モンスターストライク 〜星ノ呼ビ聲〜   作:犬社長

92 / 113

お久しぶりですん。

エヴァ投稿してた()

あと、今回の話は短いです。…ちょっとね、今まで長く書きすぎてたのかもしれない。





92話〈旧・トーキョーリベンジャーズ〉

 

 

 

 

 

 

(行くなーーーー行かないでくれ…!!)

 

 

 

伸ばそうとした手は届かない。

 

 

ーーーー白い人影は立ち去っていく。

 

 

………燃える夜の闇の中へ。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

「バサラ??ーーーーバサラ〜!?」

 

 

「うぁ…?」

 

 

バサラは、長い夢から引き摺り出された。

 

 

 ぼんやりとした目を瞬かせると、段々周りに焦点があってくる。

 

ーーーーガタゴトと体に響く車の揺れ。

ーーーー至近距離から自分を覗き込む、少女の顔。

 

「アミダーーーーーーーあぁ、そうか…。」

 

 そして、彼は思い出した。今、自分が何処にいて、何をしようとしているのかを。

 

「…今、何時だ?」

「午前3時。ーーーー旧東京に着いたとこだよ。」

「…!ーーーーそうか。分かった。」

 

 バサラは軽く目頭を抑える。そして、外へ目を向けた。

 

 

ーーーー今、バサラ達4人はミニバン(運転手はキラリ(因みに無免許)だ。)に乗って、旧東京まで移動している最中である。

 

ただ、アミダが言うにはもう着いたそうだ。

 

「……確かに…街が見えるな。」

 

 夜の闇の中に、ケバケバしいネオンの光が集う場所があった。4人を乗せたミニバンは、その灯りを見下ろせる高い山の上に停車する。

 

 路面がガタガタの山道を走って来た先で、辿り着いた場所だ。これ以上の車での接近は、検知される危険を伴う。

 

「この車はここまでだね。…これ以上は、見つかっちゃう。」

「ーーーーしかし、酷く揺れる道だったな。…ま、大災害以降、手入れされていないにも関わらず、道として使えるぐらいには残っていたのは奇跡だぜ。」

 

 長い悪路のドライブで凝り固まった身体を伸ばしながら、バサラは眼下に広がる旧東京を街を見下ろした。

 

「…今、あの街にいるのは連邦兵ばっかなのか?」

「…だね。ーーーーあとは、日本人の旧人類が少し…かな?日本は国土の狭さも相まって、星のセラムの被害を大きく受けたからね。」

「…なるほどな。」

 

 巨大な鉄塔の周りを囲む様に広がる街。ーーーーその郊外に、移動要塞が停泊している事に、バサラは気付く。

 

ーーーーおそらく、中規模移動要塞だろう。

 

「アミダ、あの移動要塞はなんだ?」

 

 バサラの問いに、アミダは真剣な顔でその要塞を指差した。

 

「アレが幽世(ゴースト)の移動要塞だよ。ーーーー旧東京は、大量の幽世(ゴースト)の構成員を抱えてるんだ。…ほぼ、第二の軍隊みたいなものだよ。」

 

バサラは少なく無い衝撃を受ける。

 

ーーーーてっきり、幽世(ゴースト)は何処かに動かぬ拠点を、構えている物だと思っていたのだがーーーー。

 

「コクウの奴……移動要塞を持ったのか…!道理であちこちに幽世(ゴースト)が出没する訳だ。」

「そ。ーーーーで、多分コクウとか幽世(ゴースト)の構成員はあそこに居る。…深町の大日本帝国復活とかなんとかに必要な〈帰魂(リボーン)〉ってのも、アソコにあるって情報だよ。」

 

アミダの声に、バサラは頷いた。

 

「行く場所は決まったな。ーーーーアミダとキラリはどうする。」

 

その問いには、キラリが答える。

 

「私はハレルヤさんと一緒に、旧東京の中心部ーーーー元東京スカイツリーを目指します。…私の調べた情報によると、スカイツリーが丸々一個、〈星の花〉の分株のプラントになっているとか。」

「それはまたスケールの大きい……。」

ーーーーと、隣でハレルヤが呟いた。

 

「ーーーーん、分かった。じゃ、そっちは任せるとするか。アミダは?」

「バサラさんと一緒に行くよ〜。丁度4人だし、2組に分かれられるからね。」

「了解。なら俺と一緒に行くか。…コクウのツラを拝みにな。」

 

