モンスターストライク 〜星ノ呼ビ聲〜   作:犬社長

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今回は前回の宣言通り、カノン以外の人達に焦点が当たります。ヨロシク。







83話〈聖戦 Ⅶ 〜人造臣機と天使の模造品たち〜〉

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

……カノン覚醒より数分前。

 

 

 アナテマシリーズの最新型2体を下したバサラとハレルヤは、カノンとニュウが向かった〈大聖堂〉へと急いでいた。

 

 遠くからでも見える、まるで威圧するかの様に聳え立つ白亜の塔を目指して、足を進める2人。

 

 

……そして、2人が大聖堂前の大広場に差し掛かった時ーーーーーーー。

 

 

ーーーーガッシャーーーーーンッ!!!!

 

 

 凄まじい音と共に、大広場のある方向から白っぽい影が飛んできた。

 

「んな?!ーーーーニュウ!?」

 

 吹き飛んできた勢いそのままに、すぐそばの道路をバウンドして転がる白い影ーーーー(正体はニュウだった。)を見て、驚いた様に声を上げたバサラ。

 

 吹き飛ばされてきたニュウは、バサラとハレルヤの存在に気付いた様だ。

 

「…ッ?!バサラさん!?ーーーーそこから離れた方がいいです!!」

 

「…は?」

 

 一体何をーーーー、とバサラが思った瞬間、ニュウが飛ばされてきた方角から、無数の属性弾が飛んで来た。

 

「うお?!」

 

 咄嗟に跳んで避けるバサラ。さっきまで立っていた場所に弾丸が命中し、道路を砕く。

 

「…戦闘中か!!ーーーーなら手を貸すぞ!相手は何だ!?」

 

 バサラがそうニュウに問うた時、()()()()の方が自らやって来た。

 

ーーーーだがそれは、どう見ても………

 

 

「…アレって…。カノン???」

「…んなッ?!カノンじゃねぇかアレ!!!」

 

 

……カノンにしか見えなかった。

 

 驚愕するバサラとハレルヤの前で、カノンーーーー(但し、バサラのよく知るカノンでは無く、髪の毛も目の色も何もかも緑一色のカノンだった。)ーーーーが、此方に同じく緑色に染まっている銃を向ける。

 

「ーーーーちっ!」

 

 舌打ちして回避に移るバサラ。一方ハレルヤは、緑カノンが引き金を引くより前に、水を生み出して緑カノンを遠くに押しやった。

 

 

『ーーーー!』

 

 

青い水流に流されていく緑カノン。

 

 そんな緑カノンを追って、ハレルヤは聖堂前の大広場に飛び出したのだがーーーーーーーー

 

「…待って下さいハレルヤさん!!偽カノンさんは、あと2人居ます!!!」

「まじで…?」

 

……そんなニュウの声を聞いて、ハレルヤは踏みとどまった。

 

 踏みとどまった彼の耳に、翼のはためく音が聞こえる。見上げると、確かにニュウの言う通り、空に緑カノンでは無い2つの影が見えた。……ま、何方もカノンの姿をしてはいるが。

 

「…む、()()()()()と……()()()()()()…??」

 

空に舞う2つの影を見て、そう呟くハレルヤ。

バサラが隣で唖然として口を開いた。

 

「んだよコレ。……カノンのバーゲンセールか??」

「いや、どんなセールですか………。」

 

 少し呆れた様な声を出しながら、ニュウが2人の横に立つ。そして、自らのレールガン(武器)を構えて口を開いた。

 

「ーーーー兎も角、お2人が来てくれて助かりました。一緒に、あの3人の偽カノンさんをどうにかしましょう。……本物のカノンさんの戦いを邪魔されたら困りますからね。」

 

彼の声に、バサラとハレルヤは頷く。

 

「ああ。……本物そっくりなのが、ちとやりづらいがな。」

「…だね。ーーーーでも、アレからはカノンの様な『人の心』を感じない。多分、人間じゃ無い筈。……躊躇ったら俺たちの方が負けるよ、バサラさん。」

 

 斬魔刀ヴァジュラを握るバサラの手を見ながら、そんな声をかけるハレルヤ。

 

バサラはため息をついた。

 

「分かってるよ。ーーーー行くぞ。」

 

 こうして、3人と偽カノン達との戦いが始まったーーーーーーーー。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

〔グローリー大聖堂地下 操舵室〕

 

 

「……戦況は?」

 

 モニターの青白い光で照らされた室内に、フェルシアの代理となって指揮を取るジョルノロキアの声が響く。

 

その問いに答えるのは、操舵室の報告係だ。

 

「…現在、フェルシア様とカノン様が大聖堂上空で交戦中。また、7番街でイースターの『ネオ』と『人造臣機ノイン』が交戦しています。」

 

