巧が仮面ライダーフリーダムに変身した翌日、巧と姫は真宵の家にいた。
もっとも彼女の家は
現在変身アイテムであるライダーカードは真宵が預かり解析している。
すると目の前の扉が開き真宵が出て来た。
どうやら解析が終わったようだ。
姫「あっ真宵さん。」
巧「どうだった?」
真宵「どうしたもこうしたも無いんじゃよ!」
彼女はモニターを使って興奮気味に説明する。
モニターに様々な数値が書かれているが、巧と姫にはちんぷんかんぷんである。
なんでもライダーカード自体がオーバーテクノロジーの塊であり、
・カード自体が量子コンピュータと同等かそれ以上のデータ量を誇る情報媒体
・データから物質、物質からデータに変換する特殊機構
・量子を織り込んだ特殊繊維
・タングステン合金を遥かに凌ぐ耐久性を持つ特殊装甲
…など、このカードとスーツにその様な技術が備わっているらしい。
真宵「とにかくこのカード…いやライダースーツは今の科学技術を最低でも100年進化させる事が出来る代物なんじゃよ‼︎」
巧「…とにかく凄い代物なんだな、これは。まぁ日本軍(※2018年における憲法改正の際に自衛隊から日本軍へと名称が変更された)を投入しても鎮圧出来るかどうかあやしい
姫「でもワールドさんの話が本当なら日本中で活躍している仮面ライダー達も彼女がその人達にカードを渡したって事ですよね?一体何が目的なんでしょうか…」
真宵「う〜ん、もしかしてデータ取りの為かも…」
俺達は考察したが、現段階では情報が少ない。
巧「…まぁそれはこれから考えるとして、どうする?」
姫「どうするって、何を?」
真宵「この事を伊御さん達に伝えるか否かの話?う〜ん、今は言わなくていいんじゃ?」
姫「そうですね…今は話さなくても大丈夫だと思いますよ。」
姫と真宵の提案を受け今は伊御達にこの事は話さない事に決めた。
その次の日、巧達6人は茨城県にある民間軍事警備会社『タケフツ・セキュリティ・コンサルティング・サービス社(別名:“TSCS社”或いは“タケフツ社”)』の基地に来ていた。
タケフツ社は
主に警備・警護・兵站業務サービス、各国軍に対する軍事訓練・戦略アドバイスなどを行う。
この企業は2009年にジパング・エンタープライズの前身たる『大門財閥』の私兵部隊『大門警備保障』を再編する形で設立された。
これまで数々の戦争・紛争に介入してきた事もあり練度はかなり高い。
今日この基地は民間人の理解の為、一般公開されている。
巧達も見学客としてこの基地に来ていた。
伊御「ここがタケフツ社の…」
巧「そう。ここには陸上部隊とヘリ部隊が駐屯しているんだ。」
つみき「そういえばここ以外にも基地があるんでしょ?」
榊「確か日本をはじめ東南アジアやインドなどに基地を置いてるんだっけ…」
真宵「…まさに『ジパングの軍隊』と呼ばれる所以はあるんじゃね。」
巧「まぁAMVやヘリコプターをはじめ輸送機にガンシップ、高速輸送艦に哨戒艦などを保有しているからな…」
そんなタケフツ社を傘下に置く『ジパング・エンタープライズ』は鈴木財閥と並ぶ日本の
元は1910年に創業し局地戦闘機『震電』などの航空機や兵器の製造に携わった『大門製作所』から始まり、1960年に創業者が海外に隠した資産・口座を回収して誕生した巨大財閥『大門財閥』を前身としている。
その後は防衛産業関連会社を設立し、国防を支える企業グループとして出発、教育事業や原子力エネルギー、資源開発などにも手を伸ばし、1980年における防衛費のGDP比5%増額によって防衛産業が活性化し、大門財閥は急成長した。
2013年に財閥総帥が死去、財閥後継者によってロボットとパワーアシスト技術を専門的に扱う企業『ジパング・ロボテクアーツ』と2010年に買収した先端技術開発を担う『ファウスト・ネットワーク』を傘下に取り込み、組織を再編。
社名を『ジパング・エンタープライズ』に改名し、財閥後継者『
リーマンショックで日本全体が不況に苦しむ中ロボットとパワーアシスト関連の技術を発展させて林業・農業・土木業・軍用などのロボット及びパワードスーツの開発や航空宇宙産業の発達による国産双発ビジネスジェット『飛天』の開発に成功し、それらを日本をはじめ他国に売り込む事で成長した。
