モンスターストライク 〜星ノ呼ビ聲〜   作:犬社長

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こっから新章となりますね〜。

……このペースだと、中々終わらんな()






64話〈変革の狂熱へ〉

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

……吹き付ける風は、いつも冷たい。

 

 

 

ーーーー此処は極寒の地『北極』。

 

 

 永久に溶けることのない氷床が広がる場所。…その最深部ーーーー北極点に、()()はある。

 

 

ーーー分厚い、何万年もの時間をかけて積み重ねられて来た氷を貫いて、天に伸びる()…或いは()

 

……雲を越え、何処までも伸びる幹の先には、大きく広がった枝葉。その中心に、広がる枝に守られる様にして、巨大な一輪の花が咲いている。

 

 

 

ーーーー〈()()()〉…その本体だ。

 

 

 見た目は、まるで水晶で作られた像の様。…キラキラと光を反射し、空に聳え立っている。

 

 〈星の花〉の周りからは、絶えず〈星のセラム〉が生み出されていた。…雨上がりに、山から水蒸気が雲になって空に登って行く所を、見た人は居るだろうか?ーーーあんな感じだ。

 

 

 そんな星の花の近く…ギリギリ〈星のセラム〉が届かない場所に、とある施設がある。

 

 

…連邦が建築した、星の花を常に監視する為の施設『北極禁域監査局』だ。

 

 監査局に与えられた役目は、〈星の花〉に異常や変化が起きたりなどはしないか、365日24時間体制で監視する事。

 

 何かあれば、すぐに連邦を通して世界各地に連絡が行き渡る様になっている他、星のセラムに関する研究も此処で行われていたりする。

 

ーーーーただ、星の花が出現したあの日以来、星の花に変化が起きた事など一度も無い。…故に、此処の職員はいつも暇を持て余している。

 

 

 それは今日ーーーー1月1日も同じである………()()()()

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

「ふぁ〜………。」

 

 

 誰かの欠伸が、暗い部屋に響く。デジタル時計を見れば、時刻は朝の6時を示していた。

 

「暇だな…。」

「そうだなぁ……。」

 

 部屋に居るのは2人。ーーーーどちらも、禁域監査局の局員である。

 

 どうも、彼等は互いにこの仕事に関する愚痴を言い合っているらしい。

 

 

「まったく…元旦だってのに、獣神祭にも参加出来ずによぉ。ーーーーこんな所でモニター見つめてなきゃいけないとか…新手の拷問か??」

「それな。ーーーーそもそも、星の花に変化なんてありゃしないのに。…ま、10月頃になんかちょっと有ったけどさ。…表面構造の変動…ってヤツ?」

「あぁ。なんか有ったな。ーーーでもアレは一瞬だったし、計器の故障じゃなかったっけ?」

「んにゃ。ーーー故障じゃ無かったぽいぞ。たぶん誤作動かなんかだろう…って話だった筈。」

「ほーーん。」

 

…そんな、他愛も無い会話を続けていた2人だったが、そのうちの1人がふと、モニターに目を移して驚いた様に声を上げた。

 

 

「ーーーん??んん???…ちょ…は…?ーーーおい!トム!!」

「んだよジョン?そんな、単発で限定引いたみたいな声出してーーーー」

「ーーーそうじゃねぇよ!!…計器見ろ!!!」

「は?」

 

 2人の目が、モニターと周囲にならぶ計測器具に吸い付けられる。

 

 

ーーーー何故なら、全ての計器類が凄まじい変動を記録していたからだ。

 

 

「な、なんだこりゃ…?」

「ーーー10月とおなじだ!表面構造の変動!…だけどーーー前の比じゃないぞ!?」

 

 慌てふためく2人。ーーー計器類のモニターが【Error】を文字を吐き出すのに、そう長くは掛からなかった。

 

 更に、星の花を映し出しているメインモニターでも、変化が起きる。

 

「…ジョン!星の花を見ろ!!」

「んあ…?ーーーなんだありゃ!?」

 

絶句する2人。

 

 

「…星の花が……()()()()()()()っ?!」

 

 

…2人の見る先で、星の花は大きく形状を変えつつあった。

 

