だが…俺は誇り高き非課金のドクターだ
ずっと非課金だった。
こ、こんなこと人の心を持たねぇYostarなんかに
喋ってもわからねーだろうがなァ。
デイリーミッションやウィークリーミッションは
俺に合成玉を与えてくれた。
3周年記念で運営は10連チケットを与えて
消えていったと言うぜ…。
だから俺だって星6の1体や2体出さなくっちゃあな…
戦力的に次のステージに行けねーぜ…。
俺が最期に見せるのは代々受け継いだ
未来に託す純正原石だ!
非課金者の魂だ!
遊龍チェンー!
俺の最期の源石だぜー
受け取ってくれーッ!
社員見習いとしても入社した翌日、杉元はまだ太陽が顔を出していない時間に目を覚ましてしまった。このまま二度寝するよりかは準備とかしておこうかなと思うと顔を洗うために蛇口を捻る。
すると向こうの台所から音がするじゃありませんか…。
やだなぁ怖いなぁと恐る恐る覗くとミーシャが台所に立って何かを作っていた。
杉元はまだ寝ている子ども達を起こさないように小声で話しかける。
「ミーシャさんどうしたの?こんな朝早くに…?」
「おはようスギモトさん。今みんなの朝ごはんを作っていたの。スギモトさん今日から仕事でしょう?頑張ってね!」
「あぁ!バリバリ稼いでくるぜ。」
杉元が準備を終わらせる頃になるとミーシャの方も調理を終わらせたらしくテーブルの上に湯気の立つスープとサンドウィッチが並んでいた。
「昨日はツナの缶が安く買えたの。」
ミーシャは杉元の隣に座るとサンドウィッチに手を伸ばした。
杉元もサンドウィッチに手を伸ばすと黙々と食べ始める。ミーシャ特製のサンドウィッチはしっとりとしたパンの上にツナとマヨネーズがよく合いスライスされた玉葱の辛味が味を引き締めていた。
「どう?スギモトさん?ヒンナ?」
「ウンウン♪ツナとマヨに玉葱の辛さが相まってとぉ〜てもヒンナ!!」
「ふふっ良かったわ。」
しばらくご機嫌な朝食をメリモニュと楽しんでいると太陽が出始めスラムの住人達が活動し始める。
「そろそろ出かけるね。美味しかったよ。」
杉元は食器を片付けると小銃を点検する。弾丸が装填されているか確かめると最後に銃剣を抜いた。前日に研がれた銃剣は汚れ一つなく刃の表面は朝日の下で鈍く光っていた。
「…よしッ!いってきまーす!!」
「スギモトさん待って!!」
家から出ようとした時ミーシャが何かを包みを持って家の奥から走ってくる。
「これッ!!その…お、お弁当…。朝と同じで悪いけど。」
「ありがとうッ!!大切に食べるよ。」
「そう…。じゃあちょっと腰を落として…。」
何だろうと思いつつ杉元は言われたとおりに腰を落とした。
すると突然ミーシャの顔が近づき何かが左頬に触れると同時に小さく「チュッ」と音が鳴った。
「え…?」
ミーシャは顔を真っ赤にしながら
「ウルサス式の挨拶だから!!さー行った行った!!」
一回り歳の離れた子供とは思えない力で追い出されると同時にバンッと扉が閉まった。
「(ヤダ…おませさんなんだから…。)」
∶
∶
∶
スラムを抜けると昨日テキサスやエクシアに教えられた通りのバスに乗りペンギン急便のオフィスに向かう。
杉元はオフィスに着くと掃除用具を手に取り玄関から掃除を始めた。意外な事に最初に出社してきたのはエクシアだった。
「あっ!!エクシア先輩。おはよう御座います。」
「おおっ!!スギモトさん早いねー!!あれっ!?掃除してくれてるの?うわーピカピカだー!!」
朝からフルスロットルなエクシアはオフィスに入る直前に
「スギモトさん!!ボスが渡したいものがあるらしいから、受け取っておいてねー!!」
そう言い残して扉の奥に消えると同時に一台の車が入ってくる。テキサスが運転しており後ろにはエンペラーが乗っていた。
杉元は車が止まると同時に後部座席の扉を開けエンペラーを出迎える。
「おはよう御座いますッ!!ボス!!テキサス先輩!!」
「あぁスギモト…。後で渡したいもんがあるから社長室で待ってな…。」
「はいッボス!!」
素早く掃除用具を片付け社長室で待っているとエンペラーがテキサスとエクシアを引き連れ部屋に入って来る。
エンペラーは椅子にドカッと腰掛けると
「まずはスギモト、お前に素敵なプレゼントだ。ほらよッ!!」
そう言うとエンペラーは銀色に輝く何かを杉元に向かって放り投げた。杉元は落とさないように慌てて受け取る。
それはペンギンをかたどったマダラ模様の銀色のバッジであった。
「ボス…これは?」
「これはペンギン急便の正社員だけが付けられるバッジだ。失くすなよ。」
「ボスゥゥゥ!!!」
(ねーテキサス社員のバッジなんて聞いたことないし、何なら今朝もらったんだけど…。)
(あぁ…ボスと私で昨日徹夜して作った。)
(えッ!!手作りなの!!スゴっ!!)
