最もかけ離れた行いです。……私がしたいのは、それじゃ無い。ーーーま、しても良いですけどね。

 

…ニュウが押し殺すような声で呟く。

 

「………じゃあ…何だって言うんだ。」

 

 ケテルは彼を宥める様に口を開いて、話を続けて行く。

 

「まぁまぁ、そんなに怖い顔しないで下さい?ーーー先ほども言った通り、私の言う『子作り』とは精神的な行いです。ーーーきっと貴方達に理解出来ないでしょうが、この世界で神となるには〈三位一体〉が必要なのですよ。…ところで、お二人は〈三位一体〉とは何か…知ってますか?」

 

ニュウは肩を竦めた。

 

「知らないね。ーーー興味も無い。……ただ、アンタがネオを使って良からぬ事をしようとしてるのは確かだ。ーーー俺達は、それを止めに来た。…原罪だの神だの三位一体だの、そんなカルトじみた話を聞く気は無い。」

「おやおや。…不信心な事を言うものですねぇ?貴方達は啓蒙が足りていない様ですよ?。ーーーもっと、脳に瞳を増やした方が………」

 

「ーーーーーーー〈一撃失神弾(ブラックバレット)〉。」

 

 パァンッ…と乾いた音と共に、ニュウの構える拳銃から1発の弾丸が放たれ、ケテルの額に命中した。突然の銃撃に、ケテルがガックリと膝から崩れ落ちる。

 

「………あひん。」

 

 情けない声を立てながら、ドサリと床に倒れ伏すケテル。そしてそのまま動かなくなった。ーーー気絶したのだ。

 

「……え?終わり???」

「…ええ、終わりです。ーーーーーじゃ、ネオさんをこの卵から出してあげましょうか。」

 

 あまりの呆気なさに呆然となってしまったハレルヤの横で、ニュウが倒れるケテルを跨ぎ、卵の方へ近付いていく。

 

ーーーーーーー卵は相変わらず、ネオを内包したまま沈黙を保っていた。

 

 ケテルが出て来た時に一部が割れたはずだが、何故かその割れ目が消え失せている。…殻が自己修復でもするのだろうか?

 

「…まぁ、また割れば良いだけですかね。ーーーハレルヤさん、頼みます。俺の弾丸だと、中に居る筈のネオさんを傷付けてしまうかも知れませんし。」

 

「…え、ああ…、ーーー分かった。なんか釈然としないけど…ま、いっか。」

 

 ハレルヤが微妙そうな顔で、ガントレットを構え卵の殻を叩き割ろうとした時ーーーーーーーーー……

 

 

 

「人が話している時に撃つのは、礼儀がなっていないんじゃ無いでしょうかねぇ…?ニュウ??」

 

 

 

 後ろから、ケテルのねっとりと絡みつく様な声が聞こえて来た。

 

「……なにっ!?」

「ーーー馬鹿な?!」

 

 2人が驚き振り向いた瞬間、2人の足首がケテルの背中から長く伸びた〈星の(かいな)〉によって掴まれ、勢い良く持ち上げられる。

 

 そのまま逆さで宙吊りにされる2人。ーーーーーそして、卵から遠く離れた神殿の部屋の入り口付近まで投げ飛ばされた。

 

「ぐうっ!?」

「くっ!!」

 

 背中から床に叩き付けられ、赤い絨毯の上を転がる2人。その2人と卵の間に割って入るかの様に、ケテルが立ち塞がる。

 

「…くそ。もう目覚めたのかッ?!なんてタフな精神力なんだ!!」

 

 ニュウがそう言いながら素早く起き上がる。横でハレルヤも跳び上がる様に起き上がった。

 

 そんな2人を見ながら、ケテルが真紅の長剣を構え、嘲笑う様に口を開く。

 

「…ふふふふ。そう簡単に私が倒れる訳ないじゃありませんか??なかなか面白い攻撃でしたよ?…さっきのはね。しかし、私を止める事は出来なかった様ですねぇ。」

「…なら、やり方を変えるまでだ。ーーー俺の技がアレだけだと思うなよ?」

 ニュウが、手に持った拳銃を変化させながら言い放つ。…喋り終える頃には彼の手に最早拳銃は無く、代わりに紫に輝く〈サブマシンガン〉が現れていた。

 

 ケテルがニヤニヤと笑いながら剣を揺らす。…背後に浮かぶ無数の〈星の(かいな)〉が、その五指を此方に向けて広げた。

 

ーーーーーそこに宿るは、星の輝きーーー………

 

「…良いですよぉ、良いですよぉ!?さぁ、かかって来なさい!!ニュウ、ハレルヤ!!ーーー私の力…見せてあげましょう!!」

 

 ケテルが叫んだ瞬間、神殿の内部を満たす〈星のセラム〉が光り輝き、無数の破壊光線(レーザー)となって、2人に全方位から襲い掛かったーーーー………

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

ーーーーーーーギャリィンッッッ!!

