転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の話はネコちゃんの名前が決まります!果たして、その名前とは!?


第三話 親友からの最初で最後の贈り物は名前でした

『ヴェルドラさんとネコちゃんは、此処に住んでるんですか?』

 

先ずは、スライムが切り出す。自分以外の存在に出会えた喜びからか二匹の事に興味津々な様子だ

 

『うむ、三百年前に勇者に封印されて以来このままよ。ネコはその少し後に転生してきた異世界人よ』

 

『えっ?ネコちゃんも転生者っ!?』

 

「そうよ、元々は日本人の美少女だったわ。其れはもうモテて大変だったんだから」

 

『マジでかっ!?』

 

『ネコよ、嘘を吐くな。お前、我と出会う前は《ぼっち》という枠組みだったと言っておったではないか』

 

「負け犬ならぬ負けドラゴンなヴェルちゃんには言われたくないんですけど〜。知ってる?スライムくん、暴風竜が聞いて呆れるのよ〜、ヴェルちゃんは。勇者の容姿に見惚れた隙に「絶対切断」と「無限牢獄」の二つを叩き込まれて、負けたんだって〜。プークスクス」

 

『ネコよ、今日の夕飯はお前を喰ってやろう。生で食べられるのと焼いてから食べられるのでは何方が好みだ?』

 

「そうねぇ〜、やっぱり焼いてからの方がオススメかなぁ。あっ、焼き方はウェルダンでお願い。よく焼かないとお腹壊しちゃ----って!食わせるかァァァァ!」

 

和やかに会話していたと思えば、突然の喧嘩にスライムは戸惑いを見せる。しかしながら、このやり取りは二匹からすれば、当たり前で恒例とも呼べる鉄板のネタである

 

『なぁ!二人とも、俺と友達にならないか?』

 

『友達だと!?暴風竜である我と友達だと!?』

 

スライムの発言に驚きを示すヴェルドラであったが、彼女は違った。澄ました顔を見せた後、優しく笑った

 

「良いわよ。二人で、《ぼっち》なヴェルちゃんをおちょくりましょう」

 

『抜け駆けは許さんぞっ!ネコよっ!良かろう!仕方ないから、友達になってやろう!ありがたく思うが良い!』

 

『寂しがり屋かっ!!』

 

彼女の友達宣言に、対抗意識を燃やしたヴェルドラもスライムの提案を受け入れる。その様子に暴風竜の本質を見たような気がしたスライムが突っ込みを放つ

 

「それでいてツンデレだったりもするわよ。これが更にツインテールな妹で、ニーハイを履いて、ドジっ子とかなら、全部盛りよ」

 

『ネコちゃんはアニメの見過ぎだ。それで、二人はこっから出ようとは思わないのか?』

 

『我は封印されておるからな。脱出方法、解除方法にも心当たりがない。それにな……実は後100年ほどで我の魔力が底を尽く。魔素が漏れ続けておってな』

 

「あぁ、通りで最近のヴェルちゃん。魔素臭かったのね」

 

『臭いっ!?我は臭かったのかっ!!!ネコよっ!』

 

「超臭いわね」

 

『なんだとォォォ!!!』

 

『ネコちゃん……絶対に好きな子とかいじめちゃうタイプだったでしょ』

 

「あっ?分かる?」

 

ヴェルドラを弄ることを嬉々として楽しむ彼女の姿に、スライムは転生前の彼女が如何なる私生活を過ごしていたのかを理解した

 

『とりあえず、試してみるか。《大賢者》、《捕食者》で《無限牢獄》を捕食しろ』

 

「どう?スライムちゃん」

 

『駄目みたいだ。俺のスキルが可能性を検討してるけど……ネコちゃんはなんかない?』

 

「あるなら、三百年もヴェルちゃんと洞窟暮らししてたりしないわよ」

 

『ごもっともで……あっ、解答がきた。ふむふむ……なるほどな』

 

『ネコよ。今だから言うが、我はお前のことを親友というのか?友達よりも更に上のように思っていた』

 

自らのスキルからの解答に反応を示すスライムの姿に、ヴェルドラは何かを悟ったらしく、長年の友である彼女に秘めたる想いを吐き出す

 

「あら、嬉しいわね。あたしもヴェルちゃん……ヴェルドラをナイスフレンドだって、思ってたわ」

 

