新ZOIDS伝説ー獅子皇の章ー   作:ドラギオン

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初めてのゾイド作品。
良ければ楽しんで頂けると幸いです。


獅子皇

----惑星zi

 

この惑星には、人類と動植物、そして金属生命体ゾイドが存在した。太古から数々の大異変を経験し、現在では、『神々の怒り』を最も近い記憶とし、数千年。300年前に今は亡きディガルド武国との戦争が起こった後、惑星ziの科学は大幅に進化した。その技術の中で最も進化したのが地底から発掘された奇跡のメタル、『セフィロンメタル』の発見である。セフィロンメタルは、ゾイドの遺伝子の一部でも存在すれば合成し、『クローンゾイド』を生み出す事が出来た。

 クローンゾイドは、純粋種と比べると6割といった強度であるが、大型ゾイドや絶滅種を低コストで量産できるので人類に欠かせないものとなった。惑星ziは、今や数多のゾイド達が多く闊歩する全盛期であった。

 

 

 

 

とある大陸の南部、広大な砂漠と広野が広がる土地。そこで、ある一人の少女と一匹の白き獅子型ゾイドが日光に晒されながらも移動していた。

 

ズゥゥウンズゥウン

四足歩行するゾイドが大地を踏む度に独特の足音が響く。

 

『グゥルル』

「うるさいなライガーゼロ、もうちょっとで村に着くんだから我慢してよ」

 

獅子型ゾイドの名をライガーゼロ。野生態ゾイドであり非常に珍しい個体である。そのライガーゼロが、煌々と日光に晒され歩かされることに抗議の声をあげると、ライガーゼロの頭部のコックピットのハッチを開きながら搭乗する少女、セオリがペシペシとライガーゼロのコックピットを叩き叱る。

 

『キューン』

「泣きそうな声だしてもダメ。私だってハッチが壊れてずっと暑いんだから」

シュンとライガーゼロが情けない声をあげれば、セオリがパタパタと手で扇ぎながらたしなめる。

 

それからも渋々歩を勧めるライガーゼロとライガーの愚痴に一々付き合いながら、目的地の村まで砂山一つを越える所まで辿り着く。

『グルル!』

「なにあれ、村の方からだ! 急いでライガー」

 

 だが、砂山の向こう側から、大量の黒煙が舞いあがっている光景が目に入る。その光景にセオリは、嫌な予感を感じ操縦桿を持つ手に力が入る。そして、ライガーゼロも不穏な空気を感じ、警戒態勢に入りながらブースターで加速しつつ砂山のてっぺんに登る。

「こ、これは」 

『グゥウウ』 

 

 セオリとライガーが見た光景は、元々ジェネレーターを中心に大きくは無いが栄え、砂漠の中でも緑豊かだった彼女の村。それが一面の火の海と破壊され尽くし機能の停止したジェネレーター。そして、逃げ惑う村人達。そして、それを追い掛け回す銀色の化石のような姿をしたバイオラプトルだった。

 

「いけライガー!」

 その光景を見たと同時に、セオリはライガーゼロを走らせた。背部のブースターによる加速とライガーの総力が合わさり、素早く村まで降りると、今まさに村人を襲わんとするラプトルに体当たりを仕掛ける。

 

猛突進を受けたバイオラプトルは、吹っ飛び建物に衝突する。それを見た彼女は、村人に大声で指示を出す。

「皆さん、ここは私とライガーで凌ぎます。だから、避難を」

「す、すまない」

「自警団の奴等が全員居なくなっちまったんだ。だから、他にも逃げ遅れた奴がいる」

「こいつら、シュセイン国の奴等だ」

 

などと彼女に出来うる限りの情報を伝え走って逃げていく。

それを見送りながら、彼女は考える。

(何で、金獅子の騎士団がこんなときに居ないの? おかしい)

 

普段から村を守る筈のゾイド乗り達が、一人もこの状況にもかかわらず音信不通なのだ。そちらの方が異常である。

 

『キャォウ!』

「きゃあ!」

 

油断していたセオリ。その隙をついて先程吹っ飛ばしたラプトルとは、別の個体がライガーにのし掛かる。それと同時に吹っ飛ばされた個体も起き上がりライガーに突撃してくる。

 

