転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の見所!ネコちゃんも可愛いし、配下たちも可愛い!以上!


第二十一話 配下の涙に根負けして、本当に引き受けちゃった

「「だが断るっ!!!」」

 

「そうですか、断っ……………えっ!?引き受けてくれないんですかっ!?」

 

トレイニーからの依頼を聞くや否、速攻で喰い気味に拒否するリムルとネコリア。まさかの返事に冷静な雰囲気は何処へ消えたと言わんばかりに、トレイニーは驚愕する

 

「だって、お母さんが知らない人の言うことは聞いちゃいけませんって言ってたわ」

 

「そうだな。小さい頃から、そういう教育はされてきてるぞ」

 

「…………御二人って母親とか居たんですか……?」

 

「ん……いや、今のは忘れてくれ。冗談だ」

 

「えっ?あたしはホントの話---にゃむぐっ!?」

 

ベニマルからの問いに、我に返ったリムルは、自分とは裏腹に前世の話を語ろうとするネコリアの口を塞ぎ、トレイニーに向き直る

 

「で、トレイニーさんだったか。何故、この町に来たんだ?俺は見ての通りのスライムだし、ネコちゃんは猫又、配下もゴブリンが大半だ。助力を乞うにしても、人選ミスじゃないか?」

 

「確かに、本来であれば強き種族を頼るのが一般的でしょう。然し……既にオーガの里は壊滅、リザードマンも私の意見に耳を貸そうともしません。ならばと、この森で一番の実力者である御二方に御協力を願いに参った次第です」

 

「にゃるほど、筋は通ってるわね。じゃあ、あたしからも質問よ」

 

「はい、なんなりと」

 

リムルの問いに的確な答えを返すトレイニーに対し、ネコリアは同意を示した後に人差し指を立てる

 

「オークの中に豚頭帝(オークロード)が生まれた、って仮説は真実だと捉えてもいいのね?」

 

「勿論ですわ。樹妖精は、この森で起きた事ならば、大抵把握しております……。故に断言致しましょう……豚頭帝(オークロード)は実在致します」

 

「樹妖精様がお認めに………!」

 

「ならば、本当に………」

 

「一大事じゃねぇか!!!どうするっ!アネキ!ダンナ!」

 

「落ち着きなさい、カイリン。返事は保留にさせてもらうわ……現段階で、あたし達の優先事項は鬼人族の援護、自分から死地に赴く程の浅はかな考えは持ってないの。それでも構わない?」

 

「それが意向とあらば……私も会議に参加しても?」

 

「ああ、意見を聞かせてくれ」

 

狼狽える配下たちとは違い、冷静なネコリアはトレイニーの申し出に対する答えを保留にし、リムルは彼女の会議参加を認める

 

「さて会議を続けよう、この中でオークの目的に心当たりがあるヤツはいるか?些細なことでも構わない」

 

「………思い当たることがあります」

 

「言ってみて、シュナちゃん」

 

「はい。ソウエイ、私達の里は調査してきましたか?」

 

「はい…」

 

「その様子では………やはり、無かったのですね。」

 

「はい。同胞、オークの両勢力共にただの一つも、見当たりませんでした」

 

「………まさか」

 

衝撃的な発言に誰もが息を呑む中、ネコリアは最悪の展開を思案し、眉を顰める

 

「ネコリア様の御考え通りかと思われます。オーク共は自らの食糧を賄う為に、襲った種族、同胞の有無に関係無しに(かて)としているモノと思われます」

 

「それこそが……ユニークスキル《飢餓者(ウエルモノ)》」

 

「それは具体的にどういうスキルなんだ?トレイニーさん」

 

ユニークスキルと聞き、興味が湧いたリムルがトレイニーに問い掛けると彼女は机の上にあるポテチを口に運ぶ

 

「世に混乱を齎す災厄の魔物、オークロードが生まれながらにして保有しているスキルで、支配下にある全ての物に影響を及ぼし、イナゴの様に、周囲の物を食べ尽くす。食らった相手の力、更には能力までも取り込み、自分の糧とするのですわ。………アナタ様の捕食者と似ていますわね」

 

「確かに強力なスキルだけど……デメリットが存在するんじゃない?大いなる力には、大いなる責任が伴う……のが、この世の常識(セオリー)。違う?トレイニーちゃん」

 

「流石は長き時を生きる者、ネコリア様。確かに飢餓者には代償が存在します……満たされる事のない飢餓感、果てしない飢えを満たし、力を得る為だけに進む、彼らの王の望みのままに」