特に日本でのロボット・パワードスーツ普及は少子高齢化による労働力の低下を解消したのは大きかった。
また同時期にAIによる新たな産業革命を予見した大門昴は、脳活動をAI解析し思考で機器を動かすデバイスを開発していたが、開発の難航と不況の煽りを受けて経営難に陥ったベンチャー企業『ファウスト』を買収、出資する事でAI・BMI技術を発達させ、ジパング・エンタープライズの更なる発展に寄与した。
こうした経緯もあり、ジパング・エンタープライズはロボット及びパワーアシスト技術、先端技術開発、航空宇宙産業、軍需産業、資源・エネルギー開発などを担う
それはさておき巧達は受付を済ませて基地内に入っていく。
地上施設だけを見れば一般的な基地に見えるが地下には広大な格納倉庫や地下通路に巨大エレベーターがあり、そこには北欧の軍需メーカーであるパトリア社製のAMVや国産多用途ヘリコプター『UH-2』、物資の輸送に用いる軍用トラックに銃火器など大量の武器弾薬を貯蔵している。
この基地はタケフツ社の基地でもあり日本陸軍の兵站基地として機能する。
巧達見学客は基地の地下施設の一つである訓練区画に来ていた。
この訓練区画は市街地を模しており、タケフツ社の
今現在訓練区画では市街戦を想定した戦闘訓練を実施中であり、その訓練光景を見学客が分かるようにアナウンスしている。
一番の目玉は歩兵より一回り大きく、建物をロケットアンカー付きワイヤーで登り、脚部ホイールを駆使して都市を縦横無尽に駆け回り、歩兵単体では扱えないミサイルや重機関銃で標的を破壊する
姫「わ〜すごいですね!」
巧「ジパング・ロボテクアーツ社のACE『防人』の最新型だな。」
榊「まさかゲームに出てたパワードスーツが現実になるとは…」
真宵「まさに技術の進歩は凄いもんしゃね〜」
伊御「…いや、真宵の方が凄いと思う。」
つみき「同じく。」
現に真宵はとんでもないモノを発明してたりする。
こうして巧達は基地見学をしていたが、突如として揺れが発生し警報が鳴る。
巧「ん?」
真宵「どうしたんじゃ?」
巧達見学客が困惑する中、しばらくしてアナウンスが入る。
アナウンス『見学客の皆様!只今当基地にて
榊「何⁉︎」
伊御「
アナウンス『現在、基地に駐在している戦闘員が対応中です!見学客の皆様は誘導に従い避難してください!』
日本各地に現れては暴れ回る
その為皆騒然としパニックにになっている。
伊御「とりあえず俺達も避難しよう!」
榊「おう!」
伊御達も避難する中、
戦闘員「撃て撃て‼︎」
タケフツ社の
ACEの対戦車ミサイルや駆逐戦車仕様のAMVの120mm榴弾砲を
やがて爆煙が覆い尽くし砲撃が止む。
戦闘員「やったか⁉︎」
だが次の瞬間、火炎が勢いよく放たれAMVに命中。
一瞬で破壊された。
そして立ち込める煙の中から
目に当たる部分から炎が噴き出て身体の至る所にチューブやら機械やらがツギハギの様に繋がっている。
そして両腕が火炎放射器みたいになっており、背中の四つの穴から火が出ている禍威人…『
戦闘員「駄目だ…歯が立たない!」
戦闘員の一人がそう呟く。
すると
先程の火炎を放つつもりだ。
戦闘員「まずい!退避!」
戦闘員達は急いで距離を取ろうとするが禍威人は火炎を放つ。
逃げ遅れた戦闘員は身構えるが、火炎は来なかった。
何事かと振り向くと、何者かが禍威人に飛び蹴りをお見舞いしそれによって火炎が見当違いな所へ飛んでいったのだ。
禍威人は大きく吹っ飛ばされ建物に激突する。
そこにいたのは黄緑色のスーツに白い装甲、赤色の複眼に右側に寄った一本のブレードアンテナ、首元に真紅のマフラーを巻いた戦士…
そう、大門巧が変身する『仮面ライダーフリーダム』だ。
戦闘員「仮面ライダー‼︎」
フリーダムは彼らの無事を確認すると禍威人の方を向く。
禍威人の方はなんとか起き上がりフリーダムの方を見る。
禍威人の姿を確認したフリーダムは構える。
彼が何故仮面ライダーとして選ばれたのか…それは分からない。
だが人々が禍威人に襲われて、仮面ライダーに変身出来るのに何もしないのは…
フリーダム(…そんなのはイヤだ!)
