お久しぶりですん。
エヴァ投稿してた()
あと、今回の話は短いです。…ちょっとね、今まで長く書きすぎてたのかもしれない。
(行くなーーーー行かないでくれ…!!)
伸ばそうとした手は届かない。
ーーーー白い人影は立ち去っていく。
………燃える夜の闇の中へ。
◇◆◇
「バサラ??ーーーーバサラ〜!?」
「うぁ…?」
バサラは、長い夢から引き摺り出された。
ぼんやりとした目を瞬かせると、段々周りに焦点があってくる。
ーーーーガタゴトと体に響く車の揺れ。
ーーーー至近距離から自分を覗き込む、少女の顔。
「アミダーーーーーーーあぁ、そうか…。」
そして、彼は思い出した。今、自分が何処にいて、何をしようとしているのかを。
「…今、何時だ?」
「午前3時。ーーーー旧東京に着いたとこだよ。」
「…!ーーーーそうか。分かった。」
バサラは軽く目頭を抑える。そして、外へ目を向けた。
ーーーー今、バサラ達4人はミニバン(運転手はキラリ(因みに無免許)だ。)に乗って、旧東京まで移動している最中である。
ただ、アミダが言うにはもう着いたそうだ。
「……確かに…街が見えるな。」
夜の闇の中に、ケバケバしいネオンの光が集う場所があった。4人を乗せたミニバンは、その灯りを見下ろせる高い山の上に停車する。
路面がガタガタの山道を走って来た先で、辿り着いた場所だ。これ以上の車での接近は、検知される危険を伴う。
「この車はここまでだね。…これ以上は、見つかっちゃう。」
「ーーーーしかし、酷く揺れる道だったな。…ま、大災害以降、手入れされていないにも関わらず、道として使えるぐらいには残っていたのは奇跡だぜ。」
長い悪路のドライブで凝り固まった身体を伸ばしながら、バサラは眼下に広がる旧東京を街を見下ろした。
「…今、あの街にいるのは連邦兵ばっかなのか?」
「…だね。ーーーーあとは、日本人の旧人類が少し…かな?日本は国土の狭さも相まって、星のセラムの被害を大きく受けたからね。」
「…なるほどな。」
巨大な鉄塔の周りを囲む様に広がる街。ーーーーその郊外に、移動要塞が停泊している事に、バサラは気付く。
ーーーーおそらく、中規模移動要塞だろう。
「アミダ、あの移動要塞はなんだ?」
バサラの問いに、アミダは真剣な顔でその要塞を指差した。
「アレが
バサラは少なく無い衝撃を受ける。
ーーーーてっきり、
「コクウの奴……移動要塞を持ったのか…!道理であちこちに
「そ。ーーーーで、多分コクウとか
アミダの声に、バサラは頷いた。
「行く場所は決まったな。ーーーーアミダとキラリはどうする。」
その問いには、キラリが答える。
「私はハレルヤさんと一緒に、旧東京の中心部ーーーー元東京スカイツリーを目指します。…私の調べた情報によると、スカイツリーが丸々一個、〈星の花〉の分株のプラントになっているとか。」
「それはまたスケールの大きい……。」
ーーーーと、隣でハレルヤが呟いた。
「ーーーーん、分かった。じゃ、そっちは任せるとするか。アミダは?」
「バサラさんと一緒に行くよ〜。丁度4人だし、2組に分かれられるからね。」
「了解。なら俺と一緒に行くか。…コクウのツラを拝みにな。」
バサラはそう言うと、3人に先立って山道を降り始めた。アミダ達も後に続く。
そして、彼らは東京の街中に降り立ったのだーーーーーーー
◇◆◇
旧東京。
かつて日本の首都である東京があった場所の事を、そう呼ぶ。
大災害により広さは半分以下となったが、その後連邦政府によって、日本の旧人類達の生き残りが生活できるよう、環境が整えられた。
