モンスターストライク 〜星ノ呼ビ聲〜   作:犬社長

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貴方のそばに






98話〈STAND BY YOU〉

◇◆◇

 

 

 

 

 

ーーーー火花が散る。

 

 

 

 

 果たして何度、届かせる気の無い拳を振ったことか。

 

ハレルヤは、もう戦う気力を持っていなかった。

 

 それでも戦い続けているのは、暁が何処迄も何処までも立ち向かってくるからだ。ーーーー自己…すなわち自我を失い、深町の命令を聞くのみとなった嘗ての友。それと延々と戦わなければいけないのは、もはや拷問に等しかった。

 

「ーーーーーーーーッ!」

 

鎌を受け止めた手が、ビリビリと痺れる。

 

 彼の体には、暁の能力による異常な重力負荷が絶えず掛かり、体力を確実に削っていく。

 

「暁…!ーーーーーーこんなの…望んでない…!」

 

 ハレルヤは顔を歪めながら、この状況を何とかしようと頭を回転させていた。

 

 深町の話を聞くには、既に〈神威奈火(カムナビ)〉の試作機が、幽世(ゴースト)の移動要塞目掛けて発射されてしまった筈だ。

 

 其方に居る筈のバサラとアミダの事も気掛かりだし、何より下で戦っているキラリが心配でもある。

 

(ーーーーどうにかして暁を止めて、キラリに加勢しないと…!!)

 

 焦る中、ハレルヤは受け止めた鎌を押し戻すと、暁目掛けて水流を放つ。

 そのまま蛇の様に畝る水流で暁を捕らえ、彼を床に縫い付けようとした。ーーーーが、暁は素早く重力操作でハレルヤを引き寄せてくる。

 そして、再び鎌の鋒でハレルヤを貫こうとして来た。

 

「ぐっ…!」

 

 迫る鎌をギリギリで回避するハレルヤ。ーーーーしかし、重力が暁を中心に働いている為、距離を取ることができない。

 

(だけどーーーー水は暁を捕らえてる…!このまま、水圧で締め付けて拘束すればーーーー)

 

ーーーーハレルヤの思考は、鳩尾に叩き込まれた暁の拳で中断された。

 

「げほッ?!」

 

 えずくハレルヤ。傾いた視界の先で、体を半分水に拘束されている暁が、まだ動く腕を使って再び鎌を振るう。

 

(ーーーーココで死んでたまるか…!暁に僕を殺させてたまるかっ!!)

 

 ハレルヤは鎌を左手で受け止め、右手で暁を掴んだ。そのまま、彼を拘束すべく自分を中心として巨大な水球を作り出す。

 

『ーーーー!?』

 

 水球の中は激しく渦を巻いており、暁はその渦に完全に捕らえられた。常に流れる水流が彼の体を絶えず押し流し、彼の動きを封じる。

 

(渦に捕らえた!ーーーーあとは、俺が渦から出ればーーーー)

 

 離脱しようとするハレルヤ。しかし、ココでハレルヤに離脱されるとマズい事を察知しているのか、暁が重力操作を止める気配が無い。

 

 重力の中心点になっている暁が、渦によって回転し続ける為、水球は重力の影響を受けて形が乱れ始める。

 そしてハレルヤも彼に引っ張られる様に渦に呑まれ、二人して渦潮の中で揉みくちゃになる。

 

(これは…やばい…。上下感覚がーーーー)

 

ーーーーとハレルヤが思った瞬間、水球が〈星の花の分体〉の表面に激突した。…暁の重力によって、水球自体も回転しながら動いていたらしい。

 

 バッシャァァァン!!と水が爆ぜ、ハレルヤと暁は同時に〈分体〉の光り輝く表面に叩き付けられる。

 

『ーーーー!』

「くッ?!」

 

 

 

ーーーー次の瞬間、()()()()()()()()()

 

 

 

 

本来なら起きる筈のない、星の花其の物への接触。

 

 星の花の分体は、本体のような()()()()が無いだけで役割自体は本体と変わらない。

 

 全ての〈星のセラム〉ーーーー即ち魂の残滓を生み出し、死した魂の拠り所ともなる〈星の花〉。それと同じ権能をもつ〈分体〉にハレルヤが接触した結果、彼はその内に秘められた魂の残滓に触れたのだ。

 

 そして、暁の霊体もまたハレルヤと共に〈分体〉に触れる。

 

………結果、ハレルヤと暁は〈分体〉を通してーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

「………あれ?」

 

 

 気がつくと、ハレルヤは満点の星空が広がる湖の様な場所に居た。

 

「…何処だ…ココ………。」

 

 何処を向いても、延々と鏡の様に揺らがない水が広がっている。

 空を埋め尽くす無数の星々は、まるで宇宙の縮図の様。

 そして、遥か遠くの水平線には星の花が見えた。

 

 唖然とするハレルヤの背後から、()()()()が聞こえてくる。

 

 

 