 彼等の目の前に表示されている大きなグローリーのホログラムに、光点が宿っていく。……それらは、この都市で行われている戦いの場所を示していた。

 

「ーーーー4番街では、カノンシリーズ3機がアルセーヌ及びアミダ・キラリと交戦中。ーーーーそして、大聖堂前広場で同じくカノンシリーズと、バサラ・ハレルヤ・ニュウの3名が交戦中です。」

 

「…なるほどね。で、ウチの軍隊はどうなった訳?ーーー都市戦即応部隊が1500人くらい居た筈なんだけど??」

 

 腕を組んでホログラム映像を睨みながら、そう呟くジョルノロキア。それに、報告係が言いにくそうに答える。

 

「あー……ほぼ全滅しました。負傷者を連れて、一旦2番・3番街に退避してます。」

 

ジョルノロキアは大袈裟に肩をすくめて見せた。

 

「うっそぉ〜??……1500人の特殊部隊兵よ??ーーーー相手はたった8人かそこらなのに、もう負けちゃったのぉ??」

 

報告係も肩をすくめる。

 

「…そう言うことですね。やはりイースターは単体でも脅威という事でしょう。」

 

ジョルノロキアは頭を抱えて、ため息を吐いた。

 

「…新人類は量より質とでも言いたいわけ??ーーーー困ったわね…。最新型も、グローリーに残しておいた分はやられちゃったし。…………そういえば、オーステルンとの戦いはどうなってるのよ。」

 

 その問いに、報告係は操舵室のモニターに目を移しながら答える。ジョルノロキアもモニターに目を移した。

 

「あまり好状況とは言えませんね。……オーステルンが此方に少しずつ接近している所為で我々の前線が下がり、少々押されています。ーーーーただ、アナテマシリーズがかなり良い働きをしているので、明確な勝敗は未だつかなさそうです。」

 

ジョルノロキアは首を軽く振って呟く。

 

「ーーーーでも、クロノスが前に出てきたのなら中々厳しいわね。……徐々に私達が不利になってきてる。」

 

 そう呟いた彼女は、グローリーのホログラムへ目を戻した。

 

「ーーーーとなると、私達の勝ち目はフェルシア様がカノンとの戦いに勝つか、《アナテマの雫》を再発動する以外に無いのかしら…??」

 

ーーーーー報告係は、渋い顔をして頷く。

 

「……その様な感じですね。あとは、今回が初運用のカノンシリーズが、果たして何処までやれるのかにも懸かって来そうですが。」

「そうね。……アレらは、力だけならオリジナルのカノンにも匹敵するもの。」

 

 

そう言って、ジョルノロキアはため息を吐いた。

 

 

 操舵室で彼等が戦局を見守る中、戦いは進んでいくーーーーーーーー。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

〔グローリー7番街 ネオとノイン〕

 

 

 

 少し高級感のある、小洒落た店々が建ち並ぶ7番街に、剣戟の音が響く。

 

 

砕け散るショーウィンドウ。

 

燃える街路樹。

 

 立ち込める粉塵を割いて、無数の刃の煌めきが躍る。

 

 

 ガキーーーーンと音を立てて、ネオが手に持つ霊柩ノ大剣(コフィン・ブレード)とノインの繰り出す9つの刃尾(ナインテイルズ)が激突した。

 

パッと飛び散る赤と青の火花。

 

 それがまだ宙を舞っている内に、両者は更に攻撃を交わし合う。

 

ーーーー次々と空を舞う火花が更新されて、中々消えない。…まるで、常に2人の周囲に線香花火が漂っているみたいだった。

 

 

「いい加減、さっさと倒れてくれないかなぁ!?ーーーーあんまり手間取らせないでよね!!」

「それは、無理。」

 

 戦いの最中で、何度も軽く言葉を交わす2人。ノインは、少しずつ焦ってきている様に見える。

 

「ーーーーさっさと貴女を捕まえて、お父様に褒めてもらうんだから…!ちょこまかと、逃げ回らないでよ!!」

「ーーーー!」

 

 そう叫んだノインが、自分を中心に円を描く様に尻尾を振り回す。それを屈んで避けたネオ。ーーーーそこにノインのローキックが迫るが、ネオは横に転がる事で回避した。

 

「あんまり手間取ってるとーーーーーーーー」

 

 立ち上がり際に、ノインが尻尾で突き刺そうとしてくる。

 それを、再構築で生み出した剣で防ぐネオ。再び火花が散る。

 

「お父様に失望されちゃうじゃ無いッ!!」

 

焦りを感じさせる声と共に、三度迫り来る刃。

 ネオはそれらを剣で弾き飛ばし、その隙に距離を詰めた。

 

