新ZOIDS伝説ー獅子皇の章ー   作:ドラギオン

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今回は戦闘シーンがあります。というか戦闘シーン以外ほとんどありません。
ただ、本来主人公機であるゾイドが悪に墜ちておりますので、気分を害されるかもしれませんがご了承を。


襲撃

セオリとロンが倉庫内で思い出話をしている時、それは来た。

 

------

避難場所から離れた場所、今は燃えるものがなくなり灰と炭だけになった獅子王の村。

嘗ての村の残骸を踏み潰しながら、4足歩行の

ゾイドが歩いていた。

 

『グルルル』「随分やられたもんだな。まぁ裏切っといて言うのも何だけどな」

と唸り声を上げながら歩みを進めるゾイド。全身を黒い装甲でカラーリング、背部に大型ゾイド用の二連装レーザーカノンを装備したライガーゼロ。ライガーゼロ・エンキとそのパイロット、クルーゼ・ハイツマンが居た。

 

「あのバイオティラノ乗りは、戦死したのか……兵士の鏡だね」

 

彼は、帝国に寝返った後、帝国軍に所属した。その後、村の破壊と遺跡の調査に向かった部隊が戻らないと聞き偵察に向かったのである。

「こりゃ蘇っちまってるな、楽しくなってきたわ」

『グルルル』

「お前もそう思うだろエンキ」

 

操縦捍を握りながら、ワクワクしていくクルーゼと同調するようにエンキも唸り声を上げる。

(だが、一体誰が帝王を目覚めさせたんだ? 俺ら騎士団は既に全員試した……他には、ロン坊くらいか)

「まぁいい。炙り出せば自然に出てくるわな!」

誰かを忘れている気がしたクルーゼだが、考えるより先に、村の避難場所を見つけ標準を合わせ、引き金を引く。

 

そして、仮集落のすぐ側で二つのエネルギー弾が爆発した。

すると先程まで寝静まった集落が、蜂の巣をつついたような騒ぎになり、警報がなる。

 

その警報は、もちろん格納庫のセオリ達にも届き、二人は迅速に動く。

「いくよオウドライガー」「いくぞシールドラ……そうだった」思わず乗り込んだロンだが、ライガーは動かず、バンっと計器を殴り、言い様のない思いにかられる。

 

「ロンは、みんなの避難を急いで」

『グォオオオン』

 

セオリがオウドライガーのコックピットに乗り込むとライガーが起動し、高らかに咆哮を上げながら素早い動作で駆けていく。その咆哮に驚いたロン、その時ロンの手元の計器が光を取り戻した。

 

「なんだこの光……」

 

ロンは、シールドライガーを包み込む光に同じく包み込まれた。

 

 

オウドライガーの咆哮と同時に、クルーゼの搭乗するライガーゼロ・エンキが避難場所への砲撃をやめる。

そして、最大限の威嚇と警戒を行いながら、格納庫から出てくる存在に備える。

 

「おぉ、出てきた出てきた。本当に動いてるわ」

クルーゼの愉しげな声が、スピーカーを通じてオウドライガーまで届く。

「その声とライガーゼロ・エンキ……クルーゼさん!」

 

声の主を解明したセオリが、怒気を孕んだ声で呼ぶ。それには、クルーゼも声から誰がオウドライガーに乗っているのか理解できた。

 

「そうか、セオリが帝王のゾイド乗りだったのか……なんで忘れてたんだろうな。お前もライガーゼロ乗りだってのに」

「そんな事はどうでもいい! 何で村を裏切った!」

「何でって、そりゃお前、帝国のほうが良い条件出してくれたからだろ」

「条件って……」

「そりゃ金やら権力だよ」

 

クルーゼの解答に耳を塞ぎたくなるセオリ。今日まで信じていた人が簡単に金で裏切ったと聞くのは心が痛んだ。

 

「そんなものの為に、皆を」

「まぁ、子供には、難しいわな。そうだセオリ。お前の事は嫌いじゃない、そのゾイドと一緒に帝国に行こうぜ、帝国のゾイドを献上したとすれば、金や名誉や女……お前の場合男も自由自在だぜ」

明るいクルーゼの何時もの調子で勧誘されたセオリ。そのクルーゼの態度は彼女の堪忍袋の緒を引き千切るのに十分だった。

 

「ふざけんな!」

『グオオオ!』

怒りに顔を歪めながら、セオリは突っ込んだ。オウドライガーは、4本の足で素早く駆け出し、ストライクレーザークローでエンキに飛び掛かる。

 

