転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の見所!ネコちゃんが可愛い!そして、ライメイの初陣!!!以上!


第二十三話 オーク前線接近中?止めてみせよう!我が剣で!

「んにゃぁ〜………こんなに朝早く出なくてもいいじゃない別に……」

 

寝起きで、焦点の定まらない瞳を、ぱちぱちと瞬きさせ、不満を口にするネコリア。それもその筈、彼女たちは現在、リザードマンの支配する湿地帯へと向かう移動の最中なのだ

 

「ネコリア様。御休みになられていたのに、連れ出してしまい申し訳ありません」

 

「いいのよ〜、首領と約束したのはあたしだもの」

 

「わふっ!おはようございますだぞっ!ネコリア様!」

 

「おはよ〜。此処からは自分で歩くから、エンちゃんも人型になってくれていいわよ」

 

「そうか?じゃあ、そうするぞっ!」

 

エンカの背から、飛び降る時に《変幻》で人型に姿を変え先頭を歩いていたリムルの隣に着地する

 

「おはよ♪」

 

「やっと起きたか……ネコちゃん」

 

「ごめんね〜、睡眠時間は削れないのよ。でも大丈夫よ♪案内はしてあげるから」

 

「そうしてくれ………ん?ソウエイからだ」

 

呆れたような眼差しを向けていたリムルが待ったをかけ、偵察に赴いていたソウエイと《思念伝達》を始める

 

「ソウエイちゃんはなんて?」

 

「リザードマンとオークが交戦してるみたいだ。何でもオークの方は上位個体だとか」

 

「にゃるほど。じゃあ、ソウエイちゃんに伝えてくれる?リザードマンに加勢しなさいって」

 

「分かった。一応、俺たちも行こう」

 

ネコリアの指示をソウエイに伝えた後、リムルは件の場所に向かう事を提案する。その道中で、視界を巡らせるネコリアはある事に気付く

 

「………リムちゃん。後方から二人、知らない妖気(オーラ)を感じるわ」

 

「オークか?」

 

「違うわね、リザードマンよ」

 

「リザードマン?敵意は感じるか?」

 

「そういう雰囲気じゃないのよねぇ……。リムちゃんは先にソウエイちゃんのとこに行ってあげて」

 

「じゃあ、任せた」

 

リムルを先に行かせ、ネコリアはライメイと共にその場に残った。気配を感じる方に近付くと、反応するように、耳がぴこぴこと動く

 

「見つけたわよ」

 

「見つかった」

 

「見つかったね」

 

「………あら、この前のお姫さまちゃんたちじゃないの」

 

その気配の主は、リザードマンの姫君である双子。見覚えのある二匹にネコリアは意外そうに瞳を見開く

 

「あのね、ネコちゃんさんにお願いがあるの」

 

「あるの」

 

「お願い?にゃにかしら?」

 

「「父上を助けて」」

 

その申し出の意味が分からずに、聞いた手前、無碍にも出来ないネコリアは困ったように首を傾げる

 

「どういうこと?首領ちゃんに何かあったの?」

 

「兄者が父上をいじめた。でも……兄者は優しい」

 

「お家に入れない」

 

「う〜ん………メイちゃんは分かる?」

 

「ようやくすると、ガビルというあの輩が父である首領殿を閉じ込めて、他の者を追い出したという感じでしょうか」

 

「…………ベビーシッター歴十五年のあたしよりもすごいわね」

 

「なんです?ベビーシッターって」

 

「あ、うん。知らなくていいわ」

 

理解に苦しむ自分とは違い、一から十を読み解いたライメイに関心を示しながらもネコリアは二匹に目線を合わせるように、屈む

 

「大丈夫よ、二人のお父さんは助けるわ」

 

「「ホント……!?」」

 

「ええ」

 

花が咲いたように、きらきらとした瞳を向ける二匹にネコリアは優しく笑いかける

 

『ネコリア様ー!』

 

「んにゃ?エンちゃん。どうかした?」

 

リムルと先行していたエンカに《心理意識》で呼び掛けられ、ネコリアは疑問符を浮かべながらも返事を返す

 

『今な、リムル様が首領の娘さんと同盟を結んだんだ。何でも、首領のオッチャンは御家騒動?とか言うヤツに巻き込まれてるみたいで、ガビルのオッチャンが捕まえちゃったみたいなんだぞ』

 

「にゃるほど、状況はあたしも把握してるわ。エンちゃんはソウエイちゃんと一緒に首領を救い出すことを優先して」

 

『了解だぞっ!』

 

「さて、あたしは………仙法・猫毛分身!!!」

 

