今回の話はかなり短いです。2000文字強くらい。…普段の3分の1ですね。
65話〈作戦会議〉
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ーーーー移動要塞都市オーステルンにて。
◇◆◇
「…ほほう?ーーーそんな事が今回のノーマン大量発生事件の裏で起きてたのか。」
相変わらず薄暗い部屋の中で、ピザを頬張りながらカノープスが呟いた。
部屋の中には、ニュウとバサラ。ーーーそしてサテライトも居る。
「ええ。なので、カノープスさんとサテライトさんには、連邦極秘研究施設のハッキングを手伝って欲しいんです。」
「ほー…なるほどな。ーーー中々面白そうな話じゃないか?」
新たなピザの一切れを口に運びながら、カノープスは悪い笑みを浮かべて頷いた。
「……俺はノるぜ。ーーー極秘研究施設…素晴らしい響きじゃないか。ーーーセキュリティもとびきり頑丈なんだろな?」
「ええ勿論。ーーーだから、カノープスさん達にお願いする事にしたんですよ。…貴方達は適任ですからね。」
カノープスは嬉しそうにニヤついた。
「ふふふふ……人を見る目があるじゃないかニュウよ!ーーーこの俺、天才ハッカーカノープス様に、万事任せるが良い!!」
両手を広げて叫ぶカノープス。隣でサテライトが小さくため息を吐く。
「…確かにカノープスが喜びそうな話だけどさ。ーーー結構危ない橋渡る事になるよね?」
ニュウは頷いた。
「ええ。…失敗は許されませんね。」
サテライトは話を続ける。
「ーーーだよね。…で、極秘研究施設って何処にあるの?」
ニュウはバサラ達に説明した時と同じようにサテライトに説明した。
「空ですね。ーーー飛んでるんですよ。」
「へぇ〜……飛んでるんだ…。それは、また…すごいね。」
「ほほう!ーーー空飛ぶ研究施設か!道理で話を聞かない訳だ!…今のご時世、高高度を飛行するヤツは居ないからな。空を飛べば、確かに誰の目にも付かないだろうな!」
サテライトとカノープスが互いに感想を述べる隣で、バサラが口を開いた。
「んで、どうだ?ーーーサテライト。やるのか?」
サテライトは頷いた。
「もちろんだよ、バサラ先輩?ーーー私も居なきゃ完璧なハッキングは出来そうに無いしね。」
カノープスが鼻を鳴らす。
「…ふん。怖かったら、此処に居ても良いんだぞ?……失敗すれば、空の藻屑なんだからな。」
「ご心配どーも、おじさん。ーーーでも、私は行くよ。私のドローンを使えば、なんとでもなるからね!」
そう言って、サテライトはドローンの入ったランドセル型バックパックを、大切そうに抱き締めた。
こうして、カノープスとサテライトーーーこの2人の協力を得たニュウは、アステールへと帰路に着く。
ーーーーーーー役者は揃った。遂に全員を集めて、作戦会議をする時が来たのだ。
◇◆◇
時刻ーーーAM9:30
場所ーーー〈アステール支部〉
一階の応接間には、イースターの全員が揃って居た。
街に出て復旧作業の手伝いをして居た者も、戻ってきてこの会議に参加している。
「……良し。取り敢えず、役者は揃いました。」
最初に口を開いたのはニュウだ。ーーー彼の紫に輝く瞳には、イースターの仲間達の顔が映り込んでいる。
「ーーーーこれより、連邦極秘研究施設〈タルタロス〉攻略作戦会議を始めます。」
「よっ、待ってました〜。」
アミダが賑やかした。部屋に緩やかな微笑みが満ちる。
すぐ隣に座り込んでいるネオの視線を感じながら、ニュウは話し始めた。
「…先ず、タルタロスの場所から。ーーーー基本、タルタロスはランダムな航路で空を飛んでおり、その動向を予測するのは困難です。」
カノープスが、部屋の隅で首を捻った。
「ほぉ。ーーーじゃ、どうやって行くつもりなんだ?」
ニュウは人差し指を立てる。
「ーーーま、そう思うでしょう。……ですが、1年に1回だけタルタロスが同じ場所に現れる日があるんです。」
