東方紅妖記   作:くるくる雛

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皆様どうもくるくる雛です。
少し間が空くといったなあれは嘘だ。
第二編が出来上がりましたのでこれから第二編が終わるまで(多分)毎日投稿します。
あとこれから前書きで諸連絡、後書きで悪ふざけという風にいたします。
連絡事項はこれだけかな・・・それではどうぞ


第二編 上 桃色の依頼者

 朝日が差し込み始めた博麗神社で霊夢が珍しくほうき片手で掃除をしていた。

最近賽銭箱に高額紙幣を入れてくれた参拝者が珍しく現れたことで今日もいいことあるかもと思う期待でそうさせたのである。

そうして霊夢が掃除を続けていると、鳥居ごしに見慣れた幽霊が日傘を差して神社の前を通り過ぎて行くのが見えた。

普通の光景ではありえないことであり、霊夢にとっては一戦交えたことのある者であったから誰かはすぐに判明した。

 

「あいつは…」

 

博麗の巫女は鳥居の真下で眉をひそめた。

 

 

 

 

 

 いつものように朝が来た。

鍋月は上った朝日の光を浴びて背伸びをする。

因みにまだ咲夜は起きてなく、扉の一括は食らっていない。

最も、食らう方が珍しいのだが。

すると、可憐な青いフリルの日傘を差した見慣れない貴婦人が慎ましく朝日に照らされて門の前で立っていたのが目に留まった。

日に晒されないようにも見える衣服を纏う貴婦人の肌は白く桃色の髪が風に揺れるその構図はあたかも崇高な画家が絵にしたような美しさを持っていた。

しかし見知らぬとはいえ外の世界の予備知識で誰かは察しがついていた。

本来なら美鈴が用件を伺うシステムのはずだが相も変わらず爆睡しているのだろう。

仕方なく鍋月は庭の道を通り抜けていき、門の鉄棒の隙間から話しかける。

そしてそこからはやはり爆睡中の美鈴の姿が見えた。

 

「おはようございます。西行寺幽々子様。ご用件をお伺いいたします。」

 

 近くで貴婦人ー西行寺幽々子ーを見るとより怪しげな美しさが際立ち、妙な心臓の高鳴りが耳の後ろまで迫ってきていた。

そして以前買い出しに言った際白玉楼の庭師の半霊少女魂魄妖夢の言っていた主の素晴らしさの話を思い出した。

 

「ここの当首に用がありまして…いらっしゃいませんか?」

 

「レミリア様ですか?」

 

「はい、起きて…ませんよね。」

 

 幽々子はふぅと溜め息を吐く。

その際分かりやすく(ぐぅ)というお腹の悲鳴が耳に届き、恥ずかしそうにお腹を押さえ、顔を扇子で隠す。

料理長の鍋月としてはすぐに料理に腕を振るい、食べていただきたいものだが上の判断なしに動けない故に困ってしまう。

 

「えっと、私の一存ではきめられませんので…」

 

「あら、誰かと思えば…」

 

 館の玄関から咲夜に日傘を差してもらい庭に出て近づく当主レミリアの声に二人は振り向きお辞儀をした。

 

「お久しぶり、レミリアさん」

 

「その様子を見るに夕食抜けたのね…理由含め話は中で聞くわ。朝食を添えてね。」

 

「ありがとうね。いつも思うけどなかなかの洞察力ね。」

 

 そう言う幽々子の手は腹が音を上げてからずっとお腹を押さえている。

だいたいの料理人であったらすぐに支度にかかり料理を普通であろう。

するとレミリアがちょんちょんと鍋月のわきばらをつついて自分に注意をひかせ鍋月に言った。

 

「腕の見せ所よ、咲夜のサポートは一切無いから厳しいだろうけど。紅魔館の料理長の力見せてあげなさい。」

 

「存じております、お任せください。」

 

 サポートができないのはレミリアやフランの面倒を見なくてはいけないこと、お客様である幽々子のもてなしをしなくてはいけないことを知っていた鍋月はレミリアに一礼して厨房へと勇み足で歩いていった。

数分後にレミリアは幽々子を紅魔館の中に連れて入った。

 

 

 

 

 

 さて、その頃椎唄は妖怪の山にて自身の能力について研究していた。

”ありとあらゆる物を出す程度の能力”について何も語られることなく夢の中で会った女性から授かってしまったが故に己の手で研究しなければなかった。

それを初めてすぐに、法則があることを見抜いた。

まず非現実的で物理法則から離れているとその分負荷も強くなる。

つまり炎を出したり念力のような魔法は負荷がかかり連発は望めない。

しかしその逆で物理法則に則ったものを出すと負担は少ないことも分かった。

試しに外の世界の戦闘機に多く使われている20mmのM61A1機関砲を出してみたところ、強力な魔法を念ずるより負担は軽く、しかも複数ー今回は4門ー虚空に浮くように出せた上全て機関砲として機能した。