「おぉこわ。だが、当てられねぇんじゃ意味ねぇぞセオリィ!」

『グウウウ』

「ぐぅ」

真っ直ぐ飛び掛かってくるオウドライガーに、クルーゼは、エンキを後ろに跳ばせる事で回避、着地の瞬間を背部の二連装レーザーカノンを連射し決め技とばかりにライガーの頭部で頭突きを仕掛けた。

着地と同時に砲撃を受け、更に爆煙で視界が悪い中での頭突きを食らったオウドライガーは、体制を崩す。その衝撃がコックピットのセオリにも入る。

 

「獅子王も目覚めたばかりじゃこの程度か、敵じゃねぇな」

「くぅう、くそ!」

 

再び、オウドライガーがエンキに喰らい付こうと駆け出すが、エンキの素早い身のこなしからの前足での殴打が入り、よろけた隙に砲撃を受ける。

 

「さすがにデカイライガーだけあって、頑丈だな。だが、デカイだけで鈍い。オラオラ」

 

今度は、横から攻めようと走り出すオウドライガー。だが、その動きはクルーゼに見切られ激しい砲撃を全身に浴びる。

 

「くぁ、くぅうう、クルーゼ!」

「学習しねぇな」(だが、並みの頑丈さじゃねぇ。エンキの砲撃は超大型にも有効な装備だ。それを受け続けて破損すらねぇとは、性能を引き出される前に、格闘で倒す)

 

砲撃を受けながらエンキに向かって走るオウドライガーだが、今度は頭部をレーザーカノンで撃たれ、動きが止まった隙にエンキが目の前に現れる。

 

「な、目の前に」

「おら、お前の十八番だ。ストライクレーザークロー!」

 

『ガォオオ』

『グウウウ?』

「なんだ!」

 

突然、劣勢のオウドライガーと優勢だったエンキの間に割り込んだ闇夜で目立つオレンジの顔面と逆に闇に溶け込む闇色のボディ、鬣のラインはグレーの見覚えのあるカラーリングのゾイドがいた。そして、シールドライガーにはない両サイドにブレードが装備されていた。

 

ゾイドは、横からエンキを体当たりで突き飛ばした。突き飛ばされたエンキは、地面に這いつくばる。どうにか四肢に力を込めて立とうとするが中々起き上がれない。

「さっきのでバランサーをやられたか、立てエンキ」

 

クルーゼが起き上がれない間に、黒いライガーがオウドライガーにゼロと同じように頭を垂れた。そして、オウドライガーは、何も反応せずライガーを見据える。

すると黒いライガーから、通信が入る。そこに映ったのは、コックピットに乗るロンだった。

「大丈夫かセオリ?」

「え、え? 何で? ロンのライガーは、機能停止してたんじゃ」

 

本来無い救援に困惑しているセオリ。

「いや、俺もよく分かってないんだけど……」

 

本人ですら深くは理解していない様子で説明に困惑している。

すると、漸く立ち上がったエンキがオウドライガーともう一匹の黒いライガーを威嚇する。

 

「黒いシールドライガー、いやブレードライガーか。このカラーリングはロン坊、お前か」

「ブレードライガーって、カグラさんと同じゾイド、でもシールドライガーはどうしたの?」

 

「オウドライガーの咆哮を聞いた途端に、こいつ動き出して、光に包まれたかと思えばブレードライガーに生まれ変わってたんだ」

ロンの説明は、信じられないことだが全て事実であった。

「クローンじゃなく純粋種のゾイドだったのか、帝王がいなければ最優先にするレアゾイドだ」

 

彼がそう言った時、ロンがクルーゼに向かってライガーを向ける。

 

「クルーゼの旦那、裏切ったあんたらを獅子王の村の男として許さねぇ」

 

黒いブレードライガーがエンキに対峙するように、前に出る。『ガウウウ』『グルルル』。エンキとブレードライガー。

 

「面白い、両方手にいれてやるよ! エンキ」

「いくぜ相棒!」

『グォオウ』

『ガォオオ』

エンキとブレードライガー、黒い剣獅子と黒い獅子獣が正面から激突した。人間の介入を受けず野生の血に従って、お互いの牙と爪で相手を殺そうと荒ぶる。互いに獣と獣が牙を向き、大地を転げ回り、エンキが一歩後ろに飛び、近距離で二連装レーザーカノンを連射した。

