お待たせ致しました。
前回から13日空きましたねぇ…御免なさい。
エヴァの方を1話書いてたのと、ちょっとまた体調を崩したのも相まって遅くなっちゃった。…いきなり寒くなるんだもん……体調にはくれぐれもお気をつけて………。
取り敢えず、96話です。どうぞ↓
バサラとコクウの決闘開始から、遡る事10分前。
旧東京の中心ーーーー元東京スカイツリー内部で、ハレルヤは暁の亡霊と戦いを繰り広げていた。
…相手は、嘗ての友。
彼に宿ったセラムの力は、セラムキューブを変成して鎌状武器を顕現させる事と、自身の周辺空間の重力を操作する事。
手の内は知っている。それはもう、一番よく知っている。
「ーーーー暁ッ!!」
しかし、ハレルヤは押されていた。
「…こんな事…!こんな事したくなんか無い……ッ!」
暁と戦わなければいけない。ーーーーそれに対する嫌悪が、ハレルヤの行動を縛っていた。
一方、暁は何も言わない。言えるはずもない。ーーーー深町の言動を鵜呑みにするならば、彼は未完成の
故に、彼は無言でハレルヤへ攻撃をしてくる。
「ッッッ!!」
ハレルヤの渾身の拳が、暁の手から鎌を叩き落とした。
「ーーーー。」
暁は手をハレルヤに翳す。ーーーー発生した不可視の重力波が、ハレルヤを吹き飛ばして壁に叩き付けた。
「がはっ…!」
叩きつけられながらも、ハレルヤは暁へ渦巻く水のエネルギーを放つ。ーーーー横向きのトルネードの様な水柱が、何本も暁に迫った。
「………。」
しかし、暁が重力を操作して水柱の向きを変えてしまう。
明後日の方向に飛んでいった水柱は、意味も無く壁を穿った。
「どうしたら……どうしたら良いんだよ……!」
ハレルヤは顔を歪める。…両者を見下ろす星の花の分体が、気味の悪い輝きを2人に投げ掛けていた。
◇◆◇
「はっ!!」
キラリの放った翡翠色の矢が、銀の鎧に身を包む兵士たちを撃ち抜く。
標準的な拡散弾から、エナジーソードにホーミングまで、あらゆる能力を行使してくる連邦の養殖新人類兵に、キラリは孤軍奮闘していた。
しかし、その体には幾つもの傷が刻まれ、かなり疲弊が溜まっている様だ。
「ん〜。ハレルヤは兎も角、君は思ったより保つねぇ。」
星の花の分体を取り囲む足場の上で、深町がニヤニヤと笑いながら手を叩く。隣には新人類兵が2人居て、彼を守っていた。
「深町ッ!」
キラリの叫びに、深町はわざとらしく腕時計を見る。
「ーーーーだが、そろそろ時間かな。」
その声に違和感を抱くキラリ。
「時間?!ーーーー何の!?」
深町はニヤリと笑う。
「…試作型
「はぁ?!」
驚くキラリ。深町は更に続ける。
「丁度街の外れに良い的があるし、ね。」
「…的って…ーーーまさか
キラリは目を丸くする。
「今更気付いても、もう遅い。ーーーー発射だ。」
次の瞬間、キラリ達が戦っている部屋が、激しく揺れた。
星の花の分体の表面から、光が逆流する川の流れの様に上に登っていく。
「うそ…!」
そして、キラリ達のずっと真上で光が爆ぜた。
◇◆◇
コクウとバサラは、東京スカイツリーからコチラに向かって飛来する光を、いち早く感じ取った。
「な……!?」
虹色の光線が、スカイツリーの頂上から凄まじい速度で大気を歪めながら飛んでくる。
「ーーーーなんだありゃ!?」
「…深町……!」
バサラが唖然とする前で、コクウが素早く《死神如来》を空へ飛ばした。
…飛んでくる光線の前に立ちはだかる死神如来。
そのまま、まだ残っている2本の腕をクロスさせて、虹色の光線を受け止める。
ドチュンッ、と虹色の光が無数に分裂し、死神如来の体を焼きながら宙に拡散した。
あっと言う間に、死神如来の腕がボロボロと崩れていく。七色の奔流が、死神如来の体を突き破ろうと激しく迸っていた。
『ーーーーーーーー!!!』
そして遂に、死神如来の体は爆散する。虹色の光を周囲にばら撒きながら、死神如来の体が星のセラムに還って空に消えた。
放たれた光は、少し威力が弱まったとは言え、依然変わらぬ勢いで此方に迫ってくる。
「ーーーーコクウ!」
光がバサラ達のすぐそばまで来た瞬間、思わずバサラはコクウを庇うように自らの能力を発動していた。
ーーーー《バリア付与》ッ!!!