 

 木の様な外見から、枝が無くなり、ただの長い1本の柱の様な形へ。

ーーー空には、雨が降ったわけでも無いのに虹が架り始めていた。

 

 

「…星の花がーーー柱になっちまった!!」

「これじゃ、星の柱だぞ?!」

 

唖然とモニターを見つめながら、呟く2人。

 

 

 あっという間に只の円柱となった星の花。そして、変化はそこで終わった。

 

 

「……なんじゃこりゃ…。」

「……いや、俺に聞かれても知らねぇよ…。」

 

 

ーーーー凹凸の無い、すべすべとした見た目の円柱に変わった星の花。

 

 監査局の2人は、ただ呆気に取られてモニターを見つめる事しか出来なかった………。

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 1月1日ーーーーAM6:00頃に発生した、星の花の変化。その結果として、北極に新たに生まれた謎の柱。

 

 星の花の変化体であるこの柱には、研究議会より〈アメノミハシラ〉と言う名称が与えられる事となるが、それは少し先の話。

 

 特徴として、この柱は不思議な事に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 北極の景色など絶対に見れない筈の南極に居ても、北を見れば〈アメノミハシラ〉が見えるのだ。

 

ーーーー誰しもがこの謎の解明を行おうとしたが、誰も解き明かせはしなかった。

 

 そして、一体何が星の花を突然変化させたのか?…これもまた、誰にも分からなかった。

 

 

……しかし、1つ言っておく事がある。

 

 

 コレは誰も知らぬ事だが、この柱が生まれたのは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 ソレとコレに何の関連性があるのか。……それは、星の花のみが知っていよう。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

1月1日ーーーーAM8:00

 

 

場所ーーー星屑の街〈アステール〉

 

 

ーーーーアステールの中心、〈コリントス宮殿〉にて。

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 広々とした客間に、錚々たる顔ぶれが並んでいた。

 

 オーステルン艦長ゼウス。その妻ヘラ。そして、副官のケラウノス。

 

 向かい側には移動要塞都市フィンディアスの艦長ヌアザ。副艦長クラウソラス。

 

 その隣に、同じく移動要塞都市トーリーの艦長ルーと、副艦長ブリューナクが座り込んでいる。

 

 長机の1番奥にはアステールの王ポセイドン。彼の隣には、部下のトライデントが仁王立ちしていた。

 

 

(ーーーーいや〜…やっぱり、凄い顔ぶれだなぁ……。)

 

 

 机の一番手前側、バサラの隣で小さくなりながら、ニュウはぼんやりとそんな事を思っていた。

 

 

ーーー因みに、ニュウがバサラと一緒に此処に来たのには理由がある。

 

 ついさっき、ニュウ達イースターは連邦極秘研究施設へ向かうーーー言ってしまえば襲撃しに行くーーーと、ゼウスに告げた。(と言うか、彼も一緒に聞いていた。)

 

ーーーすると、ゼウスはゼウスの方で何やら他の艦長達と話を進めようとしていたらしく、ニュウにも説明に来いと言われたのだ。

(因みに、今は既に説明は終わり、彼等の間で話が纏まるのを待っている段階である。)

 

 

「…一つ言っとくがよ、ゼウス。」ーーーと、ポセイドン。

 

「ん?なんだポセイドン。」

 

「マジで戦争になるぞ。」

 

 ポセイドンのガチトーンが部屋に響く。…ゼウスは頷いた。

 

「だから言ったじゃねぇか。…一昨日だったか?間違いなく戦いが起きるって。ーーーーんで、ソレについて思いもよらぬ話が舞い込んで来たから、こうして時間をとって貰ってるのさ。……もう話はニュウから聞いただろ?」

 

頷く一同。

 

「ーーーな。…案外早く舞い込んできた話だったけどよ。まさにタイムリーじゃねぇか。今が動きだす時なんだよ。…今度こそ、世界を変える為にな!」

 

そう言って、ゼウスはニュウとバサラを指差した。

 

「ーーー彼等はやる気だ。…俺も良いと思ってる。ーーーーーーただ、俺1人だけではコレから起きる混乱を超えて行けはしないだろう。…だから皆に力を貸してほしい。この世界の…全ての新人類の為に。」

