この素晴らしい世界にARKサバイバーを!   作:アイランド南部の引き篭もり

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実はこの作品、長らく活動を休止していた私のリハビリ作的な意味もあるんですよ。名前は明かしてほしいかな?

あと、説明不足な部分が見受けられたので補足です。
エリス様のいるあそこはオベリスク代わりであり、サバイバーがアイテムや生物を送るとあそこで保管されます。
あっ…(ギガノトサウルス


日常

 

 ディメトロドン達の試験的な運用の決まった日、私が引き籠もっている間の出来事をいくつか聞くことが出来た。

 

 なんでも、この周辺に上級悪魔とやらが出現したらしく、その悪魔は魔剣の勇者とかいう人物をも降した強さだったのだとか。結局、その悪魔はついこの前アークウィザードの少女によって倒されたらしいのだが、どうも大変だったようだ。

 あなたもいればよかったのに…。と言われたが、私だってその場にいたかった。悪魔とやらはどれも姿が大きく違うし、上級ともなると出会う機会も少ない。折角の剥製チャンスを逃してしまったのはかなり無念なのだ。

 

 それに、この世界のアイテムを使うと品質が向上するものも多いので、その点も消えてしまったということが惜しい。またリスポーンしないだろうか。

 

 閑話休題(それはおいといて)

 その悪魔を討伐したという魔法、『爆裂魔法』にあなたはとても興味が惹かれていた。パワーレベリングにより炸裂魔法、及び爆発魔法は取得しているが(低い魔力ステータスと補正のない冒険者ということもあり本来の威力はない)、その上があるとは初めて聞いたのだ。

 弾薬の節約、整地や雑魚処理に使っていた魔法だが、爆裂魔法は全てにおいて上回っているとのこと。

 

 ポイントはまだまだ余っているのでいつか出会うことがあったらご教授願いたいものだ。

 

 そう呟くあなたに受付嬢は微妙な顔を隠そうともしない。曰く、性格に少し難があるらしいが……ロックウェルよりはマシだろう。…というよりアイツ元人間のくせに魔物や魔法などがあるこの世界のものより強かった。多分魔王とやらより強いんじゃないだろうか。ジェネシスの件は許さないからな。

 

 思考が明後日の方向に飛びかけ、それが自宅の農園にまで及びかけたその時、あなたは重要なことを思い出した。

 

「あの、依頼は受けないんですか?」

 

 すまないが、用事があったことをすっかり忘れていた。今日はディメトロドン(劣化エアコン)の件だけでよろしくたのもう。

 

「はい、ではまたのお越しをお待ちしています」

 

 受付嬢に見送られながら、あなたはギルドを後にした。一度拠点へと帰宅し、足を向けるのは人通りの多い主街区から少し逸れた路地にある店だ。

 

 さて、2ヶ月余り放置していた形になるが、相手は怒ってはいないだろうか。場合によってはブリ済のアイスワイバーンを差し出さなければいけないかもしれない。いや、彼女と相性がいいフェンリルやマナガルム、雪フクロウなどの可能性もあるか。何れにせよ、落とし前はつけるつもりだ。

 

 いざ頼もう!

 

 あなたは『ウィズ魔導具店』と書かれた店の門戸を叩いた。

 

 ………。反応はない。

 

 ガチャガチャと扉を開けしめして存在を主張するも、何かのアクションを起こす素振りすらない。

 

 …もしやこれはガチギレというやつじゃないだろうか。

 

 しかし、それにビビっていては余計に怒らせるだけだ。あなたも一端のサバイバーならば覚悟を決めろ。恐る恐る扉をくぐり、ポーションや巻物などが陳列された店内に入る。

 

 しかし、それでも何の音も聞こえない。おや? とあなたは疑問に思う。

 

 ここの店主はロクに外出しないはずなのだが……。何か用事でもあったのだろうか。

 

 そうして店内をうろうろと益体もなく彷徨っていると、奥の扉が弱々しく開け放たれる。

 

 いたのか。とそちらに視線を向けるが、そこに臨んだ人物の姿はない。ぐるっとカウンターを周ると、這いつくばった状態で進む女性の姿が。

 

 その緩慢な動きは並のことではない。まさか襲撃でもかけられたのだろうか。とにかく救助しなければと近寄れば、蚊の鳴くような声で彼女はこう言った。

 

「…た、食べ物を…。お腹に貯まる、固形の食べ物をください………」

 

 心配して損した。

 

――――…

 

「ふっ…ふぐっ、ありがとうございます【サバイバー】さん…。あなたがいない間、パンの耳で凌いでいたんですが…、それも一ヶ月くらいしか保たず、それからはずっと砂糖水しか食べていなくて……」

 

 涙ぐみながらあなたの持ってきた食料を口に含む女性。この女性こそがこの魔導具店の店主。ウィズだ。

 知り合ったのはとりあえずこの世界の道具を手当たり次第に漁っていたころに立ち寄った店の一つであり、その独特なセンスと見事なまでの見識により駆け出しの街では買うものがいないほどの高価で強力なアイテムか、使い所の分からない珍品ばかりが並ぶこの店を面白がったのがきっかけだ。

 

 その致命的なまでの商才から繁盛、それどころかまともに買い物を行う客をあなたは一度とて見たことがない。

 それらの理由により、食料をあなたが援助していたのだが、エリス教会オベリスク事件や拠点改装などによりすっかり忘れていたのだ。

 その結果は今しがたウィズが語ったように、筆舌に尽くしがたい。……今度から餌箱を設置しようか。あれなら特に物資も使わず4倍の食料値と大量のえさ…食料を入れておける。

