負完全ウマ娘   作:Minus-4

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今回は趣味全開のオリジナル回です。
アニメ要素はほとんどありません。
ご了承ください。


第−12箱『藪を突いて』

「さあ明日はついに皐月賞だ!」

 

「はい!」

 

沖野は勝負服をスペシャルウィークに渡しながら語る。G1レースは最高峰のレースなので、勝負服を着なければならないのだ、と。走りやすい体操服ではなく。

 

どう考えても体操服の方が走りやすいと僕は考える…愚考するわけだが、まあウマ娘なんて不思議生物、何があってもおかしくねーよな。

 

「ところで、何でスクリプトさんは既に皐月賞に出走できるほど回復してるんですか??」

 

『おいおい、酷いぜスペちゃん。君は僕と戦ってみたくないのかい?』

 

「いや、そういう訳じゃなくて…あんな大怪我したのに出走して大丈夫なんですか、という意味です」

 

『それについては心配するだけ無駄ってもん…いや、ありがたいんだけどさ。沖野ちゃんと話し合った結果だからね。大丈夫大丈夫。』

 

スクリプト(球磨川)といえど、流石にトレーナーに許可も取らずに出走なんてしない。というかできない。沖野はスクリプトに目を光らせているからだ。迂闊な行動を取ろうものなら即お縄、そのまま沖野と理事長秘書による3時間お説教コースである。

 

「ならいいんですけど…それと、ついでにもう一つ質問していいですか?」

 

『一つと言わず二つ三つしてくれてもいいんだぜ。』

 

「なんで既に勝負服を着てるんですか…?」

 

『……あれっ、いつから着てたっけ?』

 

「登校の時からですよね?スズカさん」

 

「ええ、だいぶイメージ変わるのねと思っていたわ」

 

『あれ…おかしいな…確かに制服着たと思ったのに…。』

 

先に弁解させてもらうが、別に僕が悪さした訳じゃないぜ。スクリプト(球磨川)くん…スクリプト(球磨川)ちゃん?あーめんどくせえ。既存キャラのTSってこれが面倒だよな。

それはともかく、これはスクリプト(球磨川)が球磨川くんだった頃の感覚で動いてるからこうなっただけだ。

 

いい兆候だぜまったく。

 

 

──────────

 

 

『さーって、今日は皐月賞前日だけどトレーニングが無いから暇だなー。誰かお話しする相手いないかなあ。』

 

親友(スクリプト)よお、だったらスペとスズカについて行けばよかったじゃねーか」

 

通算何度目かのミーティングも終わり、スクリプト(球磨川)は1人で今日の予定を組んでいた。ちなみにミーティングが終了してから1時間もの間考え続けていたが、勝負服から着替えようという発想には至らなかったようである。

 

『うーん、ちょっと今のスペちゃんについて行くと台無しにしちゃいそうで…というか親友(ゴルシちゃん)。今どっから来たんだい?』

 

「四次元」

 

『ゆくゆくは?』

 

「八次元くらいには行けるようになりてえなあ」

 

『まあ頑張ってよ。応援だけはしておいてやるからさ。』

 

「お前の応援があれば1バ(りき)だな!ありがとよ!」

 

『どういたしまして。』

 

本日も2人は絶好調だ。とはいえ当然、側から見たらただのヤバい奴らなので好き好んで近づく奴はいない。

 

『ところで、そんな所でコソコソしてどうしたんだい、デジタルちゃん?』

 

「うひぃっ!?」

 

「おー…よく気づいたなお前…」

 

『視線には敏感なもんでね。僕を尾けたいなら目で見ちゃいけないよ。』

 

先程の話は『普通(ノーマル)』の奴らの話だ。

異常(アブノーマル)』はむしろ近づいてくるだろう。

要するに、スタンド使いみたいなものだ。『異常(アブノーマル)』同士はお互いに惹かれ合う。

 

「すっすすっすっいませんっっ!!!あっいやっここには誰もいませんっ!!いませんからお話の続きをどうぞっ!!」

 

