転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の見所!ネコちゃんが優しくて可愛い!以上!


第十九話 失礼な態度を取られたから、書記官をけしかけちゃった

「んにゃぁ〜………なんか、騒がしいわね」

 

今日も今日とて、何時ものように目を覚ましたネコリア。ぴこぴこと耳を動かし、町の入り口付近が騒がしい事に気付く

 

「ネコリア様。御寛ぎの所、申し訳ありません。スイヒョウです」

 

「んにゃ?どうしたの〜」

 

体を起こし、手慣れた動作で《変幻》を使用し、人型になり、衣服に袖を通すネコリアに寝所の扉越しにスイヒョウが呼び掛けてきたので、問う

 

「リザードマンの使者がネコリア様に御目通願いたいとの事です」

 

「リザードマン……ああ〜、前にリムちゃんが言ってた種族ね。直ぐに行くわ」

 

「ネコリア様。私も同行致します」

 

「良いわよ〜」

 

スイヒョウを連れ、目的地に向かう道中で仙術の修行をしていたライメイが駆け寄り、同行を申し出る。それに軽いノリで許可を出し、再び歩き出す

 

「ネコちゃん。おはようさん」

 

目的地に着くと、同様の理由で呼び出されたリムルが立っていた。彼はネコリアに気付くと、軽く手を挙げ、挨拶する

 

「おはよ♪リムちゃん。それで、使者は何処にいるの?」

 

「あそこにいるトカゲみたいなのがそうみたいだ」

 

「にゃるほど………お肌ガサガサね♪」

 

「初対面で失礼な事を言うんじゃありませんっ!」

 

相も変わらず、初対面の者の肌を見ながら失礼な発言を繰り出すネコリアをリムルが母親口調で叱り付ける

すると、リザードマン達が地面に槍を突き立て、二列に別れるように並ぶと、竜の様な生物に跨ったリーダー格らしきリザードマンが姿を見せる

 

「我輩は、蜥蜴人族のガビルである。お前らも配下に加えてやろう。光栄に思うが良い!」

 

「よっ!ガビル様!」

 

「最高!」

 

「かっこいい!」

 

「いかしてる!」

 

「「はぁ?」」

 

ガビルと名乗ったリザードマンの発言に、誰もが素っ頓狂な声を挙げた

 

「我が主君に対し、何という言い種っ!畑の肥やしにしてくれるっ!」

 

「ふっふっ、我々の崇拝すべき偉大なるネコリア様に対しての暴言……許しておけませんわね」

 

「はいはい、メイちゃんもスイちゃんも落ち着きなさい。ガビルちゃんとか言ったわね?その発言の意図を聞かせてもらえるかしら?」

 

主人への失礼な言動に殺気を放つライメイ、スイヒョウを咎めながら、ネコリアはガビルに問いを投げ掛ける

 

「やれやれ、皆まで言わねば分からんか?猫っ娘よ。貴様等も聞いておるだろう?オークの侵攻のことを」

 

「聞いてるわ。オーガの里も蹂躙されたらしいわね」

 

「そこでだっ!このガビルが、貧弱なお前達を、オークの脅威より守ってやろうではないか!貧弱な……貧弱……貧弱………ワオ〜」

 

刹那、ガビルが驚きの声を挙げると同時に固まった。周囲を見回すも何処にも貧弱な者は居らず、ライメイとシオンの胸部とスイヒョウの腰回りに釘付けになる

 

「なんでしょう……今、不快な視線を感じましたわ」

 

「スイヒョウもか?私もだ。偶にリムル様が向ける視線みたいなのを感じた」

 

「にゃるほど。仲間が居たみたいよ?エッチなスライムちゃん」

 

「エッチじゃないやいっ!……と、それはさておき、ガビルだったか?」

 

「ん…なんだ、娘。吾輩に何かようか?」

 

「いや、何でこの町なんだ?」

 