ハレルヤも、かつてココに住んでいたのだ。
「ーーーー変わったな。東京。………もう、新人類の居場所は無いのか。」
旧東京の一角。
ネオンに彩られた街を少し高い所から見下ろしながら、ハレルヤはボソリとつぶやいた。隣には、緑のマントに身を包んだキラリが居る。
「ーーーーそういえば、ハレルヤさんは昔ココに住んでいたんですよね?」
キラリの問いに、ハレルヤは頷いた。
「うん。ーーーー大災害の後ね。」
彼は歩き始める。その後を追って歩くキラリ。ーーーーハレルヤは、歩きながら自分の過去について、話し出した。…余り、仲間にも細かく話した事は無い話だ。
「…大災害で親が死んでさ。それで、赤ん坊だった俺は新人類としての力を得たまま、孤児になったんだ。」
「…孤児、ですか。」
ハレルヤは輝くネオンを横目に頷く。
「うん。孤児院で小さい頃は過ごしてた。ーーーーそこで出会ったんだ。友達の『暁』に。」
話しながら、ハレルヤは空を見上げた。ーーーー街の灯りで夜の空はぼんやりと白み、星一つ見えない。
「ーーーーそれで暫く経ってから、16、17歳位の時かな?旧日本領を管轄する政府に対するレジスタンスとして、俺は旧東京で活動を始めた。暁と一緒にね。」
コツ、コツ、コツーーーーと、彼の歩く音だけが夜に木霊する。
「そこで先輩の、シュラさんとかーーーー同じ新人類の『紅蓮』とかと出会って、戦い続けてたんだ。要は、過激派だったって訳。」
「……なるほど。」
相槌を打つキラリ。
「でも、少しずつ、俺は疑問に感じ始めてきてたんだ。ーーーー戦いが生み出す物は、本当に平和たりえるのかーーーーってね。新人類と旧人類の負のスパイラル、それに呑み込まれてた訳だ。…今だってまだそうだけど。」
話しているうちに、少しずつ目指す建物ーーーー旧東京の真ん中にある鉄塔(東京スカイツリー)に近付いてきていた。
立ち止まって塔を見上げながら、ハレルヤは目を細める。
「ーーーーうん。余り長々と話してられないかな。…サラッと話すよ。」
ーーーーそう言って、再び彼は歩き出した。
「ーーーーだから、僕達の間には少しずつ亀裂が走り始めてた。…それがある日、表に出る事態が起きたんだ。」
「…それは?」
キラリの問いに、ハレルヤは苦い顔のまま口を開く。
「旧東京管理者『深町』の登場さ。ーーーー彼は、新人類に対して停戦を申し込んできた。僕達新人類の力を利用する事と引き換えに、日本国における差別や迫害を無くす、と言ってきたんだ。…つまりは、身の安全の確保ってヤツだね。その代わり、対価として連邦に協力しなきゃいけない。」
それを聞いたキラリは少し俯いた。……彼女の脳裏に、タルタロス襲撃の時の記憶が蘇ったのだ。ーーーー連邦兵として、自分達の前に立ち塞がった新人類の少女エーテルの事が。
「ーーーーもしかしたら、連邦に従っている人たちは…そんな取引に応じた人達なんでしょうか…。」
「だろうね。……身の安全か、家族の安全か。おそらく、何方かなんだと思う。」
「…それもまた、悲しい話ですね。」
「その通りだよ。……悲しい話だ。」
ハレルヤは暗い顔で頷いた。そして、再び話を戻す。
「で、ここで僕達の中で意見が割れた。ーーーー紅蓮は、政府の取引に応じる構えを見せたんだけど、シュラさんや暁は反対する姿勢を見せたんだ。そして俺は………選べなかった。」
ハレルヤの両手が、震えんばかりに握られる。