「…本気だな?」

「あぁ…勿論さ。」

 

 ポセイドンとゼウスが真剣な口調で言葉を交わす裏で、ヌアザが腕を組んで呟いた。

 

「…うむ。ーーーしかし、アレだな…話はちとズレるが、連邦は『非道な新人類研究』をまだ続けてたのか。…ブリタニアとかの要望やら、ライオ・アルスラーンの事件やらで、非人道的な実験はもう辞めてたとばかり………。」

ニュウは頷いて口を開く。

「…極秘研究施設では、まだソレが続いてます。……他の実験施設で辞めただけなんですよ。そして、連邦はソレを秘匿している。ーーー今回、僕達はそれを暴きに行くつもりなんです。」

 

バサラが話を続ける。

 

「……隠してるってことは、バレたら流石にヤベェって連邦も思ってるからさ。ーーー反乱は起こされたく無いだろうしな。」

 

ゼウスが更に話を継いだ。

 

「それを暴きに行く訳だ。ーーーー戦いは起こる。オーステルンも巻き込まれるだろう。…但しあの要塞()は、連邦と関わりを持ちたくは無いが、だからと言って反発する程では無い様な人々の為の、居場所でもあるんだ。だから……皆んなには、もしものことがオーステルンにあった時、住民の奴らを引き受けて貰いたい。……それを頼めないだろうか??」

 

「疎開先…って事だな?」

 

「そんなモノだ。ただ、どうなるかは…もうやってみなきゃ分かんねぇ。ーーーー覚悟は決めてる。俺も、イースター(コイツら)もな。」

 

 ポセイドン含め客間の全員が顔を見合わせた。……やがて、彼等は頷きを交わす。

 

「分かった。フィンディアスは協力しよう。…有事の際のオーステルン側の住民の受け入れ及び、協力も行う。…もとより、反対する気は無いしな。」

「でも、やるからにはキッチリやってね〜。」

 

ヌアザとクラウソラスが最初に口を開く。

 

ルー達もそれに続いた。

 

「ーーー俺も協力するぞ?…てか、此処で断る様な真似はしたく無いしな。」

「世界を変える……良い機会だと思うよ。ルー君の為にも、きっとなる。」

 

最後にポセイドンも頷いて見せた。

 

それを見て、頭を下げるゼウス。

 

「……恩に着る。」

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

「ーーーーで、ニュウ。」

 

 コリントス宮殿からの帰り道。隣を歩くバサラが、ニュウに声を掛けてきた。

 

「はい?」

 

破壊された街並みを見渡していたニュウが顔を上げる。

 

「ーーーー作戦はどんな風にするんだ?…何か計画があるのか?」

 

ニュウは頷いた。

 

「ありますよ。…単純な物ですけど。」

「ほう。」

 

バサラが目で続きを促す。

 

 ニュウは頭の中に思い描いている作戦を、彼に話し始めた。

 

「…アルセーヌさんのエギーユクルーズで、先ず接近します。…この時は〈偽装コクーン〉を展開した状態ですね。展開しなきゃバレますし。ーーーーで、カノープスさん達に此処から手伝って貰います。」

「お。ーーーーハッキングか?」

「その通りです。…上手く出来るかは賭けみたいな物ですが、相手の防衛システムを少しでも機能停止させる事が出来れば御の字ですね。」

 

 復興作業に励む人々を間を通り抜けながら、ニュウは続けていく。

 

「システムダウンを確認後、艦内に突入。ーーーで、後は白兵戦で行きます。…内部構造は僕の脳内に入ってるので、指揮を取ることは可能ですね。」

バサラは腕を組みつつ頷いた。

「…へぇ。ーーーーそう言えば、キラリと違ってお前は研究施設の場所知ってんだってな。…なんでだ?」

「警備を任された事が有るんですよ。…こう見えて、僕は新人類部隊の中では古株なんで。」

「ーーーなるほど。」

「…取り敢えず、カノープスさん達にこの事を伝えに行きましょう。…オーステルンに居るでしょうし。あと、ハッキングだけじゃ無くて、他にもお願いしたい事があるので。」

「おう分かった。ーーーーじゃあ、話を付けにいくか!」

 