「…何処でもないさ。強いて言うなら、『星の中であり世界の外』…かな。」

 

 

 

「ッ?!」

 

 

 勢いよく振り返ったハレルヤの顔が、困惑と驚愕に満たされた。

 

………何故なら、彼の目の前に立っていたのはーーーーーーーー

 

 

「久しぶりだな。ーーーーハル。」

 

 

ーーーーーーーー暁だったからだ。………さっきまで戦っていた霊体じゃない、()()の。

 

 

「……あ……あ、暁…??」

 

 

 幻に呼び掛ける様な声色で、ハレルヤは恐る恐る囁いた。暁は軽く微笑む。

 

「…ふふっ。中々面白い顔になってるぞ、お前。」

「いや…だって……」

 

ハレルヤは、暁に向かって足を踏み出した。

 パシャ、と鏡の様な水が揺らいで、波紋が広がっていく。

 

 目と鼻の距離まで近付いても、暁は消える事なくソコに居た。

 

「……本当に…暁なのか…?さっきまで…俺が戦ってた亡霊じゃ無くて…ちゃんと……」

 

 そう呟きながら、恐る恐る手を伸ばすハレルヤ。…彼の手が、そっと暁の肩に触れる。

 

ーーーー彼の体は、暖かくも無ければ冷たくも無い。しかし、確かに触れることが出来た。

 

「本物さ。…ま、死んでる事に変わりは無いけどな。」

 

 そう言って微笑む暁。次の瞬間、ハレルヤは思わず彼に抱きついていた。

 

「あかつきぃぃ!!!」

「おっと。」

 

 冷たい星空が見下ろす中、ハレルヤは叫び、ただ泣いた。止めどなく溢れる思いに任せて、ひたすらに泣いた。

 

 

「ーーーーごめん!!ごめんっっ!!俺、あの時何も選べなかった!!!全部、全部俺のせいなんだ!!!手を取れなかった!答えも出せなかった!!だから、だから皆んな死んじゃったんだ!!ごめん!ごめんよぉッッ!!」

 

 彼に抱きついた姿勢のまま、嗚咽を漏らし続けるハレルヤ。そんな彼の背中を、そっと暁が叩く。

 

「分かってるって。……大丈夫だ。誰もお前を憎みはしない。」

「でも…でも、シュラさんや紅蓮もーーーー」

 

暁は首を振った。

 

「大丈夫、皆んなココに居る。ーーーーお前を責める人は、1人も居ない。」

「……ここ?」

 

 ハレルヤが呟いた瞬間、二人の周りに無数の光が現れた。

 その光は、やがて人の形を取る。ーーーーかつてハレルヤと共に戦った〈クラウン〉のメンバー達。ハレルヤと共に過ごした東京の人達。実に沢山の人々が、ハレルヤの周りに現れたのだ。

 

「皆んな…………。」

 

 涙を流したまま、呆然と呟くハレルヤ。…周りの人々は、ハレルヤに向かって笑い掛けている。声は聞こえないが、彼等にハレルヤを責める様な感情は無かった。

 

 

『君が、『貴方が、『お前が、ーーーー()()()()()()()()()。』

 

 

口々に、そう言ってくれている様な…そんな気がした。

 その心…魂から感じる暖かさに、ハレルヤはただただ心を打たれて水面に跪く。

 

「………みんな、俺……俺は……。」

 

 溢れる涙が、鏡の様に揺らがない水面にポタポタと落ちた。

 

「な?…誰もお前を責めてなんかない。ハル。」

 

 隣に暁がやってくる。そして、彼にそっと手を差し出した。

 

「……?」

 潤んだ瞳で差し出された手を見つめるハレルヤ。暁はそっとーーーーしかし力強い言葉で、彼に話しかける。

「ーーーーハル。()()()()()()()。一つ一つの力は小さくても、集まれば大きな、揺るがない力に変わる筈だ。」

 

ーーーーいつの間にか、周りにいた人々は光に戻っていた。

 そして、その光は暁が差し出した手のひらに集まっていく。

 

「お前が向こうでどんな戦いをしているか、何となく分かってるつもりだ。ーーーー星の花の分体を破壊すれば、全て解決する。深町は、〈星のセラム〉を手に入れられなくなり、帰魂(リボーン)も機能しなくなる。………〈分体〉を壊すんだ、ハル。」

 

「……暁は?…分体を破壊したら、暁はどうなるんだ…?」

 

ハレルヤの問いに、暁は安心させる様に微笑んだ。

 

「星の花本体が消えない限り、星のセラムはそのままだ。まだ、俺たちはこの世界を彷徨える。……それに、()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

「え………?」

 

 最後の言葉の意味が分からず、聞き直そうとしたハレルヤだったが、突然視界が急速に狭まり出した。……まるで、夢から覚める瞬間を何倍にも引き伸ばした様なーーーーーーーー

 

「ハル。お前は〈星の子〉じゃ無い。だから、この空間には長くは居れないんだ。……戻ったら、真っ先に分体を破壊してくれ。」

 

