転生しても戦争だった ~数多の転生者が歴史を紡ぎ、あるいは歴史に紡がれてしまう話~ 作:ガンスリンガー中年
※注意:この作品はフィクションであり、実在の、あるいは実在した”やんごとなき一族”の皆々様とは一切無関係です。
と明言しておかないとおっかない内容かも?
いや、貴仁兄がちょっとね……
あと、希望ちゃんのビジュアル、
兄の”糸川
ただ、現在の所属は同じ科学技術省直轄であっても”噴進飛翔体研究所”ではなく、元々は中島飛行機に就職しようとしていたようだが、学生時代にスカウトされ、今は茨城県つくば市にあり、沖縄に大規模ロケット発射施設が完成すればそっちに移設予定の”航空宇宙工学研究所”だ。
ただし、”航空宇宙工学研究所”は軍事色は比較的薄い(皆無という訳ではない)研究組織で、当面の目標は「衛星軌道に人工衛星を打ち上げる」ことらしい。
そして、糸川希望改め榛名宮希望が所属している”噴進飛翔体研究所”は……
「皇国における陸海空問わないミサイル開発のナショナルセンターだな」
「え~と、その中の”世間から隠されたトップ研究者”が」
「希望ちゃんこと榛名宮希望本人だよ」
公式的には、研究統括主任である榛名宮貴仁親王殿下の”妻兼
我々の知る流れと異なる歴史を歩む”この世界線”と言っても、女性の社会進出というのは、史実の大日本帝国よりは遥かにマシとはいえ、それでも現代に比べればまだまだで、”職業婦人”という言葉もあるが、依然として「女性は妻となり外で働く夫の帰りを待ち家を守ることが幸せ」という価値観が根強い。
実際、女性の教育というのは”高等女学校”制度を使うのが一般的だ。
これは1899年に制定された高等女学校令に基づく教育制度、現代日本に換算すると「中学1年から凡そ高校2年生に該当する5年制の女子教育制度」だ。
少し、日本皇国の教育制度の概要について説明すると、
義務教育とされているのは”初等教育”、尋常小学校制度でこれは現代の小学校と同じく6歳~12歳までの「労働力として最低限必要な読み書き算数を習得する」事を目的としており、原則として男女共学だ。
しかし、この先の”中等教育”で男女でルートが多少分かれる。
男子は中等学校、いわゆる”旧制中学”への進学が可能で5年制の教育を受け(現代なら高校2年生まで)、女子が前述の”高等女学校”というのが一般的だ。
語弊はあるが、感覚的には「現代の受験生の手前まで行うのが中等教育」というイメージだ。
ここまでの教育課程を終えると、現代の感覚で言う”高卒”と大体同じになる。
これとは別に実業学校制度というものがあり、これはいわゆる「義務教育終了後に履修できる専門学校制度」のようなもので、”この世界線”においては、「一般教養を学ぶ2年の予科」と「専門分野に別れて学ぶ3年間」という現代の中学と専門学校を併せたような教育システムだった。
他にも現代の感覚なら「中学と高専を合わせたような7年教育制」の”七年制高等学校”などがあるようだ。
基本的には「義務教育を終えて男女に分かれて現代なら高校2年生までの5年間の中等教育」というのが一般的で、現代日本と違ってそこまで学力社会ではない為、この時点で社会人になったり結婚して家庭に入るのが割と普通だ。
これ以降は再び男女共学……だが、女子が少数派となる”専門学校”、”大学予科(2年制の教育制度)”などの選択肢がある”高等教育制度”があり、その先に19才を下限とした”大学”へと至る。
ちなみに海軍兵学校や陸軍士官学校の受験資格年齢は、16歳~19歳となっており、前述の中等教育を終えてから受験する(現代なら高校卒業後に受験)のが一般的だった。
現代人の感覚だとなんだかややこしいが、これでも史実の大日本帝国よりはずっと簡素化しているのだから泣けてくる。
教育制度改革を断行した総理大臣時代の広田剛毅、万歳。
さて、結婚前の糸川希望が異端児扱いされる理由の一つが、義務教育課程修了後に飛び級資格試験を利用し、13歳から大学資格を有する18歳まで英国”ロンドン大学インペリアル・カレッジ(現インペリアル・カレッジ・ロンドン)”に5年間留学し、最先端の電子・電気工学・航空力学などなどを学んだというのだ。
現代でも理系女子、工学系女子というのは少数派だが、「研究職が圧倒的な男社会」なこの時代では更に稀だ。ましてや留学ともなればURキャラだろう。
しかもその理由が、
『女子校とか行きたくなかったもん』
という理由だったのが驚きだ。
そして帰国後……
☆☆☆
「”
「何があったしっ!!?」
驚愕の表情を浮かべるマリアンナ。
「いやさ、希望ちゃん、メディアとかには『煩わしいから』って理由で取材とか一切受けなかったから一般の認知度は低かったけど、英国住まいの中盤あたりから『実は皇国子女最高の頭脳の持ち主なのでは?』と知る人ぞ知る存在だったんだ。例えば、英国政府からも熱心にスカウト受けていたって話があるんだよ」
ちなみに最も熱心に英国移住の勧誘したのは政府ではなく、彼女の噂を聞き付けた”チューリング博士”だったという噂が……
「日本に帰国した理由っていうのも、『英国で学びたいことは全部学んだし、あと食事がやっぱり合わないから。あれを一生食べ続けるのはちょっと……』って理由みたいだな。英国が国家レベルでメシマズで本当に良かった」
どうやら希望ちゃんとやらは、割と自由人思想をお持ちなようで……
英国、食事のせいで逃した魚は大きいかも?
