新ZOIDS伝説ー獅子皇の章ー   作:ドラギオン

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ゾイドすら出てこないw


休息

カポーンと湯煙が立ち上る温泉のししおどしがなる。特に意味はないが雰囲気作りで置かれたそのししおどしをボーっとセオリが眺める。

湯船に浸かりながら、はぁっと息を吐く。

「アンナ達まだかな?」

 

その問いに答えるものはいない。街の温泉街にオウドライガーとコマンドウルフでたどり着いた4人。

だが、ユース団の三人は、少し用事があると言ったのでセオリだけが先に温泉に入ったのだ。

「ふぅ、遅くなって悪いね~。あぁ……いい湯dね~」

「遅刻。申し訳ない」

 

ガラリと露天温泉の入り口から、入ってきたアンナとアイン。当然両方全裸だが、アインの素顔以外の肌も見るのは初めてである。

 

「やっぱり二人とも美人だよな」

 

ボソッとセオリが二人を見ながら呟く。元々年上でお洒落な姉さん的なアンナ。地肌の色は濃いが素肌はきめ細かく手入れされており、髪も美しい。何より普段の格好からも分かるグラマラスなスタイルが彼女の美しさを天女のように見せていた。

 

「何いってんだい。セオリも悪くない処か美人じゃないかい」

「驚愕。セオリ様は、アイン側だと思ってたのに……これが胸囲の格差社会」

「きゃ! 揉むな!」

「敗北。奴等という持つものに無きものは蹂躙されるのか……」

 

一方、素顔が大変可愛らしいアインは、アンナと逆にお日様を浴びていないが故に美白でプリプリな赤ん坊のような柔肌。普段見せない髪は、黒のロングだった。スタイルは、豊満ではなく清楚な体付だった。可愛らしい顔と清楚なスタイルで妖精のようであった。

二人のレベルの高さに落ち込んでいるセオリ。しかし、アンナ達から見たセオリも、似たようなものだった。

 

「あんたみたいにバランスがいい奴の方が羨ましいね」

 

 セオリは、目元くっきりで、睫毛も長く、唇も桃色で、しかも美肌。顔のバランスがこれ以上ない程整っている美人が何を言っているのかと呆れるアンナ。その横にいたアインは、いつの間にかセオリの背後で掌から零れ落ちそうな胸を鷲掴みにし涙を流していた。

 元々活発な性格のセオリは、運動量も多く普段の服装からもスリムなアスリート体型だと知っていたアインとアンナ。しかし、スリムな体型に見せるため巻かれていたサラシの中の兵器に気が付いておらず、アインは裏切られた気分なのだ。

 

(セオリやっぱりデカイわね。あたいレベルか)

(聞いておりませぬよセオリ様~。あなたはステータス側でないのですね……)

「な、なんだよ」

「いや、いいスタイルしてるなと」

「詐欺。セオリ様は、私を欺き精神的ショックを与えて来ました」

「えー……」

 

その後、温泉に浸かりながらガヤガヤワイワイ騒ぐ3人のお嬢さんを端に男湯で一人温泉を満喫しながら酒を飲み満悦なハットンがいた。

 

(隣煩いっすね~。他人のふり他人のふり)

 

 おちょこで酒を飲みながら隣の3人とは無関係を貫き通した。

 

ーーーーーーーーーーーーー

「ふぅ、さっぱりした」

「良い湯だったねぇ」

「快適。温泉後のミルクは格別」

 

 セオリとアインとアンナは、温泉を堪能した後、売店で売っていたミルクを飲んでいた。全員長湯だったので頭から湯気が少し上がっている。

「もう宿は取ってるから、寝るまで少し時間があるよ」

「そうか、まだ日が暮れたばかりだしね。ここらへんでジェノリセッターについて情報を集めるよ」

 

 セオリがそう言った瞬間にアンナの表情が曇る。

「あんな化け物の情報手に入れてどうするのさ?」

「もう一度会いに行く。私の旅の目的は、世界中で起こってる混乱の元を叩く事なんだ。だから、帝国と共和国が挙って争う帝王のゾイド争奪戦。私はこれを止めたいと持ってる」

「質問。帝王のゾイド……すごく強いです。もし、残りの3機が全て戦争に使われたらどうするつもりですか?」

 

 アインの質問は、セオリが行っている旅の目的、その可能性の一つを示していた。そう、仮に全員が反戦争を訴える適合者たちなら戦争を終わらせる事も可能かもしれない。だが、逆にシオンのように破壊行為に全てを捧げる適合者もいる。つい先日、その驚異的な性能の前に、成す術がなかったセオリ達。

 もしも、交渉すら出来なかったらどうするつもりなのだろう。

「……最悪の場合、私がオウドライガー一機で3機を破壊する事になる。帝王のゾイド4機が争うと惑星ziは、再び大異変を起こす可能性があるから、一機だけでも破壊する」

「あれだけ酷くやられたのに、そのやる気は何なんだろうね」

 

 アンナが腕を組みながら、折れない意思を持ったセオリに苦言する。セオリは、何処か清々しい表情で言った。

「次は負けない。オウドライガーのせいじゃなくて私のせいで負けた。なら、今以上にオウドライガーの実力を引き出してあげるよう努力する。

二度とオウドライガーの足を引っ張りたくない」

 

 それは、決意であり、彼女の贖罪だった。力不足故に相棒を傷付けた。それは繰り返してはいけないのだ。

 

「何はともあれ、多分外でハットンが待ち草臥れてるだろうし行くよ」

「了解。確かに長い時間が経ってる」

「本当だ」

 

 三人は、急いで服を着替えてハットンと合流。その後、酒場に情報収集と夕食に向かった。

 

 

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