モンスターストライク 〜星ノ呼ビ聲〜   作:犬社長

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なんか……キュービックスターズ のネオの服装が、ある日突然エッチに見えて来まして、もしかしてエッチなのか?って思って見直してみたらやっぱりエッチで、凄くエッチだなって思いました。(IQ消失)

あと、今回は駆け足で話を展開したので、読みにくいかも……。




77話〈聖戦 I 〜雫と雷〜〉

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

………コレは、ずっと昔の記憶である。

 

 

 

ーーーーーーーービーッ、ビーッ、ビーッ!!!

 

 

…暗い廊下に、警報が鳴り響いていた。

 

「…………。」

 

 カノンはその警報の中で、1人立っていた。目を前に向ければ、前方から誰かが走ってくるのが見える。

 

 病院の患者が着る様な服を着て、裸足で何かから逃げる様に走る人影。……歳は(ーーー少なくとも見た目なら。)カノンと同じぐらいだろうか?

 

「……ひっ!」

 

 その影は、立ち塞がっているカノンに気付いて立ち止まった。カノンは無表情で、その影に目をやる。

 

……その影は、1人の少年だった。首筋には番号の焼き印。……グローリーの実験体のモノだ。

ソレを見て、カノンは小さく呟く。

 

「…貴方が()()()ね。」

 

 少年の顔が歪んだ。…目の前にいる少女が、自らの敵であるとハッキリ理解したのだ。

 

「お、俺は逃げてやるからなッ!!…アンタ等みたいな、命を命とも思っていない様な奴らの所に、居たくなんかねぇ!!俺は死にたく無いんだよ!!」

 

「……させない。新人類(貴方達)は危険。この世を乱す者……生かしてはおけない。」

 

 カノンはフェルシアの教えを囁く。少年の歪んだ顔が、ますます歪んだ。

 

「んだよ…その言い草…!ーーーー俺達は何も悪い事なんかしてねぇ!!!危険なのは、寧ろアンタ等の思考だろッ!?アンタ等みたいな奴らが居るせいで……今まで何人の新人類が、こうやって死んだと思ってるんだッ!!!」

「知らない。…お母様はそう私に教えてくれた。それだけ。」

「ーーーーふざけるな!!何だよソレ!!そんな教えが許される筈がないだろ!!教えはどうなっているんだ、教えはッッ!!人の命はそんな軽い物じゃ無いんだよ!!!」

 

 彼の絶叫は、その時のカノンの心を微塵も揺らさなかった。…カノンにとっては、フェルシアの教えが全てだったのだ。それ以外の言葉など、聞き入れる価値も考える必要性も感じなかった。

 

……故にカノンは無慈悲に〈武器〉を構える。

 

「全ては、この世界を救う為。…祈りと命を捧げなさい。」

 

 フワッ…と彼女の長い白髪が揺らぎ、少年の首筋にガブリエルの剣が突き刺さった。

 

「かッ…!?」

 

 首を押さえ、崩れ落ちる少年。その指の隙間から鮮血が噴き出して、白い廊下を彩る。

 

「……んな…事、赦されない…。キミは…それで良い、のか……?」

 

 少年は、最後に理解に苦しむ顔つきでカノンを睨み、血溜まりの中で息絶えた。

 

 カノンはただ無表情で、そっと自分の頬についた返り血を拭いーーーーーーーー

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

「カノン、カノン!起きろ!」

 

「ッッ?!」

 

 

ーーーーーーーー自分の名を呼ぶ声に、目が覚めた。

 

 

 起き上がると、目の前にはバサラの顔がある。

……周りはもう暗い廊下では無く、陽の光の差し込むイースター本部の中だった。

 

(昔の夢……見てた…。)

 

 そう心の中で呟いて、目を擦るカノン。そんな彼女に、バサラが声を掛ける。

 

 

「…寝てた所悪いがカノン。ーーーー()()()()()。」

 

 

 それが何を意味するのか、カノンは直ぐに理解した。…意識の覚醒と同時に、ノーマン襲来を告げる警報が鳴っていたのが、聞こえたからだ。

 

…尤も、来たのがノーマンでは無い事は確かだが。

 

「………始まったんだね。戦争が…。」

 

 カノンは一言呟いて、窓から空を見上げた。…まだ空には何も見えては居なかった………。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

〜1月13日〜

 

 

宣戦布告から8日後、遂に戦争は始まった。

 

 最初に仕掛けたのはグローリー。オーステルンの索敵範囲外ギリギリまで要塞都市そのものを接近させ、そこから航空戦力及び〈アナテマシリーズ〉をオーステルンに侵攻させたのだ。

 

 

ーーーーオーステルンの操舵室は、遂に始まった戦いに対応すべく動き出す。

 

 