 こうして2人はアステールの街並みを抜け、郊外に鎮座するオーステルンを目指す。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

一方、アステール支部の屋敷では。

 

 

 

 

「………えい。」

 

ーーーーーーーズッ…と微かに音を立てて、ガラスのコップが形を変えた。

 

そして、コトンと音を立てて机の上に置かれる。

 

「…わ……凄い。ーーー綺麗な鳥の像…だね。」

 

 翼を広げたガラス製の鳥の形に変わったコップを、マジマジと見つめてカノンが呟いた。

 

それを指先で摘んで、ネオが持ち上げる。

 

ーーーーコップを鳥に変えたのは、彼女だった。

 

 

「…やっぱり。ーーー私、どんな物でも思い描いた形に変えられるみたい。」

 

 そう言う彼女の周りには、既に沢山の『彼女に変えられたモノ』が置いてあった。

 

 元々はトランプだったり、ペン立てだったりした物が、今では全く違う別物ーーー但し材質は同じーーーに変わって、並べられている。

 

「コレは物質の再構成能力ーーーと言った所かしら?……驚くべきは、その精密性と汎用性ね。ーーーおそらく、原子レベルまで干渉ができているみたい。」

 

 ガラスの鳥を見ながら、アルセーヌが興味津々と言った感じで呟いた。

 

「ただの予想だけど…極めれば、大気中を構成する僅かな物質だけでどんな物でも創れてしまう……かも知れないわ。」

「……創造する力でも有る…って事だね。」

 

 ネオは今朝、連邦軍と戦闘を繰り広げた時の事を思い出していた。

 

…自分は無数の武器を生み出し、空に文字通り道を創って、彼らと戦った。ーーーあの時と同じ芸当が今出来るかと思えば、微妙な所だが。

 

「…後は、単純な基礎能力も大幅に上がっている様ですね。」

 

隣からアビスが口を出す。

 

「ーーー今のネオは、あらゆる面で既存の新人類を大きく上回っている様です。コレはもはや、新しい進化ですよ…。」

「獣シン化……。」

 

ボソッとネオが呟いた。

 

「え?」

「獣()祭の時期に起きた()化だから、獣シン化。……なんちゃって。」

「…えっと……駄洒落ですか??」

「ーーーーかもね。」

 

 アビスの問いをネオはサラッと流してから、何事もなかったかの様に話し始めた。

 

「…とにかく、私はもう少しこの力の理解を深めておくよ。ーーー自分がどんな力を手にしたのか……気になるから。」

アルセーヌが頷いて見せた。

「…それが良いわね。ーーーこれから連邦とまた一波乱あるのは確実だし、自分の能力は早めに理解しておいた方が良いわ。」

「ーーーーうん。」

 

ネオは深く頷いたーーーーーーー

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

ーーーー場面はアステールの繁華街付近へ変わる。

 

 

 

 

 

「ーーーーんしょ……ほっ!」

 

 掛け声と共に腕を上げれば、大きな瓦礫がガシャリと音を立ててズレて、道が開けた。

 

 両手の埃を払いながら、ハレルヤは後ろの人達に声を掛ける。

 

「良し。……コレでこの道は通れる様になりましたよ。」

「おぉ!助かります!…重機が足りなくて困ってたんですよ!」

「今は何処もかしこも大変だからなぁ。…いや、本当に助かった。ーーーありがとさん!!」

 

 そうハレルヤに礼を言ってから、道の向こう側へ向かう人々。

 

「………。」

 

 彼等を見送ってから、ハレルヤは繁華街ーーーだった場所ーーーを見渡した。

 

…特にノーマン大量発生による被害が大きかった繁華街は、殆ど瓦礫の山と化してしまっている。

 

(もっと……俺がちゃんとノーマンと戦えてれば……。)

 

微かに顔を曇らせるハレルヤ。

 

ーーー彼は此処でアルセーヌと協力して、ノーマンの群れと繁華街を守る為に戦った。しかし、頭数の多さに加え『五ツ星級』の出現もあったりと、中々に苦戦してしまったのだ。

 

…もちろん、たった2人で出来ることは限られている。ーーー繁華街は広いのだ。その全てをカバーしようとする事は無謀だと、ハレルヤは知っていた。

ーーーでも、あと少し自分が頑張れていたら…もっと被害を抑えられたかも知れないーーーーーーそんな風に考えてしまう。もう、コレは性みたいなモノだ。

 

……彼の横を、子供に手を引かれた老人が通り過ぎていく。

 繁華街の住民だろうか?家は大丈夫だったのだろうか?家族は無事なのだろうか?