 いや、曲がりなりにも友人なのだ。流石にそんなことは……するな。いや、むしろあなたが食料保存庫すら満足に扱えないころにはかなりお世話になった思い出がある。じゃあいいか。

 

 まあそれは最終手段として取っておこう。というか、何故ウィズは自分で食料を取りに行かないのだろう。冒険者ではあるのだからジャイアントトードをサクッと殺して肉を焼けばいいだけだろうに。

 

「いえ、その…。私は既に引退した身ですので…。稼ぎ元のジャイアントトードを倒してしまっては今の冒険者の方々の生活に差し支えると思いまして…」

 

 成程。初心者エリアを高レベルが乱獲しまくる図になるのか。確かにそれは頂けないが、それであのような状況になるくらいなら非難を覚悟でやったほうが遥かにマシだろう。

 

「でも私はリッチーですから本来食事の必要はなく…」

 

 この話のとおり、ウィズは人間ではない。いや、人間ではなくなった、というのが正しいか。

 元は高名な魔法使いだったらしいが、ある時を境にアンデッドの王とも呼ばれるリッチーへと身を貶した。本人は然程気にしていないのが幸いだろうか。

 この話をあなたに打ち明けた時は色々とあったが、もっと酷い例(エドモンド・ロックウェル)神に等しい超越生命体(ヘレナ・ウォーカー)を知っているために驚きはない。というより、何度死んでも蘇るあなたの方が人間離れしているというのが本音だ。

 

 話が逸れたが、友人であり面白い品を掘り出してくる彼女が困っているのを見過ごせないというのは変ではあるまい。

 だから定期的に食料を供給しており、悪いという彼女には入用の際に手伝いを頼むということで落ち着いたのだ。

 

 まあ、それを2ヶ月すっぽかしてしまっていたわけだが。ごめんなさい。お詫びといってはなんだが、何か要求はあるだろうか。

 

「そんな、お詫びだなんて」

 

 いやいや、こういったものほどハッキリしなければ後々の関係に罅が生じるのだ。大体の事はいいぞ。

 

「そういうことでしたら…。そうですね。でしたら今度マナタイト採掘にご同行させて欲しいですね」

 

 マナタイトとはこの世界にある希少な鉱石の一つで、魔力や魔法の効果を高めると言われている結晶だ。結晶の大小や品質の高低こそあれど、こちらでは高額であり、相応の性能を備えてい  る。

 あなたは勿論最高品質の品を数多く有している。現物では駄目なのだろうか。

 

「1ウィザードとしても、魔導具店を営む者としても、高品質のマナタイトを採掘できる場があると聞けば興味も湧きますよ」

 

 そういうものだろうか。魔力の恩恵を受けづらい我が身からするとちょっとした便利アイテム止まりなのだが…。プロフェッショナルたるウィズの言だ。いつか機を見て売りに出すのも一興か。

 

 ともかく、了承した。日時はそちらの空いている日で構わない。ピッケルなどはこちらが貸そうか?

 

「あ、それならここしばらくは空いているので大丈夫です。ピッケルは自前のがありますのでお気遣いなく」

 

 ここしばらく? いつもの間違いではないだろうか。どうせ今日もあなた以外の客などいないのだろう。

 

 まあ、いい。それらは後で確認するとして、何か商品でも買っていくとしよう。

 

「それならこちらのスタッフなんかはどうでしょう? こちらの品はなんとプリースト以外でもヒールの魔法を扱えるようになる素晴らしいアイテムなんです!」

 

 ……なんか前にも聞いたような効果だ。一見有用そうに聞こえるが、この友人のそちらの面は全く信用していないので話半分に尋ねる。

 どうせそのスタッフはプリースト以外には使えない上、魔力消費量も本来より多くなるとか、そういう代物だろう?

 

「……! すごいです! まさにそれを今から言おうとしてたところです。目利きですね…!」

 

 これを目利きとか言ってるこいつは馬鹿なんじゃないだろうか。

 目を輝かせる彼女に心底呆れた目、具体的には勝手にトラップに嵌まったアルゲンを見る目を向け、「買いますか?」とほざくウィズを無視していつもの爆発ポーション一式を買っていった。

 

 

「お、久しぶりだな冒険者の兄ちゃん! 見てくれ、アンタに作ってもらった肥料のお陰でウチの野菜がこんなに立派に育ったんだよ!」

「おう、この前鉄鍛冶手伝ってくれてありがとうよ!」

「我が家の改装の件はありがとう。おかげで住み心地がずっと増したよ」

「おいおいアンタまた何か建てたのか? おれら大工が職を失っちまうよ!!」

 

 街ゆくあなたに市民からの声が届けられる。街の景観などを観察している際に困っている人を助け、そこからズルズルと何でも屋のようになっている。おかげで色々と助かる部分もあるから、これが人と人との繋がりというやつだろう。

 

「なあ兄ちゃん、いい値でネロイド買ってくれるって聞いたんだけどー!」

 

 ネロイドとは、この世界に存在する小型の生物で、まるで炭酸のようなしゅわしゅわとした飲み心地と何か鳴くジョッキに入った不思議生物だ。

 この少年がその噂を聞きつけたのも、私がブリーフィング用にネロイドを買い漁っていたからだろう。残念だが、既にその期間は過ぎているのだ。そうケチでもないし、買ってあげよう。

 

「この中に入れてんだ。ほら、ちょっと色が違うけどちゃんとネロイドだぜ」

 

 使い古して草臥れたカバンから現れたのは―――

 

 Rクリムゾンネロイド

 

 いい値で買おう(クソデカボイス)




次から色々とやろうかな…
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