「ーーーー南東52キロ地点より、敵機多数!…おそらく、アナテマシリーズも含まれているかと…!」

「了解。…警報は?」

「発令済みです。…我が軍及びフィンディアス航空隊も、第二種戦闘配置状態で待機してます。」

「オーステルンの住民は?残ってる人も居るよな?!」

「…残った住民3200人はシェルターに突っ込ませときました!…コレで人的被害は出ないと思います!」

「了解!迎撃兵器展開、急げ!」

 

 慌ただしく動く操舵室。その真ん中の艦長席に、艦長のゼウスは座り込んで居た。…何故か隣に妻のヘラも居る。

 

「…なぁ…ヘラ。何で此処に居るんだ?シェルターに行っててくれ。…此処にキミが居てもーーーー」

 

ヘラは小さく微笑んで呟いた。

 

「……ねぇ。もしも、この戦いで私たちが負けたら……皆んな死んじゃうわよね…。私も、貴方(ダーリン)も。」

「な…縁起でも無い事言うなよ。………だが、まぁ…先ず俺は生かしてはくれないだろうなぁ…。ーーーーだが、そんな時はヘラだけでもーーーー」

 

ヘラは、そっと彼に寄り添って話を遮った。

 

 

「……死ぬ時は一緒よ。」

 

 

…ゼウスの目が少し大きく見開かれる。そして、彼は諦めた様にため息を吐いた。

 

 

「そうか。」

 

 

 愛する妻の頭を軽く撫でて、ゼウスは立ち上がる。操舵室の全員が、彼の方を見た。

ーーーゼウスは彼等の視線を受け止め、次に目をモニターへ向ける。

 

 モニターの上の端に、無数の光点が写り込んでいた。

 

それを睨みつけながら、ゼウスは口を開く。

 

 

「総員、第一種戦闘配置。及び、オーステルン防衛システム更新準備。」

 

 

 パカッと彼の目の前にある操舵輪の真ん中が開き、その中からどう見ても押したらヤバイ事が起きそうな、真っ赤なボタンが突き出した。

 

 

「これより当艦は、嘗て捨て去った名を取り戻す。ーーーーーーーー〈クロノスシステム〉…起動ッ!!!」

 

 

 ドンッ、とゼウスの手で押し込まれる赤いボタン。

 

次の瞬間、モニターの全てが真っ赤に染まった。

 

 

ーーーーキュオオオオオオオオオオン………

 

 

 そして甲高いモーターの起動音が、オーステルン全体を満たして行く。

 

 オーステルンを支える〈脚〉の装甲の一部がスライドし、赤い光が隙間から漏れた。更に、都市部に立ち並ぶ高層ビルや建物が全てオーステルンの内側へと格納されていく。

 

 ビルが無くなった後から、その跡を埋める様に巨大な砲やミサイルの射出台が次々と迫り上がって来た。

 

 

ーーーーそれは変形とか、もはやそんなレベルでは無い。

 

 

………オーステルン全体が、作り変わっていくに等しかった。

 

 そして最後に、ゼウスの居城でもある〈オリンポスタワー〉が動く。…街のどこからでも見える巨大な鋼鉄の塔が傾き、ガシャンガシャンと変形を繰り返していく。

 

 そして、あっという間にオリンポスタワーは、オーステルンの中心に座する馬鹿でかい大砲へと、その姿を変えた。…正確には、本来の役割に戻ったと言うべきか。

 

 

ブン……ッ

 

 

 真っ赤に染まった操舵室のメインモニターに、黒々とした文字が表示される。

 

 

 

『ーーーーAll arms deployment completeーーーー』

 

 

 

その文字を見て、ゼウスは頷いた。

 

「全兵装展開完了。……これより、敵機への迎撃に入る。ーーーお前等…気合い入れるぞ。」

 

『了解!!』

 

 

ーーーーーーーゼウス達は、遂に動き出した。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

ーーーー動き出したのは、ゼウス達だけでは無い。

 

「始まりやがったな…。お前等、奇巌城(エギーユクルーズ)へ行くぞ!ーーーー俺は今からゼウスの爺さんに出撃の連絡するから、先に行け!」

 

 

 バサラの声で、イースターも動き始める。ーーーーこの1週間、彼等は彼等で準備を怠らなかった。戦いが起こった時、真っ先にオーステルンから打って出るのは自分達だと、オーステルンの軍事部と作戦を練っていたのだ。

 

 これには、グローリーの狙いである自分達イースターがオーステルンから離れる事で、少しでもオーステルンを戦火に巻き込まない様にする、と言う意図もあった。

 

「行きましょう、ネオさん。」

「うん。……行こう。」

 

 カノンの横を、ネオとニュウが一緒になって通り過ぎていく。カノンはその後に続いた。

 

(始まってしまった……まだ、何も手にしていないのに…。)

 

 胸の前で、そっと手を握ってカノンは呟く。ーーーー宣戦布告から1週間、カノンは自分だけの戦い方を見つけようと、努力を重ねて来た。ネオだけでは無く、バサラやアミダにも力を貸してもらいながら、頑張って来た。

 

ーーーー何かが掴めそうな感じはしている。…でも、結局その『何か』を掴むところまで到達出来なかった。

 

…しかし、悩む暇は無い。何故なら、もう全ては始まってしまったのだ。出来る事は、前に進む事。……ただそれだけだ。

 

(やるしか無いんだ……私は、皆んなの為に…!)

