転生しても戦争だった ~数多の転生者が歴史を紡ぎ、あるいは歴史に紡がれてしまう話~ 作:ガンスリンガー中年
空気をガラッと入れ替えていきましょう。
実際、本当に気温も気候も違うしねw
第351話 イタリア本土は日本人、シチリア島は英国人……本当にいいのか? コレ
1943年8月某日、地中海……
今や日本皇国軍遣地中海部隊の大拠点となっていたギリシャのクレタ島やリビアのトゥブルクでは、陸海空を問わず軍人たちが激しく動いていた。
そりゃあ日本皇国にとっては、この第二次世界大戦という戦争の中で最大の大一番、”イタリア攻略戦”が始まろうとしているのだから当然だった。
とはいえ、始まりはチョコチョコとジャブのように情報を小出しにしていこうと思う。
何しろ……
”日本皇国軍の
と揶揄される戦役だ。ゆっくり語らねば損というものだろう。
一応、先に言っておくが……純粋な戦闘面での敗北という話ではない。
敗北というのも色々な意味があるというか……「戦略目標を大きく違えれば、それは敗北と言えるのでは?」という解釈というか……
少なくとも、日本の思い通りには戦争が進まなかったのは確かだろう。
何より、政界のマイルドヤンキーこと近衛首相と、世界の軍隊界隈(?)では「滅多に問題を起こさない品行方正なお坊ちゃん軍隊」と評判な皇国軍が、ワタワタする姿を見てみたいと思わないだろうか?
少なくとも根性ひねている私は見たい。
まあ、このエピソードはお膳立てのようなものだ。
まずは”愉快なおとぎ話”などはどうだろう?
映画”ゴッドファーザー”シリーズの題材となったシチリアン・マフィア。
それは確かに存在し、例えば有名な”ラ・コーザ・ノストラ”などの起源は、19世紀の初めにナポレオン軍に追われたナポリ王室がシチリア島に逃げ込み、その王室の庇護のもとに秘密組織を作ったのが契機であるという説があるくらいだ。
そしてアメリカのイタリア系移民の中にもその組織は根を張っていた。
だが…本当にアメリカで勢力を伸ばしたのは第二次世界大戦後と言われている。
というのも、イタリア攻略作戦の諜報活動に対するために、アメリカ海軍はマフィア組織との協力が必要と考え、それに乗ったのが有名なアル・カポネを凌ぐマフィアの大物”ラッキー・ルチアーノ”だ。
史実のシチリア島上陸作戦(ハスキー作戦)で、僅か8日でパットンがパレルモを攻略できたのは、シチリアン・マフィアの協力があったからだと言われている。
そして、この功績によりアメリカ国内のシチリアン・マフィアは港湾権益を中心に様々な”お目こぼし”を許され、大いに勢力を伸ばしたのだ。
もっともその裏側には、ムッソリーニがマフィアと敵対していて弾圧しており、ムッソリーニの排除はマフィアにとっても都合が良かったという側面もあるし、アメリカ海軍はそれを理解した上で持ちかけていたので、どっちもどっちだ。
とここまでは史実の話だ。
そしてこの世界線のアメリカ合衆国、海軍ではなく国防省……というか国防族の
無論、シチリアン・マフィアは快諾した。
史実と違って日本皇国は国内労働力確保のために明治の頃より海外への国外移民を事実上禁じていた(また、国外に出た移民には帰還命令が出ていた)ので、米国内に日系移民というのはほとんど存在しなかった。
0とは言わないが、「もう生活基盤が米国にあるから」という理由で帰還命令に従わなかったごく初期の「法で禁じられる前のごく初期の日系移民」は、移民社会を形成できないほどのマイノリティだった。
故に移民の中でもマジョリティであるイタリア系アメリカンは、「東洋の田舎者などとるに足らん」と考えたのだ。
自分達は、「シチリアの過酷な風土や圧政、侵略者の暴力、農民に対する土地貴族の暴力と戦い生き延びてきた」のだという自負と共に……
というのが建前。
実際、史実ほどの熱量はシチリアン・マフィアには無かったようだ。
日本人が「よくわからんが何となく強い」という感覚はあったし、「よくわからん日本人という連中が、ムッソリーニぶっ倒すなら好都合」くらいにしか思ってなかった。
要するに戦後の利権確保のために、「日本人と戦うふりして適当に米政府の点数稼いでおこう」という腹積もりだったのだ。
☆☆☆
だが、ここでアメリカにとても残念なお知らせがある。
シチリア島に上陸を予定しているのは、”
北アイルランドを巡ってゲリコマ化したアイルランド人と延々と戦い、非正規戦/非対称戦のノウハウを蓄積してきた英国軍の上陸予定地点が、シチリア島なのだ。