「ーーーー失望されるのは嫌なの!!」

 

ネオを迎撃せんと振るわれる尻尾。

 

 ネオはその全てを避け、ノインの懐に潜り込むと、彼女に向かって剣を横薙ぎに叩きつける様に振るう。

 

「…くっっ!!」

 

 ノインが素早く尻尾を引き戻し、ネオの一撃を束ねた尻尾の刃で受け止めた。

 

 盛大に散る火花。上下左右から絡み合う様に束ねられた尻尾は、ネオの一撃を完全に防ぎ切る。ーーーーしかし……

 

「ーーーー霊柩ノ大剣(コフィン・ブレード)。」

 

 ネオが、ノインの束ねた尻尾と鍔迫り合いをしている剣を対象に、再構築能力を使用。

 

 

 再構築で作られた普通の剣が再び再構築されて、霊柩ノ大剣(コフィン・ブレード)へと変化を遂げる。

 

 

 重量と威力が一気に跳ね上がったソレを、ネオは全開に発動した《パワーオーラ》の力で、一気に振り抜いた。

 

「ーーーーうそ……!!」

 

重い一撃に押し切られ、吹き飛ばされるノイン。

 

 最も間近でその重量を受け止めていた4本の尻尾が千切れ、刃と部品の欠片が宙を舞う。

 

 ノイン本人も、硬いアスファルトの道路を粉砕しながら20メートルは吹き飛んで、街路樹に当たって止まった。

 

 メキメキと音を立てて背後の街路樹が倒れる。一方のノインは、ふらつきながらも立ち上がった。

 

 切れた4本の尻尾からは、青白いスパークが漏れ出している。強打した鋼鉄の身体には、ヒビが入っていた。

 

「……この程度で…まだ……。」

 

 関節系統にダメージが入ったのか、少しふらつきながらも歩みを進めるノイン。

 

ーーーーしかし、何歩か歩いた所で片膝を付いてしまう。

 

「………ッ!」

 

……そんなノインに向かって、歩みを進めるネオ。

そんな彼女をノインが睨み付けた時だった。

 

 

『ーーーーーーーその程度か。ノイン。』

 

 

「ーーーー?!」

 

 突然ノインの片目が光って、ネオとノインの間にノイズ混じりの青白い立体映像を表示する。……どうやら、男性の姿を投影している様だ。

 

(ーーーー誰…?)

 

 そう思って、歩みを止めるネオ。一方のノインは、顔色をサッと変えて目を見開いていた。

 

「お……お父様…!」

 

ノインの口から、そんな言葉が零れ落ちる。

 

 ノインからお父様と呼ばれた、映像の向こう側の男ーーーー『ウンエントリヒ』は、あまり解像度が高くない立体映像越しにも、ハッキリと分かるぐらい冷たい表情で口を開いた。

 

『…どうかと思って見に来たが、苦戦している様だな。………自分ならネオを手に入れられると、大口を叩いておいてこのザマとは。ーーーー情けない。』

 

 この世の全てを忌み嫌っているかの様な、冷たい目がノインに突き刺さる。ノインは焦った様に叫んだ。

 

「ま、まだ…まだノインはやれるよお父様!まだ、私は戦えるッ!!」

 

ウンエントリヒは静かに息を吐いた。

 

『ーーーーなら立て。喚く暇があるなら、立ち上がってみろ。……私はお前の喚き声を聞きに来たわけじゃ無い。あまり私の手を煩わせるなよ、ノイン。』

 

……一切の情の無い、余りにも冷たい声。ソレを聞いていたネオの脳裏にノインの言っていた言葉がよぎる。

 

『忠実なる(しもべ)にして、最愛の家族。』ーーーーそうノインは言っていた。

………でも、どう見たって家族としての愛情はソコに無い様に見える。

 

ーーーーこれは愛では無い、とネオは思った。

 

 しかし、ノインは立ち上がる。…ウンエントリヒに見せつける様に。

 

「……立ったよお父様。ほら、まだ…私やれるでしょ??」

 

 ふらつきながらも起き上がり、そう言ったノイン。そんな彼女を見ても、ウンエントリヒは眉一つ動かさずに口を開いた。

 

『ーーーー立てたのなら戦え。お前に与えられた意味はソレだけだ。…砕け散るまで戦う事だ。私を失望させるなよ、ノイン。』

はい(YES)お父様(My farther)。」

 

そう呟いたノインは、ネオを睨みつける。

 そして、未だダメージの残る脚で道路を蹴って、ネオへ向かっていった。

 

「…!!」

 

 此方に向かって伸びる5本の尻尾。ネオは霊柩ノ大剣(コフィン・ブレード)でソレらを受け止めると、再構築能力で空中に生み出した剣を、カウンターとして放った。

 

