モンスターストライク 〜星ノ呼ビ聲〜   作:犬社長

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第4章〈獣神祭〉
52話 〈嘘つき〉


 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

……ドンドンチャ♪……ドンドンチャ♬

 

 

 

 

 祭囃子が遠くに響く。

 

 

 

ーーーーーーーーー此処は〈アステール〉の中心街。この街の政治機構が集まっている心臓部でもある。

 

 

 その更に中央に目を向ければ、鮮やかな色合いの大きな建物が建っているのが見えるだろう。

 

 

ーーーーーー何処となく宮殿じみたその建物の名前は〈コリントス〉。アステールの最高管理者である、『ポセイドン』と呼ばれる男の住まいだ。

 

 

……そんな宮殿の中に、ゼウスは居た。

 

 

 

「…相変わらず綺麗にしてある事だ。なぁ、ヘラ。」

 

 コリントス内部。ーーー客間であろう広々とした部屋の中で、大きい椅子に座り込みながら、ゼウスが隣に座る女性に声をかける。

 

 隣の女性……ゼウスの妻たる『ヘラ』が、手の内に収まるゼウスの人形を弄りながら、頷く。

 

「えぇ…そうね。…オリンパスタワーの貴方(ダーリン)の部屋も、コレぐらい綺麗になれば良いのに。」

「…いや、綺麗にしてるゾ。本当だからな?なぁ、ケラウノス??」

 

 後ろに立っている男ーーーケラウノスが、ため息をついた。

 

「はっ…。叔父貴の部屋は微妙って所だな。ーーー懐かしいぜ。昔、ヘラ様が掃除に入った時、エロースが出版したグラビア本が……」

 

 

ザクッ!!!

 

 

 ヘラの手に握られたナイフが、哀れなゼウスの人形を貫いた。

 

「おぉう。」

 

 縮こまったゼウスの前で、ヘラが静かに声を立てる。

 

「その話はしないで貰える???」

「ッス。さーせん。」

 ケラウノスは直ぐに黙った。横で滝汗を流すゼウスに、ヘラが擦り寄って話しかける。

 

「…ねぇダーリン??ーーーまさかとは思うけど…今もまだそんなくっだらない本、隠し持ってるんじゃ無いでしょうね???ーーーもしかして、最近私を部屋に入れたがらないのは、そのせいなの??」

「い、いや、違います。マッタク、ゼンゼン、ソンナコトナイヨ。」

「ふーーーーーーん。」

 

 ヘラのハイライトの消えた瞳が、ゼウスを睨む。……流れる汗で、七つの海が出来そうなゼウス。ケラウノスはそっぽを向いて、知らん顔を浮かべていた。

 

…と、その時。

 

 

 

 

「はははは。ーーーーーー相変わらずの鬼嫁っぷりだな。ゼウス。」

 

 

 そう笑う声と共に、誰かが客間に入って来た様だ。

 

「む?……おお!ヌアザか!!」

 

 ゼウスが勢い良く振り向く。部屋に入って来た男ーーー〈超弩級移動要塞都市フィンディアス〉の艦長ヌアザは、片手を上げた。

 

「うむ。…久しぶりだな。このように、直接顔を合わせるのは初めてか?ーーーゼウス殿。」

 

 これ幸いとゼウスはヘラの側から脱出し、ヌアザに近付いて握手を求める。

 

「いかにもそうだな!…モニター越しになら幾度と無くあって来たが、遂に実物に会えるとは光栄だ!」

「此方こそ。ーーー〈ティタノマキア事変〉の立役者本人に会えるとは、光栄だよ。」

 

 ゼウスの手を握るヌアザ。隣では、ヌアザに付き従って歩く水色の髪の女性が、ケラウノスに挨拶していた。

 

「やっほ!ケラウノスのにーちゃん。…何気に、初めて会うかな?」

「よぉ。…クラウ・ソラス。ーーーーーーそうだな。初めてかもなぁ。ま、宜しくな。」

 

 ケラウノスが返事を返す。その女性ーーー〈フィンディアス〉の副艦長にして、新人類の『クラウ・ソラス』はニカっと笑った。

 