 

 カノンは目を強く見開くと、仲間達に続いて歩き出した。

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 奇巌城(エギーユクルーズ)は、変わらずオーステルンの外縁部に停泊していた。…周りには、護衛の為の戦闘機が何機かスタンバイしている。

 

「ーーーーお待ちしておりましたイースターの皆さん!どうぞ、我々の後に続いて来て下さい!」

 

 バサラ達の姿を見るなり、戦闘機乗りの1人がサムズアップをしながらそう言って来た。

バサラはそれに頷きを返す。

 

「あぁ、助かる。」

 

 バサラ達が奇巌城(エギーユクルーズ)に乗り込んでいる間に、戦闘機は空に舞って行った。

 それを横目で見つつ、アルセーヌが奇巌城(エギーユクルーズ)を動かす。

 

 

「さて…行くわよ。作戦はちゃんと組んでるのでしょうね…??」

 

ーーーー操縦室で、アルセーヌがバサラに問う。バサラはニヤリと笑って頷いた。

 

「あぁ。地獄行きよりかはマシな作戦が一個、な。」

「……実に不安ね。」

 

 アルセーヌはそう言いつつも、奇巌城(エギーユクルーズ)を空へと舞わせる。

 すると、周りを取り囲む様にオーステルンの戦闘機が展開し、一緒になって動き始めた。

 

「さぁ……始まるぞ…。」

 

バサラは真剣な顔付きで、そう呟くのだった。

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー白雲に、黒い飛行機の影が落ちる。

 

 

 此処は、オーステルンから南東方面に27kmほど離れた場所。

 迫り来るグローリーの空軍と、アナテマシリーズを迎え撃つ為の防衛ラインが作られている所でもある。

 

 

ーーーー北西方面に目を向ければ、ズラリと並ぶ鋼鉄の戦闘機。

 

 

 其れ等は全て、オーステルンの対壊獣空軍である。……本来は壊獣を倒す為に編成され、壊獣から街を守り抜くと言う使命を与えられている彼等だったが、今回の相手は自分達と同じ〈人間〉だった。

 

 彼等は人と戦った経験などない。知識はあっても、実践をするのはこれが初めてだ。…しかし、だからと言って誰が引き下がれようか??

 戦わなければ自らの命が、家族が暮らす街が、帰るべき居場所が、全てなくなってしまうのだ。

 

……誰にも奪わせはしない。壊させはしない。

 

 オーステルンのパイロット達は、不退転の意思で南東の空ーーーー敵が迫り来る方角を睨んでいた。

 

 

…そして遂に、南東の空に無数の影が現れるーーーーーーー

 

 

 

 


 

 

 

 

『ーーー敵機接近ッ!!攻撃を開始しますッ!!』

『了解!!……躊躇うなよ?!』

 

無線が戦闘機の間を飛び交う。

 

 南東から迫るグローリー軍に向かって、放たれる無数の閃光。それに応える様に、グローリー軍からも砲撃が始まる。

 

 次々と蒼穹に炸裂する炎。人々の命が、容易く消えていく。

 

 

 北の空から理外の象徴〈アマノミハシラ〉が無言で見下ろす中、戦いは広がっていくのだったーーーーーー

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

一方、場所は変わって〈教会国家グローリー〉。

 

 

 

 

 〈大聖堂〉の地下に有る〈操舵室〉で、フェルシアは指揮をとっていた。

 

 丸い球形の操舵室には、沢山の操縦士が待機している。…但し彼等は今、1人残らず戦況報告係と化している様だ。

 

「ーーーー5キロ地点で、第一陣がオーステルンの第一防衛線に侵入した模様。……現在交戦中。」

「オーステルン本体はまだ動いていません。このまま警戒を続行します。」

 

 操縦士達の報告をフェルシアは立ったまま聴いていた。……今のところ、戦況に大きな変化は無い。

 

「ーーーー敵の守りは硬さそうね。…報告より、増えてるんじゃない?」

 

 フェルシアの呟きに、隣に居る水色髪の研究者然とした女性ーーーー名札には『ジョルノロキア』と書いてあるーーーーが、口を開いた。

 

「ーーーーん〜、そうねえ〜。他の非加盟都市が手を貸したのかも??」

 

ーーーーぐいっ、と何か赤い液体の入った瓶をあおるジョルノロキア。フェルシアは、そんな彼女を横目で見ながら話を続ける。

 

「……それに、オーステルンも〈クロノスシステム〉を解禁したようね。敵味方判別システムが、フレンドリーファイヤの警告を出して来たわ。…元は私たちの味方だったのだから、当然と言えるけど。」

