転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の見所!ネコちゃんは口癖も可愛い!以上!


第十七話 新たな配下は最強の矛だけど、ちょっとだけ変な娘だった

「はむっ……」

 

「リムル様?お味の方はいかがでしょう」

 

宴会の席、リムルは料理担当のゴブイチが手渡した串焼きを頬張る。その姿に誰もが、ごくっ、と喉を鳴らす

 

「うんっっっまぁぁい!」

 

「わぁ〜、溜めた割に普通の感想ー。ナイワー」

 

「普通で何が悪いんだよ。ありがとな!ゴブイチ!」

 

揶揄うネコリアに突っ込みながらも、ゴブイチを労うリムル。其処からは盛大な宴が幕を開ける

酒を呑み、料理に舌鼓を打ち、騒ぎ、正に宴会と呼ぶに相応しい光景が広がっている

 

「オークがオーガに戦を仕掛けた……?ややこしいわね」

 

ネコリアはオーガの一人である金髪の女から、彼等が自分たちを魔人と呼んだ経緯についての事情を聞いていた

 

「確かに名前はややこしいですが、姿形は異なります。オーガがゴブリンと同じ鬼と呼ばれる種族の系譜であるのに対し、オークは豚が理性を得た種族なのです」

 

「にゃるほど。スイちゃんは説明が上手ね」

 

「でもよ、信じられねぇぜ。オーガとオークじゃ釣り合いが取れてねぇだろ、仮にも格下の種族が戦闘に特化した種族を攻めるなんてのは、魔王に挑むのとおんなじくらいに無茶だ」

 

スイヒョウからの説明に頷くネコリアの隣で、カイリンは半信半疑の様子で意見を述べる

 

「それでも事実、奴らは来た。私たちの里を襲撃し、蹂躙した挙句、私の畑までも食い散らかした……くっ!もう少し、早くに気付いていれば、あのような奴等は焼豚にしてやったというのにっ!」

 

「ネコリア様、ネコリア様。ちょっと変な魔物だぞ?この金髪」

 

「エンちゃん。指を差しちゃダメよ?其れに変なのは、リムちゃんで慣れてるわ」

 

「ネコちゃんにだけは言われたくない」

 

「あら、居たの」

 

「さっきから居ましたけどっ!?」

 

如何なる時でも、相棒弄りを忘れないネコリアと突っ込みを放つリムル。オーガ達はこの二人が先程の妖気(オーラ)の持ち主と同一人物であることに未だに驚きを隠せないでいた

 

「それにしても、お前の妹はすごいな。薬草や香草に詳しくて、あっという間にゴブリナ達と仲良くなった」

 

「うちのゴブリナちゃんたちはスイちゃん以外は割と控えめな子が多いのに、妹ちゃんの側では和気藹々としてるわね」

 

「なんと!お褒めの言葉!恐れ入りますわ、ネコリア様」

 

「褒めてないのよ?スイちゃん。今のは皮肉」

 

「肉があるのかっ!?」

 

「エンちゃん?皮肉は嫌味のことだから、本当のお肉じゃないのよ」

 

矢継ぎ早に安定感ある惚け振りを披露する配下二人にネコリアのやんわりとした突っ込みが飛ぶ

 

「……箱入りだったからな。頼られるのが嬉しいんだろう」

 

「姫様は昔から世話焼きだったからな……おいコラァ!妹ォォォ!私の肉を喰うなァァァ!!!」

 

「ふふんっ!甘いですよっ!姉上!食卓は戦場なのですっ!!!」

 

「すまん、アイツらは放置してくれ」

 

会話の途中に肉の取り合いを始める姉妹を放置し、他の面々は会話を続ける

 

「それで?アナタ達はこれから、どうするの?」

 

「どうする……とは?ネコリア殿」

 

「勿論、今後の方針よ」

 

「そうだな、ネコちゃんの言う通りだ。再起を図るにせよ、他の地に移り住むにせよ、仲間の命運は、お前の采配にかかってるんだろ?」

 

「………知れたこと、力を蓄え、再度挑むまで」

 

「にゃるほど。さては何にも考えてないわね?アンタ」

 

その指摘は正しかったらしく、若君はネコリアから視線を外すように視線を横に動かす

 

「じゃあ、提案だ。お前たち全員、部下になる気はあるか?」

 

「…………は?」

 

唐突な提案に若君は素っ頓狂な声を挙げる。しかし、リムルの瞳に嘘偽りは無く、一点の淀みも無い

 

「部下と言っても、あたし達が対価に支払うのは衣・食・住の保障くらいだけね。それでも何の考えも無しに突っ走るよりは有意義な提案なんじゃない?」

 

「確かにそうだが……それでは、この街を俺たちの復讐に巻き込む事に………」

 

「別にお前たちのためだけって訳じゃないさ。数千の、しかも武装したオークが攻めてきたんだろ?誰が見ても異常事態だ」

 

「その異常事態の対策として、戦力が必要なのは何方も同じ……だったら、この提案に乗っかるのが妥当だと思わない?」

 

「………なるほど、理に適っているな。すまないが、考える時間をくれないか?」

 

「いいわよ〜」

 

軽く手を振り、去っていくネコリアとリムルを見送ると若君は森の中に入り、考え込むように遠くを見詰める

 

「……悪い話ではない。決めるのは、お前自身だ」

 

「私たちの意志は一つだ。若の意見が我等の意志、お前がやりたい様にやればいい」

 

幼馴染である二人の言葉に、若君は受けた屈辱を悔しく思い、歯噛みする。その想いを受け止めてくれる心の広い強き者、彼の心は決まっていた

 

 

 

 

 

 

 

 

「心は決まったみたいね」

 

「聞かせてもらえるか?お前の決意を」

 

翌日、覚悟を決めた若君はリムルの天幕を訪れる。何かを察していたネコリアも同席し、その意志を問う

 

「オーガの一族は戦闘種族だ。人に仕え、戦場を駆ける事に抵抗はない。主が強者なら、尚の事喜んで仕えよう………昨夜の申し出、承りました。御二方の配下に、加わらせて頂きます」

 

膝を付き、新たな主に忠誠を誓う。その意志を確かに受け止めた二匹は其々のスキルで人型に変化する

 

「これより、オーガたちの命は俺たちの預かりとなった。皆を呼べ」

 

「あたしたちの配下になるなら、名前がないと不便でしょう?恒例の授けの儀式を始めるわよー」

 

「勝手に恒例にすんなっ!」

 

恒例と化した名付け、若君の呼び掛けに応えた残りのオーガが集まるとリムルの前に並ぶ。そして言わずもがなであるが我関せずを貫くネコリア、すると彼女に、一つの影が近付く

 

「あら、金髪ちゃん。どうかした?」

 

その影、金髪の女はネコリアの前に跪き、帯刀していた剣を彼女の前に置く

 

「貴女様の仙術の前に私は自分が如何に力を軽んじていたかを知りました。この剣を貴女様の元で磨く許可を戴きたく存じます」

 

その瞳は真っ直ぐとネコリアを見据え、スイヒョウとエンカに名を与えた日の事が頭を過ぎる

 

「にゃっふっふっ、素直な娘は嫌いじゃないわ。良いわ、アナタにあたしの剣になる許可と、〝雷鳴(ライメイ)〟の名を、与えるわ。これからはあたしと町の為に、その剣を振いなさい」

 

「はっ!このライメイ、賜りし名に恥じぬ剣となる事を御約束致します!」




配下となり、名を与えられたオーガ達。すると彼等に進化の兆しが……

ネコリアの真骨頂その13 実は「にゃるほど」が口癖

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