「へへっ。見た目よりちゃんとした人じゃ無いか。…気に入ったぜ。」

「なんだそりゃ?…俺ぁちゃんとした人間だぞ?」

「いやぁ。見た目がヤクザっぽいからさ。」

「おいおい。人は見た目じゃねぇってよく言うだろ??」

 

 呆れた様にケラウノスが声を上げる中、また部屋に別の人物が入って来る。

 

 

 

「ーーーーーーお、来たか……。トーリーの王。」

 

 いち早くその人物の訪れに気付いたヌアザが、扉の方を振り向いて口を開いた。

 

 

 部屋に入って来た青年、〈超弩級移動要塞都市トーリー〉の艦長ーーーーーー『長腕』のルーが、手を上げて挨拶をする。

 

 

「…やあヌアザ。そしてゼウス。…遅くなって悪かったな。」

 横で、〈トーリー〉の副艦長『ブリューナク』が頭を下げた。

「ごめんなさいね。…ルー君が道に迷いかけて…。」

 慌てた様にルーが彼女の口を押さえる。

「あ、それを言うなブリューナクっ?!…こんな目立つ建物に辿り着けなかったとか、馬鹿馬鹿しすぎるじゃ無いかっ?!」

 

「なんだ。案外方向音痴なのか?…可愛い所もあるもんだな。」

 

 そう言って笑うゼウス。ルーが少し恥ずかしそうに頭を掻く。ヌアザも声を立てて笑った。

 

 ヌアザもゼウスも、どちらかと言えばオッサン年齢なので、まだ若いルーが間に入ると、親戚の叔父さんに揶揄われている青年……みたいな構図になってしまう。

 

(ほっぺた赤くなってるルー君………可愛い…。)

 

 ブリューナクが心の中でそう思っている中、3人の艦長は話を続けていく。

 

「…で、肝心のポセイドンは…何処に?」

「ん〜…多分、その内来るだろ。此処は奴の城なんだからな。多分、俺達が集まるのを待って………」

 

 ルーの疑問に、ゼウスが答えた瞬間ーーー。

 

 

「YO!!!そこの7人の紳士淑女ォ!!ーーーーーー待たせちまって悪かったな!!………今、来たZEッ!!!」

 

「…ん?」「ーーーお?」「ーーーむ?」

 

 

 客間の何処からか、威勢のいい声と共に、ギャイーンッと跳ね上がる様なビートが鳴り響いた。

…それと同時に客間の床がパカっと開いて、日焼けした肌にグラサン姿の男が1人、クルクルと回転しながら飛び出して来た。

 

「そこの床開くのかよ?!」クラウ・ソラスが突っ込みを入れる。

 

 ダンッ!!…と、着地音が客間に響く。

 

 手に持った三叉槍を煌めかせて、客間に降り立った男ーーーーーー〈星屑の街アステール〉の最高管理官『ポセイドン』は、ビシッと人差し指を天に突き出してシャウトした。

 

「俺の城によく来てくれたな、伝説の3人の艦長共ォ!!!ーーーーーー会えて嬉しいZE!!」

 

 

ーーーーーードォーーーーンッ!!(鳴り響く、矢鱈と派手なSE)

 

 

 

「お……おぉ。何というか、ノリの良いオッサンだな…。」

 

 ルーが、若干気圧された様に呟いた。ノリの良いオッサンこと、ポセイドンがルーに向かってウィンクする。

 

…キラーンッ✴︎(やっぱり派手なSE)

 

「そう言ってくれてありがとな!!…ルー、お前さんも随分とノリ良さそうじゃあ無いか?!ーーーーーーイイね!ノリの良いガキは大好きだ!!」

 

「…あぁ…それは、どうも…。」

 

 ブリューナクが、ハッとなって呟く。

「…ルー君に向かって…『大好き』…?ーーーまさか、おじさんソッチ系の趣味がッ?!」

「…うん。先ずそれは無ぇな。」

「それは無いと思うぜ。あったらボク引く。」

 

