転生しても戦争だった  ~数多の転生者が歴史を紡ぎ、あるいは歴史に紡がれてしまう話~   作:ガンスリンガー中年

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親愛なる紳士淑女の読者の皆様、本日二度目の投稿をして宜しいでしょうか?

さあ皆様、「むせる(ボト○ズ的な意味で)」準備はよろしいか?





第159話 火星エンジン搭載したR4D-8モドキが”零式輸送機”だって? これだから技術系転生者ってのは頭オカCって(ry

 

 

 

 親愛なる皆様は”零式輸送機”という機体に聞き覚えあるだろうか?

 我々の知る歴史では、米国ダグラス社の傑作旅客機”DC-3”のライセンス生産機、その大日本帝国海軍版だ。ちなみに陸軍版もある。

 米国も同じくDC-3の軍用機型をC-47”スカイトレイン”として採用してるので、敵味方に軍用仕様が作られたDC-3が如何に優れた機体だったか分かるというものだ。

 

 確かに、この世界も”零式輸送機”は確かにある。

 あるんだが……史実のそれとは似ても似つかない。

 いや、双発輸送機なのは同じだし、なんと陸海空全ての軍でわずかな仕様変更で完全武装の兵員33名を運べる人員輸送型とペイロード3,300kgの貨物輸送型が採用されている割ととんでもない機体だ。

 まず、史実と大幅に違うのは1点。”零式輸送機”は、「DC-3のライセンス生産機ではない(・・・・)」ことだ。

 実際、全体のイメージはともかく、よく見れば形がかなり違う。

 そもそも、某国策企業な民間航空会社が30年代中期にDC-3を旅客機として購入したのが始まり。

 この世界線でも、それを原型に輸送機を作ろうという計画自体はあった。だが……それを試乗した”日本皇国空軍統合技術研究所”のエンジニアが、

 

『なんか軍用機としては物足りなくね? パワーが足りんのよ。パワーが。それにライセンス料勿体ないし、インチをセンチに直すのも面倒臭い。ならいっそ、大馬力の火星エンジン使ったオリジナル輸送機作ろうぜ~♪ ついでに素材は当然、A7075(超々ジュラルミン)な。波板構造も大胆にいこうぜ!』

 

 と「(開発)ガンガンいこうぜ!」的なトンチキなことを言いだしたのがきっかけだった。

 無論、こんな阿呆を言いだすのは、技術系転生者(サクセサー)しかいない。

 土井武士だけが、唯一の転生系変態航空技術者ってわけでは無いのだ。というか、むしろ航空産業、いや兵器産業のそこかしこに居る。

 

 まず、当時はまだ1,600馬力級だった初期型(10番台)の火星エンジンありきで設計し、大きなエンジンナセルのついでに主輪は完全引き込み式で設計、胴体はDC-3より心持ちワイドボディにして1mほどストレッチしたついでに尾輪も半引き込み式に。

 主翼はDC-3と比べると前後幅は広がり、その分翼長(スパン)がやや短くなっていた。前縁の後退角はDC-3に比べて緩く、翼端が角型になり直線翼により近くなっている、結論から言えば全く別のデザインだ。

 主翼内部はセルフシーリング構造のインテグラル・タンクになっている。

 最高速は450㎞/h、巡航速度は空力的洗練もあって400㎞/hと速く(どちらも最大ペイロード状態)、最大(フル)ペイロードでも4,000㎞の飛行が可能だった。

 

 さて、勘の良い皆様ならばこの転生設計者が何を参考(元ネタ)に”零式輸送機”を設計したかもうお分かりだろう。

 その形状は、まさに史実では1949年に登場したDC-3S、通称”スーパーDC-3”。

 米軍の試作機YC-129もしくはYC-47F、米海軍のR4D-8(後にC-117Dに名称変更)の原型になった機体だ。

 いや、どちらかと言えば、むしろ完成形のR4D-8の方が造形も性能も役割も近い。

 無論、和製P-51H(むったん)の時同様に、設計者は他の(転生系)技術者から総ツッコミを受けたが、

 

『まだ飛んでもいないどころか計画すら無い機体なんだから問題ないじゃろ? こういうのはやったもん勝ちなんじゃい!』

 

 と切り返したという。

 

 

 

***

 

 

 