『グハハハハハ!相変わらず、面白いヤツだなっ!お前はっ!スライムよ、お前のスキルが導き出した答えを聞かせるが良い!どのような結果であろうと我は受け入れるぞ』

 

『ヴェルドラには俺の胃袋に入ってもらわなきゃならない。絶対にまたネコちゃんと再会させる、だから少しだけで良いから時間をくれるか?』

 

『良かろう、我の全てをお前に委ねる』

 

「あら、即決?流石は天下無双の暴風竜ね」

 

『あっ!ネコちゃん!』

 

「なぁに?スライムちゃん」

 

覚悟を決めたヴェルドラを褒める彼女に、スライムが声を掛ける

 

『ネコちゃんのユニークスキルを少しだけ貸してほしいんだけど、良いかな?』

 

「ユニークスキル……ああ、彷徨者(サマヨウモノ)ね。構わないけど、どうして?」

 

『ネコちゃんのスキルって、支配系を跳ね返す効果があるんだよな?』

 

「そうみたいね、使ったことはないけど」

 

『なにっ!?ネコのユニークスキルにそのような効果があったのかっ!?』

 

「ふふっ、仕方ないわね。他でもない親友を救う為だもんね。良いわ、あたしのユニークスキルを少しだけ貸すわ。この毛に力を集束させるから、待っててね」

 

『ありがとう!ネコちゃん!』

 

長い月日を過ごした親友、彼女の中でヴェルドラは誰よりも大切な存在だった。彼の居ない世界は考えられない、故にスライムからの提案は彼女には願ってもない申し出だった

 

『それじゃあ、今からお前を《捕食者》で食うぞ』

 

『待て。その前に、名前を付けてやろう。無論、我が親友のネコにも』

 

『名前?』

 

「あら、嬉しいわ。最後のプレゼントって訳ね」

 

『そうなるな……同格と云う事を、魂に刻むのだ。そして、お前たちも我に名前を付けろ。人間が言うところのファミリーネーム?というヤツみたいなものだ。我がお前たちに付けるのは、"加護"になる。お前たちはまだ"名無し"だが、これでネームドモンスターを名乗れるぞ!』

 

『ネームドモンスター……いいな!』

 

「可愛い名前にしないと怒るわよ」

 

『う~ん……暴風竜だから…………暴風……嵐?そうだ!テンペスト!《テンペスト》はどうかな!』

 

「すごい安直ねェ」

 

『素晴らしい響きだ!我の名は、今日からヴェルドラ=テンペスト!』

 

「って!気に入っとるっ!!!」

 

安易なネーミングセンスに意を示す彼女とは裏腹に、御満悦気味のヴェルドラは轟かんばかりの咆哮を挙げていた

 

『スライムよ、お前には〝リムル〟の名を授ける。リムル=テンペストを名乗るが良い!そして、我が親友よ、お前に授ける名は、何十、何百、何万と考えたが、長年に渡り呼んできた仮名を含む名を授ける、〝ネコリア〟、ネコリア=テンペストを名乗るが良い』

 

「確かに受け取ったわ、素敵な名前をありがとう。またね、ヴェルちゃん」

 

『うむ、また会う日まで達者でな。ネコリアよ』

 

〝名前〟という最高の贈り物を残し、ヴェルドラはスライム基リムルの《捕食者》によって、胃袋に消えた

 

「さてと……外に出てみる?リムル」

 

『ああ、背中に乗せてくれるか?ネコリア』

 

「今まで通り、ネコちゃんで良いわよ」

 

『そっか、じゃあ行こう!ネコちゃん!』

 

「さぁ……振り切るわよっ!」

 

『何処の警視さんっ!?』

 

こうして、リムル=テンペストとその盟友であるネコリア=テンペストの異世界爆進劇が幕を開けた。この二人が後に世界を騒がせる最強コンビと呼ばれるのは、未だ少しだけ先の話だ




洞窟からの脱出を試みるリムルとネコリア、そんな二匹の前に現れたのは人間……?

NEXTヒント エッチなスライムと可愛いネコちゃん

結局、ネコちゃんやないかいっ!と思った方、だってネコちゃんにネコちゃん以外の名前が相応しい訳ないでしょう?だってネコちゃんですからね!
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