「離れろ!」『グォオオ!』セオリの声に反応するようにライガーが激しく体を動かし、ラプトル二機を引き離す。

「このー!」

怒りに燃える彼女は、倒れたラプトルの首根っこをライガーの顎で捕らえもう一体のラプトルを踏みつける。

 

「貴様たちの目的はなんだ!? なんの恨みがあって村をここまで追い込む!」

 

怒りに任せラプトル達に問い掛けるが、返答はない。

 

(こいつら、パイロットがいないか……これだからバイオゾイドは……)

もがくような抵抗を繰り返すラプトルだが、ライガーの拘束から逃れられない。

 

『!ギュオ』

「ぐ!」

すると、拘束することに専念していたライガーを背後から巨大な尻尾が襲い、ライガーの機体が大きく空に打ち上げられた。

 

そして、地面に墜落したライガーは、複数回打ち付けられ漸く止まった。

だが、衝撃も凄まじくハッチが壊れたコックピットに乗るセオリはダメージを受ける。ライガーゼロに至っては、既に活動限界まで寿命を減らしているボディに大打撃を受ける。年寄りの

ゾイドに対して優しくない一撃だった。

 

『グゥウウ』

「あれって、まさかバイオティラノ?」

 

ライガーゼロを襲った襲撃者を見ると、大型ゾイド並の体躯にバイオゾイド独特の化石のようなフォルム。そして、暴君トカゲを彷彿とさせる大きな顎から話に聞いたディガルド武国の最終兵器と被った。本来は、既に死んだゾイドだがラプトル達と同じく、近代にて確立されたゾイドクローン技術で蘇らせたのだろう。

 

「立てるライガー?」

『グォオオ! ギュォオ!』

 

セオリの声に応えるように、軋む老体に鞭を打ってライガーゼロが立ち上がり雄叫びをあげる。するとバイオティラノから人間の声がする。

 

「ほう、立ち上がるとは流石ライガーゼロと言った所か? クローンゾイドではない純種のゾイドは、根性があるな」

「あなた何者?」

「ほう、女がライガーを駆っているのか。私は、シュセイン帝国軍大尉アーバン=ミドルドだ」

 

バイオティラノのパイロットは、余裕を孕んだ明るめな声でこっちの問いにも答える。

「なぜ、私達の村を襲う?」

「ゾイドコアの入手のため、そして、この村のジェネレータの地下にあると言う遺跡が目的だ」

アーバン大尉とやらの説明を聞いて、セオリは驚愕と寒気を感じる。

「なぜ、古代遺跡を狙う」

「おっと、少し話しすぎたようだ。私は、口が軽いと上官に怒られたばかりだと言うのに」

「答えろ!」

「喚くな小娘。どうせ貴様も死ぬのだ、知ろうが知らぬまいが変わらん。それではさようならだ」

 

そうアーバン大尉が会話を終えると同時にバイオティラノの瞳が光り、セオリとライガー目掛けて走ってくる。巨体に似合わない速度で駆けるバイオティラノ。

 

「いくよ。ライガー!」『グォオオオオオ』

ライガーゼロも負けじと咆哮を上げ、前肢と後ろ足で大地を蹴りバイオティラノを迎え撃つ。

先に仕掛けたのは、バイオティラノで巨大な顎でライガーを噛み砕こうとする。

「く」

咄嗟にライガーの体を斜めに反らし、回避と同時にライガーの爪にエネルギーを流す。

「ストライク……レーザークロー!」

光り輝く爪は、獅子の咆哮と同時にバイオティラノの脇へと向かい降り下ろされる。

 

だが、しかし。

 

「ほう、小娘。予想外に腕に恵まれておる」

「バカな」

バイオティラノの側面を打ち砕く予定だったストライクレーザークロー。それは、なんとティラノに隠されていた隠し腕に前足ごと防がれる。

そして、前足を捕まれたライガーは、身動きがとれない。

 

「一瞬だがヒヤヒヤさせられたぞ。だが、これで終わりだ」

「うわぁ」

『グオオ!?』

 

隠し腕により、空に投げられたライガー。空中でバランスもとれず落下しているとき、バイオティラノが 口腔から凄まじいエネルギーのレーザーを発射した。

それは、真っ直ぐライガー目掛けて進む。

『ガォオオ』

「なんと」

バイオティラノのバイオ粒子砲が命中する寸前、セオリの操作でなくライガーが勝手にブースターを起動し、ライガーゼロ全てを飲み込むはずだった一撃。それをライガーゼロの胴体から下半身を犠牲にするだけの被害に押さえた。