最も、弾丸は出せないことはないがそれではなく負担の少ない気団を放っていた、それ故に殺傷力はあまり無いものと考えればいいが、とりあえず戦闘不能に持っていければいいと手抜きの考えを持っていた。

その実験の最中天狗の射命丸が目を輝かせて空からその見物をしていた。

 

「今のは何ですか!椎唄さん!」

 

「ん?まぁ俺の能力だな。今は研究中なんだ、取材は後にしてくれ。」

 

「はいわかりました。それより知ってますか?白玉楼の庭師が行方不明になったんですよ。」

 

 白玉楼は依然旅している最中に行ったことで知っていた。

もっと言ってしまえば庭師の魂魄妖夢と彼女の主西行寺幽々子とは知り合いなのである。

 

「妖夢が?」

 

「そうです、妖夢さんが。」

 

 鸚鵡返しに問いかけてきた椎唄に射命丸は頷いて答えた。

すると椎唄は後ろからいつもの気配を感じ振り返ると案の定椛が木漏れ日に照らされて現れた。

 

「椎唄さん!今度こそ相手をしてもらいますよ!」

 

 そう言いながら椛は椎唄をビシッと指さす。

その差された側は格別な用事もなく別に構わなかった。

それ故に快諾してしまった。

 

「別に構わないよ。」

 

「えぇ今度こそ負けませんから!」

 

 椛が意気込むその姿にどこか可愛さがあり表面に現れない程度で狼狽えるとそれを見逃すまいと射命丸が目を光らせて二人に迫った。

 

「あなた達がどのような関係を築いてるのかちょっと聞いていいかな?恋愛に発展するかもしれないし。」

 

「「ありません!」」

 

 「あっ」と気づいたときの声さえ息がぴったり合ってしまい目をお互いふんと逸らし、そのまま将棋を打ちに言った。

椎唄はともかく椛の尻尾はゆらゆらと楽しげに揺れていた。

 

「仲がいいんでしょうねぇ…あ、取材いかないと。」

 

一人残された射命丸はぽつりと呟くと白玉楼当主を探しに空を飛んだ。

 

 

 

 

 

 二人が将棋を打ちにいった少しあと紅魔館の食堂で、白玉楼の主西行寺幽々子と紅魔館の主レミリアと妹のフラン、そしてメイド長の咲夜によって妖夢の行方不明について語られていた。

幽々子曰く夕食の買い出しで人里に行った後の足取りが分からなくなっているとのことだ4.

そこで手を貸してくれといわんばかりに朝方から紅魔館を尋ねるに至るわけである。

 

「ふむ…人里ねぇ…」

 

 呼吸を置いてレミリアは腕を組んで反芻するように呟いた。

吸血鬼の彼女達が行ったらまず騒ぎは起こるであろう場所だ。

 

「そうなの…あなた達スカーレット姉妹には難しいのよね…咲夜さんにしても日々の仕事がありますしね…」

 

 するとレミリアは何か閃いたかのように目を光らせ、咲夜に目を向けた。

 

「咲夜、仕事を鍋月に押し付けたらどう?それなら調べることも無理ではないはずよ?」

 

「彼に仕事を押し付けるのですか?」

 

 咲夜も少し考えたがまさか提案してくとは思わず驚きを隠せなかった。

しかしあながち間違った選択ではないし、部下の料理長を使うのは不可能ではないからだ。

それに、妖精メイドもいる。

 

「わかりました、私が調べて参ります。」

 

「ありがとう…咲夜。」

 

 幽々子は上品に頬をゆるませて微笑んだ。

そして話題は変わり税淫が皿を平らげていた料理に移った。

 

「それにしても…中々美味しかったわね…よければ作り方を教えてもらえないかしら?」

 

「そこはお兄さまに聞いて!」

 

「お兄さま…?」

 

 フランが咄嗟に元気よく返す。

お兄さまという言葉に幽々子は首を傾げてレミリアを見た。

 

「咲夜が不在の時に家事をしてもらう料理長のことよ。さっき門であったでしょう?」

 

「あぁ…あの方でしたか…作り方教えてくれるかしら…」

 

「一度本人に聞いてみる?」

 

「えぇ」

 

