いきなり設定説明から入ります
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〈ノーマン〉の等級とはーーーーーーーーー
ーーーーノーマンには、個体ごとの強さに応じて〈等級〉と言われる危険度を示すランクが割り振られている。
〈等級〉は〈○ツ星〉と言う様に表され、下から順に一ツ星・二ツ星・三ツ星……と続いていき、最後は六ツ星で打ち止めとなる。
各危険度ごとにおける〈ノーマン〉の特徴は以下の通りである。
一ツ星・・・体高1メートル〜3メートル前後・〈ノーマン〉の中では最も危険度が低い・
二ツ星・・・体高4メートル以上10メートル前後・一ツ星より体が大きく、力も強い・特殊な攻撃方法を持つ様になる(
三ツ星・・・体高10メートル以上・ここから、個人での討伐は難しくなってくる・二ツ星より多様化した特殊攻撃能力を持つ・一般人が思い浮かべる〈ノーマン〉とは、大体三ツ星か四ツ星の個体である事が多い。
四ツ星・・・大きさについての規定は無い・最大の特徴として、《アビリティ》と呼ばれる特殊能力を使い出す・《アビリティ》の所持数は大体1つ。
五ツ星・・・大きさについての規定は無い・四ツ星が1つしか《アビリティ》を持たないのに対し、五ツ星は複数の《アビリティ》を持っている事が多い・単独での討伐はほぼ不可能。
六ツ星・・・〈
ーーーーーーーーー以上が、〈ノーマン〉の等級毎の大まかな説明である。
因みに〈新人類〉でも無い唯の人間(一般人)でも、頑張れば一人で〈一ツ星級〉位なら倒せる。…但し、それでも死を覚悟する必要が有るがーーー…
(……だから、オッさんがビビる気持ちも分かるけど……ちょっと遠くに逃げすぎじゃないかな。)
心の中でそう呟きながら、ニュウは自分達の遥か後ろで縮こまっている中年男性を盗み見た。
(ま、良いや。ーーー今はこの一ツ星〈ノーマン〉共を、倒さないと。)
ニュウはハンドガンを構える。狙うは手前側の〈ノーマン〉達……。
「……それじゃあ、手前側よろしく。」
横でネオがそう言った声が聞こえたーーーーーーと思った時には、ネオは〈ノーマン〉の群れの中へ走り出していた。
近づくネオに反応したのか球体型の〈ノーマン〉が一体、体の後ろにヒレの様にくっ付いている触手を伸ばしてネオに突き刺そうするが……
「ーーーーーーっと。……それはさせないよ。」
ーーーーーーーーーパァン!!……と、乾いた音と共に放たれた弾丸によって、その触手はネオを刺し貫く前に地に叩き落とされた。
そうなる事が分かり切って居たのか、ネオは足を止めずにその場を走り抜け〈ノーマン〉の群れの奥へと飛び込んで行く。…幾ら相手が一ツ星級だったとしても、中々に危険な立ち回りだ。
「……意外と危ない真似をするもんだな。」
そうニュウは呟きつつ、次々と〈ノーマン〉に拳銃の弾丸を撃ち込んでいく。……前に使った狙撃銃の〈跳弾〉が有れば纏めて倒せて便利なのだが、生憎ここは精密な機械だらけなので〈跳弾〉が思わぬ所に飛んで行かない様、狙撃銃は封印している。
『ーーーーーーーーーキュオオオオオン!!』
〈ノーマン〉達が甲高い叫びを上げながら突っ込んでくるが、ニュウに接近する前に弾丸を叩き込まれ次々に爆散して行く。
己の肉体を武器とするしか能のない〈一ツ星〉は、近付かないと力が発揮出来ないのだ。
「お前らが二ツ星級じゃ無くて良かったよ。こんな場所でレーザーとか撃たれたら、たまったもんじゃ無いからな!」
そう言いつつ、銃を撃ち続ける。…リロードの必要は無い。何故なら本物の銃弾では無く、ニュウ本人の持つ〈セラムの力〉を弾丸に変えて擊ち出しているからだ。
……なんなら、この銃だって〈セラムキューブ〉が銃の形を取っただけで、本物の銃じゃ無い。
故に、弾切れ等の心配無く、思う存分擊ちまくれるのだ。
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一方奥では、ネオが立ち塞がるノーマン達を手に持った剣で次から次へと斬り伏せて居た。ーーーーーーーーー流れる風の様なとても美しい剣筋で、思わず感嘆の声が漏れる。
「………おぉ、綺麗だな……。」
ちょっと見惚れて銃を撃つ手が止まった瞬間に、ノーマンが勢いよく距離を詰めてきた。
赤い幾何学模様が浮かび上がる漆黒の体躯が、ニュウを押し潰さんと飛び掛かってくる。