エンカとの会話を終えるや否、自分の毛を抜いたネコリアが、ぱんっ、と両手を打ち鳴らすと毛が一匹の黒猫に姿を変える

 

「お姫さまちゃんたちはこの子の後をついて行きなさい。安全なルートで、お父さんのとこに連れていってくれるわ」

 

「うん、ありがとう。ネコちゃんさん」

 

「ありがとう」

 

「それじゃあお願いね?」

 

「にゃっ!」

 

分身と双子が洞窟の方に向かうのを確認し、ネコリアは《千里眼》を発動させる。此処で説明しておきたい、《千里眼》には二つの力が存在する。その一つが自分の周囲を探る為に使用する《索》、これは知っている妖気(オーラ)を探すことに特化した力だ。もう一つはある一定の条件下で発動可能な《先》、これは魔素の流れと発動者自身が同調してる場合に使用可能な力である

今回の場合は前者、つまりはガビルの妖気(オーラ)に焦点を当てている

 

「メイちゃん………ちょっと走るわよ」

 

「走る?何処にですか?」

 

「いいから、あたしについて来なさいっ!」

 

「はいっ!何処までもっ!!!」

 

走り出すネコリアを追い、ライメイも追随し、暫くすると湿地帯が広がる荒野に出る。其処では既にオークとリザードマンの戦が始まっていたが、雲行きは明らかに劣勢だった

 

「蹂躙せよ。蹂躙せよ。仲間の力を我が物に!奴らの力を我が物に!」

 

「恐れるな!我等、誇り高き蜥蜴人族の力を見せつけてやれ!」

 

「「おぉぉぉぉ!!!」」

 

「ライメイ……暴れなさい」

 

「御意!加勢するぞっ!!!リザードマン!!!」

 

ネコリアの命に従い、渦中に飛び込むライメイ。ガビルに迫る斧を刀で受け止め、弾き返す

 

「き……貴殿は!確か……あの村にいたオーガではないかっ!?何故、ここへっ!?あのゴブリナもいるのかっ!?」

 

「スイヒョウのことか?彼奴は町でリグルド殿と守護に当たっている。それから!私はオーガではない!鬼人族にして、偉大なるネコリア=テンペスト様より剣の役目を賜りし、ライメイ!覚えておけぃ!」

 

「忝いっ!ん………なんか燃えておるぞっ!?」

 

ライメイの助太刀に礼を述べながら、ガビルは異変に気付く。それもその筈、他の場所にいたオークが発火したのだ

 

「なんだ、遅かったな。ベニマル様」

 

「お前………いつの間に来たんだ」

 

「あれ?ガビルさんじゃないっすか。ども」

 

「なんとっ!この前の!何とも心強い!もしや、貴殿等も我々の助太刀に?」

 

「主人からの命令っすからね。あれ?ライメイさん、あのババアはどうしたんっすか?」

 

「ゴブタ……お前、畑の肥やしにするぞ」

 

「すいません!やめてください!」

 

ギロッと、鋭い視線を向けるライメイに全力で土下座をするゴブタ。しかし彼の疑問も最もだ、ネコリアが何処にも姿を見せないのは不思議に思わないのが可笑しい

 

「ネコリア様にはネコリア様の御考えがあるに違いない。私たちは、存分に恨みを晴らそうではないか」

 

「奇遇ですね?姉上。久しぶりに意見が合いました」

 

「道を開けろ豚ども。灰すら残さず消えたくなければな」

 

「我が里の仇は討たせてもらおうぞ」

 

ライメイ、シオン、ベニマル、ハクロウ。四人の鬼人が其々の得物を手に走り出す。怨敵を前に、彼等の戦いは火蓋を切った

 

「クソどもが!役立たずめ!鬼人だと?ゲルドには、大鬼族共の里を襲わせたが、まさか、生き残りが進化したとでも言うのか!?それに、あの獣だ!ジュラの森にあんな化け物が居るなど、聞いてないぞ!」

 

「ふぅん……アンタが黒幕だったのね?ちょっと面、貸しなさいよ」

 

戦の様子を水晶玉で観ていた仮面の魔人、その名をゲルミュッド。彼は想定外の出来事に水晶玉を叩き割った。その直後、背後から聞こえた異様な妖気(オーラ)を感じ、聞こえた可愛らしい声に振り向く

 

「なっ………ネコ……?」

 

其処にいたのは、不敵に笑う一匹の黒猫。ぴこぴこと動く猫耳、ふりふりと揺れる鍵尻尾、その愛らしさは止まりを知らず。彼女の名は、ネコリア=テンペスト、可愛くも強き猫又である




ネコリアとゲルミュッド、ライメイたちとオーク、そしてリムルの前には……!

ネコリアの真骨頂その18 実は分身が出来る

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