「咲夜、料理長を呼んできて頂戴、ついでに今回の件について話しておかないとね。」

 

畏まりましたと咲夜は食堂部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 一区切りつくと鍋月達は安堵し、椅子に腰かけた。

来客は一人のはずなのに作った量は五人前を超えていた。

 

「なかなかの食漢ね…誰が来てたの?」

 

 疲れを見せることなくチェリーは呟くと鍋月に問いかけた。

 

「白玉楼当主って言えばいいのか?」

 

 その答えに妖精メイド一同はざわめいた。

彼女達にとって食漢のイメージと白玉楼当主西行寺幽々子のイメージが相反してる上に大物が来ていることはわかっていたがまだか当主とは思わなかったようで手を抜かずに作業して良かったことを改めて実感した。

すると扉を三度ノックする音が響く。

追ってその扉の奥にいる人の声が響く。

 

「十六夜咲夜です。鍋月さん、いますか?」

 

ドアを半開きにして顔を出して問いかける。

 

「あぁ、どうした?」

 

「西行寺様が是非とも顔を合わせたいと仰っています。食堂にきていただけますか?」

 

「わかった、今行く。それと彼女達はついて来させた方が…」

 

「はい、そちらもお願いします。私はここで待っております。」

 

 鍋月は何を聞かれてもいいように自作のレシピ本をポケットに放り込み、妖精メイド達に伝えた。

 

「お前達も来いってさ、行くぞ?」

 

 直立で凍ったように固まっていた妖精メイド達は分かったと頷いて答え、咲夜についていく鍋月を筆頭に台所から出ていった。

 

 

 

 

 

 食堂は中々の面子が揃っていてえもいわれぬ重圧を保っていた。

もしこの場でうかつな発言をひとつしただけで顰蹙を買いかねないと思いこまずにはいられないほどのものである。

 

「あなた達が朝食を作ってくれたのね?」

 

 満足げに幽々子が問いかける。

それにはいと鍋月が応える。

料理人の妖精メイド達は傍らにいるが十分長として目立つ身なりをしているのですぐに見分けがついた。

 

「あなたが料理長の…」

 

「はい」

 

「お兄さま…?」

 

 この返しは誰も予想がつかなかったのだろう。

妖精メイド達は笑いを堪えるのに必死でレミリアはにたぁと頬をゆるませ、フランは顔真っ赤に慌て、咲夜は戸惑いを隠せなかった。

 

「お兄さまではありません。鍋月守同です。」

 

 苦笑いしながら鍋月は自己紹介していく。

正直、自分より年上の人にお兄さまと言われるのは…

 

「分かってますよ。鍋月お兄さま」

 

「お兄さまは余計ですって!」

 

 幽々子の放つ上品な色気も相まってその一言で鍋月の顔は真っ赤になり、周囲の者たちは幽々子を見ずに破顔した。

 

「ふふっ冗談よ。それにしてもいい腕前だったわ。宴会の席でも料理を振る舞ってほしい程に」

 

 幽々子はまるで魂を読むかのように鍋月の瞳を見ていた。

そして何かを理解し面白そうに微笑んだ。




皆様ご視聴ありがとうございます。
さて今回から後書きで作中キャラクターと話していきます。
それでは第一回目のゲストはもちろんこのひと鍋月守同さんです!
「皆さんどうも」
「さて鍋月さんこれからいくつかあなたに質問をいたしますが、覚悟はよろしいですね?」
「大丈夫ですよ」
「それでは1つ目、あんたの料理の腕前はどのくらい?」
「そうですね、料理人としては達人とはいえるかは微妙な所ですが一般の人たちから見たら達人ですね」
「2つ目あなたの好きな人は」
「ぶっ!?お前いきなり何聞いてんのぉ!?」
「覚悟はよかったんでしょう?答えられますよね?」
「いねえよ!そんなの!」
「えーでも咲夜さんにスリーサイズとかきいてましたよね?」
「あれはあぁいったらあきらめるだろうとおもったんだ!」
「しかたないですねぇこのあたりでこの質問をやめてあげましょう」
「なんだそんなわがままな子どもを見る目!」
「それじゃあ3つ目」
「無視すんな!」
「あー時間ないので、3つ目ぶっちゃけフランが好きなのか」
「お前マジでいい加減にしろよおおお」
「分かりましたぶっちゃけ時間がそろそろなのでここまでで、結局1つしか質問をこたえてませんね。覚悟とはなんだったのか」
それでは皆様次回のゲストは椎唄さんです
あと第一回目なのでふざけました次からはもう少しまともにします
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