(社員が全員女で寂しかったんだろう…。昨日は嬉しそうにバッジのデザインをしてたぞ。)
(そっかー。たまに話が合わないときもあったもんねー…。)
テキサスとエクシアがコソコソ話している事に気づかず杉元とエンペラーは話し続ける。
「…俺ッ!!初めてここに来て…龍門でうまく行けるかなって不安でッ!!家も無くなるし、仕事もないしッ!!そんな時にボスや皆さんが助けてくれて…仕事までッ!!」
「泣くなスギモト…。それだけお前に期待しているってことだ。お前はもうペンギン急便の一員って事だ。家はまぁ残念でしたって事で。」
「はい…俺は…俺はペンギン急便の一員です…ッ。ブヒィッ!!がんば…頑張ります!!」
「あぁその意気だ。てなわなけで初仕事だスギモト!!おいっエクシアッ!!」
「はいよー。」
エクシアがガチャガチャと大きな段ボール箱を両手で抱えて持ってくる。
「スギモトはこのブツを中央公園で屋台をやってるジェイ坊の所まで届けんのが今日の仕事だ。できるな?」
「はいッ!!」
「中身は極東の調味料、割れ物注意ってな。時間は今日の正午までだ。気をつけろよ。」
「ハイッボス!!」
「それとだ。これは全員に向けてだが最近『蒼赤幇』っていう炎国系のマフィアがウチにちょっかいをかけてきやがる。スギモトの家をぶっ壊した奴らだ。必要無いと思うが奴らとかち合ったら躊躇はするなよ。」
「ハイッ見敵必殺の精神で頑張ります!!」
「一応殺すのは無しだからな…。」
「………はいッ!!」
「大丈夫か…。」
杉元は荷物を持ってオフィスから出ようとするとテキサスが一枚の紙切れを渡した。
「スギモト…これを。」
見るとそれは一枚の地図だった。目的地までのルートはもちろん所々に注意すべき点が赤ペンで書かれていた。
「テキサス先輩ッ…。ありがとうございますッ!!」
「あぁ…気を付けろ。」
杉元が荷物を持って駆け出した後、テキサスのもとへエクシアがニマニマしながら近づいてくる。
「優しいじゃーん。テキサスがそんな事するなんて初めて見たよ。」
「別に…初対面が最悪だったからな…。せめてこれぐらいは…。」
「まだ気にしてたの!?スギモトさんだってもう気にしてないって!!」
「む、そうなのか?」
∶
∶
∶
目的地までは少々遠く杉元は電車とバスを乗り継いでから少し歩く必要があった。
「ここが目的地か…。ここってミーシャさんと魚団子食べた所だよな…。」
屋台に行くと先客がおり、白い服を着た紳士風の男とチンピラ風の若い男がじろりと杉元を睨みつけた。
「…お届け物でーす。ジェイボウさんはいらっしゃいますかー?」
杉元が呼びかけると屋台から「へーい」と声がして白いウルサス人の若者が出てきた。
「はーい。ご苦労…ってこの前来てくれたお客さんですかい?」
「あーやっぱり…あんときはサービスしてくれてありがとな。美味かったよ。」
「それは何より…お客さんペンギン急便に入ったんですかい?」
「あぁボスの所に世話になってる。杉元佐一だよろしくな。」
「スギモトさん…。あっしはジェイっていいやす。以後お見知りおきを…。」
スギモトはジェイに近づき声を落とすと
(あぁよろしく。所であの二人組は大丈夫かい?どう見ても堅気じゃないぜ…ありゃスジモンだな…。)
(龍門じゃソッチ系のお客さんが来ることも珍しくありやせん。…ただあの二人組はこのあたりじゃ見ない顔ですが…。)
すると突然後ろの方から『あちゅいッ!!』という声が聞こえた。見ると二人組の内の紳士風の男が口を抑えていた。もう片方のチンピラ風の男がいきなりジェイに近づき胸ぐらを掴む。
「おうおうおうおう!!!どうしてくれやがんだ!!あぁっ!!アンタが作った魚団子の肉汁で兄貴が火傷しちまったじゃねぇか!!」
「す、すいやせん。まさかあっしの魚団子でついに怪我人が…。」
二人を尻目に杉元は兄貴と呼ばれた方を見ると「水、水を…」と言いながら悶えていたので、コップに水を汲んで渡した。
