新ZOIDS伝説ー獅子皇の章ー   作:ドラギオン

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ゾイドの森

 コロシアム参戦から3日後、どうにかハンター達に襲われずに修理と出発を済ませた4人。現在は、大陸の極東に位置する港町に向かいながら、薬草の収集ポイントに向かう。

 

「なぁ、その大型ゾイドの巣ってどんなゾイドが徘徊してるんだ?」

「基本的に、恐竜型ゾイドが多いね。クローン技術が確立されたせいで、ゾイドが増えちまって扱いにくかった気性の荒い奴が繁殖しちまったんだろうね」

「そうなのか、とりあえず野生のゾイドとは戦ったことあるけど、動きが素早いから注意だな」

「了解。なるべく戦闘は避ける」

 

 先頭をオウドライガー、右後ろにセイバータイガー、左後方にディバイソン。背後にいるのはカノントータスである。キチンとフォーメーションを組みながら、山岳地帯を抜けた先にある草原を進んでいた。地平線の先には、広大な森が広がっており、其処こそが目的地である。

 

 道中もハンターや帝国に襲われる事も無く順調であったが、これから彼女達は、ゾイドの巣窟に自ら赴かねばならない。

 

「全員油断するんじゃないよ! 特にセオリ」

「わかってるよ」

「作戦。アンナとセオリで敵を引き付けつつ、ハットンが援護。我が陽動の隙に薬草を採取してくる」

「作戦の確認が終わった所で、注意してほしいっす。もうテリトリーに入ってる、いつ襲ってきてもおかしくないっす」

 

 ハットンの勧告と同時に、周囲の森の気配が変わる。何かがセオリ達を見つめるような視線を感じ、彼女らの乗るゾイド達も自然に身構える。

 周囲を見渡しながら、警戒して進む一行。警戒をしながら地図を頼りに進んでいると、森の影からレブラプター4機とイグアン3機が現れる。

 

「出たな、けど大型じゃない」

「こいつらが騒ぎ出すと、大型のゾイドがウジャウジャよってくるんっす。早めに撃破するっす」

 

 まず先制攻撃とばかりに、レブラプターが鎌状のブレードを展開し突進してくる。その狙いは、オウドライガーであり、瞬時に距離を詰める。

 

『ガォオオ!』

 負けじとオウドライガーも爪にエネルギーを集中して、飛び掛かる。オウドライガーのカウンターに二機のレブラプターの二機が上半身を破壊され、沈黙する。すぐさま、残りの二機にも飛び掛かるが、左右に逃げるラプター。しかも、逃げる途中にオウドライガーの背後にいるセイバータイガーとディバイソンに迫る。

 

「行ったぞ!」 

「承知。任された!」

「あいよ!」

 

 迫りくるレブラプターに、セイバータイガーは巨大な前歯で首元に齧り付く。ブンブンと小型のラプターを振り回し、放り投げた。対するディバイソンは、巨大な前足の一撃を繰り出そうとしたラプターを自慢の主砲で撃ち抜いた。

 空中でバラバラになったレブラプターを見ていたイグアン二機が、右腕の小口径レーザー機銃と左腕の4連装インパクトガンをセオリ達に向かって乱射する。

 

「やめるっす!」

 

 攻撃を受け爆発が起こるもハットンのカノントータスが主砲で撃ち抜く。大型ゾイドであっても撃破できる弾を受けたイグアンは爆散する。

 

「もう、あたい達の戦闘で他のもくるよ! アイン、急ぎな。」

 

 アンナの指示に従い、セイバータイガーが走り出し奥に進む。すると横から大型ゾイドのデッドボーダーが3機現れた。

目の前を通過したアインのセイバータイガーを狙い背部の二問重力砲で狙う。セイバータイガーでは、重力砲を受ければ有無を言わさず破壊される。当然コックピットの中のアインは死ぬ。

「こっちを見な!」

 

アインを狙う3機に、ディバイソンの17問突撃砲が命中し爆発する。アイアンコングですら破壊する砲撃にデッドボーダー達もダメージを受け怒りの矛先を、ディバイソンに向ける。

 

「撃たせないっす!」

 

 追撃とばかりに、カノントータスの主砲がデッドボーダー達の頭部を狙う。頭部にダメージと目暗ましを喰らった3機は目標を見失う。その隙を付いて、オウドライガーが自慢の速度で迫る。

 

「ストライクレーザー……クロー!」

『ガォオオオ』

 