 とまあ、ここまでが前振り。

 実際、”零式輸送機(今生では陸海空共通名称)”には様々なバリエーションが作られ、例えば長距離飛行特化で与圧キャビンの司令部間移動型や空挺型などがある。

 その中で最も”特異な存在”とされるのが、”試製零式改対地掃射機”……いわゆるリアル米軍名物の”フライング・ガンシップ”だ。

 

 当然、参考にされたのは史実のC-47を改造したガンシップ、米軍の”AC-47”だろう。

 ただ、この機体はAC-47より僅かに大きく、そしてかなりパワフルな機体だったため、機体側面より突き出た武装は、より凶悪であった。

 主砲(・・)は、戊式25㎜機関砲×1門、連装毘式12.7㎜機銃×2、そして四連装毘式7.7㎜機銃×1だ。

 

 要するにボフォース社の25㎜対空機関砲のライセンス生産品とヴィッカース社の50口径と30口径の機銃を機体の左横にズラリと並べている事になる。

 25㎜は屠龍の37㎜より口径は小さいが薬莢サイズは大きく、その分初速が速くて貫通力も高い。徹甲弾を使えば、現存する世界中の全ての戦車の上面装甲を貫通できるだろう。

 そして、二種類のヴィッカース社由来の機銃だが……これは完全に対人用(50口径は対軽装甲用でもあるが)だ。

 わざわざ軽いホ103ではなく、重い水冷式のヴィッカース社の機銃が選ばれたのには理由がある。即ち”射撃持続時間の長さ”だ。

 水冷式は確かに重いが、水を循環させて銃身を冷やしながら発砲するので加熱に強く、一般的な空冷式の物に比べてずっと銃身交換をしないままでの射撃時間が長い。

 一般に航空機搭載機銃は空冷式なのは装弾数に限りがあり、撃ち尽くせば戦闘中に弾の補充などできないからだ。例えば装弾数が200発なら取りあえずは200発を撃ち尽くすまで銃身が持てばよい。そして、弾を撃ち尽くしたら基地に帰投するまでは弾丸の補充が出来ず、帰投の間に熱くなった銃身もすっかり冷える。

 だが、零式改対地掃射機は任務が根本的に違う。

 制空権が取れた空で使うことが大前提だが、攻撃対象の上空を左旋回しながら長時間滞空して地上への機銃掃射を行い、敵を摺り潰す……殲滅する事が目的だった。

 ついでに言えば、輸送機の積載量や内部容積を活かして予備の弾倉・弾帯をしこたま積んでいるので、再装填も普通に”飛びながら”できる。

 もし、屠龍が敵歩兵にとり”空の悪魔”なら、零式改は差し詰め”空の魔王軍四天王(あるいは幹部)”とかだろう。

 魔王はまた別に居るので却下。具体的にはドイツ空軍に確実に一人いる。

 

 それ以外にも、火星エンジンを燃料噴射装置と強制冷却ファンを備えた1,850馬力級の最新の20番台に換装していたり、余剰馬力が増えたことでエンジン部分の自動消火装置の導入などの防弾性能向上などが図られている。(これらは既存の零式輸送機シリーズ全般で順次アップグレード導入予定。アップグレード済みの機体は”零式改”と名称変更予定)

 

 そして、その試作機から撒き散らされる一過性ではなく持続性のある破壊と殺戮に、

 

「陸軍、いや空軍の阿呆共なんてモンを飛ばしてきやがる……」

 

 とシモヘイは呆れたという。

 

 

 

***

 

 

 

(あれ、絶対に”AC-130H”とか知ってる奴が設計してるよなぁ~)

 

「いや、なんつーか”今週のびっくりどっきりメカ”感が半端ないな」

 

「大尉殿、何言ってやがるんです?」

 

「いや、ただの戯言だ」

 

 ああ、下総兵四郎だ。

 あ~あ、可哀想に植民地軍だかチャド軍だか、士気が完全に崩壊してんじゃん。

 まあ、手の出せない空から一方的に弾幕射撃を食らえば、ああもなるか。

 

 それに屠龍は爆撃を1回した後は37㎜砲ぶっぱしてしながら突っ込んできて50口径ばら撒きながらフライパスするだけ(いや、それでもクるが)だが、零式改は延々見える位置(そして、こちらの攻撃が届かない位置)から撃ってくるからな……ぶっちゃけ、実際の威力もさることながら心を折りに来るよな。