「兄貴は猫舌なんだぞ!!サンクタだけど!!慰謝料だけじゃねぇ!!毎日の売上の10%を俺ら『カモネファミリー』に納めたら許してやるよ!!」
猛々しく吠えるチンピラ。しかしジェイの方も要求が理不尽な方に向かってきたので目を鋭くして反論する。
「お客さん流石にそれは横暴ってヤツじゃあないんで?」
「お、おうおう!!料理人のくせに自分の料理に責任持てないのか?筋が通らねぇだろッ!!」
「た、確かに…。」
杉元は水を飲み火傷を冷やした男を見ると、男は大きな魚団子を一口で頬張り「…はちッッ…はちいッッ」と言いながら食べている。そして最後に肉汁が飛び出たのか一際大きく「あっづッ!!」と叫ぶと水を一口飲んだ。
「いや阿呆かッ!!」
杉元はパシンと男の頭を引っ叩くと男はスープの中に顔を突っ込んだ。
「なんで猫舌なのに一口で行くんだよ!!半分に割ったりフーフーするだろ普通ッ!!」
「あっ!!テメェ何兄貴のこと殴ってんだ!!ぶっ殺すぞ!!」
「あぁ?上等だよブッ殺してやる!!」
杉元は殴りかかってきたチンピラの片腕を掴み背負投ると地面に転がったチンピラの顔を思いっきり踏みつけた。
「兄貴ッ助けてぇ!!」
さっきまでの威勢は何処に行ったのかチンピラは涙と鼻血を出しながら紳士風の男に助けを求める。
男はテーブルの上の水をすべて飲み干すと杉元をじっと見つめトレンチコートを脱いだ。
男のふくよかな体があらわになる。さらに深く息を吐きながらネクタイを緩め杉元と対面する。
「(何だこの余裕は…?)」
男が自分の右足に触れた次の瞬間、男の体が一瞬振れ杉元の視界から消える。
「なッ!!」
男は大量の砂煙を残し杉元の腰めがけて突っ込んできた。
「出たあッ!!兄貴の亜空間タックル!!内臓ぶち撒けろッ!!」
虚を取られた杉元は崩れた体勢を立て直すために右脚を半歩下げ左脚を前に出す。
男はニヤリと笑うと更に加速する。そして杉元に突っ込む直前自分自身の足に躓いた。
「あ………。」
誰が発したのだろうか。しかしその瞬間に男の顔面が杉元の左脚の脛にめり込んだ。
『ゴッ』と固いものと固いものがぶつかり合う音がする。男はその勢いのまま杉元の股下をくぐり抜け地面と熱いキスを交わす。
顔面が血だらけの男と脛を抱えて悲痛な叫び声を上げる杉元が生まれた。
「兄貴ッ!!」
「お客さんッ!!」
チンピラとジェイがそれぞれ男と杉元に駆け寄る。
「…畜生ッ!!持ってかれた…!!」
「お客さん、ちゃんとついてやす。」
「兄貴ィ!!ひでぇよこんな真っ赤に…。」
「これヤケド…。」
まさに阿鼻叫喚の地獄がジェイの屋台の前で繰り広げられていた。
∶
∶
∶
少し時間が立つと杉元とジェイ、チンピラ二人組がテーブルに向かい合って座っていた。
気まずい空気の中杉元が喋りだす。
「お前らヤクザだろ。」
すると若い方のチンピラが自信満々で答える。
「おうよ!!泣く子も黙る『カモネファミリー』とは俺たちのことよ!!龍門で一旗揚げるために一週間前にここに来たのよ!!」
「へーそっちの兄貴ってヤツがボスかい?」
話しかけられた男はネクタイをキュッと締めると
「えぇ私がカモネファミリーのボス、アル・カモネです。以後よろしく。そしてこっちが忠実なる私n…。」
「ルティアーノだ。カモネファミリーNo.2の男だ!!よく覚えとけ!!」
話を遮られた男はゴホンと咳払いをすると杉元をじっと見つめる。
「貴方…私の下につきませんか?一度ならず二度までも拳を交えたらそれはもう運命と言ってもいいでしょう…。」
「…は?」
杉元は訳の分からぬ事を言い出した男の顔を見つめる。
「…あっ!!昨日襲いかかってきた二人組!!」
「やっと思い出してくれましたか…。」
「えっ兄貴こんな奴居たっけ?あっ思い出した!!兄貴の股間蹴り飛ばした奴だッ!!おい謝れッ!!兄貴あの後仕事失敗したって事で怒られて風呂場で泣いてたんだぞッ!!」
「知らねぇよッ!!」