「ーーーーッ!」

 

 体を捻って回避するノインだったが、飛んできた鋭い剣の1本が太腿に突き刺さってしまう。

 

「この……!」

 

 ソレを乱暴に引き抜くノイン。そのまま片手を前に翳し、真紅の誘導(ホーミング)弾を放つ。

 

(またホーミング。ーーーーやっぱり彼女の体の中にも…何らかの手段で星のセラムが溜め込まれているんだ…。)

 

 ホーミングを剣で斬って防ぎながら、ネオはそう思った。

 

 

ーーーー実際、彼女の推測は正しい。

 

 ノインがロボットであるにも関わらずセラムの力を使えるのは、デスアークと同じで身体の中にセラムを溜め込んでいるからなのだ。

 

 そしてそれは、Dr.マターの理論に基づいて作られた〈星のセラム〉を溜め込める機能による物なのだが、ネオはそこまでは詳しく知らなかった。

 

 

閑話休題。ーーーーーーーノインの戦いに話を戻そう。

 

 

 

「ーーーーまだ、まだぁ!」

 

 ネオに自分の攻撃を悉く捌かれながらも、ノインは諦めずに攻撃を続ける。

 

……だが、残酷な事にノインに勝ち目は無かった。

 

 9本の尻尾のうち、残っているのは5本。しかも、戦闘の中で少しずつ残りの尻尾にも負荷が掛かり始めている。

 攻撃によって受けたダメージの蓄積はノインの動きを鈍くさせ、更なる被弾を招く。

 

 

……ノインは精密なロボット。根性で機械が治る筈も無いのだ。

 

 

 そして遂に、ネオの霊柩ノ大剣(コフィン・ブレード)の一撃がノインの腹を穿ち、彼女を勢いよく吹き飛ばす。

 

「がはッッッ?!」

 

 地面に何度も叩きつけられながら、転がっていくノイン。………舞い上がる粉塵の中でノインの目は、未だ通信を切らずに自分の片目越しに戦いを見ているウンエントリヒの顔を映した。

 

ーーーー埃に塗れ、ボロボロになって這いつくばる自分を見下ろす、その心底失望したかの様な瞳をーーーーーーーー。

 

 

「………あ。」

 

 

ーーーーお父様。

 

ーーーーお願いだよお父様。

 

ーーーーそんな顔で見ないでよ。

 

……ノイン、まだ頑張れるからさ。だから…失望しないで…!!

 

 

「ーーーー私は負けない…!そして、貴女が勝つ事は無い!!私は否定するッ!!」

 

 ノインは関節を無茶苦茶な方向に捻じ曲げながらも、起き上がって叫んだ。

 

「私が負けるなんて事は決して無い…!!(ナイン)…!!(ナイン)ッ……!!!」

 

 否定の意思を叫びながらも、ノインは走り出した。もう、殆ど残っていない尻尾を揺らしながら。

 

「ーーーーお父様を失望なんて、させないッッ!!」

 

ノインの尻尾が、ネオに迫る。

 

 それを避けるネオ。そして、ネオは素早く剣を突き出した。ノインの脇腹を剣が抉り、火花と金属パーツの欠片が舞う。

 

 しかし、ノインは引き下がらずにネオの顔に鋼鉄の拳を叩き込んだ。

 

「ーーーー!!」

 

 殴られて仰反るネオ。更に追撃の中段蹴りが、ネオの腹部に突き刺さる。

 

「ーーーーんッッ?!」

 

 ズドンッと音を立てて、アスファルトの大地に打ち据えられたネオ。

 

 ノインは地面を蹴って、ネオに肉薄する。そして、起き上がる彼女に向かって尻尾の刃を振り下ろした。

 

 

ーーーーギャリーーーーンッッッ!!!

 

 

…しかし、ネオが咄嗟に生成した緑に輝く槍で防がれる。

 

「…セラムキューブ:鳥葬ノ槍(スカイ・ブリアル・スピア)。」

 

 ノインの尻尾を弾き飛ばしたネオが、立ち上がって静かに呟く。殴られた額から血が流れて地面にポタポタと垂れているが、ネオの佇まいに揺らぎは無い。

 

 一方のノインは、急激な動きが関節に負荷を与えたのか、再び片膝を付いてしまう。

 

 しかしすぐに彼女は立ち上がると、ふらつきながらも顔を歪めて叫んだ。

 

「もう、抵抗しないでよ…!ーーーー私はここで勝たなきゃいけないの…!!勝たないと…お父様に失望される!愛されなくなる…!!」

 

 その悲痛感すら感じる声を聞いて、ネオは首を振る。

 

「…アレは愛じゃない。あの冷たい感情が…愛な筈が無いよ。」

 