バイオ粒子砲の威力でそのまま、ジェネレータに向かって吹っ飛ぶ最中、ライガーは、頭部に乗るセオリを守るためストライクレーザークローで壁や床をぶち破る。そのまま、らっかし続け、漸く広い空間にて落下を止める。

 

「ぐはっ」

 

衝撃からコックピットより投げ出されたセオリ。遺跡の床を這いつくばりながら、ライガーゼロの容態を見る。

 

「ライガー……ゼロ……」

 

そして、言葉を失った。ライガーゼロの前足より後ろが存在しなかったのだ。

いくら野生体ベースのゾイドとはいえ、これ程のダメージを負えば、死を免れない。

『グゥウ……ゴォウ』

 息も絶え絶えといった満身創痍なのがライガーの声から理解できる。セオリは、全身に激痛を感じながらも、ライガーゼロ、6年以上も一緒に過ごした相棒に手を伸ばす。

「ごめんね、ライガー」

 

 セオリの掌がライガーの鼻さきに触れる。既に石化を始めている。サラサラと砂に変わり続ける。

『グォオオ』

「え、ライガー!」

 

 ライガーが満身創痍のまま、セオリを軽く咥え、前足だけで地面を這うように進む。そして、少しだけ進んだ辺りに、ライガーゼロよりも巨大な獅子の石像があった。其の石像を見ただけで、セオリは生物の本能から恐怖を感じた。一切稼働していない化石である 

「これ、獅子型ゾイドの石造? こんな大きくて、恐ろしいライオンのゾイド、見た事ない。きゃあ」

 ライガーは、セオリの体を放り投げ、石造の頭部に着地させる。どうにか頭部に掴まることが出来たセオリがライガーの方向を見る。

 

「ライガーゼロ」

『グォオオオオオオオン!』

 

 まるで、ライガーゼロは、死の間際。セオリが掴まっている獅子の像に頭を垂れ、王に請願をするようだった。百獣の王が、頭を垂れてまで石像に何を求めたのかは、わからない。

 だが、セオリのライガーゼロは、最後に威勢の空間中に響くような咆哮をあげ、砂となった。

 セオリが、ライガーに手を伸ばそうとした時、彼女の足場になっていた石像が、金色に輝き全てを包みこんだ。その時、セオリの頭に石像の名が浮かび上がった。

 

「お、オウド」

ーーーーーーーーーーーー

 

 ゴォオオンと遺跡内で爆発が発生する。ライガーゼロを仕留めたと予想し、障害が無くなったのでご自慢のバイオティラノの火力で遺跡を焼き払いながら、最深部に進んでいたアーバン大尉。

 ようやく、最深部に辿り着くころには少し時間が過ぎていた。

「ラプトル、この空間を散会し捜索せよ。見つけるのだ帝王のゾイドを」

 

 バイオティラノの開けた空洞から、次々と計12機のバイオラプトルが侵入していく。そして、最後にアーバンも中に入る。中は、遺跡を破壊して回ったために煙で曇っていた。

「ほう、何千年前に築かれた遺跡にしては、綺麗な物だ。なにやら特別な技術でも使われているのだろうかな」

 誰も居ないにもかかわらず、一人干渉に浸っている時だ。

 

『ゥルラオオォルルルルルルルル!』

『ギュオォ』

 

 広々とした空間で全てを震わせるような咆哮、間違いなくライガータイプの咆哮である。その方向と同時にラプトルの悲鳴が聞こえ、レーダーに映る味方の認識コードが消滅する。

 

「あのダメージでまだライガーゼロが生きていたと言うのか!」

 だが、彼の言葉は、すぐに否定されることになる。バイオティラノが戦闘態勢を取ると同時に、足元に何かがつっかえている物体に目線を落す。

「これは、先程のライガーではないか、やはり死んでいるということか、ならさっきの声は」

 

 彼が、煙で視界が悪い中で、敵を捜索しているとバイオティラノのセンサー越しに、一筋の閃光が走った。『ギュォ』『グブゥ』『ギュォオオ!』と二機のラプトルの悲鳴、そして、一匹のラプトルがアーバンも目視した閃光目掛けて口から砲撃を始める。

