転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今日の見所、ネコちゃんも可愛いし、お気に入り登録急上昇中!


第九話 お昼寝してたら、旅行先に着いちゃってた

「ネコリア様!夕飯の時間だっ!」

 

「あら、そんな時間?……んにゃぁ〜」

 

元気良く名を呼ばれ、目を覚ましたネコリアは夕飯の串肉に齧り付く。現在、彼女は、リムルとリグルたちとドワーフの国に向かっている。リムルはリグルたちと道中で様々な話をしていたが、長旅に慣れていないネコリアは狼姿のエンカの背で静かに寝息を立てており、ようやく話に参加した

 

「ネコちゃん。やっと起きたのか」

 

「ネコは寝るのが仕事なのよ」

 

「だからって、寝過ぎっすよ。出発から今まで寝てたじゃないっすか」

 

「ゴブタ。アンタの朝御飯はあたしが食べるわね」

 

「なんでっすかっ!?」

 

「そういえば、今は何の話をしてたの?」

 

リムルの次に弄りやすいゴブタを軽く弄りつつ、自分が寝ている間の話題が気になり、エンカに問う

 

「ゴブタにドワーフの国のことを教えてもらいました!えっと……どわ……どわ……ドワル?なんだっけ?アニサマ」

 

「ドワルゴンだ、妹よ」

 

「そう!ドワルゴン!」

 

「ドワルゴンは天然の大洞窟を改造した美しい都っすよ。ドワーフだけでなく、エルフや人間も多いことで有名っす」

 

(エルフ……)

 

「考えてることがダダ漏れよ?リムちゃん。エッチなスライムね」

 

「エッチじゃないやいっ!」

 

エルフの単語を聞いた瞬間、何かを想像するリムルの思考を先読みしたネコリアが決まり文句を放つと、これまた決まり文句でリムルが言い返す

 

「でも、ドワルゴンにあたしたちが入って大丈夫なの?あたしは可愛から問題ないけど」

 

「その心配はいりません、ネコリア様。ドワルゴンは中立の自由貿易都市。王国内の争いは、王の名に於いて禁じられています」

 

「なら、大丈夫ね」

 

(エルフ……)

 

「リムちゃんは、まだエッチなことを考えてるのね」

 

「……はっ!聞いてたよっ!?えっと!アレだよなっ!王様がすごいから、争いは禁止って話だよなっ!」

 

「さすがはリムル様。聞いていないように見えましたが聞いておられたんですね」

 

「と、当然じゃないか……リグル君」

 

エルフの事を想像し、話半分であったリムル。しかしながら話の内容は正解だったらしく、安堵感を覚えるがネコリアの視線は冷めていた

 

「ネコリア様?どうしたんですか?リムル様を見つめてますけど」

 

「何でもないわよ〜。エンちゃんは気にしなくていいのよ〜」

 

「はい!ネコリア様が言うなら気にしませんっ!」

 

(ば、バレてるゥゥゥゥ!!!)

 

完全に思考を読まれている事にリムルは心中で叫びを挙げる

 

「にしても王様の力、すごいわね」

 

「噂では、この千年間ドワーフ王が率いる軍は不敗を誇っているとか」

 

「千年…!?ネコちゃん、何歳だっけ?」

 

「三百歳………って!女性に年齢を気安く聞くんじゃないわよっ!」

 

「ご、ごめんなさい!もう言いませんっ!」

 

「へぇ、意外とババアなんっすね。ネコリア様って」

 

「グルちゃん?ゴブタはここに置き去りね」

 

「いやァァァァァァ!オイラが悪かったっす!許してください!ネコリア様ァァァ!!!」

 

年齢を指摘されたネコリアはリムルとゴブタに怒気を向け、その威圧感に二人は謝罪を述べ、彼等は今後、ネコリアの前で年齢の話題は避けるという誓いを立てたのは言うまでもない

 

「楽しみね〜、ドワルゴン」

 

「もうすぐだっ!ネコリア様!」

 

「あらもう?まだ三日よ?」

 

「言っただろ?アタイたちは速いって、このくらいは牙を磨くよりも簡単だぞっ!」

 

「すごいわね、エンちゃんは。言葉の意味はよく分からないけど」

 

村から出発して三日後、ネコリアたちの前に大山脈が姿を現す。そう、彼女達は徒歩で二ヶ月は掛かる距離を三日で走破し、武装国家ドワルゴンに辿り着いたのだ

 

「さて、中に入るメンバーだが……今回は俺と案内役のゴブタだけで行こうと思う」

 

「わ、我々は留守番ですか……?」

 

「仕方ないだろ?悪目立ちすると、何かと動き難いんだから」

 

「エンちゃんはあたしに付いてくるのよ?人型で」

 

「任せろっ!ネコリア様っ!」

 

護衛役のエンカが人型に変化すると、彼女の頭に飛び乗るネコリア。すると意外そうな表情でリムルが彼女を見た

 

「……えっ?ネコちゃんも来るの?」

 

「あら、あたしが行くと不都合でも?リムちゃん」

 