「おらどうした?」

「ブレードライガー!」

ロンは、シールドライガーの時の戦法と同じく鬣のシールドジェネレータからEシールドを発生させる。ビームカノンをシールドで弾きながら、両サイドにブレードを広げ、ブレードアタックを仕掛ける。

 

「うぉおお」

「ロン、逃げ!」

 

 ロンのブレードライガーの最速の一撃は、エンキの素早い身のこなしでブレードを回避すると、ストライクレーザークローでEシールドを切り裂き、ブレードライガーの顔の側面を削る。

 

「もうおせぇよ」

 渾身のカウンターを受けたブレードライガーが、体勢を崩した途端、首元に齧り付き前足でライガーのボディを拘束する。もがくブレードライガーだがガッチリと固定されて動けない。

 

「クルーゼ!」オウドライガーで救援に向かおうと地面を踏み込んだ時、クルーゼが笑い声を上げながら静止した。

「セオリ、大人しく帝王のゾイドから降りろ。さもなくばこのままロン坊を殺す」背部のレーザーカノンの銃口を向ける。それによりセオリは動けなくなってしまう。

 ギリギリと歯を噛み締めながら、怒りだけが募って行く。

 

「セオリ、大丈夫だ。コイツは今動けない」

「黙ってろっての、セオリ! 大人しく従えば全員助けてやるよ」

「騙されんな」

 

 ブレードライガーの頭部を何度も足で踏み付けながら、セオリに優しい言葉をかけるクルーゼ。もし、相手の隙を突けば、救出できる。こんな時、ライガーゼロならセオリの背中を押してもくれた。だが、まだ一度しか乗った事の無いオウドライガーでそんな事を出来る自信がないのだ。

 誰だって初めて乗るゾイドは、上手く動かせない。長い年月をかけてようやく自信と技術を付けるのだ。

(思い切って飛び出す? 無理だ……)

 悔しいが、『今のセオリ』には、救出など出来ないだろう。そして、セオリが先程から感じていた違和感が彼女の行動力を阻害する。

(オウドライガーがドンドン動かなくなって来てる)

 先程の戦闘から終始、オウドライガーのスペックが下がり続けているのだ。遺跡の中でバイオティラノを圧倒したパワーを発揮できないでいた。整備の問題なのか別の問題なのか不明だが、本来なら圧倒してもおかしくないスペックを持っている帝王のゾイド。

(攻撃しようとすると、嫌な記憶が……動けない)

 何故性能が下がっているかと言えば、セオリの闘争心の無さと迷いがシンクロしているオウドライガーにも影響しているのだ。

「ほら、はやくしねぇとロンが死ぬぞ。第一、お前は一回勢いを失うと自分じゃ相手を傷つけられない悪癖が治ってねぇんだろ。十秒時間をやる、時間が過ぎたらロン坊を殺す、そして、次は村人共だ」

 

 6年間も村で共に暮らしたクルーゼは、セオリの弱点を思い出したのだ。セオリの過去に深く絡みつく悪癖、【戦闘恐怖症】。誰かを傷つける事に拒否反応を起こし、ゾイドの操縦どころか刃物すら持てなくなる。

 怒りで身体が勝手に動いている間だけは、戦えても冷静になってしまうと戦闘不可能に追い込まれる心の病。これが、ライガーゼロに乗りながらも騎士団に入れなかった理由である。

「1,2,3,4,5,6,7,8,9」

「セオリ、お前ならできる」

「渡しちゃ駄目だ。オウドライガーを帝国なんかに……」

 ガチガチになり操縦桿すらまともに握れなくなるセオリ、それを感じ取ったクルーゼは、勝利を確信した。コックピットの中で涙が出そうになった時だ。

 動きたいのに心が邪魔するジレンマに目の前が真っ黒に染まった。

 

「10。残念見せしめに死ねロン坊」

 

 エンキのレーザーカノンにエネルギーが集中し、今まさにクルーゼが引き金を引こうとした時、真っ黒に染まった彼女の視覚が赤く染まる。

 

 カチン。……カチンカチン。

「どうなってやがる? な!」 

 クルーゼが何度も引き金を引く、しかしビームカノンは、発射されずロンも無傷のまま。こんな時に故障かとクルーゼが背部の武装を見た時、驚きの声を上げた。エンキのメイン火器であるニ連装の砲塔が消えていたのだ。

「俺の武器は何処行きやがった。それにセオリもいねぇ!」

「おい、クルーゼの旦那……あんた、セオリのもう一つの顔知らないだろ?」

「何言ってやがる!」

 