娘、と呼ばれた事に難色を示しながらもリムルはガビルに問う。すると彼は鼻で笑い、呆れたように肩を竦める

 

「知れた事、聞けばここには、牙狼族を飼い慣らした者達が居るそうではないか。しからば!吾輩の配下に加えるのが、その者の未来の為であろう!」

 

「…………ネコリア様?やはり、この無礼な輩を斬る許可をいただきたく思います」

 

「お待ちなさいな、ライメイ。ネコリア様。どうか、此処はスイヒョウに奴を始末する許可を」

 

「ダメに決まってるでしょ。エンちゃん」

 

「わふっ!呼んだか?ネコリア様!」

 

またしても先走るライメイとスイヒョウを咎めつつ、ネコリアが呼び掛けると町の方からエンカが姿を見せる

 

「ランガちゃんを呼んであげて。あの人が話がしたいみたいよ」

 

「はーい!アニサマー!」

 

「呼んだか?我が妹よ」

 

「あのトカゲのオッチャンがアニサマと御話したいみたいだぞっ!」

 

「………オッチャン?吾輩はオッチャンではないぞっ!?」

 

エンカからのオッチャン扱いにガビルは突っ込みを放ち、改めてランガに向き直る

 

「………貴殿が、牙狼族の族長殿か?美しい毛並み。鋭い眼光。流石、威風堂々たる佇まい。しかし………主がスライムと猫とは、些か拍子抜けであるな」

 

「ああん?」

 

「エンちゃん?かじってあげなさい」

 

「え〜……不味そう。代わりにゴブタでもいいか?」

 

「許可♪」

 

「なんでっすか!?」

 

エンカの申し出にネコリアからの許可が出た事で、とばっちりを受けるゴブタが突っ込みを放つ

 

「どうやら、貴殿は騙されておるようだ。よかろう。この我輩が、貴殿を操る不埒者を、倒して見せようではないか!」

 

「ガビル様、かっけ〜!」

 

「見せてやって下さいよ!ガビル様!」

 

「ガビル無双を!」

 

「あっ、そ〜れ!」

 

『ガビル!ガビル!ガビル!ガビル!』

 

湧き上がるガビルコール、その様子に気の長いネコリアも我慢の限界を迎えたのか、軽くため息を吐く

 

「スイヒョウ。許可するわ、早急に対象を始末しなさい」

 

「はっ!ガビル殿でしたわね?貴殿の御相手はネコリア様が書記官、スイヒョウが致しましょう」

 

「私はっ!?」

 

「メイちゃんはスイちゃんの動きを見て、勉強しなさい。アナタの動きには無駄が多いわ」

 

「うぅ………はい……」

 

戦闘許可が下りたスイヒョウとは裏腹に、欠点を咎められたライメイは残念そうに落胆する

 

「ならば、こっちはゴブタ!お前の出番だっ!」

 

「えっ?なんで、オイラ?というか、エンカさん?そろそろ離してくれないっすかね?」

 

「わふぅ〜……仕方ないなぁ」

 

リムルからの指名に疑問を抱きつつも、頭に齧り付いたエンカを宥めたゴブタはスイヒョウと共に、ガビルの前に立つ。余談だが連日のエンカの遊び相手、シオンの手料理という二つの試練を潜り抜けたゴブタは《痛覚耐性》と《毒耐性》のスキルを獲得している

 

「何人でも構いませんぞ。恥は掻きたくないでしょうからな」

 

「スイヒョウ………丁重に扱ってあげなさい」

 

「承りました」

 

「ゴブタ!勝ったら、黒衛兵に頼んで、お前専用の武器を作ってやるよ!」

 

「仕方ないっすね〜、そこまで言われたらやる気出ちゃうっすよ」

 

其々の主人からの激励に二人の雰囲気が変わる。スイヒョウの周りが、ひんやりとした空気に包まれ、ゴブタもめらめらと妖気(オーラ)を燃やす

 