 その声を否定するかの様に、ノインは飛び出しながら叫び続ける。

 

「お父様は私を愛してくれるの!!!……ちゃんと上手くシゴトが出来たら、私を褒めてくれるの!!よくやった、流石ノインだ、って!!」

 

叫びながら繰り出される攻撃の数々。

 

「ーーーー私はそれが幸せなのッ!!……だって、私もお父様を愛してるんだから!!だから私、お父様に失望されたく無い!」

 

嵐の様に激しく舞う火花。

 

ーーーーネオはノインの猛攻を凌ぎながら、口を開く。

 

「…貴女のお父さんはーーーー貴女を愛してる様には見えないよ。愛はあんな冷たい物じゃ無い。…何かを成さないと、受け取れない物なんかじゃ無い…!」

 

その呟きを聞いたノインが、苛立った様に叫ぶ。

 

「何を知った様な口をーーーーーー」

「…知ってるからだよ。」

 

ノインを遮ってネオは言葉を放った。

 

「……ソレは温もりであるべきなんだ。ーーーーソレは、無償のモノなんだ。…与え、与えられる物。貴女のお父さんが貴女に与えているのは……ただの心の無い命令だよ。」

 

 呟きながら、ネオはタルタロス襲撃の日の事を思い出していた。

 

 スピードモードを手に入れたニュウが、天空で自分を抱いて《エール・ソレイユ》と向かい合っていた時の事を。

 

 あの時、彼から広がった暖かい炎。アレの暖かさが、きっと愛の温もりなんだろう。……その熱を知ったネオは、故にノインが真に愛されていない事に気付いたのだった。

 

「ーーーそんな事無い!!私はちゃんと、与えられてる!!」

 

 それでも、ノインはネオの言葉を否定して攻撃を続ける。

 

「お父様の事を、悪く言わないでよ!!…何も知らないくせに!!」

「…!!」

 

 およそロボットには似つかわしく無い程の激情を込めて、ネオに立ち向かうノイン。

 

…その激情は、確かにノインの本心であった。少なくとも、彼女は彼を本当に愛してーーー(家族愛的な面において、という事だ。)ーーーーいるのだと、ネオは理解した。

 

故に、ネオの心には微かな怒りが宿る。

 

(ーーーーこの人は、本当にお父さんを信じてる…。なのにーーーー)

 

ーーーーその怒りは、ウンエントリヒに向けた物だ。

 彼が、ノインが抱く愛情を利用している事。ーーーーそれがネオは許せなかった。

 

 静かにウンエントリヒに対する怒りを揺らがせるネオの前で、ノインは両手を広げる。

 

 身体のあちこちに破損が生じ、尻尾ももう1本しか残っていない。それでも、ノインは最後まで戦わんとしていた。

 

「ーーーー必ず…お父様の期待に応えてみせる!だって私は、その為の存在なんだから!!」

 

 そう叫んで、ノインはネオに突進した。膝関節からスパークを散らしながら、道路を蹴り砕いてジャンプ。

 

そのまま、最後の1本の尻尾をネオに伸ばす。

 

 

ーーーーノインは、彼女は、自分を倒すまで止まることは無いだろう。……そう理解したネオは、この戦いを終わらせる事にした。

 

 

「セラムキューブ:霊柩ノ大剣(コフィン・ブレード)。」

 

手に握られた槍が変形し、大剣へ変わる。

 

それを振りかぶり、ネオはノインを迎え撃った。

 

 

「ーーーー《ストライクショット:シザリアン・セクション》」

 

 

 セラムキューブを介してネオに流れ込み、《コフィン・ブレード》に宿った高次元領域の力が、空間の歪みを伴って解き放たれる。

 

 ノインの最後の尻尾が小枝を折る様に折り砕かれ、彼女の腹部に霊柩ノ大剣(コフィン・ブレード)が叩き込まれると、そのまま彼女の上半身と下半身を斬り離した。

 

「ーーーーギ…っ!?!?」

 

 断面から血の代わりに潤滑油か何かが飛び散り、彼女の体から漏れ出るスパークがソレに火をつける。

 

 ノインは首を軋ませながらも、ネオの方を振り向いた。

 

 

「お………お父様ーーーーーーーー」

 

 

 そして、何かを掴むかの様にネオの後ろに手を伸ばしーーーーーーーー。

 

 

 

 

…爆散した。

 

 

 

 

 

ーーーー舞い上がる炎。

 

 彼女を構成する部品がバラバラになって、戦闘の痕残る道に散らばる。

 

 それを、なんとも悲壮感のある顔で見ていたネオだったが、ふと自分の足元に、丸い部品が転がってきた事に気づいた。

 

半ばヒビ割れた、丸いカメラの様なモノ。

 