 走行中に前足に集中したエネルギーが、デッドボーダーに振り下ろされる。現状のどのゾイドよりも強力なストライクレーザークローは、自信より大きいデッドボーダーの頭部を破壊。さらに着地同時に、飛びあがり隣にいたもう一機のデッドボーダーの右足を破壊する。

 

『キュロオオ』

 

 2機の仲間が倒れた事で、最後の一機が重力砲をオウドライガーに発射する。

「避けれる」

『ガオ』

 

 ニ発の弾丸の間を縫うように、オウドライガーが回避する。回避しながら迫りくるオウドライガーを捕まえようとして、両腕を振り上げた時、背後からディバイソンが巨大な角で体当たりを仕掛ける。

 

「まだだよ!」

『モォオオ』

 

左足に体当たりを受け、足元のディバイソンを両腕で掴もうとした時、至近距離で17問突撃砲を発射される。至近距離での射撃でデッドボーダーの右半身が吹っ飛ばされ撃沈する。

 

「一先ずこれで大丈夫か?」

「いいや、まだまだいるっす! 陽動は成功してるみたいっすけど注意っす」

「面倒だね。ちっ来たよ!」

 

 セオリの質問と同意に、火薬の匂いに釣られたのかゴルドス3機とデッドボーダー2機が新たに現れる。その全てが野生化し凶暴になったタイプである。ゴルドス達がレールガンとビーム砲を連射し始め、デッドボーダー達とセオリ達の攻撃を始めた。どうやらセオリ達は、デッドボーダーとゴルドスの巣を荒らしてしまったらしい。ゴルドスの威嚇射撃でデッドボーダーも凶暴化する。

 

「セオリさん! アイツらが暴れる前にお願いしますっす!」

「行くよオウドライガー!」

「アンナは、メガロマックスで全体攻撃を、足音からして小型も何体か近くに居ますっす」

 

ハットンが瞬時にソナーで探知したゾイドの位置情報をアンナに送る。それを見たアンナが器用な手の動きでディバイソンのコンソールを操作し、狙いを定める。

 ディバイソンが地面に力を入れ踏ん張りながら、砲塔を上へと向ける。そしてエネルギーを集中し発射しそうになるが、途中でアンナの手が止る。

 

「ハットン、セオリまでロックオンさせるんじゃないよ」

「そうは言っても、オウドライガーが速すぎて、判別できなんっすよ」

「まぁいいさ。それよりアインの方も探っておいておくれ。いくよ……メガロマックス!」

 

 アンナが引き金を引くと同時に、ディバイソンの17問突撃砲からオレンジの球体が飛び出し、それが空中分離し、地上に雨のように降り注いだ。

 

オウドライガーの動きに翻弄されていた大型ゾイド達は、奇襲紛いの砲撃を喰らう。

 

だが、威力は一撃で仕留められるほどではなく、奇襲をかけようとしていた小型ゾイド以外は戦闘可能だった。

 

「火力が足りないかい……セオリ! 今の内に仕留めな」

「あいよ」

『ガォオー』

 

ディバイソンの攻撃でガタガタになった敵戦力に、ストライクレーザークローを常時使用しているオウドライガーが襲い掛かる。

ディバイソンの一撃に耐えられても、大型ゾイドですら一撃で粉砕するオウドライガーのパワーには、デッドボーダーとゴルドスも敵わない。

 

ユース団が、セオリを頼ったのはこのフォーメーションに必要不可欠な戦闘力を持っていたからだ 。以前までは、セイバータイガーがオウドライガーのポジションであったが、格闘能力が高くなく、破壊力に難があった。だが、オウドライガーという味方を手に入れたことで ユース団の戦力はゾイドの巣でも戦えるレベルにまで上昇した。

 

「ん? セオリさん! アインがピンチっす、サポートを」 

「方角は?」

「北東っす」

 

 ハットンにアインの位置を聞いたセオリがいち早く、混戦から飛び出す。アンナの砲撃と他のゾイドが暴れたおかげで、森に道が出来ており、そこをオウドライガーの速度で進む。

 ぐんぐん加速するライガーから見たら、森の木々が逆に動いてるように見えた。

 

(どこだ、アインのセイバータイガーは……居た!)

