転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の見所!真剣なネコちゃんも可愛い!以上!


第二十話 会議してたら、正式に依頼されちゃった

「聞こうか。ソウエイ」

 

「状況、侵攻具合を詳細に教えてね。ソウエイちゃん」

 

「はっ……20万のオーク。その本隊が、大河に沿って北上しています。そして、本隊と別動隊の動きから予想できる合流地点は…………此処から東に位置する湿地地帯です」

 

偵察に出ていた鬼人の一人、ソウエイの帰還後直ぐに開かれた対策会議。上座に座したリムル、隣に座すネコリアに報告を促され、自分が見た光景を事細やかに語る

 

「東の湿地………確か、あの辺りはリザードマンの支配領域でしたな」

 

「リグルド様の仰る通りですわ。あの付近は、古くからリザードマンが治める領土、最近は族長の子息が名前持ち(ネームド)になったと聞きました。確か……名をガビルとか……聞いた名前ですわね」

 

「スイちゃんとゴブタが倒した子ね」

 

「ああ!あの失礼な輩でしたかっ!余りにもネコリア様に失礼な物言いをする不敬者でした故、忘れておりましたわ」

 

「くっ……名前持ち(ネームド)でありながら、ネコリア様に対する暴言!あの者、次に会う時はシオンの料理を食べさせてから、畑の肥やしにしてくれるわっ!」

 

僅か前の出来事にも関わらず、ガビルの存在を記憶から抹消していたスイヒョウ。一方で、敬愛するネコリアに暴言を吐かれた屈辱から、ライメイは刀を握る手に力を込める

 

「姉上?今なんか言いました?私の料理がなんです?」

 

「…………ベニマル様とハクロウがシオンの料理を食べたがっているという話だ」

 

「なんですって!?仕方ありません!そこまで言うなら、特別に振る舞いましょう!リムル様にもっ!」

 

「「遠慮します」」

 

「ほっほっほっほっ、わしはこの干し柿があります故。此度は遠慮させていただきましょうかの」

 

「…………何故?」

 

流れるように自分の料理を振る舞う事を拒否され、シオンは疑問符を浮かべる

 

「なぁなぁ、アニサマ」

 

「どうした?我が妹よ」

 

「20万って……どのくらいだ?アタイの指じゃ数えられないぞ」

 

「ならば我と同胞の指も使うと良い」

 

「なるほど!アニサマはかしこいなっ!」

 

「エンちゃん、ランガちゃん?20万は指で数えられる数じゃないわよ」

 

「「わふっ!?」」

 

20万、という途方もない軍勢を指で数えられると思っていた狼兄妹にネコリアの突っ込みが飛び、二匹は声を揃え、驚愕する

 

「だけどよ、オークの侵攻に何の意味があんだ?」

 

「オークはそもそも、あまり知能の高い魔物じゃねぇ。この侵攻に、本能以外の目的があるってんなら、何かしら、バックの存在を疑うべきだろうな」

 

「だからそのバックかどんな奴かを聞いてんだろうがっ!話聞いてたかっ!バカオヤジっ!!!」

 

「ああんっ!?何を一丁前に会議に参加してやがんだっ!このバカ娘っ!ささっと工房に戻りやがれっ!」

 

「へっへっ〜ん、残念でしたぁ〜!ウチはアネキの専属だから自分の工房があるんだよ〜」

 

「生意気な口を聞くんじゃねぇ!」

 

「リンちゃん、それにジンちゃんも会議中に親子喧嘩はやめなさい」

 

「「すまねぇな………真似すんなっ!!!」」

 

会議そっちのけで、親子喧嘩を繰り広げるカイリンとカイジン。其れにネコリアが、ぴしゃりと、言い放ち、一度は止まりかけたが直ぐに元の状態に戻り、彼女は軽くため息を吐く

 

「でも、バックとなるとかなりの知能を持つ魔物又は魔人でしょうね。ベニマルちゃん達の里に来たとか言う仮面の魔人が怪しいわ」

 

「ゲルミュッドですか。確かに、ヤツならばオークを裏で操るのは造作もないかと」

 

