東方紅妖記   作:くるくる雛

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どうも皆さんおはこんばんちはくるくる雛です。
本日の連絡事項ですが、鍋月の東方知識は名前、姿、を知っていて能力などは覚えてる人と覚えてない人がいるくらいの知識です。
それでは前書きはこれくらいでどうぞ!。


第二編 中 鍋月料理長の新しい料理

 時刻は進み夕刻の紅魔館。

日が傾くにつれて調理室は慌ただしくなってくる。

外に通じる煙突からは珍しく蒲焼のたれの香ばしい香りを伴った煙が夕焼けの空に広がり上っていく。

 

「これで適当かい?」

 

 錦糸卵にする材料の薄焼き卵を焼いていた白髪の妖精メイドのポピーは鍋月に問いかける。

ポピーの握るフライパンの底では上品に美しく焦げ目も無しに仕上がっている。

 

「あぁ、それで皿に移してくれ。」

 

 分かったと冷淡に返すのを見ると蒲焼をひっくり返して香ばしく照った焼き目を拝みそれを自分で作った蒲焼のたれの入った陶器製の壺に突っ込み沈ませると、再び備長炭で焼いていく。

蒲焼のたれはみりん300cc・酒100ccを鍋で混ぜ合わせ沸騰させアルコールを飛ばしそこに砂糖250gを溶かし込み濃い口醤油350ccを混ぜ沸騰させ極弱火で15分ほど煮詰めあくを取り除きろ過すると完成する、割と簡単な代物だ。

 

「本当にいい香りね、人里でもあまりしない香ばしい香り。」

 

 生魚を捌き終えて細長い切り身にし終えたチェリーは鍋月の隣でそう呟いた。

妖精メイド達はよく人里に下りて買い物してくるのが役目だ。

それを聞いたとき鍋月は”妖精だとまずいんじゃないか?”と問いかけたことがあるがポピー曰く”耳と羽を魔法で不可視にすれば人間の子供に見えるから問題ない”と返されたそうだ。

 

「生魚は終わったのか?」

 

「えぇ、後は酢飯を団扇で仰いでツヤを出すのとチーフのその蒲焼ってのが最後です。」

 

「そうか。おっと、そろそろか?」

 

 そういって鰻の蒲焼を火から話すとまな板に載せてはタタタタと手早く包丁を入れて細長くしていく。

その奥ではカミーシャとパームが後退して酢飯を扇ぐのに奮闘していた。

 

「これで一通り終わったな。」

 

「いい匂いですね。」

 

 すると問答無用で押し入ってきたのは門番の美鈴であった。

本人に苦手意識を持たれていたのは承知の上であったがそんなのは既にどこ吹く風か、武術や毎度仕事を教えてそれなりの罪滅ぼしをして距離も縮まったと感じていた。

 

「それにしても何?この料理。」

 

 目の前に広がっていたのはあらゆる具材が皿に盛られて艶やかで黒い正方形に切られた紙のようなものが重ねてあるものだった。

 

「手巻き寿司というものらしいよ。」

 

 よっこいしょとカミーシャは鍋月の作った澄まし汁の入った寸胴鍋をカートに載せて言った。

鍋月が言うには外の世界の料理で酢飯と細長い具材を海苔という食べられる黒い紙に乗せて巻くという料理を作ったらしい。

彼曰くその方が自分好みの味ができるし楽しみが増えると微笑んで言った。

 

「なるほど、手抜きというわけでもないのね。ちょっと気になるかも。」

 

 そう呟いて色々具材の乗ったカートを押していく妖精メイドの背中を見ていた。

 

「ところで門番はいいのか?」

 

「いいのいいの、他の妖精に頼んであるしいざとなったら伝令が飛んでくるわ。」

 

 美鈴はそう答えるとカートの後を追うような形を取った。

ここまで興味津々になるとは予想外の鍋月であった。

 

 

 

 

 

「で、この料理は何?」

 

「なにこれー!!」

 

 食堂の机に広がった料理に二人は驚きを隠すことなくダイレクトに聞いてくる。

 

「”手巻き寿司”というものでございます。お手数ですがそちらの海苔にご飯と具材を乗せ巻いて食べてください。」

 