 

 オウドライガーで駆けながら、飛び出してきた大型ゾイドにストライクレーザークローを御見舞しながら進む。すると、湖のような場所が見える。そこでセイバータイガーが2機の黒いゴジュラスに掴まっていた。

 

「アイン!」

「味方。セオリちゃん、薬草は取ったがこいつ達が……うわ」

 

 セイバータイガーを尻尾で打ち払ったゴジュラス。その一撃でセイバータイガーの右前脚が破損し、上手く起き上る事が出来ないでいた。

 

「格闘戦に強いゴジュラスか……」

『ガォオーガオォォオ』

「恐れるなってことだよな……」

 

カッと目を開いたセオリ。オウドライガーの操縦桿をフルスロットルに入れる。

 

するとオウドライガーが、ゼロか一気にトップスピードに加速しゴジュラス二機の間を通過する。

『ガァアアーー』

 

オウドライガーの動きに着いてこれなかった二機は、其々片腕をセオリに破壊され、激昂。怒りのままに尻尾を振るう。

長い二本の尾がオウドライガーに迫るが、冷静に片方を口で受けとめ、もう片方を前足で地面に押さえ付けることで無力化する。

尻尾を押さえられたことで、巨大な顎での攻撃に出るゴジュラスだが、背後からビームガトリングガンの掃射を受ける。

 

「援護。こっちにも敵はいる」

「ナイスアシスト」

 

再びオウドライガーの操縦桿をフルスロットルに入れたセオリ。彼女の操縦通りオウドライガーは、規格外のパワーで尻尾を噛んでいるゴジュラスを顎だけで振り回し、湖に放り投げた。

まさか、投げられると思っていなかったゴジュラスは、抵抗も出来ずに湖に沈んでいく。それを見たもう一機のゴジュラスが腹部の機銃でオウドライガーを狙うが、ストライクレーザークローを繰り出したオウドライガーの方が早く、地面に沈む。

 

「大体こんな感じか……アンナ達も長くは持たない。早くこんな森抜けちゃおうぜ」

「了解。もう大型ゾイドとの戦闘は勘弁」

 

先頭を行くオウドライガーに、どうにかセイバータイガーもついていく。その後、アンナやハットンとも合流し、ゾイドの森を抜けたのだった。

大型ゾイドの巣を抜けるのも一苦労だが、上手い具合にセオリとユース団が噛み合ったため、上々と言った結果だった。

 

 





デッド・ボーダー

番号 DPZ-09
所属 野生
分類 タルボサウルス型
全長 19.6m
全高 12.8m
全幅 7.5m
重量 92t
最高速度 140km/h
乗員人数 1名
武装
重力砲(G-カノン)×2
火炎放射器
150mmカノン砲×2
二連ビーム砲
高圧希硝酸噴出口
レーザー砲×2
ミサイルポッド
ニードルガン×4
レーダーシールド
フェルチューブ

 ゾイドの森に生息する野生ゾイド。過去に行われたセフィロンメタルの実験にて残骸から蘇った。ディオハリコンの性質もセフィロンメタルが代用になり、クローンゾイドの中では抜群の性能を誇る。ただし、気性が荒く研究所が破棄された後も繁殖を続けており、侵入者を死に至らしめている。

ゴジュラス
番号
RZ-001
所属 野生
分類 恐竜型
全長 26.0m
全高 21.0m
全幅 11.1m
重量 230.0t
最高速度 75km/h
乗員人数 1名
武装
ハイパーバイトファング
クラッシャークロー×2
70mm2連装ヘビ-マシンガン×2
パノーバー20mm地対空ビーム砲×2
マクサー30mm多用途マシンガン×2
TAZ20mmリニアレーザーガン
ARZ20mmビームガン
AMD2連装ビーム砲

 デッドボーダーと同じく、セフィロンメタルのクローン実験にて現代に蘇ったゾイド。気性が荒いため、テリトリーに入った物に容赦ない。


イグアン
番号 EMZ-22
所属 野生
分類 イグアノドン型
全長 10.4m
全高 8.2m
全幅 3.5m
重量 23.6t
最高速度 200km/h
乗員人数 1名
武装(新)
4連装インパクトガン(左手)
クラッシャーバイス(右手)
小口径対空レーザー機銃×2
小口径荷電粒子ビーム砲×2
2連装対ゾイドレーザー機銃
フレキシブルスラスターバインダー

 上記に等しくセフィロンメタルのクローン実験により生み出され後に野生化したゾイド。何故かレドラプターと集団で襲ってくる。

レブラプター
番号 EZ-027
所属 野生
分類 ベロキラプトル型
全長 11.4m
全高 7.56m
重量 23.5t
最高速度 210km/h
乗員人数 1名
武装 キラーファング
ハイパークロー×2(前脚)
ストライクハーケンクロー×2(後脚)
カウンターサイズ×2
イオンチャージャー

 上に等しい。イグアンが銃撃で隙をついた所に襲ってくる。




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