「シュラさんは深町率いる連邦政府に最後のーーーー彼はコレで最後にするつもりだったんだーーーー戦いを挑み、紅蓮に阻まれた。…そして、暁もまた、紅蓮と戦い出したんだ。」
彼の声が震える。キラリは心配そうに彼の方を仰ぎ見た。
ーーーーハレルヤは、キラリから顔を背ける。
「友達としてずっとずっと一緒だったから、暁の気持ちも分かるんだ。俺は友情と現実の板挟みになって、戦えずにいた。ーーーーーーーーそして、全ては深町の策略だったんだ。」
「…!」
目を丸くするキラリ。
「ーーーー彼は知ってた。俺たちの間に意見の相違がある事を。それが原因で、俺達が戦う事まで。……最後に全てを奪い攫ったのは、深町だったんだ。紅蓮も暁も、皆んな死んでしまった。ーーーー俺が何も選ばなかったせいで。」
暫くキラリは黙り込んでいたが、やがておずおずと口を開いた。
「それで……ハレルヤさんはどうしたんですか…?」
「逃げたよ。ーーーーこれ以上ない程、惨めな話だと思わないか??…あの時、死んだ方がマシだったんだじゃないかって、ずっとずっと思い続けてた。ーーーー正直、バサラさんに誘われてイースターに入ってからも、事あるごとに思ってた。」
立ち止まるハレルヤーーーーもう既に、塔は目と鼻の先だ。
重々しい扉付きの正面入り口が、2人の前に鎮座している。
「ーーーーだから……」
ハレルヤは、入り口を睨みながら口を開いた。ーーーー自分に言い聞かせる様に、ハッキリと。
「だからーーーー今日ここに俺が来たのは、かつての選択の続きなんだ。あの日出来なかった選択を、今日ココに
そう言って、彼は一歩、敷地の中へ足を踏み入れたーーーーーーーー
◇◆◇
〈アミダ・バサラside〉
ーーーーハレルヤ達が鉄塔に足を踏み入れた頃、街の外れに停泊していた中規模移動要塞の脚元付近まで、バサラ達は辿り着いていた。
「…問題はどうやって登るのか、だけどーーーー」
アミダが要塞を見上げて呟く。
こういう移動要塞に良くある地上との連絡用通路は、どうやら降りていない様子。ーーーー上に行く為には、脚部をよじ登っていくしか……とまで考えた所で、バサラがアミダの前に出た。
「任せろ。俺が呼ぶ。」
「はい?…呼ぶって何ーーーー」
バサラはアミダを遮る様に、上に向かって叫んだ。
「コクウーーーーーーーーッッッ!!!!ツラを拝みに来てやったぞぉーーーーーッッッ!!!居るんなら、出てこーーーーーい!!!!」
「いやいや、そんな…地上から叫んでも届かないでしょバサラさん…。幾ら中規模要塞とは言え、高層ビルより高い場所に地上から叫んだってーーーー」
アミダの呆れた様な声は、上から降ってきた静かな声に、再び遮られた。
「……
「うっそぉ?!」
弾かれた様に上を見上げるアミダ。
見上げた先、要塞の外縁部から、小さな人影がコチラを見下ろしている。…拡声器でも使っているのだろうか?クリアな声が、下まで届いてきていた。
「そうだぞ。俺だ!!久しぶりだなーーーーコクウ!」
バサラがコクウを睨みつけながら叫ぶ。そして、遥か上から見下ろす彼に向かって指を差した。
「今までお前のツラを避けてきたが、俺の方も覚悟を決めた!!ーーーー今からそっち行って、俺の覚悟…たっぷり聴かせてやる!その耳になぁ!!!!」
前回が10月2日なんで、12日空きましたね。………ますます不定期更新になっていく…
次回がいつになるかわかりませんが、また次回で会いましょう!
ちょっとはやる気も溜まってきたしね。次はもっと頑張るよ。
(正直、バサラの過去の話を余りにもノープランで始めすぎて、エタり気味だったから遅くなってた感はある。)