 その攻撃は、閃光が動いたため空振りするが、砲撃が再び空間に大穴を開けたため風通りが良くなり、煙が晴れ視界が鮮明になって行く。

 

「な、なんだあれは!」

『ギュォオ』

 アーバンが視界に捉えたのは、ゴールドとコバルトブルーがメインカラーのライオン型ゾイド。非常にシンプルなフォルムで突起物が頭についている王冠にくらいで曲線状な形が主でボディの至るところに黒い窪みのようなラインが走る。どう見ても最大級のライガータイプであり、現存するどの種とも違う個体。

 それは、目にも止まらぬ速さで閃光となり、彼の視界にいるバイオラプトル達を爪や牙で引き裂いて行く。それを止めようとは思えなかった。

 本来のデスメタルよりは、クローンの劣化により防御力が低めとはいえ、通常の兵器では破壊が難しいのだ。それを目の前のライガータイプのゾイドは、最も有効な武器であるメタルzi無しで純粋な格闘能力で破壊したのだ。

 

「ラプトル部隊! 奴を囲め!」

 

 バイオティラノからの指示に残ったラプトル達が従い、正体不明のゾイドを取り囲む。そして、ライガーに向かって口を開き威嚇と同時に砲撃の用意をする。

(幾ら速かろうと、この包囲網からは、逃げられん)

 

 ラプトル達に一斉発射の指示を出そうとした時だ。

『グォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!』

 ライガーが鼓膜が破れるのではないかと言う咆哮を上げる。それだけで、ラプトル達が恐れをなしてズリズリと後退を始める。奴は何もしていない、ただの咆哮のみでバイオティラノの支配下にあるゾイドに恐怖を植え付けたのだ。

 

『グルルル』

 そして、なんと。アーバンの操縦するバイオゾイドの頂点に君臨するバイオティラノまでが正体不明のゾイドに一歩下ってしまった。

 

 そうなれば陣形など、何の意味もなさない。『グゥルォオ』と短く咆哮を上げるライガーが再び閃光となり目にも止まらぬ速さで動けないラプトル達を牙と爪の餌食にしていく。

「馬鹿な」

 そして、気が付いた時には、残ったのはバイオティラノ一機のみであった。ラプトルの性能は決して高くない。だが、あの数を10秒もかからず撃破されるのは、まずい。

『グルルル』

『グォル』

 謎のライガーが、一歩一歩バイオティラノに迫る。その様は、王者の風格にあふれており、恐怖とは別の畏れすら感じるほどだった。アーバンの目には、ライガーの爪や牙が直接自分の死に繋がるのだと生物的本能から感じる。そして、こちらを見るライガーの瞳が食物連鎖で自分より上位だと語っていた。

「来るな化け物!」

 

 バイオティラノは、口を大きく開き口腔にエネルギーを収束する。バイオティラノの最大兵器であるバイオ粒子砲を最大限にチャージし、それをライガー目掛けて発射した。

 発射されたバイオ粒子砲は、真っすぐに此方に歩み寄るライガーに見事に命中しその姿を呑み込む。

 

「どうだ」

 閃光に呑まれたライガーに安心したのも束の間、光線が中央から二つに分かれていく。

「シールドだと! だが、そんなものでこのバイオ粒子砲が防げる筈が……」

 

 ライガータイプのゾイドが四本の足で、しっかりと地面に踏ん張りながら周囲に白い障壁を発生させ、バイオ粒子砲を防いでいる。だが、Eシールド如きで凌げる攻撃ではないのだ。

 それをライガーは、完全に防ぎながらもこちらに向かって、進んでくる。その時、アーバンはライガーから発生しているシールドが唯のシールドでない事を目撃する。

(ビームが全てライガーのシールドの周りを巡り、回転し更に後からくる粒子砲を巻き込んでいる。これは、まさか粒子の回転運動を利用し、攻撃を受ければ受けるほど強化されるバリアか)

 そう、まさにその通りだった。ビームを受ければ受け続けるほどシールドのエネルギーが高まり、バイオ粒子砲を撃ち切ってしまったのにもかかわらず。バイオ粒子砲の膨大なエネルギーは、ライガーのシールドとなり嵐のように周囲に猛威をふるっている。 

 その姿は、バイオ粒子砲を掌握した怪物である。怪物は、バリアーを張ったままバイオティラノに駆け寄る。

「うぁあああ!」

 