「んで、当時”将来戦に備えて戦闘を左右するミサイルの統合的な開発環境”の準備をしていた貴仁兄は、希望ちゃんが帰国するのを待ち構えていて……スカウトにアポとって糸川邸に凸って、そして一目惚れした」
「……は?」
「いや、マジでそうだったらしい」
「mjd?」
「うん。俺も今生の実の兄から直にその話を聞くまで、一目惚れはフィクションの産物だと思ってたよ」
「何だか凄い皇族スキャンダルを聞いた気がするんだけど……」
「こんなのまだ序の口だぞ? むしろ、スカウトとプロポーズが成功した後の方が問題だったんだよなぁ~」
「えっ……成功したの? ”土下座で(プロポーズ)頼んでみた”……あっ、いや親王妃になってるってことは、そりゃそうか。えっ? 問題?」
和仁は頷き、
「ああ。実は希望ちゃん、英国時代でも知識的に猫をかぶってた、あるいは三味線弾いてたというか……実際の能力を隠してたんだよ」
「というと?」
「希望ちゃんも”
「うん。それは正直、読めてた。その”秀才キャラ”的にそうじゃないかと」
すると和仁は苦笑して、
「じゃあ、これは読めていたか? 希望ちゃん、貴仁兄に口説かれるまで必死に隠していたが、おそらく”
「……は? カズヒトハナニヲイッテルノカシラ?」
「そもそも、貴仁兄が当初予定していた『そこそこの規模な基礎ミサイル技術研究所』を路線変更、『種子島一つを丸々研究実験施設にして、陸海空軍のミサイル技術者を根こそぎ集める大々的な計画』なんて野望を拡大生産したのは、希望ちゃんをゲットしてギフテッドの存在を知ったからってのがあるんだな。これが」
「ナンカコワインダケド?」
「何でそこで片言になるかは突っ込まないからな? とりあえず、希望ちゃんの
「あっ、ちょっと見たいかも。一般非公開のレアキャラっぽいし」
「あっさり復活したな? まあ、いいけど。ほれ」
「……ねえ、カズヒト。いきなり三つ編みツインテガネっ娘のマイクロビキニロリ?ないしペド?の属性てんこ盛りピンナップを見せられて、私はどう反応すればいいのかしら? いや、確かにこういうのも嫌いじゃないけどさ」
「嗤えばいいと思うぞ? じゃなくて。その娘が希望ちゃん、”榛名宮希望”の貴重なプライベートフォトって奴だ。確か撮影したのは種子島のお隣、屋久島のビーチとか貴仁兄言ってたっけ」
※現在、種子島と同じく屋久島も「国防上の理由」にて民間人の立ち入りは原則として禁止になっている。
「へっ? 貴仁親王殿下ってロ……」
「滅多なこと言うなよ?」
「あっ、もしかして不敬罪だとか?」
「そっちじゃない。希望ちゃんは貴仁兄と同い年、1915年生まれで俺より三つ年上だぞ?」
「……うそん」
貴仁親王殿下……貴方様は”どげ・すわる”ですかい(挨拶
貴仁兄、奇天烈というか……とりあえず、思い切りは良いお方のようですw
いや、とても有能な方なんですよ?
だけどそれが高じて、時折奇行に走ると言いましょうか……いや、成果はめっちゃ出してるんですけどね。
間違いなく、糸川希望は天才の類なんですが……それに輪をかけて、規格外の”
そりゃあもう、「ギフテッドを隠していた英国留学時代」でさえ同じく天才の”この世界線”のチューリング博士に目を付けられるくらいにw
まあ、お察しの読者様もいらっしゃるでしょうが、希望の容姿が幼いままなのも含めて次回は皇国のミサイル開発事情を絡めて、貴仁親王殿下と抱き合わせでもう少しだけ掘り下げてみようかなぁ~と。
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次回もどうかよろしくお願いいたします。
ちょっと雑談(本編とは直接的には関係ないかも? 読まなくとも特に問題ない雑談です)
和仁とマリアンナのエピソード、かなり長くなってきたなぁ~って自覚はあるんですよ。
ただ、ちょっと構想というか妄想めいた物がありまして。
次回、皇国の「今後に開発されるであろう各種
というのも、翌44年に激しい戦いがあり、45年は何というか「終戦に向けた事後処理ないし消化試合」っぽくなりそうなんです。
ただ、その時点でどんな結末で在れ「問題は根本的に解決されないまま山積み」になっていそうなんです。
という訳で「45年以降も継続して書くか」あるいは「完結後に続編として新作起こすか」は決めかねているのですが、「第二次世界大戦の”
おそらく50年代が舞台となり、黎明期のジェット機やミサイルが主戦を張る話にしようかなぁ~なんて。