「そ………ソンナコトナイヨー」

 

棒読みで返事を返すリムルの心中をある程度は理解しているネコリアは、くすりと笑い、ふりふりと鍵尻尾を揺らす。その後、入国審査の列に並び、順番を待っていると、ぴこぴことネコリアの耳が動いた

 

「どうしんですか?ネコリア様ー」

 

「ん〜……ちょっと、やっかいごとの気配がね」

 

「やっかいごと……あっ!」

 

ネコリアの言葉で、周辺を見渡していたエンカはある光景を捉えた。其れはもう一匹の主人であるリムルが冒険者に絡まれてれいる姿だ

 

「助けた方がいいですか?あれって」

 

「良い?エンちゃん。こう言う時は見守るのが優しさよ♪」

 

「なるほど…!さすがはネコリア様だなっ!」

 

今から起こるであろう厄介事を避ける為に、リムルとゴブタを斬り捨てるという薄情極まりない行為に及びながらも、あくまでも自分は悪くないという事をネコリアはエンカに刷り込む

 

「あっ、警備隊に連れてかれた」

 

「大変ね」

 

「その割に慌ててないんだけど……ネコリア様……」

 

「気にしない、気にしなーい」

 

騒ぎの中心となったリムルがゴブタと共に警備隊に連行されるのを見送り、国に入ろうとするネコリアだったが、さすがに気にしすぎないのもどうかと思い、警備隊を訪ねる

 

「あら?お出掛けかしら」

 

慌てた様子で出ていく警備隊に、ネコリアが呑気に呟く

 

「くんくん……あの樽から、リムル様の匂いがするっ!」

 

嵐狼女であるエンカの嗅覚は常人の倍以上はある為に僅かな匂いも逃さない。しかし、ネコリアの耳も、決して逃さない

 

「でも気配は中にあるわね。じゃあ、アレは回復薬……リムちゃんはこっちみたいね」

 

中から聞こえた物音に誘われるようにネコリアとエンカは足を踏み入れる

 

「あっ、ネコちゃん!さっきはよくも見捨ててくれたなっ!この年増ネコっ!」

 

「ひどいっすよ!ババアっ!」

 

元気そうな二人が自分たちを見捨てたネコリアに暴言を吐き捨てる

 

「エンちゃん?二人は出たくないみたいだから、鍛冶屋さんを探しに行くわよ」

 

「えっ……は、はい」

 

刹那、にっこりと笑いながらも明らかに怒り心頭のネコリアは戸惑い気味のエンカと牢屋を後にしようとする

 

「「すいませんっ!出してくださいっ!ネコリア様っ!!!」」

 

「解ればよろしい。でも、リムちゃん?出る為の準備は出来てるんじゃない?」

 

「どういうことだ?ネコリア様」

 

「うっ……鋭いな。まあ直ぐに分かるよ」

 

ネコリアの指摘、その意味が分からないエンカは首を傾げる。だが其れは、リムルの言葉通りに直ぐに理解出来た

 

「助かった!ありがとう!!」

 

一時間後、警備隊長のカイドウが数人のドワーフを連れて、戻って来たのだ。理由は不明だがリムルに頭を下げているのを見ると、彼に感謝しているようだ

 

「感謝しなさいよね。これも全てはあたしが可愛いからよっ!」

 

「うんうん、そうだ………って!ネコちゃんは何もしてないだろっ!?」

 

「ケチくさいわねー」

 

「ネコリア様が可愛いのは当たり前だぞっ!」

 

「エンカも黙ってなさいっ!」

 

手柄を横取りしようとするネコリア、揺らがない忠誠心を見せるエンカ、両名にリムルの突っ込みが飛ぶ

 

「俺に出来ることがあるなら、何でも言ってくれ。回復薬をくれた御礼がしたいんだ」

 

「じゃあ、鍛冶屋を紹介してくれないか?」

 

「あたしはお魚屋さんが良いわ」

 

「すまん、カイドウさん。ネコちゃんは無視してくれるとありがたい」

 

「お、おう……」

 

鍛冶屋を紹介してもらう伝を得たリムルは便乗しようとするネコリアを無視するように促し、カイドウも苦笑気味に応じる

 

「ね、ネコが喋ってる………可愛いなぁ……」

 

そして、自由気ままの象徴であるネコリアを見守る少女が一人。物陰に潜む彼女に気付く者は誰もいない

 

「ねェ?今誰か、可愛いって言った?」

 

「言ってない」

 

「アタイは言ってないけど、思ってます!」

 

「エンちゃんはホントに素直ね〜」

 

「でもババアっすよね」

 

「カイドウちゃんだっけ?このゴブリンは二、三日くらい出さなくていいわよ」

 

「すいません!ネコリア様!オイラが悪かったっす!!!」

 

かくして、リムルとネコリアは鍛冶屋を訪ねることになったのであった




遂に職人に会える!あら?でも、一人だけ職人には見えない女の子が……えっ?ネコリアの可愛さの虜になった?当然だよねっ!

ネコリアの真骨頂その5 実は年齢を気にしてる

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