だから彼は仮面ライダーとして戦う事を選んだ。
まぁ禍威人と戦っていればその内選ばれた理由が分かるだろうという希望的観測もあったが。
一方、伊御達見学客は誘導に従い地上に出ていた。
禍威人は地下で暴れている為、会社側は見学客達を一旦地上に避難誘導したのだ。
榊「はぁ…はぁ…なんとか地上へ出れたな。」
伊御「みんな無事のようだな…」
つみき「…みんな?」
するとつみきがある事に気付く。
つみき「巧は?」
姫「え⁉︎」
つみきの指摘にみんなは辺りを見渡すが巧の姿が見当たらない。
榊「巧がいねぇ⁉︎」
伊御「はぐれたのか?」
巧がいない事に皆パニックになるが、姫と真宵は心当たりがあった。
真宵(巧さん、まさか…)
姫(たっくん…)
つみき「…ねぇ姫、真宵。」
姫と真宵の反応を不審に思ったつみきがこう切り出す。
つみき「もしかして心当たりがあるの?」
姫「ふぇ⁉︎」
伊御「…何?」
榊「お、おい!どういう事だよ⁉︎」
真宵「そ、それは…」
真宵は答えるのを躊躇したが、姫の方に目を向ける。
姫は静かに首を縦に振ると真宵は観念して話す。
真宵「伊御さん、榊さん、つみきさん、落ち着いて聞いてほしいんじゃ。実は…」
仮面ライダーフリーダムと
禍威人はフリーダムに向けて火炎を放ち、彼を焼き殺そうとしていた。
フリーダムは持ち前の身体能力を活かして迫り来る火炎を回避する。
回避しながら禍威人に接近しパンチを連続で叩き込む。
禍威人はガードしながら火炎を放射してフリーダムを退けた。
炎が燃え移ったフリーダムだが、距離を取った後なんとか振り払いこれ以上の延焼を防いだ。
だが現状フリーダムが不利だった。
仮面ライダーフリーダムが対峙してから火炎の勢いが凄まじくなり、両腕の火炎放射器だけで無く背中の四つの穴からも火炎を放ち周囲一帯を焼き尽くす。
迫り来る火炎にフリーダムは身動きが取れない。
さらにこのまま暴れると伊御達見学客がいる地上にも被害が及びかねない為、この訓練区画で決着を付けなければならない。
フリーダム(どうすれば…?)
考えを巡らせていると、彼はある事を思い出す。
それは彼が初めて仮面ライダーフリーダムとして戦う際にライダーカードから変身方法や攻撃兵装、必殺技が脳に直接伝わった時だ。
その時伝わったフリーダム専用の攻撃兵装というのが棒状の武器…『フールワドン』だ。
このフリーダムに備わっている兵装を試すチャンスだと思った彼は首元に巻いてある真紅のマフラーを外す。
外したマフラーは形状記憶合金の様に変化し、真紅の色はそのままに身の丈の長さを誇る棒…『フールワドン』へと姿を変えた。
禍威人と戦う仮面ライダーはタロットカードの大アルカナがモチーフであると言われている。
そんな巧の変身する仮面ライダーフリーダムのモチーフは大アルカナ0番『
『愚者』のカードには旅人が長い棒に荷物を括り付けて旅に出る様子が描かれているのでフールワドンもそれに肖った兵装だ。
また棒は小アルカナにおいて四大元素の火を司ると言われており、フールワドンもそれを元にした機能を搭載している。
彼はフールワドンを前に翳す。
すると周囲一帯に燃え広がっていた火が吸い込まれる様にフールワドンは吸収する。
先程まで燃え上がっていた火がフールワドンに吸収された事により訓練区画は結果的に鎮火した。
フールワドンの機能…それは『火に関連するものを吸収しエネルギーに変換する』というモノだ。
周囲一帯に燃え広がっていた火をたらふく吸収したので蓄えたエネルギーも膨大である。
禍威人の方はあれだけ燃え広がっていた火が消された事に驚きながらもフリーダムに向けて火炎を放つ。
迫り来る火炎に臆する事なく彼はフールワドンを横に大きく振る。
すると振った事でエネルギー衝撃波が放たれ火炎を掻き消し、そのまま禍威人に直撃した。
衝撃波をもろに受けた禍威人は大きく吹っ飛ばされ建物に叩きつけられる。
大きな隙を見逃さず彼は追撃に入る。
両脚部の装甲を展開し猛スピードで禍威人に接近、そのままフールワドンを連続で突く。
連続突きで禍威人にダメージを与え、禍威人の方も背中の穴から炎を出して応戦するが間髪入れず突き続け、遂に大きく怯ませる事が出来た。
彼は左手をベルトのバックルに翳すとライダーカードを取り出し右腕に接続する。
【クリティカル・ファンクション】
【バスター・スティング】
音声が流れた後、彼は構えの姿勢を取りエネルギーをワドンに集中させる。
エネルギーが臨海まで貯まると禍威人に向かって両脚部の装甲を展開、高速移動によるスピードを合わせた突きを喰らわす。
蓄積されたダメージで回避もままならない禍威人にフールワドンは命中し、当たった瞬間解放されたエネルギーが禍威人を内側から破壊、貫通し放出されたエネルギー衝撃波はそのまま訓練区画の建物を破壊した。
身体に大きな穴が空いた
【ゲットアビリティ:ヒートバーナー】
その様な文字が浮かび上がり、
巧は目立たない場所で変身を解除する為、その場を後にした。
地上に出た後目立たない場所で変身を解除、そのまま伊御達に合流するまでは良かったが…
伊御「………」
榊「………」
つみき「………」
どうも妙な空気になってた。
それと同時に姫と真宵が気まずそうな顔をしていたので彼は状況を察した。
巧「…もしかしてバレた?」
つみき「姫と真宵から聞いたわよ。」
榊「まさかお前が仮面ライダーなんてな…」
伊御「衝撃を通り越して放心したぞ。」
早い段階で伊御達3人に正体がバレたが、詳しい事は明日の放課後真宵の家で話す事にした。
次回、『解明!フリーダムの
乞うご期待ください。