転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。 作:田中滅
「ねぇ、リムちゃん?」
「どうしたんだ?ネコちゃん」
ヴェルドラとの別れから数十日。新たな友と名前を得たネコリアは、リムルと洞窟を彷徨っていた
「ヴェルちゃんとの別れから何日も経つのに、あたしたちが洞窟に居るのは、どうしてなのかなぁ?」
外に出ることを決意したからには直ぐに陽の光を浴びるつもりでいたネコリアは、最もな疑問をリムルに打つける
「仕方ないだろ。ネコちゃんは兎も角、俺はまだ生まれたばかりなんだぞ?スキルを出来るだけ、増やしておかないと」
「ふぅん?そういうもんなんだ。ってか、リムちゃんさ、普通に喋れたのね」
「これもスキルを利用してるんだよ。《超音波》って分かるか?」
ネコリアは生まれ変わってから三百年、それなりにスキルを得ているがリムルは違う。生まれ変わってからの日が浅く、自身の戦闘力に関しても低レベルなのだ。故に彼はスキルを得て、強くなる為に洞窟内で修行をしていたのである
「超女?なに?リムちゃん、そんな姿になっても女好きな訳ェ?エッチなスライムね、ホントに」
「エッチじゃないやいっ!超音波だよ!超音波!蝙蝠とかイルカが使うヤツ!」
「ああ、アレか。なるほどね、納得したわ」
既に恒例、御約束と化したネコリアのリムル弄りは流れるように行われ、暫くすると洞窟の奥に灯りが差し込んできた
「あら、扉。デカいわね」
「ネコちゃんが言うと何でも卑猥に聞こえるんだが……」
「知らないの?ネコはね、発情期が頻繁に来るのよ。つまりは生まれながらにエッチな生物なのよ」
「開き直り過ぎじゃね!?」
扉を前に軽く戯れ合う二匹。その姿はゼラチンを遊び道具に戯れる可愛らしいネコそのものであるが、二匹は妖怪と魔物である
「ふぅ、やっと開きやしたぜ。鍵穴まで錆びついちまってんだから」
「まぁ仕方ないさ。300年も手入れもされず、誰も入ったことないんだろ?」
「でも封印の洞窟を調査しろだなんて、ギルドマスターも無茶ぶりよねぇ」
刹那、扉が開く。現れたのは二人の中年男性と若い少女、一見すると洞窟には削ぐわない組み合わせだ
「ネコちゃん。あれは冒険者か?」
「男二人に女の子一人………間違いないわ、援助交際ね。あたしが人間だった頃に何度か経験したお小遣い稼ぎの仕方よ、アレは」
「ネコちゃんの人生はどうなってんのっ!?」
「大丈夫よ、やってたのは10歳くらいの時だから」
「何も大丈夫じゃないぞっ!?」
「それではお二人とも、あっしの近くに。隠密
鋭いリムルとは裏腹に的外れな解答を返すネコリア。すると三人組の一人であるバンダナの男性が何かを言ったかと思えば、三人は姿を消した
「き、消えた?」
「なるほど、これから洞窟の奥でしっぽりするのね。邪魔しちゃダメよ?リムちゃん」
「ネコちゃんは黙ってなさい。さてとあいつらは何処に………ん?ネコちゃん?」
彼等を追おうとスキルを使用し、その行方を探るリムルはスキル《大賢者》とは違うもう一匹の相棒に呼び掛けるが返答が無い。それもその筈だ
「うわっ……太陽って眩しいのね」
「って!話聞けよっ!?」
我が道を行く彼女、ネコリアは既に洞窟の外に出ていた。猫又に転生したが故の性、将又、彼女の持って生まれた自由さであるかの何方かは分からないが、リムルにはこれだけは理解できた
(この子とやっていけるんだろうか………)
「第一村人はっけ〜〜ん!」
考え事をしていたリムルを現実に引き戻したのは、ネコリアの能天気な声。ふと疑問に思い、体の一部でクエスチョンマークを作る
「えっ?村人?」
「ほら、居るじゃない。あの木のとこに緑色の皮膚をした人が」
「緑色…?」
視線と前足に誘導され、木の影に視界を動かす。其処にはボロ布の服に、錆びた剣やボロボロの防具の緑色の魔物が立っていた
「いやアレ、ゴブリン!!!魔物だよっ!村人じゃないっ!」
「ゴブリン?なによそれ、可愛い名前ね。まぁ、あたしの可愛いさには敵わないし、届かないけどっ!」
「何を張り合ってんのっ!?」
こうして、二匹は第一村人ならぬ第一魔物に出会った。その時のことを後にゴブリンの一体は、こう感じたという
(本当ニ強キ者タチ………ナノダロウカ…?)
然し、この出会いは後に名を轟かせるある国の始まりの瞬間であったのを今はまだ……誰も知らない
ゴブリンと出会うネコリアとリムル、そして二匹は村に招かれることになるが……
ネコリアの真骨頂 実はエッチなところがある
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