東方紅妖記   作:くるくる雛

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みなさんおはこんばんちはくるくる雛です
本文の内容より前書きと後書きに困っています。
それでは、今回もお楽しみいただければ幸いです。どうぞ


第一編 下 (紅魔館での一日)

 鍋月が紅魔館にてパチュリーに説教されているころ、白玉楼の庭師魂魄妖夢は人里に来ていた。

人里の市場は夕食の献立を考えつつ品物に手を伸ばしている主婦達であふれかえっており妖夢はそのなかに紛れていた。

目の前にある素材を品定めしていき、それを買っては袋に入れていく。

おおよそのおかずは考えており尚且つ白玉楼には備蓄もあったので購入した品は少ない。

 

「他に何がいいのでしょうか…やはり魚の焼きものですかね…」

 

 そう呟き一軒の魚屋に入っていく。

なかなかの老舗のため何度も訪れたこともあり、いまでは常連なのだとか。

 

「いらっしゃい、お姉さん。」

 

 禿頭に捻り鉢巻の見慣れた気さくな店主が挨拶をすると妖夢は落ち着いた表情で返した。

 

「おすすめの品はありますか?」

 

「そこの鮭とかだね。手軽に塩を振りかけて食べると美味いんだよ。そういえば外の世界の本でぽわれって焼き方がのっててね、それもおすすめだよ。買っていくかい?」

 

「それでは2匹お願いしますね。」

 

「毎度!それじゃあついでにぽわれの焼き方も一緒にいれておくよ。」

 

 妖夢が小さな麻袋を手渡すと店主があいよと返し手慣れた様子で麻袋に入れて氷にいれる。

妖夢は代金を手渡し麻袋を受け取る。

この店は基本的に麻袋は貸出ではあるが、次来たときも使えて、割引してくれる、言わば会員証のようなものだ。

 

「ありがとう、またきておくれよ」

 

 その言葉を聞いているかはともかく、妖夢は日を見て急いだ。

 

「路地裏…行くしかない…」

 

 そう思い猫の鳴き声が集る路地裏を駆け出した。

そのとき、妖夢は後頭部を何かで思いっきり叩かれた。

 

「ぐ…」

 

 ふらつき袋を落としてしまう。

犯人は続けて頂きに手刀を入れ妖夢を地に伏せてしまう。

意識が朦朧とする、せめて犯人の姿を見て対抗しようとするも、体が動かず、意識は遠のくだけであった。

 

「あぁ…幽々子…様……」

 

 気絶した妖夢を担ぎ、犯人はそそくさと人気のいない路地の奥へと消えたのであった。

 

 

 

 

 

 場面は戻り紅魔館。

ようやくパチュリーの説教から解放された鍋月は、懐中時計を見る。

もう夕食時は終わってしまった。

 

「しまった…あとで咲夜さんに謝罪しないとな…」

 

 実はパチュリーの説教が長引きそうだったため咲夜がお嬢様達の夕食の支度をしてくれたのだ。

だがこの時間だと既にお嬢様達は夕食を終えてしまっただろう。

そして調理室、そこで咲夜は賄い飯をオーブンから取り出していた所だった。

 

「あれ?咲夜さん?」

 

「あ、鍋月さんも食べますか?」

 

 手元にあった料理はできたてのグラタンのようにも見えたが流し台に杓文字があることを見るとご飯を使い、味付けのケチャップが出ていることから即ちドリアだろう。

湯気が運ぶ焼けたホワイトソースとチーズの香りも香ばしいもので出来栄えも流石といいたくなるほどのものであった。

 

「もちろん。それと私の仕事を押し付けて申し訳ございませんでした。」

 

「いいんですよ。妹様の遊び相手をしてくださってたんですから。それよりも早くしないと料理が冷めてしまいますよ。」

 

 常備されている机と椅子を並べて、咲夜と鍋月は腰かけ、手を合わせる。

鍋月は咲夜が外の人間であることは知っていたが、この習慣を忘れていなかったことに内心驚いた。

 

「「いただきます」」

 

 スプーンでホワイトソースの焼けた層を突き崩すとそこから刻んだ玉ねぎ、人参等の野菜類が顔を出す。

そして何より橙色の米が目立って現れた。

やはりドリアだ。

 

「お味は如何でございますか?」

 

「最高さ。それとさ、俺と話すときは肩の力を抜いても大丈夫だからな?あくまで仕事仲間だし。」

 

 曇りのないフランクな笑みを浮かべる鍋月を見て咲夜は少し難しそうな顔で曇らせて視線を逸らす。

それを気に咎めた鍋月は咲夜を見て訝しげに問いかける。

 

「どうした?」

 

「いえ、何でもありません…ただ…」

 

「ただ?」

 

「あなたって…寛大な方なんですね。」

 

 少し首を振ると咲夜は呟く。

鍋月は確かに意図の有無問わず幾度となく紅魔館の面々から様々な仕打ちや洗礼を何度も受けている。

しかしそれで激怒することもなく微笑み一つで返して許している。

 

