転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。 作:田中滅
第十六話 襲撃者はオーガ?でも可愛さに一点の淀みナッシング♪
「それにしても、人型のアネキは猫の時と雰囲気が違って見えるな。可愛いのに変わりはねぇんだけどさ」
「ネコリア様の御姿の前では、誰もがその愛らしさに言葉を失いますわ。このスイヒョウも、溢れ出る独占欲を抑えるので精一杯ですわ」
「どくせんよく……ってなんだ?スイヒョウは相変わらず、難しい言葉を使ってて、回りくどいな。アタイは何方のネコリア様も大好きだぞっ!」
「ふふっ、褒めてくれてありがとね♪」
配下三人からの褒め言葉に気を良くしたネコリアは、くすりと笑みを溢す。その姿は人型であるが故に猫又の時とは異なった雰囲気があり、遥かに大人びている
「もう、猫の姿にはならねぇのか?」
「気分次第ね。今後は魔素の消費具合によっては、使い分けたりとかもしていくつもりよ」
「其れを聞いて安心しました。まぁ、私は何方のネコリア様もお慕い申し上げていますけどねっ!」
「アタイのマネっこするなっ!」
「真似?はんっ……エンカ、こういうのは言ったもの勝ちよ」
「ウチは人型かなぁ……猫の姿が嫌いって訳じゃねぇんだけどさ。人の姿なら、ウチが作った装備を着てもらえるだろ?」
「にゃるほど、一理あるわね。エンちゃんとスイちゃんは仲良くしなさい」
カイリンの意見に同意を示しながらも、戯れ合うエンカとスイヒョウを咎める姿は正に主人と呼ぶに相応しい。すると其処に足音が近付くのを、察知したネコリアの耳がぴこぴこと動く
「よっ、前にも増して賑やかだな。ネコちゃんの周りは」
「リムちゃん………今日は服を着てるのね♪」
「俺が何時も裸みたいな言い方はやめてくんないっ!?」
ランガに跨り、姿を見せたリムルは服を着ている事をネコリアに指摘されると即座に突っ込みを放つ
「それで?どうしたのよ」
「ああ、人に擬態出来るようになっただろ?だからさ、今日からは皆と一緒に飯を食おうと思ってさ」
「にゃるほどね。スライムの時は味覚が無くても、人の姿なら食べれるものね」
疑問に対し、リムルが答えを返すとネコリアは頷くと同時に鋭い指摘を放つ
「さっすがはネコちゃん。話が分かるな」
「良い女は話せるのよ」
「いや、ネコちゃんは猫又だからメスじゃないか?」
「引きちぎるわよ」
「なにをっ!?」
同意からの謎の文句にリムルの突っ込みが冴え渡る。其処に更なる足音が近付く
「ネコリア様!其れにリムル様も!」
「周辺警備兼食糧調達お疲れさま〜♪グルちゃん。今日からはリムちゃんも食べるみたいだから、とびっきりのをお願いね」
「なんとっ!お任せください!」
リムルも食べると聞き、リグルは嬉しそうに胸を叩く。するとゴブタが二人の方に近付き、ある部分に視線を落とす
「へ〜、リムル様も食べるっすか。今日は」
「おうよ!なんせ、この体には味覚があるからな!」
「いっぱい食べたら、おっぱいも育つっすかね?ネコリア様みたいなババアは手遅れかもしれないっすけど----げふうっ!?」
リムルへのセクハラ?発言とネコリアへの禁句を放った瞬間、両側から蹴りが放たれ、盛大にゴブタは吹っ飛ぶ
「スイヒョウ……このバカを捨ててきなさい」
「お任せください。牛鹿辺りの餌にしますわ」
「スイヒョウさんっ!?ネコリア様!お許しをォォォォォ!!!」
「グルちゃん。警戒は怠らないようにね?こっちの方に近付く大きめの
「承知しました」
森に入るリグルと別れ、ネコリアは洞窟に向かうリムルに誘われるが「用事がある」と断り、仙術の修行の為に定位置である場所で座す
流れゆく自然エネルギーと体内の魔素を組み合わせ、高密度の力に昇華する為の修行。彼女はこの修行を欠かしたことがない、いわば習慣とも呼べる日常の一部である
何時間の時が流れただろう、混ざり合う二つの力が《仙術》に更なる磨きを与えている……と感じ始めた瞬間、《千里眼》が何かを捉えた
「森の中みたいね……それにこの気配は…」
『ネコリア様!スイヒョウです!リグル達の部隊が襲撃を受けているとの報告がっ!』
気配を探るネコリアの頭に、スイヒョウの声が響く。スキル《心理意識》による思念伝達だ、通常は保有者のネコリアが他者に語りかける為のスキルだが彼女が名付けを行なった配下であれば、逆も可能である
「分かったわ、あたしも直ぐに向かうから。スイちゃんはリムちゃんに連絡を」
『ご安心を!リムル様の元には既にエンカを向かわせております!』
「仕事の出来る良い娘ね!」
有能さを見せるスイヒョウを労い、気配を感じる方に駆けるネコリア。その速度は猫状態に匹敵する程の速さで、数秒もしない内に目的地まで辿り着く
「それで?これはどういう騒ぎかしら?ゴブタがまた何かをやらかしたの?」
「オイラがやらかした前提っ!?見てくださいっす!刺されたんっすよっ!!!」
「擦り傷よ。塩でも塗れば治るわ」
「余計に痛くなるヤツじゃないっすか!!!」
「すまん!遅れた。取り敢えず、回復薬だ」
ネコリアの冗談にゴブタが突っ込みを入れていると、遅れてきたリムルが傷を負った警備隊の面々に生成した回復薬を掛ける
「ネコリア様!リムル様!アニサマからの伝達によると、相手はオーガだっ!」
「オーガ………苗字?」
「オーガ、漢字だと大鬼だよ。俺の知識あるのとは、随分と雰囲気が違うけどな」
「ふぅん?なら、大義名分は揃ってるわね……このあたしの町に手を出した罪は重いわよ」
「待て待て、ここは話し合うべきだ」
目の前に佇む七人の見慣れない魔物、オーガと呼ばれた種族に明確な敵意を放つネコリアをリムルが咎める
「正体を現せ!邪悪な魔人どもめ!」
「………は?」
「魔人?誰が見ても可愛いネコちゃんでしょうがっ!!!」
「そうだ、俺も愛くるしいスライムだ」
「エッチなが付くけど」
「エッチちゃうわっ!!!」
「ふんっ……その様な茶番で、油断を誘おうとしても無駄だ。その溢れ出る
((定番のやり取りが茶番扱いされたっ!!!))
