転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の見所、ネコちゃんが更に可愛い!以上!



第六話 一肌脱いじゃう?エッチな意味じゃないよ

「皆、牙狼族にやられた者です……。出来る限りの手は尽くしたのですが……」

 

リムルが案内されたのは、診療所と呼ぶには簡素な造りをした家屋。床に敷かれた茣蓙の上に寝かされたゴブリン達の傷は深く、中には死が近い者までも居る

 

(ふむ……ちょっと試してみるか。大賢者)

 

『解。ヒポクテ草と魔素を混ぜ合わせ、回復薬を生成可能です。生成しますか?』

 

(答えはイエスだ)

 

体内で回復薬を生成したリムルは横たわる一体のゴブリンを体全体で覆っていく。その突飛な行動に驚く村長であったが、次の瞬間だった

 

「こ……これは……」

 

吐き出されたゴブリンの体から全ての傷が消えていたのだ。順々にゴブリンを捕食しては吐き出し、という行動を続けていくリムル。やがて、治療所の中に居た全てのゴブリンから傷が消え、怪我人は完全にいなくなっていた

 

「さてと……ネコちゃんは上手くやってるかな」

 

「良い?先ずは相手に舐められない事が大切よ。取り敢えず、体に良い物を食べなきゃダメよ。お魚とかに含まれるD……DOSが良いのよ」

 

「さすがはネコリア様!博識ですね」

 

「タメになります!」

 

「………何してるのかな?チミは」

 

治療所を出て、防衛策を検討しているネコリアの元に向かったリムルは女性ゴブリンに囲まれ、ドヤ顔で御満悦気味の親友を見つける

 

「あら、リムちゃん。今ね、この子たちにお魚の有り難みを教えてたのよ、それとDOSの重要性もね」

 

「それを言うならDHAな。というか!頼んどいた防衛策はどうしたんだよっ!」

 

「防衛策………ああ、アレね。終わってるわよ?うん、終わってるわ!多分!」

 

「忘れてたよねっ!?絶対!」

 

「ソンナコトナイワヨー」

 

明らかに目を逸らし、棒読み感が半端ではない相槌を返す彼女に、些かの不安が否めないリムルであったが防衛策の一環を作っている街外れに訪れた彼の前にある物が映り込む

 

「こ、これは……!」

 

「あっ、リムル様。ネコリア様からの御命令で「柵」を作ってみました」

 

「「柵」か、なるほどな。確かに防衛策としては無難だな」

 

「そうでしょ?実はかしこいのよ、あたし。更に可愛い……これはもう、最強よね!」

 

「でも忘れっぽいし、バカじゃん」

 

「エッチなスライムには言われたくない」

 

「エッチじゃないやいっ!………こほん、それじゃあ、一応安全策を施しておくか」

 

そう言うとリムルは体からスキル《粘糸》を生成し、柵全体に張り巡らせる。準備が整った頃、日が沈み、周辺一体を暗闇が支配し、夜の森を照らすのは月明かりのみとなった時間帯。其れは姿を現した

 

「そこで止まれ!このまま引き返すなら何もしないが、引き返さないなら容赦はしないぞ!」

 

「あたしの可愛さの前に平伏しなさいっ!にゃーっはっはっはっ!」

 

「ネコちゃん!大事な場面だから、ふざけるのは良しなさいっ!」

 

「あたしはネコよ、ふざけたい時にふざけるのが仕事なの」

 

「変な屁理屈をこねないっ!」

 

敵を前にしても物怖じしようとしないネコリアのマイペースさにリムルは突っ込みを放つも、そのぶれない姿勢には目を見張る物があるのも事実だ

 

『オヤジ殿っ!あの者たちです、例の……』

 

『お前が見たと言う異様な妖気(オーラ)を纏う魔物とやらか?くだらん!たかだかスライムと我等よりも下等な猫ではないか』

 

「その甘い認識……後悔することになるわよ?」

 