 バイオティラノの尻尾でライガーを薙ぎ払おうとすると、ライガーは再び目に見えない機動でバイオティラノの尻尾の先をもぎ取って行く。

 アーバンが気が付いたときには、ティラノの尻尾は先が無くなっていた。そして、周囲を確認すると真後ろに居たライガーの口にティラノの尾が咥えられていた。

(今の一瞬で、バイオティラノの装甲ごとテイルを食い千切ったのか……これが、帝王のゾイド)

 アーバンは既に相手が、目的としていた帝王のゾイドであると確信していた。だが、バイオティラノを一方的に圧倒できる性能があるとは、考えていなかった。

 

『グォオオ』

 急にライガーが咆哮と共にこちらに向かって飛びかかって来る。それにアーバンは「しめた」と歓喜の声を上げ、バイオティラノの全スペックを持って飛びかかった。

 

「どれだけ速かろうと、捕まえてしまえばこちらの物だ!」

 飛びかかってきたライガーを両腕と隠し腕の計4本の腕で捕獲することに成功したアーバン。これこそが天が与えたチャンスとばかりに歓喜し、ティラノの腕力でライガーの両脚をガッチリと固定する。

 

「終わりだ!」

 そして、動けないライガーに零距離からバイオ粒子砲を発射しようと、口を大きく開いたその時だ。

『グォオン!』『ォォオ』

 ライガーが、後ろ足に力を込め、前に進もうとバイオティラノを押し始めたのだ。するとなんと言うことだろう、バイオティラノが徐々に押され始める。中型ゾイドですら簡単に握り潰す程の膂力を誇るバイオティラノが完全に力負けを始める。

 ライガーの体のラインに光が巡り始めると、先程よりパワーを増したライガーにティラノは完全に翻弄される。最終的には、4本の腕の拘束すらも解かれ首に噛みつかれたかと思えば、ライガーがティラノの身体を咥えたまま、天井目掛けてジャンプした。

 

「おおおおぉおおおおおお!」

 ジャンプと同時に、光に包まれたライガー。ティラノを持ったまま天井を突き破るも加速は止まらず、次々に遺跡の天井を突き破り、最終的に遺跡を飛び出し大空に跳び上がる。

 底そこで漸く解放されたティラノだが飛行機能の無いゾイドのため、落下するしか行動が出来ない。

「ははは、これは確かに帝国を脅かす存在だ。恐ろしいものだ、こんなものが後3機もあるのだからな……」

 落下しながら、アーバン大尉は、自身に向かって爪を振り下ろすライガーの姿を見てそう呟く。

 

「オウドライガー、ストライクレーザー! クローーー!!」『グォオオオオオ!』

 彼の耳には、先程ライガーゼロに乗っていた赤髪の少女の声が聞こえた。怒りを孕んだ声と共に彼女が呼んだオウドライガーが空中にて光り輝く前足を振り下ろした。

 

『ギォオオ』

 恐らく先程のシールドのエネルギーをそのまま爪に収束したであろう一撃。

 バイオティラノのダークネスヘルアーマー装甲すら簡単に、破壊しティラノの首と胴体を完全に切断した。胴体と首に分けられたバイオティラノは、断末魔を上げながら空中で爆散した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

 背後での爆発の爆風で加速しながらも軽やかに地面に着地したオウドライガー。

「はぁ……はぁ……、やった。あいつを倒せた」

 オウドライガーの頭部のコックピットに搭乗し、操縦桿を握るセオリ。先程の戦闘での疲労からか汗が多く流れ息も少し荒くなっている。何より心拍数が上がって体温も上がっているのを感じていた。

 

「これが、オウドライガーの力……」

 操縦桿を見つめながら、セオリは、呟く。先程ライガーゼロの死と共に光り始めたオウドライガーが突如、頭部のコックピットを開き其処に無理矢理セオリを乗せた上で動きだしたのだ。

 それと同時に空間に穴が開き、バイオラプトルが侵入してきた所で彼女の記憶は、すぅーと闇に呑まれる如く一度飛んだ。

 

(目が覚めたら、相手の真後ろに居たんだもん……びっくりして飛びかかったら、捕まえられたし)