「…っと。危ないーーー余所見はダメだな。」
一瞬驚いたものの、危なげなく飛び掛かりを避けるニュウ。
ーーーーーーーーーそして至近距離から弾を撃ち込む。
『キュワァァァァァァァァッ!!』
…弾丸を撃ち込まれたノーマンは一瞬震えて爆散ーーーーー彼らの命の残滓たる〈星のセラム〉がフワリと風に舞い消える。
そして辺りに彼等が爆発する時に発生する、少しの爽快感すら感じるあの『カーーーーーンッ』という特徴的な爆発音が響いた。
「…爆発する〈ノーマン〉ってちょっと綺麗だよな……。色とりどりで、花火みたいだ。」
そう呟くニュウ。
彼の周りには、爆散したノーマンから放出された〈星のセラム〉の残滓が薄く漂っていた。……さっきまで沢山居た筈の〈ノーマン〉達の姿はもう見えない。
如何やら、ネオが自分に任せていた場所の〈ノーマン〉は皆討伐し終わった様だ。
……ネオは如何なったかと思い見てみると、彼方でも戦いが終わったのか、漂う〈ノーマン〉の残滓の中で佇むネオの姿が目に入った。
「終わったか。ーーー早い…いや、一ツ星だからこんなモンか。」
吹き付ける風に揺らめく水色の髪を見ながら、ニュウは呟く。
「…おぉ。さ、流石〈新人類〉。ーーーーー〈ノーマン〉達をいとも容易く……!」
後ろで戦いを見ていた中年男性のオッさんが、感心したかの様に口を開いた。ーーーーーーまだ空気中に〈星のセラム〉が微かに漂っているので近付いては来ないが、その場から奥に居るネオに向かって叫ぶ様に話しかける。
「ネオちゃーん!!…此処が今回
通路の向こうでネオが小さく頷いた。
(浄化か…………。)
ニュウは彼女の後ろ姿を見つめる。………
二人の見る先で、ネオが巨大な歯車を覆い尽くす〈星のセラム〉の結晶に、軽く手を当てた。
「…………。」
そして、一瞬目を閉じーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーガッシャーーーーーンッッッ!!!!
ーーーー歯車を覆う結晶が粉々に砕け散った。
「おお…………すげぇ…。」
ニュウは呆然と呟く。
ーーーーーーーーーそれはとても美しい光景だった。
砕け散って空に舞い、彼方に消えていく結晶。
特徴的な七色の色は失われ、雪の様に…若しくは白鳥の羽の様に透明になった〈星のセラムの結晶〉の欠片が、差し込む朝日の光を受けて煌めき出す。
……その輝きの中に、
目を空にーーー結晶が消えていく空に向け、吹き付ける風に髪を靡かせながら、朝日に照らされて、ただ静かに…儚げにーーーーーーーーー……
(………ああ、そうだ。)
ニュウは光の中で佇む彼女の水色の髪を見詰めながら、心の中で呟いた。
(……ずっと水色って言うには違う気がしてたんだ。ーーーでも、今わかった。)
……至極如何でも良い事かもしれないが、彼はこの時悶々と抱いていた疑問に、一つの答えを見つけたのだ。
(ネオの髪色は……水色なんて安っぽい言葉で片付けられない。ーーーーーーアレは………朝焼けの空の色だ。)
「……美しいだろう?」
ただ何も言わず、言えず、ネオを見つめて佇んでいるニュウの横に、いつの間にか中年男性のオッさんがやって来て言った。
何故か祈る様に手を組んでいて、ネオを見つめている。…その目には涙すら浮かんでいる様だった。
「ネオ
ニュウがチラリとオッさんを見ると、涙を流してネオを拝み倒さんばかりに平伏していた。ちょっと引いたニュウがボソリと呟く。
「……確かに美しいとは思いますが、オッさんの歳でその発言は犯罪臭がしますよ。」
「失敬な。ーーー私はただ彼女を崇め奉っているだけじゃ無いか…。」
「……それが犯罪臭するんですって。」
それでも彼は、ひたすらに彼女に手を合わせていたーーーーーーーーー……
モブキャラ解説の巻
・中年男性のオッさん(本名 ニャン・コック)
移動要塞都市〈オーステルン〉の駆動部整備係の一人。至って普通のオッさん。ネオを崇拝している節がある。好物はチーズ。
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……ネオの髪の色は、私自身も水色じゃ無いよね…って思ってまして、書きながらマッチする表現をずっと考えてたんですよ。
そしたらある日『ハッ!!……朝焼けの空の色だッ!!』ってなりまして、ハイ。
で、ニュウくんに代弁させたって訳っす。