 ケラウノスとクラウソラスが、同時に突っ込んだ。

 

 3人の副艦長の前でポセイドンはスタスタと歩き、客間の椅子にどっかりと座り込む。

 

「さあて、立ってるものなんだろ?!座りたまえ!なんでも、ゼウスが大事な話をしてくれるそうだからな?!」

 

 ルーの片眉が上がった。

 

「え。ゼウスが?…ポセイドンに呼ばれたから、てっきりポセイドンの方から話があるのかと思ったが……。」

 ゼウスは首を振る。

「いや。今回、ポセイドンにお前達を集めるよう頼んだのは、俺だ。取り敢えず、皆んな聞いてくれーーーーーー」

 

 彼は椅子に座り直すと、真剣な口調になって口を開いた。

 

「ーーー新人類の団結が叶えた、この街初の連邦の介入なき獣神祭……しかも、三つの超弩級要塞が揃った今しか出来ない話だ。」

 

「「……。」」

 

 ヌアザとルーの視線が交差する。

 ゼウスは、彼等を見渡しながら話し始めた。

 

 

 

「そろそろ、世界………変えないか???」

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

ーーーーーー場所は変わり、アステールのオルディナ街道。

 

 

 広々とした公園で、アミダ達は凧を揚げ続けていた。

 

「おー、上手上手!その調子だよ!」

「……へへ…やった…!」

 

 因みに今揚げているのはフェムト。アミダの教えが上手いのか、中々綺麗に揚がっている。

 

「多分、もうちょっと糸引いても良いと思うよ?…こんな感じで。」

「…うん。分かった。」

「ーーーよしよし!オッケーオッケー!高く揚げれてるよ!」

「糸、切れないように気を付けてねアミダちゃん?なんか、危なそうだよ?」

「分かってるってキラリ!大丈夫、大丈夫!………いやー、それにしても凧って、あんなに高く揚がるもんなんだね〜。風が良いのかな??」

 

……そんな風にワイワイ言いながら凧を揚げていく彼らを、ニュウは少し離れた所から黙って見詰めていた。

 

(やけに高く揚がるなぁ…。)ーーーなんて思っていると、キラリがアミダの肩を突っついて口を開く。

 

「ーーーちょ、アミダちゃん?凧の糸、切れてない??」

「へ?」

 アミダがクイッと糸を引っ張る。タラン……と凧を失った糸だけが帰って来た。

 

「あーーーーッ!!??糸切れたぁぁぁ!?!?」

「だから言ったじゃーーーんッ!?!?」

 

 叫ぶ2人。…空に連なるムゲンが飛んで消えていく。

 

「ちょ、まって!行かないでインフィニティカイトーーーーッ?!」

 

 手を上げ、空に向かって叫ぶアミダ。隣でハレルヤが小さくため息を吐いた。

 

「はぁ…。ちょっと待っててアミダ。…取って来るから。」

 

 そう言って、彼はピョンッと飛ぶ。…それと同時にセラムキューブを展開。展開された長方形のキューブを、指でタップ。

 

 キューブが一旦砕け散って、破片となってから彼の両足に寄り集まり、足の周りにリング状になって再生成される。

 

「よっ。」

 

 気負うことのない軽やかな物腰で、ハレルヤは靴の裏から水を噴き出して空を舞った。…足の周囲に現れた、リング状のキューブ変形体が生み出した水を、ジェット水流の様に放出しているのだ。

 

「うおおお!?ハレルヤさん飛んでるッ?!」

 

 噴き出す水流の反動で空へ飛び立っていくハレルヤを見て、ニュウが驚いた様に声を上げる。

「…忘れがちだけど、ハレルヤって空飛べるんだよね。…結構力使うらしいけど。」

 アミダがそう呟いた。

 

 5人が見守る中、空に駆け上がっていったハレルヤが、虹色に輝くインフィニティカイトをキャッチする。

 

 公園の周りにいる人達の中にも、空を舞うハレルヤを見守る人がちらほらと居た。彼がカイトを手に持って地上に戻ってくると、誰からとも無く拍手が巻き起こる。

 