 意識が覚醒した時、オウドライガーがバイオティラノの尾を食い千切った所で、恐怖からライガーゼロの時と同じく飛び掛かるがガッチリ拘束されパニックになっていたがオウドライガーのパワーが規格外であったために、彼女のごり押しを実現し狭い場所からの脱出した。そして、大空に飛び出した段階で、相手が回避できない事を承知で、ゼロの得意技であるストライクレーザークローで止めを刺したのだ。

 

「でも、あいつを倒しても……村はもう」

 敵が居なくなったため、警戒する物がないので周囲の様子を見渡す。家々が炎に包まれ、一面の焼け野原となり、再興にはかなりの時間を有するだろう。

 

「とりあえず、皆の元に行かなくちゃ」

 逃げた筈の村人たちは、予め決められた避難場所にいるはずなので其処に向かう。ライガーを走らせながら、自警団が戦った痕跡も無い村を見て、焦りが生まれる。

 

(もしかたら避難所の自警団も居ないのかも知れない) 

「お願い急いでオウドライガー!」

 

 彼女は、正体不明のゾイド、オウドライガーを走らせ避難場所であるオアシスを目指す。

 

 

 今日、この日。これからの惑星ziを襲う混乱と時代のうねりの象徴、【帝王のゾイド】の最後の一機が目覚め、少女と共に世界を旅する。




オウドライガー
オーガノイドシステム+エヴォルドシステム搭載。

番号announce
所属トライデント
分類ライオン型
全長33.5m
全高14.56m0
重量110t
最高速度705km/h
乗員人数1名
武装
ストライクレーザークロー×4
爪にエネルギーを集束させ、強烈な一撃を見舞う。一撃で大破させる威力を誇る。
スーパーサウンドブラスター×1
自身の咆哮を数億倍に増幅して発生させた超音波を放出し、対象敵装甲に共振現象を起こさせて粉砕する超音波兵器。
タキオン粒子流動シールド発生機×4
4本の足の噴出孔からタキオン粒子の光速移動をともなったシールドを展開する。従来のシールドと攻撃を防ぐのでなく、粒子の動きによって弾き削る兵器であり接近戦用の武器にもなる。
ドレインファング×1
噛み付いたとき、相手のゾイドのエネルギーを吸収し、倍加させて放出することで内部から破壊する。
ショックカノン×3
小威力の超電磁砲を発射する胸に装着される。

姿
ゴールドとコバルトブルーがメインカラーのライオン型ゾイド。非常にシンプルなフォルムで突起物が頭についている王冠に見えるレーダーくらいで曲線状な形が主でボディの至るところに黒い窪みのようなラインが走る。最大級のライガータイプであり、最速のライガーでもある。

搭乗者 セオリ=アンデルセン
年齢 16
身長 156
体重 45
姿 オレンジ髪のポニーテール。赤い目と白い肌の女性。動きやすい民族衣装に身を包む。
性格 男勝りで行動力に溢れる。がさつだが優しい性格。


バイオラプター『クローン』

番号 BZ-006
分類 ラプトル型
全長 11.5m
全高 7.2m
重量 23.5t
最高速度 210km/h
武装 ライトヘルアーマー
ヘルファイアー
ヒートキラーバイト
ヒートハッキングクロー×2
ヒートスパイク×2
テイルカッター
レーダーウイング×2

機体解説
元ディガルド武国の量産型バイオゾイド。クローン のため、装甲やパワーなどが本来より弱体化した。



バイオティラノ『クローン』

番号 BZ-002
分類 ティラノサウルス型
全長 29.4m
全高 12.9m
重量 160t
最高速度 230km/h
武装 バイオゾイドコア
ダークネスヘルアーマー
ヘルファイアー
バイオ粒子砲
サンダーキラーバイト
テイルジャベリン
サンダーハッキングクロー×2
サンダースパイク×2
リブ・デスサイズ×2

機体解説
バイオゾイドの頂点に君臨するバイオゾイド最強ゾイド。
クローンで弱体化したが格闘戦においては絶大な戦闘能力を誇り、全身を覆うダークネスヘルアーマーは通常の兵器どころかリーオ兵器すら問題としない防御力も持ち、高速移動中のライガーゼロを容易く捉えるという驚異の瞬発力を持つ。両脇腹に隠された副腕のリブ・デスサイズは迂闊に接近した敵を捕獲し破壊する。さらに口内に装備されたバイオ粒子砲は対象を分子レベルまで分解する超兵器。





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