 そう暁が言って、ハレルヤの手に自分の手を重ねる。ーーーー次の瞬間、ハレルヤの中に無数の光が流れ込んできた。

 

「…これはーーーーーーー」

「お前に『力』を与えた。ーーーー俺達の力、その全てだ。これから先、ハルを助けてくれるだろう。」

 

視界が狭まる。……彼の声が、遠くなっていく。

 

「待ってくれ…!まだ、まだ暁とーーーー」

 

ハレルヤは思わずそう叫んだ。

狭まった視界のずっと向こうで、暁が話している。

 

「そんな顔すんなハル。ーーーー()()()()()()()、また会える。」

()()って何だよ!?ーーーーどういう事なんだ!?…()()()()()()()()、何が始まるんだよ???」

 

 ハレルヤは、遠くに微かに見えるのみとなった暁に向かって叫んだ。

 視界が闇に完全に閉ざされる瞬間、暁の声が最後に聞こえてくる。

 

「ハルーーーーどうか、星の子に会ったら伝えて欲しいーーーーもうすぐーーーー『最後の審判』が始まるとーーーーーーーー」

 

 何が始まるか聞いた時、ハレルヤは闇の中で目を見開いた。

 

「ちょ、それって……どう言う事ーーーー」

 

 

その問いかけに答える言葉は無くーーーーーーーー

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

「ッッッッ!!!」

 

 

 

ーーーーハレルヤは目覚めた。

 

 

目覚めると同時に、彼は周りを素早く見渡す。

 不思議な空間で暁とそこそこの間滞在していた様だが、現実世界側の時間は殆ど経っていない様だった。

 彼の最後の言葉が脳裏に引っかかっているが、それについて考えを巡らす時間はどうやら無いらしい。

 

(ーーーー兎に角、暁の言葉の意味を考えるのは後だ!ーーーー先ずは、やるべき事をやる!!)

 

 ハレルヤは〈星の花の分体〉に勢い良く向き合った。一緒に分体にぶつかった筈の暁の霊体は、何故か消えている。視界の隅で、深町がハレルヤの行動の意味を察知したのか、慌てた様な顔を浮かべた。

 

「何をする気だ、ハレルヤ!!まさかーーーー」

(ーーーー気付いた所で、もう暁の霊体は消えている。深町は俺を止められないっ!!)

 

ハレルヤは手を前に突き出した。

 

…その手のひらに、彼の海のように蒼いセラムキューブが浮かぶ。

 

ーーーーそして、ハレルヤが念じるとそのセラムキューブが激しく震えて形を変え始めた。…いつものガントレットと違って長く、細く、鋭く、まるで剣の様に………

 

(これが、暁()が俺にくれた力ーーーーーーーー)

 

 ハレルヤは、変形中のセラムキューブをグッと掴んだ。

瞬間、キューブは明確な形になる。

 

 

 

「ーーーー〈クサナギブレード〉。」

 

 

 

 ハレルヤの声と共に、海を宿した様な蒼く輝く剣ーーーークサナギブレードが、眩い閃光を放った。

 

星筐体(セラムキューブ)の変化だと…。あり得ん…!」

 

一連の流れを見ていた深町が、呆然と呟く。

 

 そして、ハレルヤは生み出したばかりのクサナギブレードを構え、星の花の〈分体〉に、その蒼く光る刃を叩き付けた。

 

 

ーーーーコーーーーンッッッッ、と水晶を叩いたかの様な音が鳴り響く。

 

 

 空気を鳴らして伝わるその音に、誰しもが戦いの手を止めてハレルヤの方を仰ぎ見た。

 

「……いや…あり得ん…不可能だ…。」

頭を押さえて呟く深町。

「……ハレルヤさん…!」

キラリが祈る様な声で口を開く。

 

 ハレルヤは、分体に剣を叩き込んだ体勢のまま動かない。時間が止まったかの様に、彼は固まっていた。

 

 

……

 

………

 

…………パキッ!

 

 

「ーーーー!?」

 

 キラリの耳に、何かがヒビ割れる様な音が聞こえたーーーーと思った瞬間、星の花の〈分体〉に大きな亀裂が入る。

 そして、ガラス細工が砕け散る様に、300メートルは下らない樹高を持つ〈分体〉はビキビキとひび割れて砕け散った。

 

 

 ドッッッッ!!!!ーーーーと、分体が砕け散った後から、光り輝く星のセラムが津波の様に溢れ出す。

 

 

「馬鹿なぁぁあっっ?!?!」

 

 深町が、信じられんと言わんばかりに頭を抱えて絶叫した。ーーーー溢れ出した星のセラムは、荒波の様にうねって深町の周囲を包み込む。

 

「ッッ?!」

 

 ただの光の筈なのに、まるで全身を波に揉まれた様な感触を感じたキラリは、思わず床に伏せた。

 連邦の新人類兵も、同じ様に光の波の中で身動きが取れない様だ。

 