「えぇ、そうっぽいわねぇ。………あのシステムは厄介よ?なにせ、他の要塞都市を制圧する為の移動要塞なんだもの。」

 

 ジョルノロキアがモニターを睨みながら相槌を打った。

 

 彼女達が見つめるモニターには、端っこの方に光る光点が映り込んでおり、そこには『KRONOS』の文字が映っている。

 

ーーーーフェルシアも、クロノスの恐るべき能力の数々は知っていた。

……だからこそ、彼女はニヤリと不敵に微笑んで言葉を発する。

 

「さてと……それじゃあ、挨拶してあげましょうか。ーーーー〈アナテマの扉(アナテマゲート)システム〉準備。」

 

それを聞いたジョルノロキアが、ちょっと咽せた。

 

「え?…使うわけぇ?!『雫』を???」

 

頷くフェルシア。

 

「ーーーーもちろんよ。」

「……ちょちょ、場合によっては()()()()()()()()()()()()()わよ…??ーーーーカノンちゃんを、取り戻したいんじゃ無かったっけ??」

 

 ジョルノロキアの焦った様な声に、フェルシアは手元の機械を操作しながら応える。

 

「もちろん、取り戻すのを諦めた訳じゃ無いわよ。ーーーーでも、もしもこの1発で戦いが終わってしまうのなら、人類史上最強の兵器なんてこの程度だったと言う事ね。」

 

 フェルシアの前に3Dホログラムが現れる。…それは、グローリーの全体図であった。孔雀の羽の様な〈アナテマの扉〉も、しっかりと映っている。

 それを見ながら、フェルシアは指示を出して行った。

 

「…〔アナテマの(しずく)〕発射用意。」

「了解。……セラムエネルギーの充填を開始します。」

 

 カチリ…とボタンが操縦士の手で押され、目の前のホログラムに変化が起きる。

 

 

ーーーーゆっくりと、孔雀の羽が閉じていくのだ。

 

 

「…エネルギー充填開始。現在5%。」

「フェルシア様。目標まで、距離が僅かに足りません。ーーー少し前進する必要があります。」

操縦士の1人の進言に、フェルシアは頷いた。

「良いわ。前進しなさい。ーーー相手の探知範囲に入ってしまうけど、いきなり攻撃を受ける事は無いでしょうしね。」

「了解。前進します。」

 

ーーーーその声の後で、一切の揺れ無くグローリーは前に進み出た。

 

……オーステルンのゼウス達は、グローリーの存在をこの時知覚する。

 

 

 

[オーステルン操舵室]

 

 

 

「艦長!…グローリーの反応を検知!!やはり、南東の方向から来ました!!」

 

 モニターの端に現れた『GLORY』の文字を見た職員の1人が、すぐさま叫んだ。

 職員の報告を聞いたケラウノスが、首を傾げる。

 

「…ぁ?何でグローリーそのものがコッチに来たんだ…?」

 

「いや…まさか…。この距離にわざわざ踏み込んで来たという事はッ…?!」

 

 一方、ゼウス達と一緒に部屋の中に居たアンソニー・Dは、何かに気付いたのか顔の色をサッと変えた。

 

ーーーー本来〈中枢〉とは関係のない筈の彼だったが、リンボの新人類達がアステールに避難して行った時に一緒に避難せず、ゼウス達のサポートに回る仕事に就いたのだ。

 

 そして、今何が起ころうとしているのか気づいたのである。…彼が居なければ、少し気付くのが遅れたかも知れない。この気付きは大きかった。

 

アンソニーはゼウスを振り返り、口を開く。

 

「ーーーーグローリーは〈アナテマの扉〉を使うつもりです!!今の我々は射程圏内に入っている!迎撃の準備を!」

「迎撃しか無いんです??回避は?」

 

 操縦士の誰かが放った疑問に、アンソニーは首を振って見せた。

 

「グローリーの攻撃はロックオン式だ。放たれる瞬間まで我々を狙い続けるし、放たれた後での回避は難しい。…小回りの効く戦闘機ならともかく、こんな巨大な要塞都市では回避出来ない。」

 

 彼がそう言い終わると同時に、操縦士の1人が叫んだ。

 

「グローリーから高エネルギー反応です!!…今も尚、膨れ上がっていますッ!!何かを、チャージしている模様!!」

 

ゼウスは迷いなく指示を出す。

 

「ーーーー迎撃準備!…アンソニー、アナテマの攻撃に対処するには、何が1番だ?…やはりーーーー」

 ゼウスが何を言おうとしたのか、アンソニーは理解して頷いた。

「ええ。…並みの兵器ではアナテマの攻撃を止めれない……コチラも()()()()を出さなければ、無理でしょう。」

 

 ゼウスは頷く。……そして、再び新たな指示を出した。

 

 