 当主に手間をかけさせるのは些か気が引けたがそれは外の習慣であると言い張るしかなかった。

しかし、案外レミリアは乗り気で海苔を手に取り酢飯を少なめに盛り乗せる具材に目を向けた。

因みに具材は鰻やサーモンなどの刺身、錦糸卵、胡瓜や根菜、しそとチーズ、さらには生ハムなどの寿司にしては少し珍しい具材、トマトジュレまであるという豊富っぷりであった。

しかしその中でも異色を放っていたのが目の前の納豆であった。

それを見て鍋月はとあることを思い出し電撃が走ったかのような感覚を受けた。

吸血鬼などの鬼と名の付く種族は大豆が弱点なのだという予備知識がその電撃の正体であった。

もしレミリアに知れたら何が起こるか分からない。

幸い、レミリアは具材を一つ一つ見ていたためまだ気づかれてなく、そっと処分するのはまだ間に合う。

急ぎ処分するために納豆の器を手に取った瞬間、レミリアが鍋月が動かした納豆の器に注意を引く。

まずったか。

そう覚悟した途端、レミリアは鍋月からぶんどるように納豆の器を取り言った。

 

「さすが料理長ね。私達の好みを分かっている。」

 

 レミリアに言われた言葉の意味が一瞬分からず目が点になる。

無理もない、弱点と思っていたものがむしろ好物とは考えてなかった上にまさか褒められるとは思っていなかった。

そのまま何もできずに硬直する。

 

「あら?そんなに以外?私達吸血鬼が納豆を好きなことが。」

 

 鍋月は黙って頷いて見せる。

そもそも吸血鬼は西洋色が濃く到底納豆などに合わないし弱点の一つじゃないかと問いかけるとレミリアは呆れてふんとして。

 

「世の中には理解できないこともあるのよ?まぁそれより、これで頬張ればいいのね?」

 

「はい。」

 

「むぅ…」

 

 頬張ると満足げな笑みを浮かべてアリねと頷いて見せた。

レミリアと話していたので今まで気づかなかったがフランが悪戦苦闘していた。

どうやらシャリを盛りすぎて上手く巻けない様子。

その隣では美鈴が具材を欲張ってしまい上手く負けない様子。

それを見るに耐えかねた鍋月は手に海苔を持ち実演してみることにした。

 

「みなさん。これからやり方を説明するので聞いてください。」

 

 すると妖精メイドまでもが物見たさで集ってきて彼の手先に夢中になった。

海苔に艶やかなシャリが鍋月の手によって薄く優しく塗られていく。

その芸術性を持った皿の上にチーズを大葉で巻いたものを優しく乗せて繊細な手つきで巻いていく。

 

「酢飯はこのくらい、5mmくらいの厚さで2つの具材を盛ることができますので。」

 

 口調はあくまでもレミリアもいて尚且つ誠意をこめるために敬語を用いて説明する。

そして完成品をぽんと置くとその手巻きずしの完璧さに、おぉと妖精メイド達の歓声が上がる。

美鈴はなるほどと頷いて自身の皿に余分な具材を下して、フランもそれに感心してすぐに倣いシャリを減らして巻くと両者共に綺麗な手巻き寿司ができたのであった。

 

「できたー!」

 

「これは楽しめますね。」

 

 そう言ってフランと美鈴は微笑み、一かじりする。

こういう自身の手が加わった時の達成感で更に美味しくなるのが手巻きずしの魅力だ。

 

 こうして鍋月が紅魔館に持ちこんだ新しい料理”手巻き寿司”は見事に好評を博しフランのお気に入り料理の一角に入ることになったのだった。




皆さんいつもご視聴ありがとうございます。
やっと初めて料理などのレシピを載せることができました。
これからはまた少しづつではありますが料理のレシピなどを書く予定ですのでよろしくお願いします。

手巻きずしが紅魔館の人々に知られていない理由ですが幻想郷が隔離されたのが明治に入ってからなのです。
そのため、昭和46年に作られた手巻き寿司はしられていないのです。
あと博麗大結界に隔離される前は東の国にある人里離れた辺境の地とありましたので明治時代のものでも伝わっていない可能性もございます。

それでは皆様次回の内容のヒントをだして終わりにしたいと思います。
ヒントは紅茶。
連想ゲーム的に考えていくと分かりますそれでは皆様また次回。
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