経緯から言うと簡単で、まず日本皇国は最初から”イタリア本土上陸”を志向していたこと。
例えば、シチリア島とイタリア本土を結ぶメッシーナ海峡を未だに15万発以上の各種機雷をびっしりと敷設し封鎖していることからもそれがわかる。
もっともこれは、”タラント港強襲(ジャッジメント作戦:第1章)”で被害を免れ、ナポリに逃げ込んだイタリアの残存艦隊が迂闊に出てこれないようにする処置でもあるが。
そして英国の事情だが……実は英国、正確には英国軍は地中海では面子が潰された状態だ。
リビアではイタリア軍には勝ったがドイツ人に逆襲され、日本人が尻拭いして最終的に日本人がリビアを奪い取った(第7章)。
ギリシャでもイタリア軍には勝ったが介入してきたドイツ軍にギリシャ本土から叩きだされ、日本人がクレタ島で踏ん張り(第2章)、最終的には日本人が独力でギリシャを奪還した(第15章)。
うん。確かに立つ瀬がない。
という訳で、日本皇国の「イタリア本土攻略戦」の”
まあ、今のうちに地中海方面に(今後、
英国人らしい根性の悪さ(?)を示すために、事実上海上封鎖をされているシチリア島伊軍にはロクな装備が無いことは確認済みであり、ついでに燃料も乏しい。
当然、
『日本人はシチリア島に来ないぞ? 本土に上陸して直接、”
そう”
『で、殺り合うつもりなら、
シチリア人がどう返事したかは想像に任せるが……英国人の”歴史的実績”が物を言ったとだけ書いておく。
☆☆☆
そんなこんなで(最初から日本皇国は上陸予定の無い)シチリア島の封じ込めは無事(?)に完了。
英国人は、シチリア島ご当地伊軍のみを相手にすべく準備を始めていた。
まあ、不正規戦を仕掛けてくる不逞の輩が居るならば、容赦なく対処する準備は宣言通り整えているのだが……
とはいえ、やっぱり本命は日本皇国軍であろう。
何しろ、16in砲戦艦、それも50口径長の長16in砲に全て換装を終えた加賀型戦艦加賀と土佐、天城型巡洋戦艦天城と赤城、長門型戦艦長門と陸奥という皇国保有の16in砲戦艦6隻全ての揃い踏みだ。
おそらく、こんな機会は二度とないかもしれない。
加えて、大鳳型装甲正規空母、翔鶴型正規空母、雲龍型正規空母も合計8隻が参戦。
更に”あきつ丸”型強襲揚陸艦や”神州丸”型揚陸艦6隻を中核とする海軍陸戦隊水陸両用部隊や陸軍の揚陸部隊……
補用艦艇を含めれば総勢は250隻近い。
陸軍の惨禍、もとい参加兵力は装甲化部隊を中核とした30万以上。
空軍の参加機数は約1200機。
作戦参加総兵力は、ざっと50万を超えるだろう。
おそらく、日本皇国という国家が「海外の1か所に投入できる現時点の最大兵力」と言っても過言ではない。
おまけに皇国陸軍地上兵力以上の数の後詰め、アオスタ公率いる”イタ公の解放軍(リベリツォーネ・イタリアーノ)”が後からやって来る予定だ。
いや真面目な話、ホントにこいつら何と戦う気なんだ?
イタリア本国攻撃とはいえ、この戦力で殴りかかったら消し飛んでしまうんじゃないだろうか?
ところがぎっちょん!
”たかが”万全な軍勢を整えれば戦争が万事うまくいくほど、
日本人よ……怯えるがいい! 竦むがいい!
せっかく立てた綿密な計画が、軍楽隊の調と共に何をしても端っこから水につけた砂糖菓子のようにグズグズに崩れてゆく様をっ!!
皆々様、パスタの備蓄は十分か?
という訳で、初手から……
”腹黒ブリks vs シチリアン・マフィア(本家)”
というなんつー嫌な戦い(?)w
ご当地マフィアも流石に同じ欧州の島住まいで、ついこの間まで日々アイルランド人と暗闘繰り広げていたブリテン人と殺り合うのは嫌だった模様w
まあ、流石にシチリアンが日本人の特質とか知ってるわけ無いし、外部の情報源は新大陸であっちはあっちで史実と違って日系移民なんてほとんどいないから情報少ない+反日赤色大統領と愉快な赤いお友達のせいでむしろ情報が歪曲してるという悪循環。
イタリア軍がタラント、リビア、ギリシャ立て続けにボコボコにされてますが、
・タラントは主に英国人のせい
・リビアとギリシャは、本国からの補給立たれてムッソリーニ軍、死に体だったじゃん
と変なバイアスがかかっている模様w
それはさておき、「国家として面子は大事」というのは流石の英国人でも共通認識みたいですよ?
さて、次回は大戦の前の下準備でも……
新章も何卒どうか宜しくお願い致します。