 

ネコリアの指摘に的確な答えを返すトレイニー。茶を啜り、「にゃるほど」と呟くと頭に声が響く

 

『ネコちゃん。聞こえるか?』

 

『ええ』

 

『今の話から綜合するとオークの目的は上位種族の壊滅じゃないって考えてるんだけど、ネコちゃんの答えは?』

 

『おんなじよ、話を聞く限りでは力を奪うのが一番の目的でしょうね』

 

脳内会議を終え、薄目を開けたネコリアは自らの配下たちに視線を向ける

 

「力を得る為に………一大事ですわ、それはっ!可愛らしいネコリア様も狙われる可能性があるということになりますわっ!」

 

「わふっ!?た、大変だぞっ!ネコリア様が食べられちゃうぞっ!」

 

「安心しておけ、エンカ!このライメイが居る限りはネコリア様に豚の指一本も触れさせんっ!」

 

「ライメイはバカだから信用出来ないぞっ!」

 

「なにおうっ!?」

 

「いや、お前らも上位種族だろ」

 

「「「……………はっ!!!」」

 

「バカなのかっ!!!根本的にっ!!!」

 

「…………心配するだけ無駄ね」

 

杞憂だったらしく、賑やかに騒ぐ配下たちに呆れたようにネコリアはため息を吐く

 

「リムル=テンペスト様。ネコリア=テンペスト様。改めて、オークロードの討伐を依頼します。暴風竜ヴェルドラの加護を受け、牙狼族を下し、鬼人を庇護する御二方なら、遅れを取ることはないでしょう」

 

「う〜ん………」

 

「厄介ごとはねぇ………」

 

再びの申し出にリムルも、ネコリアも言葉を濁し、考える様に唸りごえを挙げる。その時、二つの影が立ち上がる

 

「「当然ですっ!!」」

 

「うえっ………?」

 

「んにゃ?」

 

「リムル様ならば、オークロード如き、敵ではありません!」

 

「ネコリア様の御力の前ではオークロード等、無力に等しいですわっ!御足元にも及ばなくってよっ!」

 

その影の主はリムルの秘書であるシオン、ネコリアの書記官であるスイヒョウだった。二人は主人の意志関係無しに誇らしげに胸を張る

 

「うわぁ!やはり、そうですよね」

 

「ネコリア様の御力添えに感謝するが良い!」

 

「わふっ!ネコリア様は強いんだぞっ!」

 

「アネキ!戦闘衣装はウチに任せとけっ!」

 

「いや別にやるとは………にゃっ!?」

 

その発言にトレイニーだけではなく、ライメイとエンカ、カイリンまでもが便乗する。然し、配下たちとは裏腹に本人は言葉を濁し、視界を巡らせるとある光景を捉えた

 

「「「「ネコリア様〜…………」」」」

 

「うっ…………あーもうっ!分かったわよっ!引き受ければいいんでしょっ!!!」

 

うるうるとした瞳で、自分を見詰める配下たちに根負けしたネコリアは、投げやり気味ではあるがオークロード討伐を引き受けることを宣言する

 

「流石はネコリア様ですわっ!」

 

「わふっ!カッコいいぞっ!ネコリア様ー!」

 

「御立派ですっ!ネコリア様!私の忠誠は貴女様に一生涯捧げますっ!」

 

「出来る女っ!女の中の女っ!我等がアネキっ!」

 

「にゃ……にゃっーはっはっはっ!!!この可愛さの原初であるネコリア=テンペストに任せなさいっ!」

 

「良いかね?この子はすぐに調子に乗るから、褒めすぎてはいけないよ」

 

「引っ掻かれたいの?リムちゃん」

 

しゃきん、と音が鳴りそうな勢いで爪を立てるネコリアは笑顔であるが瞳の奥が笑っていなかった

 

「ネコちゃん。リザードマンと交渉してきてくれないか?」

 

「仕方ないわね、なら護衛にエンカとライメイ、ソウエイを連れて行くわよ。異論はある?」

 

「構わないぞ。頼んだ、ネコリア」

 

「ええ、任されたわ。リムル」

 

かくして、正式にオークロードを討伐を引き受けたリムルとネコリア、二人を待ち受ける最初の試練が幕を上げる




リザードマンの湿地帯を訪れたネコリア、彼女が出会ったのは幼いリザードマンの双子。果たして、彼女たちは………

ネコリアの真骨頂その17 実は配下には弱い

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