……しかし、深町は違った。ーーーー彼は、セラムに耐性を持たない旧人類なのだ。

 

「や、止めろ!!この私がッッ!光にぃぃぃぃ?!?!」

 

ーーーー彼はセラムの波に呑まれ、その高濃度の瘴気に一瞬で全身を蝕まれた事で、光となって消滅した。……彼が消滅した後には、彼の身につけていた灰色のスーツのみが残る。

 

 一方ハレルヤは、溢れ出したセラムの波の中でしっかりと立っていた。

 

 とは言え、余りにも眩い光のせいで碌に目を開けていられない。

 

(ーーーーよくやったな。ハル。)

 

 ふと、目を閉じて光の中に佇む彼の頭に、暁の声が木霊した。

 

(暁…!)

 

 薄目を開けるハレルヤ。ーーーー光の中に暁の姿が映っている気がした。

彼は笑っている様だ。

 

(ハルの力で分体は破壊された。……折角なんだ。一つ()()を起こしてやろうぜ。)

 

 奇跡。ーーーーそれが何であるかハレルヤは分からなかったが、彼はただ頷いた。

ーーーー光の中で、暁が笑う。

 

(…ちょっと()()()()()()()()だ。ーーーーーーーー死者の魂に、一瞬の言葉を!)

 

 暁がそう叫んだ瞬間、全ての星のセラムが渦巻きながら天高く舞い上がっていく。

 

 スカイツリーの上半分が、一本の光の柱となって地上から天に立ち昇る星のセラムによって破壊され、バラバラに砕け散った。

 

セラムの柱は更に空へ空へと伸びて行く。

 

 ハレルヤは、かつて獣神祭の日に同じ様な現象がアステールで起きた事を思い出した。……天聖ケテルと戦った時も、最後にこんな風にセラムが柱の様に噴き上がった筈だ。

 

「これって……」

(安心しろ。このセラムから壊獣は生まれない。奇跡の力だからな。)

 

 そう暁が言った瞬間、雲と同じ高さまで立ち昇ったセラムの柱が、ブワッと枝分かれした。

 

 旧東京全土の空を包み込む様に、枝分かれした星のセラムが広がって行く。

 

 そして、根のように空に広がった星のセラムから、オーロラが地上に零れ落ちて来た。まるで、枝から滴る無数の雫の様だ。

 

「アレはーーーー」

(あの光は死者の魂だ。この1夜限りで蘇る力を得たのさ。)

「蘇る…!?」

(そうだ。…東京の夜明けは近い。長くは語れないが、きっと意味のある一瞬になれる筈さ。)

 

暁の言葉が脳裏に響く。

静かに頷くハレルヤ。

 

「そうなんだ……。なら今だけは……今だけは、皆んな逢えるんだね。」

 

 

 スカイツリーの上半分が吹き飛んだ事で、中からも見える様になった東京の夜空を見上げながら、ハレルヤは穏やかな顔で佇んでいた。

 

 

ーーーーそんな彼の頭上から降り注ぐ七色の光。

 

 

 それは、旧東京の中心地から遠く離れたバサラ達の元へも届いていく。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇バサラside◇◆◇

 

 

 

 

 

 

「…?ーーーーなんだ………光が…??」

 

 

 舞台は、崩落を始めた幽世(ゴースト)の移動要塞の上へ移る。

 

 バサラは、空を埋め尽くす星のセラムの光に、いち早く気付いた。

 

 続いてアミダも、空に根の様に広がっていく星のセラムの光に気付く。

 

「これは……アステールの時と同じ…?」

 

 獣神祭の日の記憶が蘇って、アミダは思わず身構えた。ウンエントリヒも、バリアに包まれた帰魂(リボーン)の上で、唖然とした表情を浮かべている。

 

「なんだコレは……星のセラムなのか…?」

 

 3人が見上げる中で、光る根となって空を埋める星のセラムから、オーロラの様な輝く光が降り注いできた。

一瞬ノーマンかと思ったが、どうやら違うらしい。

 

「…アレはーーーー」

 

バサラが何かに勘づいた様に呟いた瞬間ーーーー

 

 

『ーーーー力を貸すね。』

 

 

()()の声が、どこからとも無く聞こえて来た。

声を聞いたバサラが、はっきりと動揺して呟く。

 

「おい………嘘だろ…????」

 

 次の瞬間、バサラの前に渦巻く炎が現れた。……いや、炎では無い。アレは星のセラム…魂の輝きだ。

 

 

『式神〈金剛〉』

 

 

そんな声が周囲に響く。

 

 そして、炎の様に揺らめくセラムの光が、赤い体躯の巨大な鬼の様な姿に変わった。

 

ーーーーコクウが《死神如来》を顕現させた時と同じだ。

 

 そして、バサラ達の目の前で()()()()が動き出す。その筋骨隆々とした真紅の体を空に浮かし、恐るべき速度で帰魂(リボーン)を覆うバリアを殴り付けたのだ。

 

 

 

ーーーーガァーーーーンッッ!!!!