ーーーーノインの眼球のパーツだ。

 

「………あ。」

 

 次の瞬間、そのパーツが青白い立体映像をネオの前に投影した。その映像には、先程ノインと話していた『父親』こと、ウンエントリヒが映っている。

 

 

冷ややかな銀髪に、氷の如き冷たさを感じさせる瞳。

 裏地が黒の軍服じみた白いコートを着こなし、その佇まいは全くの不動。

 漂うオーラは、まるで人のモノとは思えない程冷淡だった。

 

 

「…ノインのお父さん、だね。」

 

 目の前に投影された彼の姿に、そう声をかけるネオ。ウンエントリヒは頷いた。

 

「あぁ。……言葉交わすのは、これが初めてだな。星の子ネオ。」

「…………。」

 

 ネオが黙って映像のウンエントリヒを睨んでいると、彼は微かに顔を動かした。ーーーー視線が彼女から外れ、何処か遠くへ向けられる。

 

「やはり、人造臣機如きでは覚醒新人類の相手は厳しかったか。……元より、ノインに期待などしていなかったが。」

 

 なんの落胆の感情も見せずに、そう淡々と言葉を紡ぐウンエントリヒ。ネオはそんな彼に向かって口を開いた。

 

「……ノインは…あの子は、貴方に期待されてると信じてた。自分は愛されてるともーーーー」

「まさか。……アレは、私の事を好くようプログラミングした結果の行動だ。……偽りの愛さ。向けられて当然の感情に、わざわざ答える価値など無い。」

 

ーーーーネオを遮る様にウンエントリヒが口を開く。そのまま、彼は話を続けた。

 

「……[ダミーハートシステム]と呼ばれる物を知っているか?ーーーーーーー無論、知らんだろうな。……グローリーの〈カノンシリーズ〉にも使われている、偽りの心と感情を与えるプログラムコードだ。…ノインの愛情など、ソレが生み出したまやかしに過ぎん。ーーーーだが、偽りだったとしても、愛を囁けば役に立ってくれる彼女は、便利な道具だった。ソレは確かだ。少し残念に思うよ。」

 

 ソレを聞いたネオは、ウンエントリヒをより強く睨んだ。

 

「ーーーー愛情をそんな風に使わないで。貴方は間違ってる。」

「好きに思うが良い。ーーーどうせ、もう会う事は無いからな。」

 

 ウンエントリヒは眉一つ動かさずに、ネオに応えた。

 

「ーーーーこの一戦で、お前を手に入れる事は我々では困難だと判断した。……私と私の配下が、君の前に現れる事はもはや無いだろう。ーーーーさらばだ。ネオ。」

「ーーーーーーちょっと………」

 

 

バチンッ…!

 

 

……電気の爆ぜる音がして、ノインの眼球パーツが完全に割れ、ウンエントリヒの映像はノイズと共に消え失せた。

 

 

ーーーーそして7番街で動く物は、ネオただ1人となったのだった…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

〔グローリー4番街 アミダ達〕

 

 

 

 

 

 

 ネオがノインとの戦いを終えた一方、アミダ達3人は〈カノンシリーズ〉との戦いを繰り広げていた。

 

 

「ーーーーーーーー。」

 

 表情を変える事も、言葉を発する事もなく、ただ淡々と武器を構えて迫り来る3人のカノンシリーズ。

 

「こんの……カノンとおんなじ顔しておいてーーーー…」

 

 黒いカノンが振り回す黒い剣を、すんでの所で回避するアミダ。

 

「ーーーーそんな死んだ目で来ないでよ!!カノンっぽくなくて、気味が悪い!!」

 

 振り下ろしたインフィニティブレードが、黒カノンの剣と交差して火花が散る。

 

 少し離れた所では、キラリとアルセーヌが協力して2体の偽カノンと戦っていた。

 

 ただ、アルセーヌ・キラリともに負傷している為、押され気味である。

 

(アルセーヌにも、キラリにも、これ以上の負担はかけられない…!ここは私が全部倒すつもりでやらないと…ッ!)