「別にいいんですよ、こっちにも下心はあるんですし。」

 

「それじゃあ駄目なんです!せめて何か一つくらい償いたいです!」

 

 語気を強めて咲夜は言った。

ここで流石にそれはいいと言うのは蛇の生殺しであることは鍋月も理解していた。

故になかなか酷な状況である。

そしてあることを思いついた。

 

「では、一つプライバシーに関わる質問をしますからそれで…」

 

「ふぇ?」

 

 きょとんとした表情を浮かべて訝しげに鍋月を見つめる。

それに対して鍋月はすこしやらしい目で見ていた。

 

「スリーサイズを教えてください。」

 

「す…スリーサイズ…ですか?」

 

 首を傾げたままの咲夜の顔はその言葉を耳に受取り何秒かのタイムラグを経て、顔をあたかも熟れた林檎のように真っ赤にして、顔を伏せた。

 

「無理しなくていいからな?」

 

 元来、こういった嗜虐的な対応そのものが苦手な鍋月はあまり踏み込むこともなくスリーサイズを聞くだけが関の山であった。

本人は当然冗談と本音が9対1の割合で交えていったよなものである。

コップの水に手を伸ばし口に含んだ頃合い。

咲夜が真っ赤な状態から少しだけいつもの白い肌に戻った顔を上げると立ち上がり、深呼吸して口を開いた。

 

「仕方ありません。バストから答えましょう!」

 

「うぐっ!言わなくていいから!そこまで本気にならなくていいから!」

 

 咲夜が応えそうになり焦り口に含んだドリアでむせてしまうが無理やり飲み込んで両手で触れかねない距離まで手を伸ばし制止しようとする。

 

「この十六夜咲夜、一度言ったことに偽りがあっては…」

 

「いや!その誇りをここまで持ってこなくていいから!」

 

 

 

 

 

 そのやり取りを鍋月の部下である妖精メイドsが扉を密かに開いて仲良く四人で見ていた。

ちなみにポピーは仕事優先するが故に既に寝床である。

 

「やっぱりああいう魅力的な人に惹かれているのね…チーフ。」

 

 鍋月のほぼ側近に近い赤く桃色の混じった髪の持ち主のチェリーが呟く。

ちなみにチーフという呼び方は鍋月が義務づけた呼び方である。

しかし、あくまで仕事の時だけの話で、あとは好きにしていいと本人から聞いているが、チェリーは仕事のスイッチが抜け切れずチーフと呼んでしまってる。

 

「鍋月様は恋愛対象としては見てくれないのかな…」

 

「でもフランお嬢様に懐かれてましたから可能性はないことはありませんよ…」

 

 悲しそうに呟くチェリーに明るい栗色の髪のパームにオレンジと白のグラデーション髪のアマリリスは励ますつもりで例を挙げた。

事実、昼間にフランが入ってきて待っていた時にアマリリス自身が鍋月をどう思っているかを彼女に問いかけて”良い人だからね”と返している。

 

「あ、スリーサイズの話ね…」

 

 たゆんたゆんと背丈には似合わない胸と鮮やかな赤と黄色のグラデーションを持つ髪を揺らし聞き耳を立てる。

すると他のメイド達も身を寄せて聞き耳を立てる。

 

「ポピーが話を聞けなくて残念がるでしょうね…」

 

「これほど面白そうな話を…聞き逃すとはねぇ…」

 

「あっチーフ遠慮してる…どっちなのよ…」

 

「あら、こんな夜半に何をしているのかしら」

 

 振り返ってみるとそこには紅魔館の当主、レミリア・スカーレットの姿があった。

 

「お嬢様!」

 

 四人が声を揃えて小さな声をあげて驚き、ドアから離れ、横に並んだ。

ここまでの統率が取れているのは忠誠心からだ。

 

「この事は黙っておいてあげるから、寝床に戻りなさい。いい?」

 

 分かりましたと残念そうに頷くと各自寝床に向かっていった。

レミリアもそっと隙間からやり取りを見る。

 

「ふむ…メンタルケアもできるのね…侮れないわ…」

 

 ドアから離れると怪しく笑い、夜の廊下の影に消えた。




今回も呼んでいただきありがとうございます。
ところで皆様にここでお知らせがございます。
1編 上 中 下と一日一話ペースでやってましたが、第二編 上まで少し間があきますそれは私達が2人で小説を制作しているからです。
多分投稿方式は1編終わると間が空いて次の編が一度投稿されると連続で投稿になると思います。
(あまりにも遅ければ少しづつ投稿するかもしれませんが)
あと鍋月についてなのですが彼は東方のキャラのことを把握しています。
だから何だということではありませんが一応。

あと第2編から後書きでキャラと会話したいと思っているのですがどうでしょう?
できれば感想欄に書いていただけるとありがたいです。
それでは皆様第2編でまた。
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