 

 

 

 重厚な音と共に、バリアにヒビが入る。ウンエントリヒが恐れるような表情を見せ、口を開いた。

 

「死神如来のような、制御された(セラム)の集合体だと…?!ーーーーしかし、バサラにこの芸当は出来ない。誰だ…!誰が動かしているっ!?」

 

 そう口走るウンエントリヒの前で、真紅の鬼がバリアを2撃で叩き割る。そのまま、ウンエントリヒごと帰魂(リボーン)に容赦の無い拳を叩き込んだ。

 

「馬鹿なーーーー」

 

 ウンエントリヒは咄嗟にロボットに自らを守らせようとしたが、鬼の拳はロボットごとウンエントリヒを殴り倒し、更に帰魂(リボーン)を貫いて、完全に破壊せしめる。

 

「あ、帰魂(リボーン)がーーーー!!」

 

 アミダがそう叫んだと同時に、帰魂(リボーン)は内側から爆発するように砕け散った。

 

 バラバラになった金属片が、爆炎の尾を引いて空に飛んでいく。ウンエントリヒもそれに巻き込まれ、ロボットの残骸と共に地上へと落ちて行った。

 

 更に真紅の鬼は、流星のような炎の尾を引きながら空を飛び回り、幽世(ゴースト)の移動要塞を破壊しようとしていた戦闘機を、凄まじい速さで撃墜していく。

 

 連邦兵も、まさか死神如来のような存在が新たに現れるなど想定外だったのか、反撃の手すら整えられずに空を彩る炎の一つとなった。

 

「………………。」

 

 それを、崩壊しかけた移動要塞の上から眺めているバサラ。ーーーー気がつくと、連邦の戦闘機は全て破壊されていた。

 

 そして、破壊の主ーーーー真紅の鬼が、ゆったりとした足取りで空から舞い降りてくる。

 

 バサラの目の前までやって来た時、真紅の鬼はセラムキューブが砕ける時のように、パッと霧散して姿を消した。ーーーー消えた跡に、小さな人影が残っている事にアミダは気づく。

 

 

(…だ、誰??)

 

 

 微かに透けているが、()()()()()()()をした14、15歳ぐらいの少女だ。

 

 彼女は微笑みを浮かべながら、バサラに向かって歩いてくる。一方のバサラは半ば放心状態のようだ。…彼にしては珍しい。

 

『…やほ、バサラ。………大人になったね。』

「な……おま……なん…で………」

 

 少女が、まだ幼さの残る声でバサラに話しかけた。バサラは全く返事が出来ていない。脳が思考を放棄しているようだ。

 

「…信じ…られないな……。夢の…方が……まだ現実的だ……。」

 

バサラの背後から声がする。

 バサラが弾かれたように振り返ると、アスターの一撃で吹き飛ばされたコクウが、ふらふらと此方に歩いて来ていた。

 

「コクウ…!お前…生きて……。」

(ーーーーあれぇ?!コクウ生きてたのっ?!?!)

 

 一連の事態を見守っていたアミダは、コクウがやってきた事にかなり驚く。

……全身がボロボロとは言え、アミダさえもが死を覚悟したアスターの一撃を喰らって尚、立ち上がれるその頑丈さには脱帽だ。

 

「……お前ーーーー」

 

 ボロボロのコクウは、ふらつきながらも少女を真っ直ぐ見つめて口を開いた。

 

 

「ーーーーーーーー()()()か…?」

 

 

その声を聞いた少女は顔をくしゃっとさせた。

 

『うん。そうだよ。私だよ!』

 

 最後の方は泣きそうな声になっていた少女(トコヨ)。コクウもまた、泣き出しそうな顔になる。そして、何も言わずにバサラの前をヨロヨロと通り過ぎると、トコヨに手を伸ばしーーーー

 

「ッ!」

 

ーーーーーー体が限界を迎えたのか、その場に倒れ込んでしまった。…無理もない。その体は彼方此方がおかしな方に折れ、血塗れになっている。風前の灯で生きているのようなものなのだ。

 

 それでも、コクウは這いずる様にトコヨに近付こうとする。ーーーートコヨは、そんなコクウの側に歩み寄ると、そっと彼の頭を胸に抱き入れた。

 

「トコヨ………」

 

 熱にうなされたように呟くコクウに、トコヨはそっと声を掛けた。

 

『もう………。私、言っといたのに。私が死んでも、私に縛られないでねって…。』

 

彼女の声が涙声になって震える。

 

『私の事は……忘れてねって…。なのに…貴方は忘れられなかったの…?』

「忘れられるものか……。如何やったら、忘れるんだよ…逆によぉ…!」

 

コクウも声を震わせた。

 