「《オリンポスキャノン》稼働開始!ーーーー及び、射程距離内で交戦中の友軍に警告発令!!続いて〔雷霆〕の発射用意に移れ!!!」

 

「「「了解!!」」」

 

 

この声に動き出すは〈オリンポスキャノン〉。

 

 平時はゼウスの自室として存在している巨大な〈オリンポスタワー〉だが、緊急時は巨大な大砲〈オリンポスキャノン〉として活動する。

 

 言わば、()()()()()()()()()()()()()()()()。……放つ攻撃の威力は、想像を絶する。

 

 発射までに時間も掛かるし、ポンポン連射できる物でも無いが、放たれる一撃は正に必殺の一撃。

 

 

……その必殺の一撃こそ、〔雷霆〕である。強力な電磁エネルギーを、破壊の力に変換して放つ一撃。所謂〈磁気兵器〉の一種だ。

 

 

「〔雷霆〕チャージ開始!現在6%!!」

「…グローリーを注視しろ!ーーーー向こうの攻撃に合わせるんだぞ!?出遅れたら、コッチが木っ端微塵だぞ!」

 

慌ただしくなる操舵室。

 

 そして、オーステルン中心に位置するオリンポスキャノンに稲妻の輝きが宿っていくーーーーーーー

 

 

 

[グローリー操舵室]

 

 

 

「クロノスに高エネルギー反応!!……恐らく、雷霆です!!」

 

操縦士の1人の叫びに、フェルシアは微笑む。

 

「…受けて立つ気ね。ーーーーま、それしかやり用が無いものね。チャージは順調?」

「はい!ーーーあと少しで〔アナテマの雫〕が発射できます!」

 

 フェルシアは頷いた。…そして、手元のホログラムを見る。ーーーグローリーの孔雀の羽は、殆ど閉じかけていた。その閉じた羽の間に、強いエネルギーの波動が揺らいでいる。

 

 


 

 

ーーーーーーーーココで、〔アナテマの雫〕について説明しよう。

 

原理はこうだ。

 

 巨大なパネルが集まって出来た、孔雀の羽の様な〈アナテマの扉〉。

 そのパネルの中の1つに、星のセラムから取り出したエネルギーの波動を放ち、羽を閉じてパネル同士の間でエネルギーを反射させながら、チャージしておく。

 そしてある程度チャージしたところで、閉じていた羽を開き、雫にも似た高密度のエネルギー弾を放つのだ。

 

……早い話が、メッチャ反射させて、メッチャ強くした壁バウンド弾である。

 

 


 

 

 

「ーーーーーーーチャージ完了!!いつでも撃てますっ!!」

 

操縦士の1人がそう叫んだ。

フェルシアは静かに口を開く。

 

 

「……〔アナテマの雫〕、発射(ティアドロップ)。」

 

 

ホログラムの羽が一斉に開いた。

そして、実際のグローリーの〈アナテマの扉(アナテマゲート)〉も同じ様に開く。

 

 緑色の閃光が迸り、滴る雫にも似たエネルギー弾が超音速で放たれた。

 

 

 

「ーーーーーーーーグローリー、高エネルギー飛翔体を発射!!!」

 

オーステルンの操舵室で、1人の職員が叫んだ。

ゼウスがそれに応えて指示を飛ばす。

 

 

「ーーーー了解ッ!〔雷霆〕撃てぇッ!!!」

 

 

 オリンポスキャノンの先端から、稲妻の様な光が奔る。一瞬辺りの景色がホワイトアウトして、放たれた一撃が空を飛んでいった。

 

 

 

奇巌城(エギーユクルーズ)組]

 

 

……グローリーとオーステルンの大技合戦が始まった時、奇巌城(エギーユクルーズ)に乗り込んでグローリーを目指していたイースター達は、オーステルンから28Kmほど離れた場所を飛行していた。

 

 僅か1キロ後方からは、定期的に戦闘音が聞こえてくる。… 奇巌城(エギーユクルーズ)は複数の戦闘機に守られつつ、気付かれない様に〈偽装コクーン〉を張った上で高高度を飛行していたのだが、突然モニターが急速に接近してくるエネルギー反応を検知し出した。

 

「…?!なんか…飛んでくる!?」

 

 アルセーヌがエネルギー反応を見て、顔を顰める。…その正体はグローリーから放たれた〈アナテマの雫〉なのだが、アルセーヌ達はその事を知らない。

 

「ん?なんだ?このエネルギー反応ってのは??」

バサラが疑問を呈した。

「分からないわ。……ただ、少し回避した方が良いかも。近くを掠めただけで被害を受ける可能性がある。」

「おぉ?そりゃ大変だ。」

 

 直撃コースでは無いものの、念の為アルセーヌは奇巌城(エギーユクルーズ)の進路を変えた。護衛の戦闘機も共に進路を変える。

 

ーーーー直後、アルセーヌ達の近くを〈アナテマの雫〉が通り過ぎて行った。

 