魔人と呼ばれ、定番のやり取りを交えた挨拶をする二人。しかしオーガに茶番扱いされ、戦慄にも似た衝撃を受ける
「エンちゃんはランガちゃんとあの桃色の髪をした女の子をお願い」
「分かった!アニサマ!」
「おおっ!我が妹よっ!」
「リムちゃんは誰と踊る?あたしは個人的にあの一番強そうなのとヤリたいわ」
「却下。ネコちゃんは紫髪の女と金髪の女を頼むよ」
「むぅ……仕方ないわね」
首領格に挑む事を申し出るネコリアだが、リムルに却下され、その背後に佇む二人の女性の前に移動する
「下がガラ空きよ♪」
(速いっ!!)
(いつの間にっ!!!)
「仙法・
ぱんっ、と両手を打ち鳴らした瞬間に目眩しの花吹雪が舞う。突然の現象に二人は周囲を見回す
「くっ……正々堂々と戦え!卑怯者がっ!」
「卑怯?策略と言ってもらいたいわね。仙法・
「姉上っ!よくもっ!やはり、魔人は信用出来ないっ!たかが、豚頭族ごときに………我々、オーガが敗れる等、ある筈がない……それも全ては貴様等の!魔人の入れ知恵なのだろうっ!」
「はぁ?」
金髪の女を木の蔓で拘束した瞬間、紫髪の女が叫ぶように明確な敵意を向けるが、彼女の言い分に身に覚えがないネコリアは、こてん、と首を傾げる
「さっきから魔人とか言ってるけど何の話?あたしは見ての通り、猫又よ。あとそっちで巨大な火の玉を出してるのは相棒のエッチなスライムよ」
「「火の玉…………デッカッ!?」」
「………凄まじいな。悲しいが、我らでは、貴様らには遠く及ばぬようだ。だが、俺には、次期頭領として育てられた誇りがある!無念に散った同胞の無念を晴らさずして、何が頭領か!叶わぬまでも、一矢報いてくれるわ!」
「若………。それでは、ワシもお供致しましょうぞ!」
「若君!私もお供いたしま………解けぇぇぇぇ!!!」
「姉上ェェェ!!!」
リムルの炎を前に決意を固める若君と家老的な男、更に同調した金髪の女も参加しようとするが自分の状態を再確認した後に騒ぎ始め、妹らしき紫髪の女が駆け寄る
「お待ち下さい、お兄様!この方達は、敵では無いかもしれません!」
刹那、リムルと若君の間に割り込むようにランガとエンカを相手にしていた桃髪の少女が割って入る
「そこを退け!」
「いいえ!」
「………何故だ!?里を襲った奴と同じく、仮面をつけた魔人では無いか!お前もそう言っただろう!?」
「はい………ですが、これだけの力を持つ魔人様達が、姑息な手段を用いるでしょうか?我らの里を襲撃したオークを率いていた魔人とは明らかに異なります!」
「妹ちゃんの方が話せるみたいね?若君クン」
「それで?どうする……まだ続けるか」
その問いかけを最後に若君は刃を下ろし、リムルも火の玉を《捕食者》で捕食し、会話が出来る雰囲気が流れる
「何者なんだ、お前達は?」
「さっきから言ってるじゃない。可愛いネコちゃんのネコリアよ♪」
「俺はリムル。ただのスライムだ」
「エッチなスライムよね」
「エッチじゃないやいっ!!!」
「なっ……!」
《変幻》と《擬態》を解き、元の猫又とスライムの姿に戻る二匹。今までからは想像もつかない姿にオーガ達が驚きを見せる
「堅苦しい話は宴を交えながらにしましょうか。勿論、来てくれるわよね?」
「良いのか……?勘違いしたとはいえ、俺たちは其方の仲間に危害を咥えたんだぞ?」
「堅いことは気にしない、気にしない」
「さすがはババア!心が広いっすねー!」
「エンちゃん♪」
「わふっ!」
「ぎゃぁぁぁぁ!!!」
さらりと放たれたゴブタの言葉を聞き逃さなかったネコリアが呼び掛けると、彼の頭にエンカが齧り付く
「あのネコさん……怖いな」
「ですな……」
「だべ……」
「……怖い」
「怖いと可愛いの共存………あのネコさん、中々のツワモノと見たっ!」
「スライム様はモチモチしてますね」
「あとひんやりしてます」
男性陣がネコリアの怖さを垣間見る中、金髪の女は彼女の二面性に興味を抱き、桃髪の少女と紫髪の女はリムルに興味津々であった
大鬼族を招待し、宴を上げるネコリアとリムル。そして、彼等の事情を聞いた二人は……
ネコリアの真骨頂その12 実は怖い
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