 

 

 ヴィクターの振るう双叉槍と、アルスラーンの紅の大剣ーーースレイヴ・エッジがぶつかり、飛散した赤い火花が偽りの夜空を彩る。

 

「………良イ力ダ。ダガ、何処マデ耐エラレルカナッ!?」

「…私に限界など無いさ。それを見せてやろう!」

 

 2人は激しくぶつかり合いながら、互いに言葉を交わす。

 

 まるで、昔から競い合って来たライバルか何かの様に………。

 

ーーーしかし、交わされるのは命の()()()()そのものだ。お互い完全な真剣勝負である。

 

「ーーーーーーフン、大口ヲ叩クモノダナ!!…ナラバ、我ガオ前ノ限界トナッテヤロウ!!」

 

 ヴィクターが叫んで、翼を広げた。ーーー次の瞬間、彼の周りに見えない重力の檻が発生する。

 

 ズシンッーーーと、アルスラーンの全身に何倍にも増加した重力が、のしかかって来た。

 

「…〈重力バリア〉か!?ーーー本当に〈壊獣〉そっくりだな?!」

 

 大剣を地面に突き刺して体が倒れない様にしながら、アルスラーンが口の端を歪めて呟いた。

 

……そんな彼女に向かって、ヴィクターが振るう双叉槍が飛んで来る。

 

 

「ーーーーーー()ッ!!」

 

 

 左手で槍の先を掴んで止めるアルスラーン。しかし、そのまま地面に押さえつけられる様に押し倒されてしまう。

 

「……ぐぬ。」

 

 倒れこんだ姿勢のまま、空いている方の右手でスレイヴ・エッジを振るが、それはヴィクターに止められた。重力バリア内部の異常な重力とヴィクターの全体重が槍に込められ、先端を掴んで止めるアルスラーンの左手ごと胸を貫かんとジリジリと迫る。

 

「……オ前1人ガ、コノ重力ニ、耐エラレル筈モ無イ。ーーー大人シク死ネ!」

 

 そう叫ぶヴィクターに向かって、アルスラーンが吠えるように言い返す。

 

「ーーーたわけ!!…この程度の重圧で、我が牙が折れるものか!!」

 

 そう言うや否や、アルスラーンは足を思いっきり蹴り上げて、ヴィクターの腹部を強打する。更に、自分の真横に〈分身〉を生み出し、それでヴィクターの顔面を殴り飛ばした。

 

「……ヌグッ?!」

 

 腹部の蹴りと、分身の殴打でヴィクターがよろけ、アルスラーンから離れる。

 

 素早く起き上がるアルスラーン。ーーーーーーーーー彼女の背後では、戦いの邪魔をさせない様に、アビスが〈聖者〉達の群れを一手に引き受けていた。

 

 音叉を模した錫杖と、〈セラムキューブ〉から生み出される無数の音叉の槍が、〈聖者〉の群れを次々と貫いて行く。

 そして、彼女の音叉から響く清らかな音色が、辺りに途絶える事なく響いていた。

 

……戦場に響く音色。それにはちゃんと、意味があるのだ。

 

「…この音が聞こえるか?ヴィクター。」

 

 アルスラーンが体に微かに薄紫色の光を宿しながら、剣を構えて口を開く。

 

「…ナンノ話ダ?」

「音叉の音色さ。ーーー私たちに力を与え…そして君達を封じる聖なる音色だ。」

 

 そう呟いたアルスラーンは、未だ重力バリアを展開したままのヴィクターに向かって、一直線に突っ込んで来る。さっきより……速い。

 

「…何ッーーーマサカ…!」

 

 ヴィクターが槍を突き出すが、アルスラーンはそれを避ける。ーーーそして、重力バリアの中に飛び込んだ。

 

「言っておくが、ヴィクターとやら!!私は1人で戦っているわけでは無いぞ??」

 

 そう言って、大剣スレイヴ・エッジを振るうアルスラーン。…重力バリアに囚われていると言うのに、その動きに緩慢さは感じられない。

 

………ガキーーーーンッ!!

