転生しても戦争だった ~数多の転生者が歴史を紡ぎ、あるいは歴史に紡がれてしまう話~ 作:ガンスリンガー中年
そして、マリアンナはその深淵を覗くことに……(なお強制イベントな模様)
まあ、ちょっとファンタジー要素強めでよろしくお願いします。
「えっと……この状況ってどういうこと?」
とりあえず事態が呑み込めず頭上に”はてなマーク”浮かべるマリアンナであったが、
「どっから説明したもんか……」
腕を組んで首を捻る和仁だったが、肝心の”
「まず天皇家には……大体どの時代にも”
どうも国家の近代化にバクシンオーの如く驀進、いや失礼。邁進した明治帝や大正帝も”そう”だったそうな。
「それだけじゃあなくてでな。宮家転生者の全員って訳じゃないけど、一定の確率で”異能”を持って生まれるんだ」
「”異能”? カズヒトもあるの」
和仁は頷き、
「ああ。分類上は”空力操作”になる」
「えっ!? もしかしてソニックブレイドとか……」
「いや、まあ、系統的にはどちらかと言えば
しかし、一言も「真空斬撃ができない」とは言ってなかったり。
「厳密に言えば、”局所的気圧操作並びに渦流変動操作”。まあ、飛行機と相性のいい異能さ。俺が空軍に席を置いてる理由の一つでもあるな」
「詳しく」
妙に食いつきの良いマリアンナだったが、
「飛行機が浮かぶ原理の根本、”揚力”ってのは突き詰めると翼面で発生する気圧差なんだが……俺は任意の場所に気圧差を生じさせたり局所的な空力渦流(カルマン渦)を発生させたりできるんだよ。
具体的には「機首を上下動させず機体姿勢を水平にしたまま上昇や下降ができる」、「機体水平状態での横滑りや機体を傾けずに左右旋回ができる」などなど。
そう、1943年の現用機を用いて「まるで史実の”T-2CCV”のような空中機動」をさせることができるようだ。
ちょっと裏話をすると、和仁親王は空軍に所属しているが当然のように実戦パイロットではなく、”皇国空軍航空技術工廠(空技廠)”に「テストパイロットもこなす技術研究職」として所属していた。
そして当たり前のように研究しているのは、航空機の”アクティブ制御技術(Active control technology,:ACT)”。つまりはフライ・バイ・ワイヤ(FBW)技術を用いた”次世代運動能力向上機(Advanced Control Configured Vehicle:A-CCV)”の元となるテクノロジーだ。
ぶっちゃけてしまうと、皇国空軍で上記のACT、FBW、CCVの概念をぶち上げたのが『和仁と愉快な(転生技術者)仲間達』、少数精鋭の変人集団で、言うなれば”皇国版スカンクワークス”だ。
史実米国のマーキュリー計画やジェミニ計画を経ずに、いきなり「ACTの概念立ち上げて、航空機用FBW開発してCCV機作ろうぜっ!!」って研究グループなので、当然のようにその研究内容は最高機密の軍機扱いになってしまっていた。まあ、”生体CCV殿下もいるのでさもありなん。”
多分、トランジスタ型のアナログコンピューターが量産されれば、アナログFBWぐらいは直ぐに作ってしまいそうだ。
まあ、技術開発だけでなく実証を含めれば、実戦機がきちんと戦場の空を駆け巡るには、和仁が全面協力しても少なくともあと10年以上の開発期間が必要な技術だろうが。
ちなみに初期のジェット機で問題になったバフェットの回避や、失速領域での空力的機体制御なんかも出来るらしい。
少なくとも現在まで和仁がテストパイロットを勤めて墜落した機体(喪失機)は0……中には試作のジェット機が飛行中にサージング(コンプレッサー・ストール)を起こしてあわや墜落かっ!?となった時に、タービン周囲の気圧と渦流操作して強制抽気を行い見事に空中で機能回復、何事もなかったかのように機体を着陸させたなんて逸話もある。
何気に航空機開発には本気で重宝されるキャラっぽい。そりゃあ皇族って意味以外でも戦場には出せないだろう。
「な、なるほど?」
ちょっとイメージできてない表情のマリアンナである。
まあ、彼女的にはFSS、あるいは”とあるシリーズ”のような異能の方がわかりやすいのだろう。
「その中でも兄上、”陛下”の異能は歴代でも別格、規格外なのさ。”存在の偏在”、シュレディンガー的な観測視点による存在定義(存在の不確定性)なんかを応用してるっぽくて、”今そこに居る可能性”を三次元世界に疑似的エミュレートしてるっていうか……」
何やら説明しているうちに首をかしげる和仁。
実は割と理屈で説明しづらいようだ。
「えっと……”世界の何処にも存在して、同時に何処にも存在しない”みたいな感じ?」
マリアンナはそう端的に要約すると、
「あっ、多分それ」
なんか和仁は諦めた。
「でもカズヒト、今言ったのって”神様の定義”とかなんだけど……」
「兄上、一応”
「我が弟ながら、なんとも適当だな」
説明修了の頃合いを見計らって、ようやく口を開く”
この人はこの人で、面倒だから弟に説明を丸投げしてたっぽい。
「どうちらかと言えば、兄上の存在その物が適当というか……どうせ
「ご名答」
「”とこよざくらのしょうえん”って?」
「皇居の地下に広がってる、物理法則をいい感じに色々無視した、年がら年中桜が満開な常春の不思議空間ってとこ」
和仁が言葉にすると、途端に幻想よりもうさん臭さが先に来るのは何故だろう?