『…そうそう、話は変わるんだけどさ。最近スペちゃんが素っ気なくて…怪我の件で怒ってるのかなあ。』

 

「あっ無視してくれた…しゅきぃ…」

 

「お、おう…まあ怒ってるんじゃねえか…?酷い怪我だったし…」

 

『ん?どうしたんだい、いきなり歯切れが悪くなったね。』

 

「いや、実は…」

 

と言うと、ゴルシはデジタルに見えないように手話で話し始めた。表情から見るに、デジタルには言えない話らしい。

 

〈何を隠そうこのゴルシ、デジタルが苦手…いや、嫌いって訳じゃねえ。むしろ好ましいとは思ってるんだが〉

 

《ほう。それにしても、ゴルシちゃんが苦手と言うなんて、昔に何かあったのかな?》

 

〈何かあったって訳でもないんだが…そう、何かあった訳じゃないのに、アタシの情報を持ってたんだよ。しかも、事細かにノートに保存されててな〉

 

《成程、あれね…えーっと、何だっけ…そうそう、》『秘蔵のウマ娘ちゃんデータベースハンディタイプ完全版(初回限定版)だったかな。身長体重その他全てのデータが保存されてるとかいう…合ってるかな?』

 

「あっはいっ、仰る通りでしゅ…です」

 

デジタルは未だ茂みの中に隠れているが、それでも元気に返事を返してきた。ゴルシは「返事するくらいなら茂みから出て来ればいいのに」と思っているが、相手はあの名高きアグネスデジタル(変態)である。常識は通じない。

 

『ちなみに僕は甘い物大好きだから是非書いておいておくれ。』

 

「なるほど、甘い物…はちみーとかですか?」

 

『はちみー?いや、知らねえなあ。』

 

「えぇっ!?はちみーをご存知無いのですか!?甘い物好きなのにそんなの勿体無いでしゅ…ですよ!!」

 

「わお、ようやく姿を見せたな」

 

『そんなに?でもどこで売ってるか知らないんだよね。』

 

デジタルはついうっかり大声を上げながら飛び出してしまった。まあ先ほどまで普通に話していたし、ようやくというより今更と言った方が正しい気もするが…。

とにかく姿を見せてしまった以上、やる事はやらねば、と使命感を燃やしたようだった。

 

「僭越ながらわたくしアグネスデジタルがはちみーのお店に案内させていただきましゅ…ます!!」

 

『楽しみだなあ。どんなんなんだろ。』

 

「アタシも久々に飲むかあ!」

 

遠巻きに見ている限りでは、3人はまるで今からお酒を飲みに居酒屋にでも行くかのように見えた。

 

 

──────────

 

 

「スクリプトさん…気に入っていただけたでしょうか!?」

 

『うん、注文形式が家系ラーメンに酷似している事以外は概ね気に入ったかな。』

 

「素っ気なく振る舞おうとしても無駄だぞー。一口飲んだ瞬間尻尾すごいことになってたからな」

 

「是非写真に撮らせていただきたいくらい聳え立ってましたからねえ…」

 

『…そんなに?』

 

「それはもう」

 

敢えて言わせてもらうならば、飲んだ瞬間は電撃が走ったかのように天に向かって聳え立ち、飲んでいる間は、はちみー店の店員が思わず笑顔になってしまうくらいには尻尾が暴れ狂っていた。店員はやりがいを感じていた。

 

『まあこれは毎日飲みたいくらいには気に入ったぜ。僕ならカロリー気にしなくてもいいから飲みたい時に飲みたい分だけ飲むとするかな。』

 

「えーっと、カロリーを気にしなくていい、と言うと…?」

 

『ああ、デジタルちゃんになら言ってもいいかな…ゴルシちゃん、どう思う?』

 

「まあデジタルは口硬いからな、平気だろ」

 

寧ろトレセン学園で随一の口の硬さを持つのがデジタルだ。ついうっかりで秘密を漏らすことは万が一にもあり得ないだろう。

 

『まずデジタルちゃんは『領域』って知ってるかな?』

 

「あっはい、自分も持ってるので」

 