 ある程度距離を置いたのにも関わらず、通り過ぎた時の大気の揺れが奇巌城(エギーユクルーズ)をズドンッ!!と揺さぶる。

 

「うおおっ?!」

「わぁっ!?」

「わ。」

「おっと…。」

 

揺れる操縦室。

 

 彗星の様に尾を引いた翠の閃光が、オーステルンの方へ飛んで行くのをニュウは見た。

 

「今のはーーーー」

カノンが微かに声を漏らす。

「な…なに今の?!ーーーーオーステルンの方へ飛んでったけど、だいじょ…………」

 

 カノンに掴まっていたアミダが、オーステルンを案ずる様な声を上げた時ーーーーーーーー

 

 

 

ドゴーーーーンッッッッ!!!!!

 

 

 

奇巌城(エギーユクルーズ)の後方で、凄まじい光が生まれた。

 

ーーーーグローリーが放った〔アナテマの雫〕と、オーステルンが放った〔雷霆〕が空中で衝突したのだ。

 

……それは例えるなら、メガトン級爆弾同士の正面衝突。

 

 空を浮かぶ雲は最も容易く散り散りになり、二重三重に発生した衝撃波が全方位に振り撒かれた。

 閃光が終わったと同時に、ブワッ!と大爆発による特徴的なキノコ雲が空に高々と生まれる。

 

そして、衝撃波は奇巌城(エギーユクルーズ)にも到達した。

 

 再び揺れる奇巌城(エギーユクルーズ)。…今度のは、さっきの比では無い。

 

 

ゴウッッッ!!!!

 

 

「うわあぁぁぁぁっ?!?!」

「わわっ。」

 

 大地震もかくやと言った衝撃に、アミダが宙を舞い、ネオがニュウの方にふっ飛んで来た。

 

「ぐへっ?!」

 

 ネオを受け止めるも、彼女の肘が鳩尾にめり込んでニュウは咳き込む。一方で、バサラはアミダとキラリをキャッチしていた。

 

「なんだ今の爆発ーーーぶっ!」

 

 バサラの声は、途中でカラスのヘンドリックス4世が顔面にぶつかった事で止まる。

カノンの肩を支えていたハレルヤが呟いた。

 

「……少なくとも…オーステルンに被害があった訳じゃ無いだろうね。少し、手前すぎる。」

 一方カノンは何か思い当たる節があるのか、ボソッと口を開いた。

 

「今のは…〈雫〉…。」

「??…なんだ、その雫って?」

 

 バサラが、ヘンドリックス4世を顔から引き剥がしながら口を開く。

「グローリーの兵器の1つ。ーーーー対六ツ星級ノーマン用の、最終兵器……。」

「な、絶級対策の兵器かよ…!?ーーーーオーステルン大丈夫なんだろうなぁ??」

 

 バサラの呟きに、アルセーヌが髪を整えつつ答える。

 

「多分ね。……ただ周辺磁気に乱れが生じて、連絡が取れない。〈偽装コクーン〉も今の衝撃で剥がれてしまったし…。」

「……進むしか無いか。ハレルヤの言う感じでは、オーステルンに当たった訳では無さそうだからな。ーーーーただ、心配なのは俺らの後ろで戦ってた味方だな…。巻き込まれては無いだろうな?」

 

 

 バサラの心配した通り、第一防衛ライン(27km地点)で戦闘をしていた両軍は、かなりの影響を受けていた。

 

 

 〔アナテマの雫〕と〔雷霆〕は、防衛ラインから2km離れた25km地点で激突したが、放たれた衝撃波は2km程度の距離など一瞬で詰め、戦闘中だった戦闘機群に激しく襲い掛かったのだ。

 

 オーステルン軍は事前にゼウスからの警告があったのだが、グローリー側にはフェルシアからの警告は無かった。

 

 激しい衝撃波に、幾つかの戦闘機が揉みくちゃにされて空を舞う。

 人々が若干パニックに陥る中、アナテマシリーズだけが唯一パニックにならず、冷静に行動していた。

 

 人をベースに、鳥や獣の特徴を混ぜ合わせた様な異形の怪物が、空を飛んで行く。撃ち落とそうとするオーステルン軍を逆に撃墜しながら、アナテマシリーズ(TYPE-B)は混乱する戦場で進軍を続けるのだった。

 

 

 

[グローリー操舵室]

 

 

 

「ーーーーーーー結果は?……まぁ、聞かなくても分かるけれど。」

 

フェルシアの声に、誰かが答える。

 

「クロノス健在です。ーーーー雫は雷霆と衝突して消滅した模様。…発生した衝撃波によって、交戦中だった我が軍に多少の被害が出ております。」

 

その声に、フェルシアはただ小さく頷いただけだった。

 

「ーーーーアナテマシリーズが健在なら大丈夫よ。……正直、人間よりアレに私は期待しているの。人と違ってアレは恐怖を持たない。痛みを感じる事も、思考が鈍る事もない。命令通りに動く忠実な駒。ーーーま、命令しないと動かないのが玉に瑕だけど…ね。」