ニュウは続ける。
「それが年末年始。ーーーつまり、今ですね。……この年末年始には、タルタロスは必ず連邦の『移動要塞都市1番艦〈アーク〉』の上空に停泊します。」
「アーク…。連邦の総帥がいる要塞都市か。」
アルスラーンが腕を組んで呟いた。
ニュウは頷く。
「はい。ソコです。……つまり、僕たちのこのタルタロス襲撃計画とは、連邦の中心部に入り込むという事でもあるんです。」
ーーーだから、と言ってからニュウはカノープスとサテライトの方を見る。
「これは絶対にバレてはいけません。…向こうが気付かない内に、システムをシャットダウン。そして、通信設備を無効化しないといけないんです。ーーー失敗すれば、タルタロスの迎撃システムだけでは無く、真下のアークからも攻撃が来ます。」
「それは大変ね。ーーー私の
アルセーヌがそう言った。
隣でカノープスがニヤついた笑みを崩さぬまま、口を開く。
「…なるほどな。ーーーよく分かったぜ。確かにバレたらヤバいな。」
そう言ったカノープスはパソコンを軽く叩いて、話を続ける。
「ーーーーだが、俺様に任せとけば問題無い。…失敗なんざしねぇさ!俺様は天才ハッカーなんだからな!」
ニュウは微かに微笑む。
「ーーーーその自信がフラグにならない事を祈っときますよ。…ま、取り敢えずシステムダウン後は、もう内部に突入しての白兵戦になりますね。ーーーコレに関しては、頑張って下さいとしか言いようが無いです。……警備員は結構居ますし、人とは別にロボット兵も居ますから。」
「ロボット兵?…そんなのが居るんだ。」
ハレルヤが感心したように呟いた。
「ニュウ。ーーーー警備の奴らは強いか?」
バサラが横から質問する。
「…かなり強いです。ーーー元々襲撃が来ることを想定してる訳では無いですが、内部の新人類が反乱を企てた時に素早く鎮圧出来るように、警備員は全員新人類兵で固められていますから。」
ニュウの解答にバサラは頷いた。
「…オッケー。了解。」
続いてアビスが口を開く。
「…新人類の皆んなを解放した後は、どうするのですか?…沢山の人が囚われて居るのでしょう?」
コレには横からバサラが答えた。
「…囚われてる人々を解放した後の事は、オーステルンに任せる事にしてる。…ゼウスの爺さんが上手くやってくれるだろう。ーーー帰りたい者が居るんだったら故郷に帰すし、身寄りが無いのなら、オーステルンやアステールで暮らす事が出来るからな。」
コレにはニュウも頷いた。
「そうですね。それが良いと思います。…皆んな色々あるでしょうし。」
アルスラーンも頷いて、口を開く。
「分かった。ーーーーーーーーで、今から行くのか?」
ニュウは頷いた。
「ええーーー出来れば。……此処からアークまでは、どう頑張っても丸一日は掛かりますし。タルタロスがアークから離れない内に、終わらせて仕舞わないと。」
「アークの場所は分かってるんだろうな?」
「はい。ーーーアークは一年を通して通るルートが決まってますから。…そこから予測可能です。」
「了解した。ーーーーなら、今すぐ行こう。……ノーマン事件の疲れは、道中で取れるだろうしな。」
「オッケー、私はバッチリだよ!」
「俺も行ける。…覚悟は決まった。」
立ち上がるアルスラーンとイースターのメンバー達。
「ーーーーッッ。助かります。」
ニュウはただその場の全員に、頭を深々と下げたーーーー。
言う程会議してたか?
…まぁ、ちょっとネオの新たな力とか、ニュウの方にも変わった事とかが有るんですけど、それを語るのは次回に回しました。
取り敢えず、次回はネオニュウの身の回り話。そして、タルタロス襲撃へと話が向かう予定です。
ーーータルタロスが年末年始にアークの真上に停泊するのは、3章で言及してたので、その回収となっております。
最近は投稿頻度が遅いから、自分が昔書いた事忘れちゃうんだよネ()