東方紅妖記   作:くるくる雛

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どうも皆さんくるくる雛です。
どうにも投稿が遅くなって申し訳ありません。
本当はもう少し早く投稿したいのですがリアルが忙しく3月になれば少しは早くなるかもしれませんが…
それでは今回もどうぞ。


第四編 中ノ二 心詠む少女

 果てのある暗い空、それを背景に花火が上がっているのを古明地さとりは地霊殿から見上げていた。

その花火は絶えることなく虚しく開いた旧都の空を艶やかに輝かせていた。

 

 しかし、この地底に花火師をしている妖怪はいても今日が花火が出るほどの催し物は少なくとも旧都の妖怪には視られなかった。

恐らく遊戯(スペルカードバトル)だろう。

それでも、もし仮にその遊戯が行われるのであればもっと場所があったはず、それなのに贅沢に旧都上空を舞台にした。

さとりにはそんな演武のようにスペルカードバトルを楽しめる鬼を一人知っていた。

 

 「珍しいわね…。」

 

 彼女はそう呟くと窓からその勝負の始終を鑑賞しようとした。

スペルカードバトルとはいえ鬼と相対して互角に戦える相手の技量、どうしてここ地底に降りてきたのかの理由が気になったからだ。

それを許してたまるかと言わんばかり気配を感じ、注意を門に向けた。

そこには、以前にここに訪れた地上の巫女に魔法使いが見慣れない男性と共に入ってくるのが見えた。

 

「今日は矢でも降ってくるのかしら。」

 

 その呟きを後に彼女は止めていた足を運びだした。

 

 

 

 

 

 そして玄関口へ向かうアプローチ。

庭にはどうして地底に生えているのか草木が繁っていた。

だがそれでも何か物足りなさが哀愁として庭を漂っていた。恐らく

魔理沙がふと空を見上げていた。

空では外から来た人間とここ地底の住人の鬼(しかも鬼の中でも最強と謳われてる部類の鬼)が派手な弾幕勝負で空を明るくしていた。

そのおかげかどうかはわからないが足元が明るく、庭を、館を照らし少しばかしは哀愁が緩和されているように思えた。

 

「お互い派手にやってるねぇ。」

 

「あの鬼と渡り合えるって相当よ?まぁ手加減されてるんでしょうけど。」

 

「逆にそれでも怖じ気付かずに魅せるカードを使ってるんだぜ?普通の人間じゃまず無理だろうなぁ。」

 

「それ以前にアイツ酒10升呑んでやっと微酔いなのよ?その時点で人間を逸脱してるわ。」

 

 そう苦笑いする霊夢をよそに鍋月は沈黙を貫き、いつでも戦えるように気を引き締めていた。

戦闘に対してのモチベーションは最高、いつどこで何が来ても戦える、そんな気さえした。

そして息を吐くと同時に心地よく、どこか物足りない安らぎが体を巡っていく。

 

「そこの人間、気を詰め過ぎよ。それじゃあまるで素人が借金を返すために強盗にでもしにきたみたいじゃない。そのつもりなら相手してもいいけど?」

 

 大きな扉の前に桃色の髪を持つ少女がむすっとした顔で鍋月を彼の心を見通すレベルまで見て言い放った。

見られた本人の鍋月は驚き背中を悪寒が駆け抜ける。

彼女を見て何をされたかを把握する。

彼女が覚妖怪であることも、ここ地霊殿の主であることも。

 

「そろそろ私達を人間呼ばわりするのは止めてくれない?名前あるのは分かるでしょう?」

 

 いや、あなた達ではないとさとりは首を横に振る。

今彼女が”視ている”のは鍋月の心であることを二人は彼女の目線から理解し、一歩下がった。

 

「私のことは知ってるようね。名乗らなくても良さそう。名前は鍋月守同、紅魔のお嬢様から戴いた名前ね。料理長には相応しい名前じゃない。で、ここに来たのは…あら。仕事仲間のメイド長を助けにねぇ。」

 

 するとさとりは空を見上げた。空を舞台に花火は咲いては枯れるのサイクルを絶えることなく繰り返しながらもその輝きを地面に照らしていた。

 

「私は紅魔のメイド長の所在に関しては何も知らないわ。」

 

「どういうことだ?確かに」

 

「外の白狼天狗が地霊殿の奥に白玉楼の庭師と共に捕らえられているのを見た。まぁあの素直で正直な仔犬なら嘘はつきようがないわね。でも私”は”知らないわ。空に聞けば分かるんじゃない?最近引きこもってばっかりで様子おかしかったし。」

 

 またあの馬鹿烏かと巫女と魔法使いは溜め息を吐いた。

鍋月はそういえば以前もこの二人とその相手とは一悶着あったなと思いだした。

 

「まぁ、あの子が何をしようとしているかはわからないけれどあなた達に面倒をかけてるのは確かなようね。普段ならお帰り願うけれど今回は見逃してあげるわ。中庭は開いてるから行くならどうぞ。」

 

「じゃあ、遠慮なく。」

 

 霊夢が先陣を切って扉をくぐり地霊殿に入る。

鍋月もありがたいと一息ついてそれに続く。

 

「人間、お礼の気持ちは口に出して言うものよ?」

 

「その言葉は」

 

「名前で呼んでもらえてから受け取る、ね。最近の人間はいい度胸してるわ。さっさと中庭へむかってくださいね。」

 

 はいはいと苦笑いしながら肩を竦めて鍋月は穴の中に姿を消した。

あとは魔理沙だけなのだか肝心の彼女には歩む気は無さそうでそれどころか背伸びや準備体操みたいな動きも見られる。

確実に弾幕遊戯目当てだ。さとりにはそう見えたようだ。

 

「さて、あなたが残ったってことは私と勝負したい。ってことでいいのかしら?魔理沙。」

 

「読めるんだから心から察してほしい。当然だぜ。」

 

 さとりは息を吐いて呆れた。

礼儀のない魔法使いの相手をしなければならないことが少々鬱陶しくなった。

だが自分自身はそれほど地位を気にしない妖怪であるし、かく言う自分も空の一戦を見ていた一人である、再び弾幕遊戯をしてみたいという願望も僅かながらあった。

それ故に魔理沙の無礼を許せた。

一通り間をおいてさとりは口を開いた。

 

「あら、戦いを頼む相手にその口調はないんじゃない?まあいいわ、始めましょう?」

 

 上空の祭りの邪魔にならないよう配慮してか、フィールドを地霊殿の庭に限定して、低空で弾幕遊戯が展開され始めた。




今回もご愛読ありがとうございました!
今度の投稿もまた3週間くらいはかかるかもしれませんがこのような駄作でもよければ気を長くしておまちください。
それでは皆様また次回!
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