 

そう言いながら、フェルシアは微笑む。

 

「まぁ精々、相手の守りを掻き乱してくれれば良いわ。……最新型が後に控えているのですもの。少しでも障害は少ない方が良いのよね。」

 

そうフェルシアが微笑んでいる時だった。

 

「……?!フェルシア様!!ーーーー北西方面から、敵と思われる機体が急速に接近中!!…数、15!!」

 

 操縦士の1人がモニターを見て叫んだ。たしかに、モニターには光る点が映り込んでいる。

 それを見たフェルシアは、まるで待ち望んでいた何かが訪れたかの様に、歓喜にも似た笑みを浮かべた。

 

「ふふ………来たのね……カノン。」

 

ジョルノロキアが首を傾げる。

 

「なんで、アレがカノンちゃん達だって分かる訳ぇ〜??…只の別働隊かもーーーー」

「アレはカノンよ。間違い無いわ。母親の勘がそう告げているの。」

 

 彼女を遮って、フェルシアはそう言った。そして、指示を下す。

 

「私は大聖堂に戻ってカノンを待つわ。ーーーー敵は適当にあしらっておきなさい。どうせ、イースターは最後まで残るでしょうから。……後は任せたわよ。」

 

そう言って、足早に去っていくフェルシア。

 

「……親の勘って、そんなに優れた物なのかしらねぇ〜。」

 

 残されたジョルノロキアの呆れた様な呟きが、部屋に響くのだったーーーーーーーー

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

……グローリーは目と鼻の先だった。

 

 

 美しい真っ白な材質で造られた、機械の孔雀の様な形の要塞都市。孔雀の背に当たる部分に、中世のような見た目の街並みが広がっている。

 移動要塞でありながら植林までされているのか、所々に人工的な森が作られていた。

 

ーーーー観光目的で来たのであれば、どれだけこの美しい街並みを堪能できた事か。

 しかし、残念ながら今は観光ではなく、戦う為にイースター達はココに来たのだ。

 

 勿論、花束や暖かい歓迎の出迎えも無く、代わりに熱と鋼の弾丸によるお出迎えが有った。……嬉しくは無い。

 

「ーーーーグ、グローリーからの攻撃です!!」

「回避しろ!!」

 

 護衛の戦闘機間で無線が飛び交い、辺りに敵の攻撃による爆発が連鎖する。アルセーヌは奇巌城(エギーユクルーズ)を保護する為、プロテクションを使用した。

 

 飛んで来た防衛兵器の攻撃が、次々と奇巌城(エギーユクルーズ)に当たって、プロテクションに防がれていく。

ガンガンと激しい振動がニュウ達に伝わってきた。

 

 アルセーヌが操縦桿を握って奇巌城(エギーユクルーズ)を動かしながら、口を開く。

 

「……ッ。ーーーーこれ以上は近付けないわ。プロテクションの防御限界を超えてしまうもの。ここから先は、バサラの作戦を使う番ね…。」

 

それを聞いたバサラはニヤリと笑った。

 

「任せときな!ーーーーよし、お前ら!〈イースター号〉に乗り込むぞっ!!アレでグローリーに突撃する!!」

「了解!」

「おっけー、ひっさしぶりだね。イースター号使うの!」

 

 バサラの声を合図に、ニュウ達は操縦室から出て行く。

 目指すは、 奇巌城(エギーユクルーズ)に半ば強引に停めてあるオスプレイーーー〈イースター号〉ーーーだ。

(……19話に登場して以来、一度も登場した事が無かった故、忘れていた人も多かろう。)

 

「……私も行くわよ?ーーー奇巌城(エギーユクルーズ)は、自動操縦で戦闘空域から離脱させておくから。」

 

 アルセーヌも操縦を辞めて付いてきた。…此処に居てもする事もないし、当然だろう。

 

 

 

ーーーーーーーー全員が乗り込んだイースター号が、奇巌城(エギーユクルーズ)から飛び立つ。

 

 

 すぐさま此方に砲撃をしてくる防衛兵器。ーーーーイースター号はそれを回避しながら、グローリーを目指す。

 

 

『ーーーー此方、オーステルン空軍!援護するッ!!』

 

 

 すかさず、イースター号を守る様に戦闘機が集まって来た。…そのうちの一機が、翼を撃ち抜かれて墜ちて行く。

 

「あ……。」

 

 届くはずも無いのに、思わずネオは手を伸ばしていた。……戦闘機が爆発して塵になる。…誰かが死んだ。

 

「見るなネオ。ーーーー見ていたら、進めない。」

 

バサラが前を睨みながら、静かに声を上げた。

 

 

ーーーーグローリーに接近するにつれて、攻撃は益々激しくなっていく。護衛の為に集まっていた戦闘機も次々と撃墜されていき、遂にイースター号も片方の翼に1発被弾した。

 