 まあ、ほら同じ鉄砲でも、重力に逆らないながら撃ちあげるのと重力を味方につけながら撃ちおろすのとでは、全然射程も威力も違うんだよ。

 狙撃では基本的に標的より高い位置から狙うのは、狙撃に邪魔な障害物を避けるってのもあるがそういう理由もある。

 上へ向かって撃つってのは本来、かなり効率が悪いんだ。

 

 

 

 それはともかく3000人くらいいた敵軍も、今や立ってられてるのは半分以下。

 優先攻撃目標だった車両で無事なのは皆無……というか、ほとんどが修理不可能のスクラップヤード送りだろう。

 屠龍が”フライング・ミキサー”なら、零式改は”空飛ぶ挽肉製造機(フライング・ミンチメーカー)”だわ。

 なお主な素材は人肉とする。

 

 とはいえ、こんな地獄で黙示録的な中でも情景でも逃げ出そうとする剛の者はいるわけで……

 

「敵前逃亡は銃殺刑と相場が決まってるんだ。知らないのか?」

 

 と射程外に逃げられないうちに、試製二式長距離狙撃銃(ヘカテーたん(パチ))でとどめを刺す。

 まあ、本来はフランス人将校がやるべき処断なのだろうが、できる奴がもう残っていなさそうなので俺が代行する。

 あるいは、空の連中の撃ち漏らしを仕留める、穴埋め作業に似た何かだ。

 

(それにしてもラクダに予備弾倉多めに積んでおいて正解だった)

 

 もしかしたら、複数回連続狙撃した時のライフリング摩耗率とか今回のミッションだけで取れるかもしれない。

 銃身だけではなく薬室も内部にはしっかり硬化クロームメッキ処理がされてるが、物には限度がある。

 

 そういや小鳥遊君もいつの間にか、ラクダに積んできたクレタ島以来愛用しているチ38式自動狙撃銃(マークスマン)を片手に射程に入った連中を片っ端からパンパン()っている。

 俺としては、手に馴染んだボルトアクションの九九式狙撃銃の方がじっくり狙う感覚があって好み(実際、よく当たるし)なんだが、小鳥遊君は連射が利くどうやらオートライフルの方がお好みらしい。

 まあ、今は逃げ出してる敵兵を射貫いてるだけだから観測手(スポッター)とかいらんしな。むしろまだ他の狙撃小隊が来てないから、狙撃手の手が欲しいとこだから、その空気が読めるあたりも含めて小鳥遊軍曹は優秀だなっと。

 

 何やらナーディアちゃんも撃ちたそうな顔をしてるが、駄目だからな?

 今回は解放軍とかでなくてガイドで来てるんだから、君が撃ったら便衣兵になってしまうでしょーが。

 流石にかばいきれる限度がある。

 とはいえ、こっちに突撃するでもなく、降伏の意を示して武器を投げ出して伏せるわけでもなく、ただただ恐怖に駆られて背中を見せて逃げ出す敵兵を撃つのは楽だわ。

 一応、言っておくが降伏した相手を撃つのはハーグ陸戦条約違反だが、逃走する敵兵を撃つのは別に軍規違反とかじゃないぞ?

 じゃないと、撤退する相手に追撃戦とかできないだろ?

 とはいえ、

 

(そろそろ残弾が心もとなくなってきたな……)

 

 合計10個持ってきていた50口径弾が7発詰まった弾倉も、残すところあと2つ。

 こりゃ俺も予備で持ってきた九九式狙撃銃を使わんとアカンかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




フライング・ミキサーのお次はガンシップ……日本皇国製の”空飛ぶ挽肉製造機(フライング・ミンチメーカー)”のお出ましでした。

砂漠で飲む珈琲は、苦いw

”屠龍”で切り刻んで、”試製零式改”で摺り潰す二段構え。
哀れ国境を侵犯してきた自由フランスを僭称する武装反政府組織(あるいは武装犯罪組織)は、皇国製新型対地攻撃機の効果測定用実験材料に指定されたみたいです。

皇国の捕縛部隊(救助部隊)が早く来てくれるといいね~。

本日は流石に打ち止め。
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