「確かに……あの者からは、良からぬ妖気(オーラ)を感じた。ネコリア様やリムル様とは異なる凶々しい……まるで……」

 

「「魔王(・・)」」

 

ゲルミュッドを現す言葉をライメイが思案していると、ほぼ同時にその声は聞こえた。振り向けば、ネコリアとリムルが佇んでいた

 

「魔王が絡んでいるかどうかは、分からん。だが………オークの中に豚頭帝(オークロード)が出現した可能性は高い」

 

豚頭帝(オークロード)………リグちゃんにゴブリンキングの役職を与える前の役職も似た名前だったわね」

 

「ああ、ロードは統率者とか支配者的な意味がある。でもリグルドの場合は役職を与えただけ、オークに関しては違う……だよな?ベニマル」

 

「はい。20万の軍勢を統率する数百年に一度、オークの中から生まれる、ユニークモンスターです」

 

「出現の有無は何方にせよ、対策は立てるべきかと思われますわ。ネコリア様」

 

「そうね。となると、今後はオークロードが存在するという仮定で話を進めていきましょうか」

 

スイヒョウの進言に同意を示したネコリアが机を叩き、真剣な表情で会議の方針を決める

 

「暫しお待ちを……」

 

「にゃによ〜……せっかく、やる気になったのに〜」

 

会議が進もうとした瞬間、ソウエイが待ったを掛ける。気合い充分だったネコリアは興が削がれた事で、不貞腐れた様に口を尖らせる

 

「偵察中の分身体に、接触してきた者が居ます。リムル様とネコリア様に取り次いでもらいたいとの事。いかが致しましょう?」

 

「俺たちに?どうする……ネコちゃん」

 

「ガビちゃんみたいに変な子なら、お断りしたいわね」

 

「変………ではありませんが、大変珍しい相手でして。その………樹妖精(ドライアド)なのです」

 

樹妖精(ドライアド)!?」

 

「…………髪を乾かすやつ?」

 

「ドライヤーじゃなくて、樹妖精(ドライアド)だよっ!知らないのっ!?ネコちゃん!」

 

樹妖精(ドライアド)という聞き慣れない名前に、素っ頓狂な発言を繰り出すネコリアにリムルの突っ込みが入る

 

「し、知ってるわよ。あれよね?乾いた目のこと」

 

「ドライアイだろっ!?それはっ!!!」

 

「………お呼びしても?」

 

「ああ、呼んでくれ」

 

「はっ…」

 

知ったか振りをするネコリアに突っ込みながらも、ソウエイからの申し出に許可を下すリムル。すると、会議場の中心に蔦が伸び、固まると、一人の女性が姿を見せる

 

「魔物を統べる者と、長き時を生きる者、及びその従者たる皆様。突然の訪問をご容赦ください。私は、樹妖精のトレイニーと申します。どうぞ、お見知り置き下さい」

 

「これはご丁寧にどうも。俺はリムル=テンペストです、悪いスライムじゃありません」

 

「そうね、エッチなスライムよね。あたしはネコリア=テンペストよ。よろしく〜トレイニーちゃん」

 

「エッチじゃないやいっ!あと初対面の人にちゃん付けしないっ!」

 

「いえ、構いません。私に名前を下さった御方もその様にお呼びになりますので」

 

「ネコちゃん以外にも居るのか、そんなに失礼なヤツが」

 

「引っ掻かれたいの?リムちゃん」

 

しゃきん、と音が鳴りそうな勢いで爪を立てるネコリアは笑顔であるが瞳の奥が笑っていなかった

 

「本日は御二方に御願いがあって、参った次第です」

 

「お願い?」

 

「にゃにかしら?」

 

「リムル=テンペスト……魔物を統べる者、ネコリア=テンペスト……長き時を生きる者よ。御二方に、オークロードの討伐を依頼したいのです」

 

かくして、正式な依頼の元、リムルとネコリアのオークロード討伐は始まるのであった




正式な依頼の元、オークロードを迎え撃つ事になったリムルとネコリア。そして、協力を仰ぐ為にネコリアはライメイと共にある領域に足を踏み入れる……

ネコリアの真骨頂その16 実はボケキャラ

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