「ずっと…!ずっと探してた…!!この星を満たす魂の残滓…。その中に、きっとお前が居てくれると…!俺は……俺はもう一度逢いたかった…!!会って…この手で……もう一度一緒に過ごしたかった…!その為に、全てを捨てて来た…!たった1人のバサラ(友達)さえもっ!!」

 

 コクウは、少女の胸の中でひたすらに泣きじゃくる。吐露するその心情は、あの日からずっと胸の奥に仕舞い込んできた想いーーーーーーーー

 

「全部を敵に回して!とても叶いそうに無い夢を見て!!独りで生きて来た!!ーーーー全部!ぜんぶ!!お前にまた逢うために!!!生き返らせる為にっ!!」

 

 あとは言葉にならないコクウの頭を、トコヨはそっと撫でる。

 

『そっか……そうだよね…。貴方が私の事…忘れられる筈ないもの…。だからあの時、バサラには言えて貴方には言えなかったんだ。忘れてねって言葉を………。ーーーーでも、私も実は忘れられなかった。』

「……!」

 

 トコヨは彼を抱きしめながら、静かに口を開いた。…全天に広がるオーロラが、彼女を優しく照らしている。

 

『光になって、眠るような時間無き魂の世界を揺蕩っている間、私もずっと貴方とバサラの事を想ってた。』

 

 オーロラの光が、東京に降り注ぐ。…彼方此方に、光と共に魂達が舞い降りるのをアミダは見た。………生と死の境が、今この瞬間だけ無くなったようにーーーーーーーー。

 

『えへ…ーーーー笑っちゃうよね。忘れてねって言った張本人が、全然忘れられないなんてさ。』

 

そう言って泣き笑いをするトコヨ。

 

 そして、彼女は片手でコクウを抱いたまま、もう片方の手をバサラへ伸ばした。

 一方のバサラは、空をおもいっきり首を上げて見上げている。………その目に溢れて止まらない涙が、零れ落ちない様に。

 

『バサラ?……ココにおいでよ。そんな所で突っ立ってないでさ。ね??』

 

バサラは上を向いたまま、素早く手で目を拭った。

 

「…馬鹿野郎。」

 

ーーーー呟く声は、掠れている。

 

「ーーーー俺は三十代のオッさんだぞ…。……そんな歳のオッさんが、ちんまい少女に抱かれてちゃあ、絵面的にアウトだろ……。」

 

トコヨは微笑んだ。

 

『…私の時は止まったまま。……でも、貴方の時も止まったまま。私の言葉に従おうとしてくれて、ありがとう。ーーーーだけど、今は良いでしょ?バサラには、無理に頑張らせちゃったんだから。本当は、バサラだって悲しかった筈なのに。』

「………ッッ!」

 

 優しさを含んだその声を聞いたバサラの手から、ずっと握られたままだった真紅の太刀が零れ落ちる。それはセラムキューブへと変わって消えた。

 同時に、バサラはトコヨの胸にそっと抱き締められる。

 

「……………………あぁ。」

 

とても長い沈黙の後、バサラはそっと呟く。

 

 

「………懐かしいな。」

 

 

彼の端正な顔を、一筋の涙が伝ったーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズゥン………

 

 

 

 

ーーーー移動要塞が揺れる。

 

 

 そしてメキメキと周りが崩れ始め、あちこちに火の手が上がった。…床の傾きも、もう無視できないレベルとなる。

 

 少しずつ崩落を始めていた移動要塞が、遂に最後の時を迎えようとしているのだ。

 

 

『………時間だね。』

 

 

2人を抱きしめていたトコヨが、そっと囁いた。

バサラは静かにトコヨから体を離す。

 

『行ってバサラ。…そろそろ朝が来る。私達は、この一晩しか貴方達と言葉を交わせない。それに、貴方は此処にいたら危ないから。』

 

その声を聞いたバサラは、微かに目を伏せた。

 

「そうか。………寂しいな。今日だけは朝が来なけりゃ良いのによ…。」

 

トコヨは笑う。

 

『夜は必ず明けるものだよ。コレは世界の理だから。…でも、大丈夫。私はいつも側に居る。』

 

 バサラは頷いた。その顔は、何かに吹っ切れたかの様に明るくなっている。

 

「分かった。……他ならぬ魂本人からそう言われると、心強い。」

 

 そう言って、バサラは未だ彼女に抱かれたままのコクウの方を見る。

 

「コクウ。……行くぞ。」

 

コクウは動かない。

 

「………コクウ?」

 

バサラはそっと彼の顔に触れーーーー

 

 

「!!」

 

 

ーーーー彼がもう、息をしていない事に気付いた。

 

 

 息を呑むバサラの前で、トコヨがコクウの頭を撫でながら呟く。

 

『今、彼は眠ったよ。………見てあげて。こんなに安らかな顔でね………。』

「………。」

 

 バサラは、コクウの寝顔をそっと見る。…確かに彼は、安らかな顔を浮かべたまま目を閉じていた。ーーーー肩を突けば、今にも起き上がって来そうな位に。

 