「グッジョブ、ハレルヤ!!…いやぁ、空を飛べる人居て良かった〜!」

「それほどでも。……糸、結び直した方が良さそうだね。」

 

 ササッとアミダが近寄り、カイトを受け取って彼とハイタッチした。

 

「ーーーーーそうだね。糸結び直すよ。」

「…今度は切れないようにね。」

「分かってるって。」

 

 アミダが糸をサッと結び直し始める。やがて、糸の切れたカイトは元の姿を取り戻した。

 

「よーっし!インフィニティカイト復活!さ、揚げよっか!」

「うん。凧持っとくね。」

 

 再びカイトを揚げ出すアミダ達。空に舞う凧達の一つとなって、インフィニティカイトが再び空を舞う。

 

 

 

ーーーーーーやがて時は流れ…………。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

ーーーーーーPM12:14

 

 

 

 昼時ーーーーーーと言う事で、アミダ達は〈オルディナ街道〉を離れ、祭りで賑わう中心街へと足を運んでいた。

 

「……むぐまぐ、もぐぐっは。…もぐぐ。」

「食べながら話さないの。アミダちゃん。何言ってるか、分かんないじゃん。」

 

 色とりどりの提灯ーーー灯りはまだ灯っていないーーーに見下ろされながら、アミダがそこらの店で買って来た食べ物を食べつつ、人で溢れる通りを歩くニュウ達。

 

「……ごっくん。ーーーぷは。……ごめんねキラリ。」

 アミダが口の中のモノを飲み込んでから、改めて喋り出す。

「ーーーいや、さ。……祭りってやっぱり楽しいよねって、話。…特に今回は、連邦の介入無きお祭りだしさ。」

 彼女は機嫌良く先立って歩きながら、言葉を続ける。

「…来年も、再来年も、ずっとこんな風に続いたら良いよね…って思って。ね?」

「…そうだね。…きっと続くさ。」

 

 ハレルヤが頷く。サクア達アステール組も、コクコクと頷いた。

 

ーーーーーーニュウも笑顔で頷きかけて、ハッとなる。

 

 

(来年ーーー???…俺に来年なんてあるのか…???)

 

 口に入ったイカ焼きの感触が遠のいた気がした。喧騒の中で、ニュウは突然自分が1人になった様な気分に陥る。

 

(間違いなく俺は来年此処には居ない。…『作戦』がそんなに延びる事なんて、許されない。)

 

 みんなの後ろを歩きながら、ニュウは意識の隅に追いやっていた、逃れざる己の秘密に苦悩していた。

 

 

 

ーーーーーーそうだ。自分は此処には居られないのだ。

…連邦の求めるモノの為。…ネオを、連邦の元へ連れて行くと言う任務を帯びて自分は3ヶ月前、此処に来たのだろう???

 

 イースターで過ごす来年なんて物が、自分にある訳が無いじゃないか???

 

(…俺はイースターの皆んなに、ずっと嘘を重ね続けて居る。…自分を偽り続けてる。…バサラさんも、ネオさんにも……。)

 

ーーーそしてそんな状態のまま、3ヶ月もズルズルとコレを引きずって居る。

 それどころか、彼らの仲間として暮らす事に幸せすら感じている。

 

……こんな事辞めてしまおうと、考えた事だって無い訳じゃない。

ーーーでも、自分の脳裏にチラつくのは、あの極秘研究施設の真っ白な部屋に集まる自分と同じ〈新人類〉の姿。

 

 ネオさえ連邦の手中にあれば、彼らは解放される。自由になる。

 

 それを叶えたくて……でも、この今感じる幸せが離せなくて、ずっとあやふやな心のまま此処に居る。

 

 なんでだ?…ネオを連れて行くだけだ。確かに、此処で得た幸せは消えるかもしれない。しかし、代わりに新人類達全ての自由を獲得出来る。…それは新人類全体の、恒久的な幸せに繋がる筈なんだ。

 

 なのにどうして、ソレが出来ない??何故躊躇う??何を躊躇っている??