「ンフフフフ、私が風呂場で泣いていた事はさて置き…どうです?入りませんか?カモネファミリー。」
「入る訳ねぇだろこの泣き虫ッ!!」
「今ならなんと組織No.3の座を…。」
「二人しか居ねーのかよ!!変えろカモネコンビに!!ファミリー舐めんな!!」
「フッフッフッ………グスッ。」
「ちょっとお客さん!!お客さんの言い方キツすぎるから兄貴泣いちゃいやしたよ!!どうするんで!?」
「知らねぇよ!!」
「グスッ…フー…フー…所で貴方のお名前は?」
「杉元佐一だよッ!!切り替え早ぇな気持ちわりぃッ!!」
「やっぱりカモネファミリーには入らない感じ…。」
「入るわけねぇだろ!!」
「今は上位組織に吸収されて毎日カツカツですがいずれビッグなファミリーに…。」
「絶対入らねぇからな…。」
「か〜ら〜の〜。」
「入らねぇから!!」
カモネは頬をプクッと膨らまして不満を露わにすると
「仕方ないの人ですねぇ。今日はこれくらいで勘弁してやります。おいっルティアーノ行くぞっ!!」
「へイッ兄貴!!」
「フッフッフスギモトさん私達は何度でも貴方の前に現れるでs「お客さん帰るんならお会計…。」ンフフフフ。
わかりました店主これで足りますか?」
「足りやせん…。」
「店主…皿洗いをするので近衛局を呼ぶのは勘弁していただけないでしょうか…。」
「へ、ヘイ…。」
袖を捲くりあげ屋台の中に入ったカモネは杉元の方を見るとバチコーン☆とウインクをする。
「入らねぇから!!」
その後ジェイに荷物を渡すと脚を引きずりながらペンギン急便のオフィスに戻った。
∶
∶
∶
「ただいま〜。」
杉元はミーシャの待つ家へと帰る頃には辺りは既に薄暗くポツポツと家々の窓から光が漏れていた。
「ただいま〜?」
家の中は妙に騒がしい。しかしいつものように子供の声が聞こえる賑やかな雰囲気ではなく。何処か切羽詰まった空気が流れていた。
「お〜い皆?どうかしたの?」
するとパタパタと誰かがこちらに走ってくる。三人組の子供たちの中で一番の小さいニーナだった。暗くてよく見えなかったが近づくにつれてニーナの顔が涙で濡れていることに気づく。
杉元は腰を落とし目線を合わせるとニーナに優しく語りかけた。
「どうかしたのかい?落ち着いて話してごらん。」
「…グスッ…あのねッおじさん…。ミーシャお姉ちゃんが…グスッ…。」
「ッ!!…落ち着いて。ミーシャさんに何かあったのかい?」
しかしニーナは泣くばかりで上手く言葉を出せない。杉元は焦る気持ちを隠しつつニーナが来た道を辿って部屋の奥に向かう。
するといきなり走ってきたワンとぶつかってしまう。
「な、何じゃ!?兄ちゃんか…すまんが退いてくれ!!」
「何があった!!」
「ニーナから聞いておらんのか!?ミーシャじゃ、ミーシャが急に倒れおった!!」
「真っ赤な純正原石…もう引けない所を見ると最期のガチャ代を絞りきったようだ…。
ウン………『
こうジッパーを引くじゃないですか。ジーってそしたら聞こえたんですよ。チェンの声が、あぁ神様ありがとうって初めてお祈りしたんですよ蕎麦屋の中で…。そして目を開けたら服着てるんですよね。何か剣持ってるし。
あれっ?と思ったら遊龍チェンじゃないんですよね。
普通のチェンなんですよ。
カイジでぐにゃあってあるじゃないですか。まさにあの感じ。それから何回か引いて百錬ガヴィルすら出ないんですよ。
で、最後の10連ジッパーを引いたらもう溢れ出るオーラやっぱり持ってる男は違うなってね。
しかも2体、2体ですよ皆さん。キタコレってなって。
もうね感無量…嬉しすぎて…イッちゃいますがね…。
と思ったらファントムって奴と名前忘れたんですけど薙刀持ってる黒髪の姉ちゃんがこんにちはしてきたわけですよ。
何が納豆ご飯だバカヤロー。
返せ私の80連分のガチャ代。
Yostarのガチャで爆死するのまじで怖い。
誇りなんて要らないから遊龍チェンが欲しかった。