「………そう言う訳だ。仲良くしてやってくれ。ーーーーーーーーー取り敢えず、俺はメシ食うか。……今日はラーメンか…悪くねぇな。」
依然、唖然としたままの2人の間を通って、バサラは席に着く。ーーーーーーーーーそしてそのまま、何事も無かったかの様にラーメンを啜り始めた。
横で、同じ様に特にリアクションを取ることなく黙々と食べ進めているネオとカノンに、バサラが話を振る。
「ーーーーーーーーーんん…旨いなコレ。」
「…うん。」
「……背徳の味がします。」
そう答えるネオとカノン。…ソレに遅ればせながら、アミダが突っ込んだ。
「…ちょ、いやいやいや!?ーーーバサラさん?!」
「…なんだ?」
「いや、『なんだ?』じゃ無くて!?ーーーーーーーーーこの、えっと…『ニュウ』?…って人なんで〈イースター〉に入れたのさ!?……今まで加入希望のヒト、みんな蹴って来たじゃん??」
ハレルヤも同意の頷きを返す。
「…うん。ーーーコレって一体どう言う風の吹き回しなんですか?バサラさん。」
バサラが面倒臭そうにラーメンを啜りながら、まだ立ったままの男ーーーニュウの方を見て、言葉を放つ。
「ーーーーーーーーー俺だって今日の朝いきなり声掛けられてよ。…最初は断ったさ。……〈イースター〉はノーマンと
そのまま、彼の話は続く。
「ーーーーーーーーーそしたらよ…。ネオに聞いたら自分の実力は分かるって言うんだ。」
「………ネオに??」
此処まで話を聞いて、寧ろ謎が深まった気がして、ハレルヤは首をひねった。コレに関しては、バサラも思うところがあるのか、ネオの方に向き直って尋ねる。
「なぁ、ネオ。……お前に知り合いかなんか居たか?」
カチャリ…と箸を椀の上に置いて、ネオはハッキリと首を横に振る。
「……居ない。」
やり取りを聞いたハレルヤが頷いた。
「ーーーーーーーーーだよね。ネオの知り合いとか、聞いた事がない……あり得るとするなら……昔の実ーーーーーーーーー…」
「ーーーーーーーーーソレは無い。」
話の途中で遮る様にネオが口を開いた。
「……居るわけない。」
そう言ったネオは、机を挟んで自分の丁度正面に立っているニュウを、空色の瞳で見据えながら、彼に問う。
「ーーーーーーーーー私は貴方を知らない。……貴方は誰??」
……その場の全員が、その問いの答えを知るニュウの方に目をやった。
10の瞳で見つめられても、彼ーーーーーニュウは慌てる事なく、笑う。
「あぁ…確かに、知り合いみたいに言ったのは語弊が有ったかも。……今日の朝、〈ノーマン〉と戦ってましたよね?」(3話参照)
ネオは頷く。
「…その時、最後の方に有った銃撃。ーーーーーーー覚えていますか??」
「ーーーーーーーーー!!」
ネオの顔に、微かな驚きが浮かんで直ぐ消えた。
「……まさか、あの時の狙撃のーーーーー?」
ニュウは微笑んで頷く。
「そ、あの時の狙撃は俺の仕業って事です。……如何ですか?分かってくれましたか??」
「ーーーーーーーーー分かった。あの攻撃は貴方の仕業だったのね。」
ネオの脳裏に浮かんだのは、1発の弾丸で次々とノーマンが撃ち抜かれ、爆散していく様だった。ーーーーーーーまさか射撃の主に、此処で会えるとは思っていなかったが……。
「…おぅ。つまり、どう言う事だ?」
顛末を知らない一同に代わってバサラが、ネオに尋ねる。ソレに答えるネオ。
「…今朝、ノーマンの戦いにイースターじゃ無い誰かが加わって来てた。……ソレが彼だった…という事。」
若干、驚きつつバサラが口を開く。
「へぇ……!ネオの戦いに割って入ったのか。ーーーーーーーーー強かったか?」
ネオは頷いた。…少なくとも、強さは本物だ。
「…うん。複数の三ツ星級〈ノーマン〉を一撃で粉砕してた。……多分、何かしらの
バサラが納得するかの様に頷いた。
「…ほぉ、なるほどな。ーーーーーーーーーネオが言うんなら、実力に間違いは無いか。………あぁ…因みにお前が持ってるのは、何の力だ?」
最後の問いは、ニュウに向けられたものだった。
ニュウはスッと片手を上げる。
………その掌に、紫色のキューブが浮かんだ。ーーーーーー
「……じゃ、軽く一部を見せますね。」
皆んなの見る中で、紫のキューブがガラスの様に砕け、破片となり、そして寄り集まっていく。
ーーーーーーーーーそして、紫に光る一挺の
幻の様に透き通っていた外観が、ニュウがグリップを握り締めると同時に、実体を伴って具現化する。
「ーーーーーーーーーおー!ハンドガン!!紫で綺麗!!」
アミダのテンションが少し上がる。
ニュウは現れた拳銃をクルッと回してちょっと自慢げに言った。