 

 そう心の中で呟くアミダ。ーーーーアルセーヌはさっきまで100人以上の兵隊達と戦っていたし、キラリはTYPE-Cとの闘いで浅く無い怪我をした。

 

 アミダはまだ大きな怪我をしていない。故に、彼女は自分が動くべきだと考えたのだ。

 

「ーーーー《インフィニティ…ショット》!!」

 

 剣を銃に変化させ、レーザー光線にも似た一撃を放つアミダ。ソレは黒カノンの黒いコートを撃ち抜き、裾を破く。

 

 そのまま銃を撃ち続けるアミダ。避け続ける黒カノン。

 放たれた射撃が、辺りに建ち並ぶ白亜の家屋を貫き、爆発と瓦礫が辺りを舞う。

 

「ーーーーーーーー。」

 

 アミダの周りをぐるりと一周する様に射撃を回避した黒カノンが、一気に彼女に突撃してきた。

 その手には、真っ黒なミカエルの甲冑が纏われている。

 

「他の天使の武器まで……。本当にカノンそっくりなんだね…!」

 

 顔を顰めつつ、アミダは甲冑の一撃を跳び上がって回避した。回避した勢いのまま空中から黒カノン目掛けて銃を放つ。

 

 射撃をミカエルの甲冑で防いだ黒カノン。ーーーー爆炎が連鎖し、黒カノンを包み込む。

 

 爆炎で黒カノンが見えなくなっても、アミダは重力に身を任せて落下したまま、銃を撃ちまくった。

 

 

ーーーーそして、道路にストッと着地。顔を上げ、前方に立ち込める炎を見つめて………

 

 

ヒュンッッッ!!!

 

 

ーーーー顔面を狙って、黒いザドキエルの短剣が飛んできた。

 

 アミダは銃をインフィニティ・ブレードに戻して、弾き飛ばす。

 

…しかし、攻撃は止まらない。

 

「ーーーー《パラージショットガン》。」

 

 感情を一切感じさせない声が響き、立ち込める黒煙の向こうから黒い属性光を纏った弾丸が飛び出してきた。

 

「ーーーーッ!!」

 

 それをジグザグに走りながら回避するアミダ。彼女の背後や左右の道路が、散弾に抉られて火花を散らす。

 

 走りながら、アミダはインフィニティブレードを構え、自らの力を込めた。

 

「カノンと同じならーーーー!」

 

 虹色の光を帯び出したインフィニティブレードを構え、アミダは黒カノンに向けて鋭い一撃を放つ。

 

 大気を割って放たれた一閃が、黒カノンに命中したかに思えた瞬間、薄紫の障壁が刃を阻んだ。

 

 

コーーーーーンッッッ!!!

 

 

鳴り響く甲高い衝突音。

 

「やっぱり、バリア使ってくるよね…!!」

 

 防がれた攻撃。ーーーーしかし、アミダは落胆などせずに、むしろ更に攻撃の速度を速め、バリアを何度も何度も乱打し始める。

 

「……?!」

 

 激しく散る火花。ーーーーそれだけでは無い。一度刃がバリアに弾かれるたび、より勢いと威力を増して二撃目が放たれるのだ。

 

 三撃、四撃、五撃ーーーーーーーー弾かれるたび疾く強くなる斬撃。…やがて、アミダのインフィニティブレードの攻撃は目に追えなくなり、刃の軌道が、無限の軌跡を描く光の線の様になる。

 

「ーーーバリアは一定値以上の攻撃を受ければ、破壊される…!」

 

 アミダがそう言った直後、バリアが音を立てて砕け散った。ーーーー宙を舞う薄紫の破片。

 

「ーーーーーーー!?!?」

 

 

 刹那、アミダの目と黒カノンの目が見つめ合いーーーーーーーー

 

 

「なんだ。……驚く位の事なら出来るんだ。」

 

 

《インフィニティ・ブレード:ライジング》

 

 

 繰り返す攻撃の連鎖によって威力を増した斬撃が、()()()()()()()()()黒カノンに叩き込まれるのだったーーーーーーーー。

 

 

 


 

 

 

黒カノンはアミダの一撃で倒れ伏した。

 

しかし、まだカノンシリーズは2体残っている。

 

「…あと2体ーーーーーーー」

 

ーーーー残りの2体は、一応アルセーヌとキラリが相手していた筈だ。果たしてどうなったかと、アミダが思って振り向くとーーーー…

 

 

 そこには、地面に倒れ込み動かない2人の姿があった。

 

 

「…ッ!!」

 

思わず、ひゅっと息を呑んだアミダ。

 

 やはり、消耗した状態でカノンと同じ力を持つ存在と戦うのは厳しかった様だ。

 

(ーーーーでも死んではない。死んでは無い筈…!この程度で、アルセーヌもキラリも死ぬわけが無い…!)