 ブレードライガーから、ロンの笑い声が聞こえ混乱がさらに深まる。するとエンキの正面にオウドタイガーがこちらを見下ろし佇んでいた。

「どっから湧いて出た!」

「ずっと前に居たわ。後、これは返してあげる」

 そこでようやく、オウドタイガーが咥えている物が、自分の装備だと気が付いた。

『グル、グゥ』

「何、引いてやがるエンキ!」 

 ガシャンと背部の武装を投げ捨てられ、エンキが初めて恐怖を感じ生存本能から後退を始める。エンキの前には、首を左右に振りまるで凝りを解すような動作をしているオウドライガー。だが、次の瞬間には、視界から消えていた。

「消えただと? ステルスでも使ってんのか!」

 ステルス機能があるのではと、レーダーを確認した時。クルーゼは恐ろしいものを見たレーダーの一面中に反応があるのだ。その数は1000を超える軍勢である。

 

『ゥウ』

「どんな手品使ってやがる。出てこい」

「此処にいますよ。クルーゼさん? ふふ」

 声のした方向を、エンキの頭部を動かし、確認するとオウドライガーが口を大きく開けエンキの首を齧ろうとしていた。

「ぬわぁ!」 

 さすがのクルーゼも想定外の危機に、エンキを後ろに下がらせた。

「どこに行くんです? 私と戦ってくれるのではないんですか?」 

「後ろだと!」

 

 間違いなく、エンキで距離を取ったはずなのに、背後には既にオウガライガーが佇んでいた。理解不能、まるで悪い夢でも見ている気分になる。

「何してるかわからねぇが、これでどうだ!」

『グゥルウル!』

 ライガーゼロ・エンキの各部位から、隠し銃口とミサイルポッドが飛び出し全てが一斉に発射される。ミサイルを全弾撃ちながら、肩や脇腹などから飛び出した銃口からレーザーを放つ。

 

 周囲全てを均一に攻撃するクルーゼは、爆煙の中で白銀に光る何かが高速で動きまわっている光景を目撃する。その光に向かってレーザーを撃ち続ける。

 だが、閃光は一発もレーザに当らず隙間を縫うように、一筋の流星となってエンキに衝突する。

「ぐわっ」

 射撃を全て回避され、考えられない速度で吹っ飛ばされたエンキは、砂山に叩き付けられる。

『グゥ』

「化け物か」

 

 すぐさま体勢を立て直すエンキ。受けたダメージが大きいため、動きが鈍い。だが、相手の消える謎を解明できたのは大きかった。

「まだまだ、遊んでくれますよねクルーゼさん。特別に教えてあげますけど、消えてるんじゃなくて目に見えない速度で動いてるだけですよ」

「どんな速度で動いてやがる……帝王のゾイド、舐めてかかってた」

『グォオオン!』 

『グゥウウ』 

 帝王のゾイドが帝王のゾイドである由縁を見せつけられ撤退し戦力を整えるべきだと長年の勘が告げる。

 

「うふふ、逃げないでくださいよ。私をもっと楽しませてください」

「けっ」

 クルーゼには、セオリが急に別人の如く豹変したことが不可解なのだ。いつもは、子供だが凛とした口調とガサツな性格などで子猫キャラである。しかし今は、艶っぽい熱を孕んだような声で色っぽい口調ではなす別人のような女だ。

「てめぇ何者だ、いつ何処でセオリと入れ替わりやがった」 

「ふふふ」

 彼の質問に、女は上品に笑うと、クルーゼに通信を繋いでくる。それに応じたクルーゼが見たのは、コックピット内で長いオレンジ髪を振り乱し、何故か衣装も其処かしこ肌蹴させた女が手を振っていた。

 目は、ギラギラと血走り唇がつり上がり歪な笑顔でこちら見る、艶めかしい大人の表情をした女、セオリが其処に居た。

 

「お前、誰だ」

「セオリ・アンデルセン……の姉。イオリ・アンデルセン」

「イオリ? 確か……」

「御託はもう、たくさんよ。殺しあいましょう? さもないと死ぬわよ」

 