「さっきも言ったが、今目の前に居るのは”ワケミタマ”。さっきの理屈で時間も空間も無視して任意の場所に出現させられる兄上の端末みたいなもんだ。本人がテレポートしてくるとかじゃないから、そこまで害はないけど。主に皇室外交や公務的に」
「おや? まるで我が外出したら害があるみたいじゃないか?」
「実際にあるでしょうが」
(むしろ下手に動かれると上へ下への大騒ぎになり兼ねないしなぁ)
「基本的に兄上は、
意外な国家機密が明かされた瞬間であった。
いや、本人がテレポートで飛んでこない分、確かにマシかもしれない。
「えっと、”へーか”って、その、なんかこう……ジョー○ー星団でもお偉いさんとか現人神やってそうな外見なんですか? リアルに」
そこはマリアンナ的には割と重要なようだ。
ちなみに陛下のイントネーションがちょっと変。
「いんや。リアルの兄上は光の加減で深紫に見える黒髪だぞ? 年齢ももう少し上に見える」
代わりに和仁が答えると、
「ふむ……このスタイルで地毛の色にするとこんな感じか?」
「お、お耽美……!! あれ? ちょっと00っぽいかも? むしろ……なんか、とっても”塩基配列パターン
しっかりネタを拾うあたり、あるいはネタに走らずにいられないあたりヲタ系転生者としての矜持とそつの無さを感じさせるマリアンナであった。
「そういうそなたの口調もミレイ○っぽいではないか」
何やら350年以上未来の西暦世界の物語で盛り上がる2人に、
「
思わずため息をつく和仁であった。
☆☆☆
「それで基本的にワケミタマを俗っぽい使い方しかしないする兄上が、イタリアくんだりまで顕現なさるとは一体どういう風の吹き回しで?」
「なに、大した話じゃない」
もう明らかに大したこと……面倒で厄介な事を言いだす前振りをしながら、
「和仁、お前もいい歳だろう? 良い頃合いだし、そろそろ政略結婚でもしようじゃないか」
「……………………は?」
という訳で、明らかになった和仁殿下と照仁陛下の”異能”でしたw
和仁自身は
そりゃWWⅡの戦闘機でCCV機動させる能力ですしw
ついでにちょっとこの先の伏線だったり。
そして、陛下の異能? 神威?とは……なんか、「現人神だしヨシッ!」って感覚で弟にも説明放棄されとりますがw
いや、これってもしかしたら時間とか空間とか時空連続体とか因果律とかに量子干渉とおかしてね?
そして、最後にでっかい政治的爆弾を落とす陛下ェ……
まあ、これにも色々と事情があるようですが、これも呼び水なんでしょうかねぇ~。
次回、ある程度は真意が明らかになるような?
次回もどうかよろしくお願いします。
☆☆☆
皆様、復帰のお祝いや暖かい労いの言葉をありがとうございました。
執筆速度はあまりあがりませんが、おいおい回復できればと。
一応、最大規模の激戦がありそうな44年、戦争最後の年で戦後世界の方向性が確定する45年のプロットはありますので、気長にお待ち頂ければ幸いです。
どうかこれからもよろしくお願いします。