バサラの声が響いた瞬間、ソレの何十倍も大きな爆音が辺りを包んだーーーーーーーー
……元東京スカイツリーから放たれた試作型
死神如来のガードによって威力が幾ばくか軽減されていたとは言え、衛星兵器でもある
大多数の構成員を巻き込みながら、
◇◆◇
…木造の建物が、燃えている。
立ち昇る炎の中、薄紫の障壁が砕ける音がした。
「くそ……一体、なんだってんだよ。」
バサラは、燃え上がる周囲を見渡しながらぼやく。
すぐ隣にはコクウがいた。
彼は片膝をついたまま、バサラを見つめている。
「……俺を、助けたのか…。」
そんな彼の声をバサラは聞いた。
「…あぁ。こんな終わり方、俺ぁ嫌だ。」
頷くバサラ。ーーーー彼は、自らの能力である『バリア付与』を使用してコクウにバリアを与え、自分もその中に入って攻撃を免れたのだ。
コクウの死神如来によって
「今の攻撃、元東京スカイツリーから飛んできたぞ。ーーーーどう言う事だ。」
バサラの呟きに、コクウがゆっくりと立ち上がって答える。
「簡単な事だ。深町は俺達を切り捨てたのさ。今このタイミングとは思わなかったが、いずれ訪れる結末だった。」
「……こうなるって分かってたのか。」
コクウは小さく頷いて、
アレでは
しかし、炎の中から紫色に光るバリアが姿を現した事で、バサラの予想は裏切られる。
「アレはーーーーーーーー」
バサラは息を呑んだ。
バリアの中には、ウンエントリヒと彼の側に居た巨大なロボットが佇んでいた。
更に、ロボットから触手のように伸びたコードの先端には、アミダが捉えられている。
「アミダ…!アイツ!」
バサラが驚きの声を漏らす。一方、コクウはバサラを置いて歩き出した。
「おい!コクウーーーー」
「…再び俺は独りになった。だが、それでも俺は死の無き世界を諦めた訳じゃない。」
……遠くから、戦闘機の翼が空気を裂く音が聞こえてくる。
おそらく、深町に命令を受けたのだろう。ーーーー連邦軍の戦闘機が、
「全てが敵に戻っただけだ。…邪魔するなバサラ。」
「おい……!」
バサラは思わずコクウに駆け寄った。ーーーー次の瞬間、コクウがバサラの鳩尾を勢いよく殴る。
「……がはっ…?!」
渾身の力が篭った拳を受けて、バサラは咳き込み蹲った。更に、追い討ちで頭を激しく蹴り飛ばされ、白石の上を転がる。
「ぐッ……。おい…コクウっ…!」
ふらつきながらも、起きあがろうとするバサラ。
「…………じゃあな、バサラ。」
そんな彼にそう一言告げたコクウは、揺らめく炎の中を歩き去っていったーーーー
◇◆◇
「ーーーー来たのか。コクウ。バサラはどうした?」
ーーーー
彼に話しかけるのは、バリアの中で真っ直ぐ立っているウンエントリヒだ。
「…置いてきた。連れて来た所で、俺の望むようには成らない。」
「そうか。あくまでも、お前は
ウンエントリヒは、自分と共にバリアの中に入り込んでいる
「ーーーーだが、コレは我々連邦政府が貰い受ける。そして、私は逢うべき人にまた逢うのだ。」
ウンエントリヒが、自分の側に佇む巨大なロボットーーーーその中心に表示されている女性の画像を、愛しむように撫でた。
「……ミリア。もうすぐ逢えるぞ……。いま、キミの魂をあの忌まわしき坩堝から救ってみせる。」
女性の画像は何も言わない。当たり前だ。ソレは、ロボットの機体に取り付けられた只の映像に過ぎないからだ。
「…アンタに逢いたい人が居るように、俺にもまた逢いたい奴が居る。ーーーーソレを返してもらうぞ。」
コクウが自らの能力で生み出した銃を構えた。
「…無駄だ。
バリアがフッと消えたーーーー瞬間、コクウめがけて無数のコードが槍のように伸びてくる。
ーーーーズドドドンッッッ!!!