「ぐっ…?!」

 

 翼が半ばから折れ、機体がガクンと揺れる。続く二射三射が側を掠めて行った。

 

「ネオ!頼む!!」

「ーーー再構築(リビルド)!!」

 

 ネオが素早く破損した翼を再構築する。ーーー折れた翼が光り輝いて、元の姿を取り戻した。

 

 機体の損傷を、ネオの再構築能力で直して進むと言う、とんでもない荒技を使いながらグローリーに接近する〈イースター号〉。

 

その前に、影が立ちはだかるーーーーーーー

 

『オオオオオオオオオオオンッ!!!』

 

 咆哮と共に現れたのは、翼を持つ異形ーーーーアナテマシリーズの群れだった。

 

「アナテマシリーズ…!!」

 

カノンが口を開く。突撃してくるアナテマシリーズ達。

 

「くそ…めんどくせぇ!!」

「バサラさん!!……操縦はそのままで!!僕がドアガンナーになります!」

 

 ニュウはすかさずバサラの隣のドアに飛び付いて、それを蹴り開けると〈HMG(ヘビーマシンガン)モード〉を発動。

 

 片手と一体化するように現れた、青紫色の重機関銃をドアから突き出し、迫り来るアナテマシリーズ目掛けて弾丸の雨を浴びせる。

 

 

ダラララララララララララッッッ!!!!

 

 

 毎秒何百発と言う勢いで放たれた弾丸が、アナテマシリーズ達をズタズタに引き裂いて肉片に変えていった。

 

「うわぁーー!?何その銃?!やばぁ!!」

 

 アミダが、驚き半分羨ましさ半分といった感じに口を開く。バサラが口を開いて叫んだ。

 

「ーーーーお前ら、悪りぃ!!……このままカノンの言ってた〈大聖堂〉にいきたかったが、ちょっと手前で下りる!!これ以上飛ぶのは危険だ!!」

「了解です!!…アナテマシリーズは引き受けるんで、着地場所をーーーー」

 

 そこまでニュウが言った所で、横からミサイルが飛んで来た。

 

「ッ?!」

 

 咄嗟に弾頭に弾丸を当てて爆発させるが、発生した爆風でイースター号は大きくバランスを崩した。

 そこにグローリーの砲撃が飛んで来て、イースター号の後ろの方に命中。……激しい衝撃と共に、イースター号は後部から炎を吹き出した。

 

「…!エンジンがイカれたかッ?!」

 

 速度が落ち、一気に落下を始めるイースター号。……グローリーの街並みが急速に迫り来る。

 

「…ごめん…エンジンは構造が分からない…!」

 

ネオが顔を顰めた。そこにアルセーヌが口を挟む。

 

「…私に任せなさい!」

 

 アルセーヌは落下するイースター号の中で、キューブを展開すると自らの能力を使用した。

 

 

「ーーーー《ヒドュン・イン・ザ・ダークッ》!!!」

 

 

ーーーー次の瞬間、イースター号はグローリーの市街地に墜落する。

 

 

ズドォーンッ!!

 

 

 爆発が発生し、イースター号だったモノが辺りに飛び散る。…建っている家屋が巻き込まれて、粉々になりながら燃えていった。

 

 モクモクと上がる煙の中、紫色の光が輝いて()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ニュウ達が姿を現した。

 

「し…死ぬかと思ったぁ……。」

 

 実態を取り戻すや否や、アミダがへたっと大地に座り込んだ。…そして、爆発で熱された地面の熱さに跳び上がる。

「熱ッッッ?!」

 

「貴重な体験が出来たわね。」

「……2度と体験したく無いがな。」

 

 アルセーヌの声に、バサラがゲンナリとした顔で答えた。ーーーーま、誰も墜落の体験なんてしたくは無いだろう。

 

……と、その時。

 

 

ーーーーバサッ……

 

 

翼のはためく音がして、黒煙が晴れた。

 

 空を見上げると、真っ白な翼を持った変わったアナテマシリーズが、バサラ達を見下ろしている。

 

「…な、なんだありゃ……?」

「天使……?」

 

思わずニュウはそう呟いていた。

 

 彼らの見る先で、目の無い鳥の頭を持った天使ーーーー〈アナテマシリーズ最新型 TYPE-C〉がニュウ達を天空から見下ろし、ニタリ…と美しい見た目に似つかわしく無い、笑みを浮かべたーーーーーーーー

 

 

 

 





余りにもアルセーヌ(のオリジナル能力)が便利すぎた。

最新型アナテマシリーズは、エヴァ量産機を思い浮かべてもらえれば、イメージしやすいかも?……頭が鳥頭なのが、違いですが。

グローリーの街並みや大聖堂の外観は、カノンのキャライラストの下の隅に書いてある景色を参考にしています。
よかったら、確認してみてね〜。
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