 バサラはそう言うと、3人に先立って山道を降り始めた。アミダ達も後に続く。

 

 そして、彼らは東京の街中に降り立ったのだーーーーーーー

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

旧東京。

 

 

 かつて日本の首都である東京があった場所の事を、そう呼ぶ。

 大災害により広さは半分以下となったが、その後連邦政府によって、日本の旧人類達の生き残りが生活できるよう、環境が整えられた。

 

ハレルヤも、かつてココに住んでいたのだ。

 

 

 

「ーーーー変わったな。東京。………もう、新人類の居場所は無いのか。」

 

 

旧東京の一角。

 

 ネオンに彩られた街を少し高い所から見下ろしながら、ハレルヤはボソリとつぶやいた。隣には、緑のマントに身を包んだキラリが居る。

 

「ーーーーそういえば、ハレルヤさんは昔ココに住んでいたんですよね?」

 

キラリの問いに、ハレルヤは頷いた。

 

「うん。ーーーー大災害の後ね。」

 

 彼は歩き始める。その後を追って歩くキラリ。ーーーーハレルヤは、歩きながら自分の過去について、話し出した。…余り、仲間にも細かく話した事は無い話だ。

 

 

「…大災害で親が死んでさ。それで、赤ん坊だった俺は新人類としての力を得たまま、孤児になったんだ。」

「…孤児、ですか。」

 

ハレルヤは輝くネオンを横目に頷く。

 

「うん。孤児院で小さい頃は過ごしてた。ーーーーそこで出会ったんだ。友達の『暁』に。」

 

 話しながら、ハレルヤは空を見上げた。ーーーー街の灯りで夜の空はぼんやりと白み、星一つ見えない。

 

「ーーーーそれで暫く経ってから、16、17歳位の時かな?旧日本領を管轄する政府に対するレジスタンスとして、俺は旧東京で活動を始めた。暁と一緒にね。」

 

 コツ、コツ、コツーーーーと、彼の歩く音だけが夜に木霊する。

 

「そこで先輩の、シュラさんとかーーーー同じ新人類の『紅蓮』とかと出会って、戦い続けてたんだ。要は、過激派だったって訳。」

「……なるほど。」

 

相槌を打つキラリ。

 

「でも、少しずつ、俺は疑問に感じ始めてきてたんだ。ーーーー戦いが生み出す物は、本当に平和たりえるのかーーーーってね。新人類と旧人類の負のスパイラル、それに呑み込まれてた訳だ。…今だってまだそうだけど。」

 

 話しているうちに、少しずつ目指す建物ーーーー旧東京の真ん中にある鉄塔(東京スカイツリー)に近付いてきていた。

 立ち止まって塔を見上げながら、ハレルヤは目を細める。

 

「ーーーーうん。余り長々と話してられないかな。…サラッと話すよ。」

 

ーーーーそう言って、再び彼は歩き出した。

 

「ーーーーだから、僕達の間には少しずつ亀裂が走り始めてた。…それがある日、表に出る事態が起きたんだ。」

「…それは?」

 

キラリの問いに、ハレルヤは苦い顔のまま口を開く。

 

「旧東京管理者『深町』の登場さ。ーーーー彼は、新人類に対して停戦を申し込んできた。僕達新人類の力を利用する事と引き換えに、日本国における差別や迫害を無くす、と言ってきたんだ。…つまりは、身の安全の確保ってヤツだね。その代わり、対価として連邦に協力しなきゃいけない。」

 

 それを聞いたキラリは少し俯いた。……彼女の脳裏に、タルタロス襲撃の時の記憶が蘇ったのだ。ーーーー連邦兵として、自分達の前に立ち塞がった新人類の少女エーテルの事が。

 

「ーーーーもしかしたら、連邦に従っている人たちは…そんな取引に応じた人達なんでしょうか…。」

「だろうね。……身の安全か、家族の安全か。おそらく、何方かなんだと思う。」

「…それもまた、悲しい話ですね。」

「その通りだよ。……悲しい話だ。」

 

 ハレルヤは暗い顔で頷いた。そして、再び話を戻す。

 

「で、ここで僕達の中で意見が割れた。ーーーー紅蓮は、政府の取引に応じる構えを見せたんだけど、シュラさんや暁は反対する姿勢を見せたんだ。そして俺は………選べなかった。」