激しい衝撃音が辺りに響き、砕けた床の木片が辺りに舞う。しかし、コクウはコードの攻撃を回避していた。
そして、銃口をウンエントリヒに向け引き金を引く。
しかし、放たれた弾丸は全てコードに叩き落とされた。
「死神如来が消えた今、君は私達の敵では無い。ーーーー諦めろ。」
鞭のようにコードがしなり、コクウに何度も伸びてくる。コクウはソレを躱しながら、隙をついてはウンエントリヒに発砲していた。
だが、結果は変わらず。ーーーーウンエントリヒを守るように蠢くコードの束が、弾丸を防いでしまう。
ソレに構わず、コクウは叫ぶ。
「諦めなどしない。死は、この世界から消えなければならない…!お前らにただ利用されるだけの存在などでは、俺は決してない!」
コクウの乱射した銃弾が、幾つかのコードを破壊した。…バチバチとスパークが辺りに散る。
「…お前の役目は終わったのだ。死の無い世界は、私が代わって実現しようじゃないか。良いだろう??」
「巫山戯るな…!それはーーーーそれは俺がやらなきゃいけない事なんだ…!」
コクウの弾丸が、コードの束をまた一つ撃ち抜く。ロボットの鋼鉄の機体にも、幾つかの弾痕が刻まれた。
「…む、ミリアを傷付けたな……。ーーーーこの期に及んで……恐るべき男だ。ミリア、もう一押ししよう。」
ウンエントリヒが呟く。ーーーーするとコードの先端から、レーザーが無数に飛んできた。ロボットが、攻撃パターンを変えたのだ。
「くそが…!」
薙ぎ払うように、或いは斬り上げるように、あらゆる方向から飛んでくるレーザー攻撃に、コクウは押し込まれていく。
「良いぞ、ミリア。ーーーーあと少しだ。あと少しで私たちの完全なる勝利だ。」
追い込まれるコクウを見ながら、会心の笑みを浮かべ曰うウンエントリヒ。
ーーーーと、ココでアミダがコードの拘束からもがき出る事に成功した。
「よい…しょおッッッ!!!」
そのまま掛け声と共にインフィニティブレードを振り抜いて、コクウに迫るコードを切り裂く。
スパークを引きながら床に落ちるコード。
アミダは、そのままウンエントリヒとコクウの前に立ち塞がり、ロボットに向かって鋭い斬撃を放った。
ガキィン!!ーーーと音を立てて、アミダのインフィニティブレードと束ねられたロボットのコードが激突する。
「とりゃあぁぁぁ!!!」
掛け声と共に、剣でコードを押し切ったアミダ。
押し切られたロボットが、ぐらり…と揺れる。
「ミリア…!」
焦ったような声を漏らしたウンエントリヒの前で、アミダは背後の
バチュンッ!!ーーーーと破裂音が鳴り響き、ミリアと呼ばれていたロボットが地に伏せる。
ーーーーその機体をもって、
「ミリア!」
「…もう、そこまでだよ。」
ウンエントリヒの喉元に、銃から元に戻ったインフィニティブレードの鋒が突き付けられた。
「
部屋を囲む炎は、益々勢いを増している。更に、深町の命を受けた連邦軍の戦闘機が、破壊されずに残っている建物に対して爆撃を開始した。
………
「ーーーー攻撃が始まったか。」
ウンエントリヒが、顔を上に向ける。アミダも、外から爆発音が連鎖して聞こえてくる事に気付いた。
そして燃えて煙を上げていた天井が、外側から吹き飛ばされるように消え失せ、炎と煙に照らされた夜空が露わになった。
その空に、オスプレイが飛んでいる。…機体に取り付けられたライトが、アミダ達3人を照らした。
「連邦軍…ッ!」
コクウが忌々しく口走った。
同時にオスプレイから
ソレは
ーーーーチェーンで引っ掛けて、
「…勝負あったな。預けていた
次の瞬間、ウンエントリヒが喉元に突き付けられたインフィニティブレードを素早く蹴り飛ばし、
「させるかぁ!!」
コクウが銃をウンエントリヒ目掛けて撃った。しかし、ソレはまたもやコードに阻まれる。
更に、オスプレイの中から
「ーーーー?!」
そして、此方に向かって
(セラムキューブ…!新人類の敵ッ?!)
アミダが応戦の構えをとった瞬間、飛び降りて来た人影が叫ぶ。
「ミスティックエナジー:アストラル・ライト!!!」
展開し、杖のようになったセラムキューブから、無数の光が降り注ぎ辺りを破壊していく。
「きゃぁぁあっ?!」
「なッッッ?!」
アミダとコクウは、その破壊の光に巻き込まれて吹き飛ばされた。そのまま、二人纏めて外まで転がり出る。
「……げほっ…。今度は一体何なのよ…!」
咳き込みながら起き上がったアミダとコクウの前に、スタン…と飛び降りて来た人影が立ち塞がった。
「…
燃える炎に照らされながら、そう口を開いた
「…そう言うアンタは何者だ。」
少女は小さく微笑んて、セラムキューブ変化体である杖を地面に突き立てた。
「…私はアストラル。連邦政府から貴方達を殺し、
少女ーーーー改めアストラルが、夜空の下で不敵に微笑んだ…………
そろそろ、この章も終わりですかね〜。
想定を超えて長くなった(主に投稿頻度低下のせい)この章ですが、おそらくあと3話以内には終わると思います。てか、終わらせたい。
当初からあんまりしっかりしたプロット無かったんで、だいぶ無茶苦茶な進み方してますが、そこはご容赦ください。
ちゃんと責任持って完結させるんで。ハイ