「ふっ……偉大なるドラゴンの末裔である我等、リザードマンが、ホブゴブリンやゴブリナ風情に………」

 

「仙法・氷雪華(ひょうせっか)!!!」

 

「ん………ぬおっ!?な、なんなのだっ!これはっ!?」

 

「余所見は禁物っすよー」

 

二人の実力を侮り、余裕のある態度を見せるガビルであったがスイヒョウの周囲に停滞していた空気が吹雪に変化し、視界を奪われる。その隙を見逃さなかったゴブタが背後に回り込み、短剣を首筋に振り下ろす

 

「おのれ!小癪な!」

 

「仙法・闇羅行(あんらぎょう)!!!」

 

「ぬおっ!?いつの間に日が暮れたっ!?それにホブゴブリンの方は何処に消えたっ!」

 

負け時と反撃に転ずるガビルであったが、スイヒョウがぱんっ、と両手を打ち鳴らした。刹那、視界が暗転し、闇の世界が訪れ、更にゴブタの姿も見失う

 

「視界に頼りすぎっすね。あらよっと!」

 

「ガビーンっ!?」

 

スキル《影移動》で、またしても背後に移動していたゴブタが回し蹴りを放つとガビルは完全に、物理的な意味で落ちた

 

「教えた事を忠実に実行出来てて、偉かったわね〜。スイちゃん」

 

「お褒めの言葉だけでなく、頭を撫でていただけるなんて……!私、感動でなんかもう色々と止まりませんわっ!」

 

「うん、言葉は選びなさいね?」

 

「アタイも撫でてくれだぞっ!」

 

「はいはい……」

 

「わふ〜」

 

「ついでにメイちゃんも」

 

「いえ私は、そんな!あっ……そんな……だ、ダメぇ〜」

 

(な、なんかエッチだ!)

 

(ほう……なかなか)

 

「………エンちゃん?リムちゃんとゴブタが遊んでくれるみたいよ〜」

 

「ホントかっ!」

 

「「…………いやァァァ!!!」」

 

ネコリアからの褒美に悶えるライメイの色香に頬を染め、邪な事を考えていたリムルとゴブタをエンカが追い回す

 

「………兄者。大丈夫?」

 

「痛くない?」

 

「ひ、姫様たちっ!?何故ここにっ!」

 

目を回すガビルの顔を覗き込む二匹のリザードマン、その姿に見覚えのある側近の一人が驚いたように両眼を見開く

 

「兄者を探しにきた」

 

「でも、兄者。おやすみしてる」

 

「今日の所は!このくらいで勘弁しておいてやる!」

 

「然り、これで終わりではないぞ」

 

「さっ、帰ろね〜。姫様たち〜」

 

「うん。兄者も一緒に」

 

「遊んでくれるって約束した。それと、スライムさんとネコちゃん。兄者が迷惑かけてごめんなさい」

 

側近達に連れられたガビルと妹たちは、逃げ帰るように町を退散していく

 

「おおっ……礼儀正しいな」

 

「ほら、言うじゃない。片方がちゃらんぽらんだともう片方がしっかりするって。あたしがそうね、リムちゃんがアンポンタンのスカプラチンキだから」

 

「ああ、なるほ…………って!誰がだっ!!!」

 

礼儀知らずのガビルとは裏腹に、丁寧な態度を見せた妹たちにリムルが関心を示す中、ネコリアからの唐突な罵倒に一度は納得するも即座に突っ込みを放つ

 

「さてさて、会議を始めましょうか?盟主様」

 

「はぁ……本当に喰えないヤツだよ……俺の親友ちゃんは。良い作戦を頼んだぞ?参謀ちゃん」

 

「にゃっふっふっ、任せなさい」




オークの侵攻を前に、ネコリアが立てる策とは…!

ネコリアの真骨頂その15 実は喰えない

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