牙狼族の長が息子の戯言を鼻で笑い、村に攻め入ろうと速度を上昇させようとした時だった。目の前に寝そべっていたネコリアの声が頭に響いた

 

『何だ、貴様!我等の意識に直接語り掛けているのかっ!』

 

「そうよ、あたしのスキル《心理意識》でね。まぁ?このまま引き下がるなら、あたしとリムちゃんは手を下さないけど」

 

『ぬかせっ!猫風情がっ!』

 

猫風情、そう相手は一匹の猫と取るに足らないスライム。牙狼族であれば、一瞬で葬り去れる程に弱く脆い下等な種族、自分たちの爪と牙されあれば、と高を括っていた

 

『『ギャンッ!?』』

 

『バカなっ!?一体、何が起こったと……っ!何だ?これはっ!?』

 

叫び声にも似た鳴き声と共に切り刻まれる配下に牙狼族の長が声を上げ、柵の前に何かが張り巡らされている事に気付いた

 

「あの糸はさっきの!?」

 

「あれは「粘糸」だ、柵の前に張り巡らせたのは「鋼糸」と言う別物だ」

 

「さすがはリムちゃんね。抜け目がなくてしっかり者だわ」

 

「そうでしょ、そうでしょ」

 

「エッチだけど」

 

「うんうん……って!エッチじゃないやいっ!」

 

更に正面の柵に気を取られている隙に、ネコリアの策で弓を引き待機していたゴブリンたちが一斉に矢を放つ

 

『…認めぬ、我等は誇り高き牙狼族!下等種に、ましてや猫如きに敗北する等、あり得ん!』

 

「あら、知らないの?あり得ないことはあり得ないのよ。それにね……」

 

ネコリアを目掛け飛び掛かる長であったが、彼女の魔性の笑みは既にその行く末を暗示していた

 

「あたしを猫如きとか言うんじゃないわよ!どっから見ても可愛いネコちゃんでしょうがっ!!!」

 

「いや、怒るポイントおかしくないっ!?まぁ、俺の親友をバカにした報いだ。「粘糸」に囚われて身動きが取れないだろ?じゃあな」

 

御立腹なネコリアに突っ込みを入れつつ、スキル《水刃》で長の首を刎ねるリムル。長を失い、動きを止める牙狼族に二匹は向き直る

 

「牙狼族よ!お前たちのボスは死んだ!選択をさせてやる!服従か死か!」

 

そう宣言するリムルであったが、牙狼族は誰も口を開こうとせず、動く素振りも見せない

 

「リムちゃん…………ドンマイ♪」

 

「励ましいらんわっ!!!」

 

「仕方ないわね、無視されてるリムちゃんに代わってあたしが聞いてあげるわ。親友の為に一肌脱ぐあたし………可愛いわねっ!」

 

「ホントにぶれねぇな!?」

 

「あっ、一肌脱ぐって言うのはエッチな意味じゃないわよ?」

 

「分かっとるわいっ!まぁ……ネコちゃんだけだと心配だし、俺も…アレがいいな」

 

何かをやらかしそうな心配しかないネコリアを案じ、自分にも出来る事がないかと探していたリムルは転がっていた長の亡骸を見つけ、ユニークスキル《捕食者》で喰らい、解析から擬態、流れるように姿を巨大な牙狼族に姿を変化させる

 

「そうねぇ……今回だけ(・・・・)は見逃してあげるわ。でも次はないから……そのつもりでいるのよ」

 

「我が友の慈悲深さをありがたく思うが良い!早々に、この場より立ち去れっ!」

 

優しく情けをかけるネコリアの隣で、彼女を褒め称え高らかに咆哮を上げるリムル。すると、動きを見せなかった牙狼族が動いた

 

「「「我ら一同、貴方様方に従います!」」」

 

かくして、二匹の魔物は牙狼族と言う新たな配下を得たのであった




牙狼族を配下に加えたネコリアとリムル、大所帯となったからには名前が必要で………

ネコリアの真骨頂その3 実は慈悲深い

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