『最後の力だったんだね。私と言葉を交わすことに、死にかけていた自分の全ての力を使っていたんだ。』

 

トコヨは彼を抱きしめたまま、そう言葉を紡いだ。

 

『最後の最後に、きっと幸せになれたのなら…それで良いんじゃないかな…。』

「ッ……。」

 

 バサラは眉間を指で押さえる。…そして、もはや物言わぬ姿となったコクウに、絞り出す様に声を掛けた。

 

「全くよぉ……幸せそうに眠りやがって……。なぁ……なんであの時、お前は俺を庇ったんだ…?帰魂(リボーン)があるから、俺が死んでも別に良かったんじゃなかったのかよ……。あの時のお前は、そんなに俺が死ぬ事が嫌だったのか…?独りで懸命にやって来た自分の命を、投げ打ってまでもか??」

 

コクウは何も答えない。

代わりにトコヨが静かに口を開いた。

 

『……コクウはそういう人だから。本当はとっても優しくて、いざと言う時には、自分の命を他人の為に使える人…。本当はそうなんだよ?』

「………そうか。もっと……もっと、俺が昔からコクウと向き合っていればな…。そうすれば、幽世(ゴースト)は生まれなかったかもしれねぇし、こんな結末にはーーーー」

 

バサラの声をトコヨは手で遮った。

 

『ダメだよバサラ。過去に囚われちゃ。過ぎた事は過ぎたこと。覆水は盆に返らず…起きた事は変えられない。ーーーーだからこそ、未来を変えていかなきゃ。先に旅立った者達の意志を継ぐのが、残された者達の役割。』

 

そう言って、彼女はバサラに微笑む。

 

『ーーーーコクウはコクウなりに、幸せな世界を作りたかった。やり方は正しく無かったかもしれないけど、みんなが幸せになれる、悲しみの無い世界を目指していた事に変わりは無い。ーーーー貴方もそうでしょ???』

 

バサラは深く頷いた。

 

「あぁ。」

『…なら、コクウの意志も継いでくれる?ただ、貴方の重荷を一つ増やしてしまう事になるかもーーーー』

「ーーーー重荷じゃねぇよ。」

 

バサラはトコヨの言葉を遮って、首を振った。

 

「目指す道が変わったわけじゃねぇ。やることが増えたわけじゃねぇ。だから、重荷なんかじゃねぇよ。寧ろ気合いが入ったぜ。」

 

彼はトコヨに強く頷いてみせる。

 

「約束しよう。俺がーーーーいや、俺達が、必ず悲しみの無い世界を創って見せると。」

 

トコヨは微笑んだまま、彼に頷き返す。

 

ーーーーーーーその時、遠くからアミダの声が聞こえて来た。

 

 

「バサラさーーーん!!今ならこっちから下に降りれますよーーっ!!…おっとっと…!」

 

 

 既に移動要塞は大部分が崩れ落ちている。もはや一刻の猶予も無い。

 

 バサラは、最後にトコヨに軽く目で別れを告げると、アミダの示す方へ走り出した。

 

 2人が炎と共に崩れ落ちる移動要塞から脱出していく。

 

 その後ろ姿を見送っていたトコヨは、そっと抱きかかえたコクウに向かって呟いた。

 

 

『……大丈夫。バサラならきっと上手くやれるよ。だから、一緒に見守ってあげよ?…()()()()()()()()()()()………。』

 

 

ゴゴゴゴゴゴ……………

 

 

トコヨの周りが崩れ出す。

 

 そして、バサラ達が脱出したとほぼ同時に、幽世(ゴースト)の移動要塞は完全に崩れ去った。

 

 

 

 

ーーーーーーーこうして〈反連邦新人類組織幽世(ゴースト)〉は首魁コクウの死亡と、拠点である中規模移動要塞都市の崩壊を持って、活動を終了する事となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇1時間後◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

「バサラさーーーーん!!!」

 

 

 

……朝日が登り出した空に、ハレルヤの声が響く。

 

 

 

「ん?おぉ!ーーーーハレルヤか!!」

 

 

 

 崩落する幽世(ゴースト)の移動要塞から脱出し、朝焼けに彩られた空の下で決着の余韻に浸っていたアミダとバサラは、旧東京方面からやって来るハレルヤ達を見て、笑顔で手を振った。

 

「ーーーー無事で良かったよ!バサラさん!!移動要塞が完全に崩壊してたから、一体如何なったかと…。」

 

 やって来たハレルヤが、心底安堵した様な表情を浮かべて胸を撫で下ろす。

 

「お前もなハレルヤ!ーーーーそっちは如何なった?」

 

バサラの問いに、ハレルヤは笑顔で答える。

 

「ーーーー管理者の深町は星のセラムを浴びて消滅。残った新人類兵も制圧済みだし、何より『奇跡』の影響で、今は皆んな戦う雰囲気じゃなくなってますよ。」

「おぉ、そうか。……てか、何だお前それ?太刀??んなん持ってたか?お前。」

 