 

 自分に言い聞かせる様にアミダは心の中で呟いて、2人の元へ走る。

 

 そんな彼女を迎え撃つのは、赤いカノンと青いカノンだ。

 

「「ーーーーーーー。」」

 

 2体が同時に、赤と青のガブリエルの剣でアミダに斬りかかってくる。

 

「あんた達ぃ…覚悟しなさいよ…ッ!」

 

 アミダは険しい表情を浮かべながら、2体のカノンの攻撃を受け止めた。

 

 激しく前後に入れ替わりながら、休み無く連撃を続けてくるカノンシリーズ。

 

 アミダは猛攻を掻い潜りながら、反撃の機会を窺う。しかし、カノンシリーズ達はアミダの反撃を許さなかった。

 

 

「ーーーー《パワーフィールド》。」

 

 

ーーーー青カノンが小さく呟く。

 すると、青カノンを中心に円形状の力場が展開され、その内側に居る赤カノンに更なる力を与えた。

 

「ーーーーッ?!パワーアップ?!」

 

 パワーフィールドのバフを受けた赤カノンが、アミダに真紅の剣で斬りかかってくる。

 

 咄嗟にインフィニティブレードで受け止めたアミダだったが、パワーが上乗せされた一撃に耐えきれず、腕が跳ね上がる。

 

(しまったーーーーーーー)

 

 ガラ空きになった腹部目掛けて、青カノンがラファエルの槍を突き出してきた。

 体を捻って、串刺しだけは回避したが、脇腹を槍の先端で抉られる。

 

「ぐっ…!!」

 

 衝撃と痛みにたたらを踏んだアミダの顎に、今度は赤カノンのミカエルの甲冑によるアッパーカットが炸裂した。

 

「あがッ!!」

 

 天高く跳ね上げられ、吹き飛ばされて地面を転がるアミダ。ふらつきながら起き上がった時、青カノンと赤カノンが同時に無数の剣を飛ばしてきた。

 

 

「「ーーーー《終わりの審剣:壮絶》」」

 

 

無慈悲な2体の技名発声が重なって聞こえる。

 

「ッッッ…あぁあぁぁああぁッ!!」

 

 気合いの叫びをあげながら、飛来する剣の雨をブレードで叩き落としていくアミダ。

 

 残像すら残る勢いで振るわれたインフィニティブレードが、ガブリエルの剣を弾き飛ばす度に火花を激しく散らす。

 

「ーーーー終わりの審剣:壮烈。」

 

……しかし、無情にも更なる追撃がアミダを襲った。

 

「……もう…キツすぎッ!!」

 

 悪態を吐きながらも、迎え撃とうとインフィニティブレードを構えるアミダ。ーーーーしかし、赤カノンの攻撃が届く事はなかった。

 

 

「ーーーーヒドュン・イン・ザ・ダーク!!!」

 

 

……()()()()()の声が響いて、アミダに接近していた赤カノンの体が半透明になる。

 

 そのまま、赤カノンはアミダをすり抜けて行った。

 

「はッッッ!!」

「ーーーーっ?!」

 

 更に続けて、青カノンに紫のオーラを纏った蹴りが叩き込まれる。蹴りを放ったのは、先程まで倒れ込んでいたアルセーヌだった。

 

「ア、アルセーヌッ!!良かった生きてた!!」

 

アミダが叫ぶと同時に、アルセーヌも叫び返す。

 

「ーーーーコッチは引き受けるから、赤い方を倒しなさい!」

「!!」

 

 アミダが振り向くと、赤カノンがこちらに再び向かって来ていた。鋭い真紅の刃が、アミダの首を切り落とさんと迫る。

 

「く……!」

 

 インフィニティブレードを構えたアミダだったが、アッパーカットを食らった時の衝撃が響くのか、剣を握る手元が頼りない。

そんな彼女に刃が迫りーーーーーーー

 

 

「ーーーートゥルーカラーズ・シャイニー・ブライトッッ!!!」

 

 

 ズドンッッーーーーと、アミダの後ろから飛んできた光り輝く一条の閃光が、赤カノンの肩を撃ち抜いた。

 

「ーーーーッッッ???」

 

もんどりうって転がる赤カノン。

 

「アミダちゃん!!!」

 

 後ろから聞こえる親友(キラリ)の声に、アミダは振り返る事なく行動で答えた。

 

ーーー地面を蹴り、赤カノンに肉薄する。

 

「此処まで近付けばーーーーバリアは張れないでしょッ!!」

 

 そう叫んだアミダは、キラリの攻撃でバランスを崩している赤カノンの心臓目掛け、勢い良くインフィニティブレードを突き刺した。…肉を刺し貫く、かなり嫌な感触が掌に伝わる。

 

 

 一方アルセーヌも、同じ様に鋭い蹴りを超至近距離から青カノンの首に叩き込む。……ゴキィッと音を立てて、青カノンの首があらぬ方向に捻じ曲がった。

 

 

 

 そして2体のカノンシリーズの瞳から、フッと光が消え失せるのだったーーーーーーーー。

 

 

 

 

 

 






バサラ達の戦いは次回に持ち越します。

次回はソレやって、カノンの戦いやって、んで終われたらいいなぁ……。

ほな、また次回( ´ ▽ ` )ノ
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