『そうなんだ…それなら話は早い。僕はどうやら『領域』が特殊らしくてね。ちょっとやそっとのカロリーなら無かったことにできる。』

 

「成程…正直なところ、レース以外で『領域』を使えるなんて信じがたいでしゅ…ですが…。ああ、ウマ娘ちゃんを信じきれない自分が憎いぃいぃ〜…」

 

信じられないならば実践してみよう、という事でスクリプト(球磨川)は手近な物を一つ消して見せることにした。

 

『信じられないならここは一つ、たった今飲み切ったはちみーのゴミを消して見せようか。いくぜ、『大嘘憑き(オールフィクション)』っと。』

 

「ふぉおっ!?ほっ本当に消えた!?一体どこに!?」

 

『無かったことになったからね。僕自身にもどこに行ったのかは分からないなあ、というのが僕の『過負荷(マイナス)』…ああいや、『領域』さ。名前だけでも覚えて帰ってね。』

 

大袈裟なリアクションに見えるかもしれないが、これはデジタルの平常運行である。いや、平常では無いかもしれない。デジタルがウマ娘を相手にして、今まで意識を保っていることが異常である。

今だって鼻息を荒くしながら、スクリプト(球磨川)の情報について加筆し続けている。ゴルシはその必死さに少しの恐怖を覚えた。彼女は所謂ファッション狂人だった。

 

「というか、そこまで来るともう『領域』っていうか『異能』って感じでは無いかと思う訳です」

 

『まあ確かに、僕はこの『領域』を普段は『過負荷(マイナス)』と呼び、自分の中で明確に分けている訳だが…それを言ったらゴルシちゃんの『領域』だって『異能』だぜ。』

 

「ああ。ゴルシ様だってこんなこと出来るからな」

 

そう言うとゴルシは手に黄金の錨を現した。

それと同時にスクリプト(球磨川)も何処からともなく螺子を取り出したため、デジタルは驚愕した。

 

「てゆーかよ、デジタル。お前も『領域』使えるんだったら、こうゆうこと出来んじゃねーの?」

 

「ひえぇ…コツとかありましゅか…?」

 

「コツかあ…『領域』の景色をイメージして、その中から取り出したい物を選んで取り出すって感じ。アタシの場合はこの錨だな」

 

『僕の場合は螺子ってわけだ。』

 

「なら、あたしなら写真…ウマ娘ちゃん達を収めたカードを取り出せるのでしょうか…」

 

『デジタルちゃんなんだかカードとか武器にして戦いそうな顔だよな(笑)』

 

「どうした急に」

 

『言わなきゃいけない気がしてね。』

 

 

──────────

 

 

「あっできました!あたしにも出来ましたよ!」

 

時間にして15分後。デジタルはどうやら『領域』をモノにしたらしい…15分でモノにしていいのか、という疑問は残るが。

 

しかし、気にするべきはそんな所では無い。本当に注目するべきなのは、デジタルが手に持っているカードの絵柄である。

 

「おお、これはゴルシちゃんのカードだな…おい、ちょっと待て、こりゃあ()()()()()()()()()()()…?」

 

「へ?どこの世界線、というと…?」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()って話だよ。アタシはまだ勝負服なんて着てねえぞ」

 

「えっ?あっ、そういえば…あれぇ…?」

 

3人で揃って首を傾げる。一体どういう理屈なのかと、思考の渦に飲まれそうになった所でスクリプト(球磨川)が口を開いた。

 

『デジタルちゃん、ちょっと僕のカードも出してもらっていいかい?』

 

「えっはい!勿論でしゅ…です!えーっと…これですかね…?」

 

『これは…なるほどね。』

 

そう言ってデジタルが取り出したのは、周囲を巨大な螺子に囲まれ、両手にネジを持ちながらほくそ笑む、勝負服を身に纏ったスクリプト(球磨川)のカードだった。

 

「なんか分かったのか?アタシにも教えてくれよお」

 

「あたしにも教えていただきたいです!なにとぞ〜!」

 