 

ハレルヤの両手が、震えんばかりに握られる。

 

「シュラさんは深町率いる連邦政府に最後のーーーー彼はコレで最後にするつもりだったんだーーーー戦いを挑み、紅蓮に阻まれた。…そして、暁もまた、紅蓮と戦い出したんだ。」

 

 彼の声が震える。キラリは心配そうに彼の方を仰ぎ見た。

ーーーーハレルヤは、キラリから顔を背ける。

 

「友達としてずっとずっと一緒だったから、暁の気持ちも分かるんだ。俺は友情と現実の板挟みになって、戦えずにいた。ーーーーーーーーそして、全ては深町の策略だったんだ。」

「…!」

 

目を丸くするキラリ。

 

「ーーーー彼は知ってた。俺たちの間に意見の相違がある事を。それが原因で、俺達が戦う事まで。……最後に全てを奪い攫ったのは、深町だったんだ。紅蓮も暁も、皆んな死んでしまった。ーーーー俺が何も選ばなかったせいで。」

 

 暫くキラリは黙り込んでいたが、やがておずおずと口を開いた。

 

「それで……ハレルヤさんはどうしたんですか…?」

「逃げたよ。ーーーーこれ以上ない程、惨めな話だと思わないか??…あの時、死んだ方がマシだったんだじゃないかって、ずっとずっと思い続けてた。ーーーー正直、バサラさんに誘われてイースターに入ってからも、事あるごとに思ってた。」

 

 立ち止まるハレルヤーーーーもう既に、塔は目と鼻の先だ。

 

 重々しい扉付きの正面入り口が、2人の前に鎮座している。

 

「ーーーーだから……」

 

 ハレルヤは、入り口を睨みながら口を開いた。ーーーー自分に言い聞かせる様に、ハッキリと。

 

「だからーーーー今日ここに俺が来たのは、かつての選択の続きなんだ。あの日出来なかった選択を、今日ココに再選択(リベンジ)しに来たんだ…!」

 

 そう言って、彼は一歩、敷地の中へ足を踏み入れたーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

〈アミダ・バサラside〉

 

 

 

 

 

 

ーーーーハレルヤ達が鉄塔に足を踏み入れた頃、街の外れに停泊していた中規模移動要塞の脚元付近まで、バサラ達は辿り着いていた。

 

「…問題はどうやって登るのか、だけどーーーー」

 

アミダが要塞を見上げて呟く。

 

こういう移動要塞に良くある地上との連絡用通路は、どうやら降りていない様子。ーーーー上に行く為には、脚部をよじ登っていくしか……とまで考えた所で、バサラがアミダの前に出た。

 

「任せろ。俺が呼ぶ。」

「はい?…呼ぶって何ーーーー」

 

バサラはアミダを遮る様に、上に向かって叫んだ。

 

 

「コクウーーーーーーーーッッッ!!!!ツラを拝みに来てやったぞぉーーーーーッッッ!!!居るんなら、出てこーーーーーい!!!!」

 

「いやいや、そんな…地上から叫んでも届かないでしょバサラさん…。幾ら中規模要塞とは言え、高層ビルより高い場所に地上から叫んだってーーーー」

 

 アミダの呆れた様な声は、上から降ってきた静かな声に、再び遮られた。

 

 

 

「……()()()()。」

 

 

 

 

「うっそぉ?!」

 

弾かれた様に上を見上げるアミダ。

 

 見上げた先、要塞の外縁部から、小さな人影がコチラを見下ろしている。…拡声器でも使っているのだろうか?クリアな声が、下まで届いてきていた。

 

「そうだぞ。俺だ!!久しぶりだなーーーーコクウ!」

 

 バサラがコクウを睨みつけながら叫ぶ。そして、遥か上から見下ろす彼に向かって指を差した。

 

 

「今までお前のツラを避けてきたが、俺の方も覚悟を決めた!!ーーーー今からそっち行って、俺の覚悟…たっぷり聴かせてやる!その耳になぁ!!!!」

 

 

 








前回が10月2日なんで、12日空きましたね。………ますます不定期更新になっていく…

次回がいつになるかわかりませんが、また次回で会いましょう!
ちょっとはやる気も溜まってきたしね。次はもっと頑張るよ。
(正直、バサラの過去の話を余りにもノープランで始めすぎて、エタり気味だったから遅くなってた感はある。)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。