モンスターストライク 〜星ノ呼ビ聲〜   作:犬社長

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…今日の話は番外編的立ち位置かもしれません。

ネオ関連の話は一切出ないのでご容赦を……




6話 〈その裏に隠されているモノ〉

 

 

 

♪♭♫♬♭♫♬………

 

 

 

ーーーーーーーーー星は唄う。

 

 

自らを導く者たちへ…

 

 

 

♪♭♫♬♭♫♬………

 

 

 

 

ーーーーーーーーーどうかこの歌が、届く様に……

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

コツ…コツ…コツ………

 

 

 

 

静かな廊下の中に、響く革靴の音。

 

 

 足音の主は、かなり複雑に入り組んだ廊下を、迷いなく歩き続ける。

 

 

ーーーーーーーーーやがて、その足がとある扉の前で止まった。

 

 

「………………。」

 

 

暫くの静寂の後、扉が独りでに開く。

 

 

……白色灯の灯りに照らされた扉の中へ、()は足を踏み入れたーーーーーーーーー…

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

…扉を開けた先の部屋の中には、精密そうな電子機器類がごまんと並べられていた。

 

 そして部屋の壁一面に、大型のディスプレイが貼り付けられており、まるで監視カメラの様に、青白い画面に幾つもの部屋を映し出している。

 

 

…きっとこの部屋は、()()()を管理する為の部屋なのだろう。

 

 

 

ーーーーーーーーーそして、そんな部屋の中心に誰かが座っている。

 

 

 

…近づくと、ヒトの気配に気付いたのか、座っていた椅子をクルリと回して、こちらに向き直ってきた。

 

「……ふむ…君か。何の用だね?」

 

…口から少し機械じみた、しゃがれた声が発せられた。

 

……それに答えるのは、落ち着きのある男性の声。

 

「………実験番号4815の処遇について、意見がありまして。…ソレで、此方に伺わせていただきました。」

 

「ーーーーーーーーーほう?」

 

ーーーーーーーーーしゃがれた声が、先を促す。

 

「……()()()優秀なデータを出してる筈です。……何故、〈終了措置〉を取ったのですか?」

 

…男性のその問いには、疑念と悲壮感が漂っていた。

 

「ーーーーーーーーーワシの決めた事じゃ。……まさかお主…あ奴らに同情しておるのか?」

 

…問いに対する返答は、冷たかった。男性はただ、しゃがれた声の主を見つめる。

 

「……もしそうなら、随分と自分の事を棚に上げてあるのでは無いかの?…『アンソニー』君。…君もワシと同じ()人道的な〈新人類〉の実験に関わっている筈なのに、まるで自分が良識ある人間であるかの様に振る舞っている。」

 

…男性と向き合う男が、しゃがれた声で続ける。

 

「………同情などするな、アンソニー君。…いらん感情に支配されては、人体実験などままならん。」

 

 男性……否、アンソニーが口を開いた。ーーーそれと同時に、彼の着こなしたスーツの内から、一枚の紙が取り出される。

 

「……確かに、アナタと私は同じ穴のムジナ。……しかし、同じムジナにも、個体差があります、個性があります。ーーーーーーーーー今私が取り出したのは、No.4815の最新の実験結果です。…各種項目値共に、平均以上……〈終了措置〉を取るのは未だ早いと思いますよ、『Dr.ゾルゲ』さん。…最近はハードルが、だいぶと高くなってしまっている様ですね?」

 

 

…しゃがれた声の主改め、『ゾルゲ』が鼻を鳴らした。

 

 

「…フン。世の動きをワシは見極めとるんじゃ。ーーーーーーーー新人類はコレから益々力を付けていく。…能力的にも、政治的にも。…歯止めが効かなくなる前に、徹底的に管理し、()()()()に引き込まねばならん。…さもなくば、〈新人類優生思想事件〉の二の舞になるぞ?」

 

 

……そう言いつつも、ゾルゲはアンソニーが差し出した紙にしっかりと目を通していた。

 

 

 やがて、()()()()()()()()()アゴをさすりながら、ポツリと呟いた。

 

 

「ふむ。………とは言えNo.4815は、確かに良い数値を出し始めたな。…ここに来てから日が浅いのに、よくやりおるわい。…コレなら、〈連邦新人類部隊〉に編入も可能か……。」

 

 アンソニーは心の中で小さく安堵のため息をついた。……人、しかも若い子供が〈終了〉されるのは、好きではなかった。

 

 

 

…ただ、ココで〈終了〉を免れたとして、新人類達に待つのは連邦に酷使される過酷な運命だ。アンソニーがしている事は、どちらにせよ人を死に追いやる行為に変わり無い。……彼は結局のところ、運命の先延ばしに甘んじているだけなのだ………

 

「…良いだろう。」

 

 アンソニーの目の前で、ゾルゲがそう呟いて、見ていた紙を懐にしまった。…服の袖から、半分機械化した身体がチラリと覗く。

 

 

「…実験結果から鑑みて、No.4815の終了措置は、取り止めにする。No.4815は〈連邦新人類部隊〉に編入とし、この施設から異動させる。……コレで満足か?アンソニー君。」

 

 彼の目が、アンソニーを捉えた。…その瞳が暗に告げている。…同情など早く止めてしまえと………

 

 アンソニーはただ黙って頭を軽く下げた。そして、ゾルゲのいる部屋から立ち去って行く。

 

 

…そして、部屋にはゾルゲただ1人だけとなったーーーーーーーーー

 

 

 

「………さて、」

 

 

そう(ゾルゲ)は呟いて、壁の無数のディスプレイに目を戻す。

 

…青白い画面に映るのは、幾つもの小さい、綺麗だが殺風景な部屋と、その部屋の中に蹲り、或いは壁にもたれ掛かる様にしている()()()()()…。

 

…部屋の中に入居……言い方を変えれば拘束、軟禁されている者たちは皆〈新人類〉だった。

 

 

そんな彼らを画面越しに見ながら、ゾルゲは呟く。

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()………

 

 

 

「………頼むぞ。ワシの願いは()()にかかっているのだ…」

 

 

 

 

「…そして、あ奴らの運命も……。」

 

 

 

彼の横顔に、狂気的な笑みが浮かんだ。

 

 

 

 

「…必ず、成し遂げて来い。」

 

 

 

 

彼はその者の()を小さく呟く。

 

 

 

 

「ーーーーーーーーーーーーーーーニュウ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 







……連邦政府ってどう書けば良いんじゃ?


追記2023.6.1 タイトル変更
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