 話を聞いていたバサラは、ハレルヤの手に握られたクサナギブレードに気付いた様だ。

 尋ねられたハレルヤは、少し笑ってクサナギブレードを彼に見せる。

 

()()()()に貰った、俺の新しい力です。…バサラさんこそ、斬魔刀は??」

「あぁ。アレは自分で折った。もう、必要ねぇ。コレからはこのーーーー(セラムキューブを真紅の太刀に変化させる)ーーーー〈真・斬魔刀ヴァラク〉を使うつもりさ。…因みに名前は今適当に付けた。」

「へぇ〜。中々にカッコいいじゃないですか?」

「だろ〜???」

 

ーーーーと、此処でアミダが間に入る。

 

「(咳払い)ーーーーえーっと、取り敢えずハレルヤ達も、目的は達成で良いのかな?」

 

キラリが頷いた。

 

「うん!星の花の〈分体〉の破壊も完了したし、神威奈火(カムナビ)も試作機がスカイツリーと一緒に無くなったから、私達の目的は達成されたってことになるよ!!」

 

「おーー!!」

 

パチパチと、アミダの拍手が東京の青空に響く。

ハレルヤが更に補足した。

 

「ーーーーあと、スターダスト支部〈ウルトゥル・カデンス〉所属エージェントのベガさんに連絡を取って、エージェントのベテルギウスさんとリゲルさんを日本近海に派遣して貰ってるんだ。もう見つからない様に〜とか考えなくて良いからね。…コレで天川市の援護にも、本格的に参加できるはず。」

 

バサラが片眉を上げた。

 

「……マジか。いつの間に派遣させたんだ??」

「此処に来る時には、既に頼んであったよ。ーーーー何が起こるか分からなかったから、保険にね。…まぁ、よっぽどの事ーーーー例えば、俺達が負けた時とか以外は介入しない様にって言ってあったから、今まで動かしてなかったんだ。」

 

 そう言うハレルヤを見て、『そう言えば彼はウルトゥル・カデンスの代表者なんだった。』ーーーーとアミダは思った。

 

「さっすがハレルヤ!ーーーー仕事が出来るじゃん!」

「いやぁ…それ程でも。」

 

 アミダに背中を軽く叩かれ、小さく謙遜するハレルヤ。

 

「ーーーーって事は、天川市に戻るべきだな。…ウルトゥルカデンスの奴らが来るんだろ?どうせもう一回一悶着有るんだし、東京の奴らが動き出す前に早めに合流しねーと。」

 

バサラが全員を見回して、そう口を開いた。

 

頷く一同。

 

ーーーー今はまだ、東京の人々は『奇跡』の余韻に浸っている頃だろう。…しかし、少し経てば統率を取り戻した日本の連邦軍が動き出す筈だ。

 

 今のうちに、ウルトゥルカデンスから派遣されてきたエージェント達と合流する必要がある。

 

「そうですね。…この街に来る為に乗ってきたミニバンが、未だそのままの筈です。それに乗って、友軍と合流しましょう。」

 

キラリがそう言う。

 

「よーし!そうと決まれば、早速戻ろー!!」

 

 アミダがそう言って先立って歩き出した。バサラ達も後に続く。

 

 

ーーーー彼らの後に続いて歩きながら、ハレルヤは朝日の登る空を見上げ、1人心の中で呟く。

 

(暁……。()()は一体如何言う事なんだ…?)

 

 脳裏に過ぎって離れないのは、暁が最後に自分に向かって放った言葉。

 意味を問おうにも、もう東京の空から光の根は消え失せ、朝焼けと共に奇跡も終わった。

 

「………。」

 

ハレルヤは、暁の言葉を脳内でもう一度呟く。

 

彼はこう言っていた。

 

 

 

 

「ーーーーハル。

 

 

ーーーーどうか、星の子に会ったら伝えて欲しいーーーー…

 

 

もうすぐーーーー…

 

 

 

 

()()()()()』が始まるとーーーーーーーー。

 

 

 

 

 

 







幽世(ゴースト)編〉終了です。


…長かったぁ……。

果たしてコレで良かったのか、他人が見た時にこの幽世(ゴースト)編は良かったと言えるのか、私には分かりかねますが、少なくとも私は満足です。
途中かなり苦しい所も有りましたが、何とか書き上がりました。ありがとうございます(?)

………ウンエントリヒの処遇が、雑になった感は否め無いけどネ。あの人、グローリー戦争から出てた人なのに……

そして最後に現れた『最後の審判』とか言う概念。コレが最終章の鍵…もとい、最終章其の物です。

次回からは、少し作中時間を進めつつニュウくんサイドの状況解説と、待ちに待った(主に私が)ネオの話を始めたいと思います。

…遂に、完結まで秒読みとなりました。これだけ前フリ大きくしといて盛大に何も始まらなかった、って事にはしたく無いので、頑張ります。

んじゃ、また次回!
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