「ーーーーーーーーーぼk…俺の〈新人類としての力〉は、〈銃〉です。ーーーーーーーーー用途に応じて、〈セラムキューブ〉を変形させれば、様々な小火器、及び重火器類を生成出来ます。」
「……ソレは便利。」
カノンが両手を合わせて呟いた。
そしてバサラが顎を軽くさすりながら、口を開く。
「…なるほど。ーーーーーーま、分かってはいたが、やっぱりお前も
ニュウは頷いた。
「はい。その通りです。ーーーーーーーーー
◇◆◇
ーーーーーーーーー
この星が〈星のセラム〉に覆われてから後の時代に現れ出した、特殊な力を持つ者達の総称である。
発生原因は不明。…一説によれば、人間が〈星のセラム〉に適応した結果の産物とも言われている。ーーーーーーーーーそしてこの説は、
1つーーーーーーーーー新人類は〈星のセラム〉に耐性を持っている事。
ーーーーーーコレは、読んで字の如く〈星のセラム〉の持つ、毒性に対抗する事が出来る…と言う物である。
…あくまでも、〈耐性〉なので完全無効化というわけでは無いが、この性質のお陰で、新人類はこの星の殆ど全て…よっぽどセラムが濃い場所でなければ、生活圏とする事が出来る様になっているのだ。
ーーーこれは旧人類にはできない芸当である。
そして、2つ目ーーーーーーーーー〈星のセラム〉から力を得る事が出来る事。
ーーーーーーーーー新人類は皆、〈セラムキューブ〉と言われる手のひらサイズの、特殊なキューブ状の物質を生み出す事が出来る。
そして、ソレを通して〈星のセラム〉から力を得る事が可能なのだ。……詳しい原理は未だ不明であるが、〈星のセラム〉と〈新人類〉の間には、力をやり取りする為の未知の高次元領域の様なものが存在しており、その領域が〈セラムキューブ〉として可視化されている………と言うのが現時点の通説である。
……他にも、〈新人類はセラムに適応進化した人類説〉を証明する根拠はあるが、ソレはまた別の時に述べる事としよう。……今は、〈セラムキューブ〉と、〈新人類〉という単語さえ知っていれば、話は飲み込めると思う。
……さて、果たしてこの〈新人類〉がこの世界に齎したモノはいったい何なのか。ーーーーーーーーーソレを語るには、おそらく文字数が足るまい。
ーーーーーーーーーコレもまた、別の機会に述べるとしよう。
◇◆◇
「…ん、まぁな。新人類でも無いと、ノーマンと戦えはしないからな。」
そう呟くバサラ。その発言に皆深く頷く。…カノンだけ、やや微妙な顔をしているが。
「ーーーーーーーーーま、
そう言ったバサラが、此処にいる面々を見渡して各々の意見を待つ。
「ーーーーーーーーー元々、私は誰が加入しても構わない。やる事が変わるわけじゃ無いから。」
最初に口を開いたのはネオ。……コレは賛成寄りの意見で良いだろう…と、バサラは脳内で変換して納得しておく。
カノンが次に口を開く。
「…私も反対はしないです。人が増えるのは、きっとタノシイから…。」
アミダとハレルヤは互いに顔を見合わせたが、特に反対はしなかった。
「良いよ〜。最初は何かと思っちゃったけど、バサラさんがしっかり決めたのなら、反対しませーん。」
「…俺もです。ーーーーーーーーー戦力の強化なら、有難いから。」
各自の反応を聞いて、バサラが満足げに頷いた。
「…よし。なら決まりだ。ーーーーーーーーーニュウ、お前を〈イースター〉の一員として、正式に迎える。ーーーーーーーーーようこそ、〈イースター〉へ。」
ーーーーーーーーー差し出されたバサラの力強い手を、ニュウは小さく笑いながら取った。
「ーーーーーーーーーこちらこそ。……よろしくお願いします。」
そのやり取りを、ネオはただじっと見つめていた………
設定大改変祭りの巻。
なんか細かい設定解説がどんどん後回しになって行く気がするねぇ〜
まぁまぁまぁ…長々書くのもアレなんでね( ´∀`)
変更点だけサラッと。
…原典では、星のセラムに耐性を持った存在はネオしか居ないみたいに書かれてますけど、原典の書き方的に「コレどっちとも取れるよな」って思って、新人類全員の特徴にしました。
あとセラムキューブっすね。……この小説では新人類はみんなセラムキューブ持ってるって設定なので、ネオだけの物じゃない事になってます。あと、キューブの設定そのものも変わってます。
…まぁ、原典でもネオだけが持ってるか否かってのは書いてないからネ。
公式が書いてない部分はどんだけ捏造しても良いんだよ(多分)
追記2023.6.1 タイトル変更 ニュウのキャラ一貫性維持の為、彼のセリフを少し改変