『デジタルちゃん、妄想を形にするのは好きかな?』

 

「え"っ…まぁはいえぇと人並みには好きかもしれないですねあはは!」

 

「あー…成程な、アタシにも流石に分かったぜ」

 

『つまり、このカードは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。ゴルシちゃんがこう走ってたらかっこいいとか、僕はこういうイメージだなとか、そういう脳内の妄想をカードにして取り出すスキルって訳だ。』

 

「オ"ア"ァ"ーーッ!!死ねる!!恥ずかしくて死ねる!恥ずか死ぬぅ!!」

 

つまり、使ってしまったが最後、頭の中身がダダ漏れになるスキルという事だ。正直、漫画や小説を書く以外に使い道はないだろう。

 

このままでは。

 

「あ?おいおいデジタルぅ、カード光ってんぞ?どういう機能だそれ」

 

「えっ、あぁっ!?スクリプトさんのカードが消えていく!?そんなぁお部屋に飾ろうと思ってたのにぃ!!」

 

『デジタルちゃん、そんなことよりカードの粒子が君の身体に吸収されていることに言及するべきだと思うなあ。』

 

「あぇ…あっ本当ですねぇ…まあ多分大丈夫だと思いますよ、元はあたしの体から出たものですし…まあ何とかなるでしょ。』

 

「どうしたよデジタル、いきなりスクリプトの真似なんかして」

 

『スクリプトさんの真似?いやいや、特段真似しようとしてる訳では無いんですけど、あら不思議。お口が勝手にといいますか、何もかもがどうでもいいといいますか。そういう感じなんですよね。』

 

どうやらデジタルはカードを吸収して『負完全(マイナス)』もどきになってしまったようだった。お察しの通り、理由は『領域』を無闇に使用してしまったことである。

 

「おいスクリプト。お前の『領域』…もとい『過負荷(マイナス)』でどうにかしろ」

 

『はいはい、まったく手のかかる子だぜ。』

 

「あ痛ぁぁーーッ!!」

 

『これで元通りっと。さて、デジタルちゃん。酷なことを言うが、君は『領域』をスキルとして使うのはダメだ。』

 

いたた…はい…いやー恐ろしいですねぇ…自分が自分で無くなるのは…カードは観賞用に留めましゅ…」

 

その後は3人で「第一回ウマ娘ちゃん最高の瞬間決定会議(主催:アグネスデジタル)」を行い、普通に解散したので負傷者が出るとか死人が出るとかは無かった。

バトル漫画じゃあるまいし、そんなポンポンと怪我人が出てたまるかよって話ではあるが。

 

ちなみに、スクリプト(球磨川)はなぜか勝負服を脱がないまま行動していたため、この後すぐにデジタルが意識を失い介護をするハメになったというのは言うまでもないことだろう。

その顔は満ち足りた表情をしていたという。

 

 

──────────

 

 

「アタシはこれからデジタル拉致って地球の悲鳴止めてくるけどスクリプトはどうするよ?」

 

『ああ、僕はちょっとやりたい事を思いついたからここでお別れかな。』

 

「おっ、なになに〜何だか楽しそうじゃねえか!ちなみに何すんだ?『玉手箱』でも返しに行くのかよ?」

 

『いや、ちょっと藪を突いて蛇を出そうかなって。』

 

「……成程な。スクリプトお前、それでいいんだな?皐月賞、勝てなくなるぞ」

 

『生憎、弱ってる奴に勝った所で、堂々と『勝った』なんて言えるほど僕の面の皮は厚くねえのさ。』

 

「そうか…けど、やるからには勝つつもりで行けよ。アタシはスペより、お前を応援してるんだからな」

 

『そりゃあ有難い。なら一層、期待に応えねえわけには行かねえな。じゃ、また明日。』

 

「おう。また明日な」

 

 

──────────

 

 

そして迎えた皐月賞当日。クラシック三冠のうちの一つ、競争人生中でたったの一度のみ出走が許される大一番。最も早い(速い)ウマ娘が勝つとも言われるこのレースは最もウマ娘たちの憧れが詰まったレースの一つでもある。