 

…子供と老人を目で追いながら、そんな事を考える。

 

(……世界には、力を持たないーーー持てない人がいる。…何かがあった時、真っ先に傷付いてしまう人達が……。)

 

ハレルヤは手伝える事を探しながら、繁華街を歩く。

 

(ノーマン相手でコレなんだ。……ココから世界を巻き込んで連邦と戦う…って事になればーーーーーーー。)

 

彼の思考は巡る。…少々、ネガティブな方へ。

 

 

ーーーーそんな彼に、背後から声を掛ける者がいた。

 

 

「あ。…ハレルヤさんだ…。」

「お!?そこに居るのは……ハレルヤ〜〜〜!」

 

「…アミダ…キラリ…!」

 

ーーーーアミダとキラリである。

 

 彼女達も繁華街の復旧の手伝いに来ていたのだろう。ーーー腕を捲って、動きやすい服装に着替えていた。

 

「ハレルヤも手伝い?」

「うん。……繁華街は特に打撃を受けたからね。」

「確かにね〜。…もう滅茶苦茶だよね、此処。ーーー火事も起きてたし。」

「火事騒ぎは収まったみたいだけど…ね。」

 

 彼等は話しながら、ちょうど建物の焼け跡らしき場所を通り過ぎた。…まだ焦げ臭い香りが漂っている。

 

「…………。」

 

…ソレを眺めていると、横からアミダが覗き込んで来た。

 

「ーーーハレルヤ、顔色が良くないね…。大丈夫?疲れが取れてないなら、お屋敷で休んできた方が良いよ。」

「ん?…あぁ。大丈夫。ーーーちょっと考えてただけ。」

「何が??」

 

 首を傾げるアミダに、ハレルヤは己の中の思いを吐露した。

 

「…コレ、言っていいのか分からないけどさ。ーーーーネオ達は連邦と戦うつもりでしょ?」

「ん〜…まぁ最終的にはそうなるよね。」

「……俺さ…『力無き人達』の事を考えてたんだ。ーーー戦争は()()()()()()()を傷付けてしまう。……でも…そうしなきゃ、もう世界は変わらないのかな……?」

 

……アミダがハレルヤの背中に手を当てた。

 

「私も、争いを肯定する気はないよ。ーーーでも、時には戦わなきゃならない瞬間がある。……今がその時だっただけ。ハレルヤの思いも分かる。…どの道を選ぶかーーーコレは選択だね。」

 

「そうか………。」

 

 ハレルヤは空を見上げた。…東の空、かつて日本という名の国があった場所をーーーー

 

 

(俺がかつて答えられなかった『運命の選択』が、また現れたんだな……。形を変えて…でも本質は変わらずに。)

 

 

ーーー空の彼方…蒼穹の果てに、嘗ての()の姿が見えた気がした。

 

 

「変革……か。」

 

 

 ボソッと呟いた彼の隣で、アミダが軽く微笑みながら口を開く。

 

「ーーーそれにね。ハレルヤ?…ニンゲンは、やる時はやる生き物だよ??信じてみなよ。()()()()()()()()()()ってヤツをさ。」

 

 ハレルヤはゆっくりと頷いた。ーーーこれから、自分達が世界に変革の火を点ける、最初の火種となる。……その自覚と、同時に降りかかるであろう、世界を大きく変える事への責任を、ハレルヤは今のこの瞬間に感じていた。

 

 

(……時は来たのか。ーーー果たして俺達は…正しい道を選び続けられるかな…?)

 

 

 

 

 






戦争を良い物と書く気は無いです。

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