 

 ヴィクターが槍の柄で剣を受け止める。しかし、アルスラーンはそのまま大剣をヴィクターめがけて押し込み、彼を弾き飛ばした。

 

「…グッ!?ーーー《バリア》ノ中デモ、機動力ガ落チテイナイダト…?イヤ、コレハ……!!」

 

ヴィクターが何かに気づいた様に言葉を放つ。

 

「アビスノ能力ーーー〈加速〉シテイルノカ!!…加速シテ、重力ヲ無理矢理振リ切ッテイル……。」

 

アルスラーンがヴィクターに肉薄しながら答えた。

 

「ーーーーその通りだ。重力の檻が私の歩みを止めるなら、止められなくなるまで、加速してしまえば良い!!」

「ダガ、ソレハ自ラノ肉体ニモ、少ナクナイ反動ガ来ル筈ーーー。果タシテ耐エラレルカ???」

 

 そう挑発する様に声を放つヴィクター目掛けて、分身弾と剣撃を同時に繰り出しながら、アルスラーンは叫んだ。

 

「言ったろう?!ーーーーーーー私に、限界は無いのだッ!!」

 

「…ヌウッ?!」

 

 分身弾を槍で叩き落としたヴィクターだが、僅差で迫り来る大剣を防げずに、片腕を斬り落とされる。ーーー最も、弱点を破壊された訳では無いので、直ぐに再生するだろうが………

 

ーーーーーーしかし、隙を作るのには、充分な時間でもあった。

 

「赤い雷よ、迸れ!!」

 

 アルスラーンの声と共に、スレイヴ・エッジから赤雷が生まれ、辺りを照らす。

 赤雷と一体化し、最早一本の極太の稲妻となったスレイヴ・エッジを振り翳しながら,アルスラーンが声高々に叫ぶ。

 

「ーーー獅子の刃を、その身にうけよッ!!」

 

「…断ル!!オ前コソ、〈神ノ槍〉デソノ身ヲ貫カレルガ良イッ!!」

 

 叫び返したヴィクターが、漆黒の双叉槍に黒い波動を宿し、アルスラーン目掛けて突き出した。

 同時に、アルスラーンが極大の赤雷と化したスレイヴ・エッジを真っ直ぐに振り下ろす。

 

 

「ーーーーーソノ身ニ刻メ、神ノ力ヲ!!…〈ロンギヌス〉ッ!!」

 

「ーーーーーー〈スカーレット・アンフィテアトルム〉!!!」

 

 

 偽りの星空の下で赤と黒の波動が激突し,辺り一面を包み込むほどの超爆発が発生する。

 

 

 そして、その爆発の中心でアルスラーンがヴィクターに向けて叫んだ。

 

「……迸りて、敵を焼き尽くせッ!!赤き雷光よッッ!!」

 

 スレイヴ・エッジから更なる赤雷が爆ぜる様に迸り、鍔迫り合いをしているヴィクターの双叉槍を伝わって、ヴィクター本体に流れ込んで行く。

 

「……ヌオオオオッ?!馬鹿ナ!!…雷ガ、我ノ身体ヲ焼イテ行クッッッ?!」

 

 ヴィクターが苦悶の声を上げて、思わず双叉槍を取り落とした。ガラ空きになった胸に、スレイヴ・エッジが突き刺さる。

 

ーーーーーーーそして、ヴィクターの全身をアルスラーンの放つ赤雷が包み込んだ。

 

「ガァァァァァァァァッッッ?!?!」

 

 全身を包み込み、完膚なきまでに破壊して行くアルスラーンの赤雷。

 

 やがて、ヴィクターの体が燃え尽きた薪木のように手足の先端から崩れ始めーーーーーーーーー

 

「ーーーーーーーアァァァァ…モ、申シ訳アリマセン…ケテル…様。」

 

 

…カーーーーーーーンッ!!!

 

 

 

 最後にケテルへの謝罪の言葉を残して、ヴィクターは赤く輝く〈星のセラム〉の残滓となって爆散した。

 

…アルスラーンが放った赤雷が、彼の全身を弱点ごと焼き尽くしたのだ。

 

ーーーーーーそして、爆発の余波も過ぎ去り、偽りの星空の下に静寂が戻って来る………。

 

 

「……さらばだ、ヴィクター。……ヒトの路を違えた、偽りの生者よ。」

 

 

 悼むかの様なアルスラーンの呟きが、静まり返った草原に響いた…………。

 





久しぶりにモンストアニメ『ウェディングゲーム』辺りを見直してみたんですけど、やっぱりケテルはキモいね。

ウチのケテルはあんなキモくなれないよ()

とりあえず、アビス・アルスラーンVSヴィクターは終了です。アビスがほぼ空気だったけどネ。

次回は、ケテルVSニュウ・ハレルヤと、アミダVSトーヴァート…の予定。

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