 

そんな憧れの地にて、勝負服に身を包んだスペシャルウィーク(主人公)とスクリプトロンガ(悪役)ーは対峙していた。パドックの裏にはピリついた空気が漂っている。

 

「スクリプトさん…入学当初は思いもしませんでした。私があんなに大勢の人の前で、多くの注目を浴びて、あなたと走ることができるなんて」

 

『僕もそうさ。正直な所、G1という最高峰の舞台で戦えるなんざ、思ってもいなかったぜ。まして、きみと本気で戦えるとは。』

 

「そうですね、本気…そう、本気です。思えばスクリプトさんと本気で併走した事なんてありませんでしたよね。私は今日、本気で走ります。だからスクリプトさんも、本気で来てください」

 

『当然。前までの僕なら勝負を捨てて、場を引っ掻き回すことだけ考えてたんだろうが…生憎、今日の僕はやる気だぜ。僕に君の泣き面を見せてくれ。』

 

2人の周りにはさらに近づき難い空気が漂っていた。様子はさながら暴風雨、この爆弾低気圧に近づこうものなら、たちまち吹き飛ばされてしまうだろう。

 

しかし今日のこの場所には、そこらの低気圧なんて及びもつかない高気圧が存在した。その青空は、するりと、極めて自然に2人の会話に割り込んだ。

 

「いや〜2人ともお熱いですなあ。こんなに眼中に無いと、セイちゃん泣きたくなっちゃうな〜しくしく。なんて」

 

『やあセイちゃん。それにしても勝負服可愛らしいじゃないか。イメージに合っててすごく似合ってると思うぜ。』

 

「どうも〜。G1といえど、やっぱり合わない事はしたくないからねえ。今日もゆるりと、流されるままに走らせてもらいますよ」

 

「スカイさん…今日も、私が勝ちますから」

 

「おっ言うねえ。こちらこそ、今度は負けないよ〜?足下には気をつけてね、さもないと寝首を掻かれちゃうよ〜?」

 

さて。ここまでで3人の最有力候補を紹介したわけだが、当然最有力はもう1人いる。3人がバチバチに牽制し合っているすぐ側で、息を潜めるようにして立っているキングヘイローその人である。

 

いつもであれば、もう少し騒がしく同期と牽制し合っているはずなのだが、どうにも今日は大人しく精神を整えている。流石のキングといえど、G1という大舞台で緊張しているのだろうか。それにしては、やけに闘志がみなぎっているように見えるが。

 

で、あるならば、セイウンスカイが仕掛けるのも当然と言えるだろう。今までだってそうやって、解して崩して散り散りにしてきたのだ。それが、セイウンスカイだから。

 

「おっ、キング今日は静かだねえ。流石のキングといえど一生に一度の舞台は緊張するのかな?そんなに気張らなくていいって〜、気楽に行こう?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──今日は、やけに喋るのね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬間、この場は支配された。

スペシャルウィークが放つ狩人の如き威圧でも、スクリプトロンガー(球磨川禊)の悍ましい『負完全(マイナス)』のオーラでも、セイウンスカイの飄々とした"意識のずらし"でもなく、キングヘイローが放った一言で。

大声を出した訳でもない。小さな声だった。

威圧をけしかけた訳でもない。意識は凪いでいた。

 

 

ただ、王が王たる所以を示しただけだった。

 

 

「……スクリプト…また何かやったでしょ…恨むよ」

 

「本当に、あのキングさん…なんですか…?」

 

『いやぁ…藪を突いたら、ただの蛇じゃ無くて王者(大蛇)が出てきちまった…笑い話じゃねえぜマジで。』

 

そうして、その場にいた全員が悟ったのだった。

 

このままでは、勝てないと。




次回はようやく皐月賞。

感想・評価よろしくね。

もしおまけを書くとしたらどれがいい?

  • スクリプトウマ娘ストーリー1話
  • スクリプトがゲームで実装された時の性能
  • 生徒会庶務に無理矢理任命されたスクリプト
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