 

(嘘を吐いて……そんな事したって、苦しいだけなのに…。なのに俺は嘘をつき続けてーーーーーーーーー)

 

 

ーーーコツン。

 

 

 ニュウの思考は、後頭部に感じた軽い衝撃で掻き消された。

 

「……?」

 

 振り向くと、人混みの中に悪戯っぽい笑みを浮かべた少年達が、笑いながら消えていく所だった。手には小石を持っている。

 

(なんだ…子供の悪戯か。)

 

 あらかた、小石でもぶつけられたんだろう。ニュウは肩をすくめて歩き出した。

 

 遠くから、誰かの声が聞こえてくる。…さっきの子供等の親だろうか?

 

「こら!人に石を投げないのッ!」

「投げて無いよ!」

「投げたでしょ?!嘘つかないの!」

「嘘じゃ無いもん!」

「じゃ、手に持ってる石は何??嘘つく様な人は、地獄に堕ちるわよ?!ほんとにーーー……」

 

 

 そこから先の話は、祭りの喧騒に呑まれて聞こえなかった…………

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

「ーーーーーーそれって、どう言う事なの?シャイターン…。」

 

 

 

 時は少し遡り、アミダ達が〈オルディナ街道〉へ向かっていった頃。

 

 〈アステール支部〉の屋敷にて、シャイターンとネオが話をしていた。

 

 

 

「…そのままの意味です。ーーーニュウ様がイースターの一員として、認められている事は分かっております。」

 

 ネオの前でモップを動かしながら、シャイターンが言葉を紡ぐ。

 

「しかし、コレはただの勘の様な物ですが………あの方は、私の嫌う気配を纏って居られるのです。」

 

 ネオの首が傾げられた。

 

「その気配って…何なの?」

 

 シャイターンはモップを止めて、囁いた。

 

()()()()ですよ。……彼らの冷たい吐息が、あの方から流れ込んで来ます。ーーー私は、ソレがどうしても無視出来ないのです。」

 

 ネオの目が一瞬開かれて、すぐに戻った。

 

「……!ーーーーーーいや、そんな訳ないよ。だって………」

 

 星の満ちるケテルの閨の中で、差し出された手を思い出す。霧の森で、彼が言ってくれた…言い切ってくれた事を思い出す。

 

…そんな彼から…連邦の気配を…??

 

「だって…彼が連邦側なら、一体何をしに来たの??…もう3ヶ月も経つんだよ?別に私達に何かをしようとした事は無いし…。」

 

 シャイターンは机の上を拭き始めながら、口を開く。

 

「考える事だけなら、幾らでも出来ます。ーーー長い期間の任務を帯びた、スパイかもしれませんしーーーもしかしたら、貴方を狙って居る刺客なのかも知れません。又は、元連邦兵で、今は連邦から追われる身なのかもーーー。」

 

 ネオは首を振った。…何でだろう…彼の事をそうやって言われると、何故か凄く嫌な気分になって来る。別にシャイターンは、ただ個人の意見を述べて居るだけなのに…。

 

「……そんな訳ない。そんな訳ないよシャイターン。彼は言ってくれたんだもの……私は自由で良いって。ーーーそんな事言ってくれる人が…あんな連邦の一員な訳が無い……そんなの嘘だよ。」

 

 ネオの言葉は、何の反論にもなっていない。ただの願いに近い物だ。

 でも、ネオにとってシャイターンの言葉は、信じるに値はしなかった。

 

「分かっております。…あくまでも、コレは私の勘ですから。…人の勘というものは、当たり外れが激しいものです。ーーーーーーお気を悪くさせてしまい、申し訳御座いません。……では、失礼。」

 

 一通りの掃除を終えたシャイターンが、部屋から音も無く出て行く。

 

 

 

 

「……………。」

 

 また1人になったネオは、どうも音楽を聴く気になれず、窓の外からお祭り一色の街を見下ろすのだった。

 

 

 

 






(^ν^)オッホータマンネ。

 ネオニュウ問題はこの章でキメる予定。

 つまり、やっと『リバース』の話が出来る…??どうも原典とは異なる始まり方になりそうですがね………
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