 豹変したセオリ。イオリと名乗る彼女は、オウドライガーを駆り、こちらを警戒しているクルーゼに爪での攻撃をかける。

「この!」

「動きに慣れてきたんですわね? よかった、楽しめます」

『グォオオオ!』

『グゥウウ』

 一度、真っすぐ来たオウドライガーの攻撃を横に回避。今度は逆に、エンキの爪で攻撃を仕掛けるが、それはオウドライガーの体当たりで再び吹き飛ばされる。だが、クルーゼも歴戦の傭兵。やられるだけは終わらず、イオンブースターによる加速を経てオウドライガーに接近戦を繰り出す。

 

 砂漠を駆けながら高速で移動するエンキとボディから光を放ち閃光となって、激しいぶつかり合いを繰り広げる。 

 交差する時に火花を散らしながら、広々とした場所に出る。

「あはは、もう終わりなの?」

 

(こいつ、速いだけじゃねぇのか)

 

 速度、強度、俊敏性、膂力。全てがエンキを凌駕していた。それでもエンキで戦ってこれたのは、相手が止めを刺すつもりがないからだ。

 

「黙れ!」

「な」

 エンキの両肩の隠し銃で、オウドライガーの足元を掃射する。すると、大量の砂煙が上がりオウドライガーの視界は完全に遮られる。その隙を逃すまいとエンキを最大加速で走らせる。

 狙うは、全エネルギーを集中したストライクレーザークローでの頭部に一撃。煙の中で光り輝くオウドライガーは、自分の居場所を教えてしまっている。 

 

(勝った!)

 クルーゼが勝利を確信した時。「飽きました」とイオリが言葉を発した時、先程までで最も早い閃光がエンキを通過した。「うぉおお!」反応すら出来ない高速移動で、エンキは右前脚をオウドライガーに喰い千切られた。しかも、目にも止まらぬ速度での攻撃の余波で、エンキのボディーが遠くに吹っ飛び、砂山を越えた所で爆発する。

 

『グォオォオンガォオオオ』

 

 食い千切ったエンキの足を噛み砕いたオウドライガーが勝利の咆哮を上げる。イオリと名乗るセオリは、エンキを吹っ飛ばした位置で爆発を見つめる。「別にコアを破壊した訳じゃないのに、あの爆発……逃げられたのかしら、まぁいいわ」イオリは、目を細めながら呟き、コックピットの背凭れに身体を預けながら、目を瞑る。

「良い子ねオウドライガー。妹じゃまだ未熟だろうけど、どうか見放さないであげてね。セオリはやれば出来る良い子だから」

『クルル』

 首を振りながら静かに鳴くオウドライガーに、コックピットの計器を撫でながら、彼女は眠りにつく。

 

「セオリ~」

 そして、彼女が眠ったと同時に黒いブレードライガーに乗るロンが駆けつけてきた。

 

 





ブレードライガー(黒)
型式 RZ-028
所属 金獅子の騎士団
モチーフ ライオン型
スペック
全長 25.9m
全高 12.2m
全幅 不明
重量 124.0t
最高速度 320km/h
武装
レーザーサーベル×2
ストライククロー×4
レーザーブレード×2
パルスレーザーガン×2
AZ2連装ショックカノン
Eシールドジェネレーター
マルチブレードアンテナ×2
ロケットブースター
3Dデュアルセンサー
コンプリッションリフリジェレイター×4

 元々黒いシールドライガーであり、機能が停止していたがオウドライガーの咆哮で進化したゾイド。通常のシールドライガーより性能が向上している。オーガノイドとの融合無しでも、オーガノイドとの融合状態と大差ないスペックを引き出す事が可能。搭乗者のロンがブレードライガーの操縦に慣れていなかったため性能を引き出せなかった。



ライガーゼロ・エンキ

型式 RZ-0029
所属 金獅子の騎士団⇒シュテイン帝国軍
モチーフ ライオン型
スペック
全長 24.0 m
全高 8.3 m
重量 85.0 t
最高速度 321.0 km
武装
ストライクレーザークロー×4
レーザーファング
AZ208mm2連装ショックカノン
AZ108mmハイデンシティビームガン
ビームマシンガン×4
AZ80mmビームガン×4
収納式レーザーカノン×2
イオンターボブースター×2
ダウンフォーススタビライザー×2
 
 全身を黒くペイントされたライガーゼロ。タイプとしては、ノーマルに位置するが四肢の装甲に隠し武装を仕込み、背部に大型ゾイドも一撃で撃破する高火力のキャノンを装備し全体的な火力と防御力を向上している。更にブースターも改良されており、最高速度も上がるなどライガーゼロの上位個体として位置している。ちなみにエンキとは、閻鬼の意味である。

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