転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の見所!ネコちゃんは本気を出しても可愛い……?以上!


第二十四話 黒幕と対峙したから、本気を出しちゃった

「何時から其処にっ!?」

 

突然の異端的存在(イレギュラー)にゲルミュッドは驚きを顕にし、彼女に問う

 

「う〜ん……アンタが水晶玉を叩き割る少し前からかしら。でも失礼しちゃうわよねぇ……幾ら、気が動転してたからって、アンタみたいなのと可愛いあたしを一緒くたにするだなんてさ。どう見ても似てないじゃない」

 

僅かに悩む素振りを見せた後、答えを返したかと思えば、直ぐに誰もが虜にならずにはいられない魔性の笑みを浮かべる。然し、其れはゲルミュッドにとっては原初と呼ばれる七柱の悪魔よりも、強大な力を持った魔物の王である十大魔王よりも、恐ろしく見えた

 

「あの獣と鬼人もお前の差し金かっ!?」

 

「正しくはお前たち(・・)の方が適切ね。まぁ?最初にオークをけしかけたのは、アンタの方な訳だから……文句を言える立場じゃないわよね?」

 

「矮小な獣風情がっ!このゲルミュッド様の計画を台無しにしやがって!」

 

「矮小な獣なんて失礼しちゃうわね。あたしは可愛いネコちゃんよ」

 

「もう少しで俺の手足となって動く、新しい魔王が誕生したというのに!」

 

「魔王」、その単語にネコリアの耳が、ぴんっと立つ。何の一貫性も無いと決め付けていたゲルミュッドの目論見には意味があると理解し、彼女の中の興味がより一層に深まる

 

「ふぅん……その目的の為に何人かの魔物に名付けをしていた訳ね?そうねぇ、例えば…リグルって名前に聞き覚えは?」

 

「リグル………ああ、あのゴブリンか。奴は私が名を与えてやったにも関わらず、大した進化もしなかった挙げ句、早々にくたばりやがった。まぁ?生きていれば、オークロードの糧になるくらいの力はあったかもしれんがなっ!!!」

 

「…………はぁ、聞いてる?リムちゃん」

 

ゲルミュッドの並び立てる余りにも小物感が溢れる言い分に呆れるネコリアは《心理意識》と《思念伝達》を繋げた状態のリムルに声を掛ける

 

『ああ、ネコちゃん。でもなぁ……今ちょっと手が離せないんだ。オークロードがかなりの難敵でな』

 

「そっ……なら、あたしが対処するわ。本来の姿は嫌いだけど………本気出すわよ」

 

リムルの助太刀が望めないと理解した瞬間、ネコリアの妖気(オーラ)が急速に昂まり、体全体を覆っていく

 

「な、なんだぁっ!?」

 

「我が名はネコリア=テンペスト。長き時を生きる猫妖怪にして、仙猫(せんびょう)と呼ばれし猫又也。魔に属する者よ、其方の目論見も我が前では無力であると知れ」

 

ゲルミュッドが驚くのも無理はない。先程までの愛らしくも可愛らしい雰囲気は何処へやら、其処には魔獣にも匹敵する体格と二又に分かれた尻尾を持つ巨大な猫が居た

 

「たかが猫風情がなぜ、これほどまでの力を……!?」

 

「言ったであろう、我は仙猫。猫であって猫に在らず。其れすらも理解出来ないとは、魔に属する者が聞いて呆れる」

 

「黙って聞いていれば、魔王幹部の私に向かってその様な口を利きおって〜〜!!!上位魔人の強さを教えてやる!死ね!死者之行進演舞(デスマーチダンス)!」

 

ネコリアの嘲笑う様な言葉の数々に、怒りが頂点に達したゲルミュッド。特大の魔力弾を彼女に向けて放つ

 

「仙法・岩土盾(がんどいん)!!!」

 

だが、ネコリアは其れを前にしても怯む素振りも見せずに前足で軽く近くの岩を小突いた。刹那、岩が周囲の土を巻き込む様に巨大な盾を形造り、ゲルミュッドの技を本人に弾き返す

 

「ぎゃぁぁぁぁ!!!!」

 

「所詮は魔王の威を借りた小物。我の前に平伏す、その姿………実に欲を唆る」

 

「き………貴様!俺様を……誰だと……!上位魔人だぞっ………!」

 

「………………興が削がれた。貴様如き、生かしておく必要等ない。然し、安ずるが良い。貴様は我の進化の糧に、我が力の贄として、その身を捧げるのだ。覚悟は良いな?上位魔人(ゲルミュッド)よ」

 

「ヒィッ!やめろ!来るなァァァ!!」

 

猫の様に自由気まま極まりないネコリアは、ゲルミュッドの姿に一度は欲を唆られるも、未だに自らを上位魔人である事をひけらかす様に主張した事で興味を無くし、右腕を喰い千切った

 

「…………腕がァァァ!!!俺様の腕がァァァ!!!!」

 

「次は、その首を喰い千切ってくれるわ!!!」

 

「俺を助けろ!オークロード!!!いや………ゲルドよっ!!」

 

ネコリアが飛び掛かろうとする寸前、リムル達と刃を交えていたオークロードの名を呼び、投げやり気味に助けを求めるゲルミュッド。異変に気付いたネコリアは動きを止め、リムル達も身構える

 

「貴様がさっさと魔王に進化しておれば………この屑が。まぁ、構わん!!さぁ!蹂躙せよっ!ゲルド!この俺に歯向かった事を後悔させ………!」

 

その言葉が最後まで続く事はなかった。何故なら、ゲルドの手に握られた巨大包丁がゲルミュッドの首を刈り取ったからだ

 

「…………仕留め損ねたか。あの程度も止められぬとは盟主が聞いて呆れるな」

 

「そう言ってくれるなよ、こっちもやれるだけのことは…………って!どちら様っ!?」

 

その唐突な展開に舌打ちをするネコリア、オークロードを止められなかった事に対する反論を返すリムル。しかし、隣に移動してきた相棒の姿に思わず二度見した後、リムルは叫んだ

 

「滑稽な事を言うではないか?リムルよ。ネコリアに決まっておるだろう」

 

「俺の知ってるネコちゃんと微塵も一致してませんけどっ!?大賢者!」

 

『解。個体名ネコリア=テンペストが抑えていた妖気(オーラ)を解放し、真の姿へと変化した姿です』

 

「つまり……今までのは若作りってことか」

 

「仕方ないっすよ。所詮は長生きしてるだけが取り柄のババアっすから」

 

「引っ掻かれたいの?リムちゃん。あとゴブタ?アンタには後でエンカとお散歩してきてもらうわね♪」

 

「…………戻ってる!!!」

 

「ひぃぃぃぃぃ!お散歩だけはっ!それだけはっ!勘弁してくださいっす!!!」

 

「だーめ♪」

 

しゃきん、と音が鳴りそうな勢いで爪を立てるネコリアは笑顔であるが瞳の奥が笑っていなかった。更に言えば、彼女は先程の姿が嘘の様に人型に戻り、口調も普段と変わらないモノに戻っていた

 

「人の姿を気にしてる場合?見るなら、あっちを見なさい」

 

「あっち……うーむ、確かにこれは酷い深爪だ」

 

「どうして、毎度当たり前の様にあたしの爪を見るのよ。オークロードよ、オークロード」

 

「ああ、そっちか…………いっ!!!」

 

恒例と化したネコリアの爪弄りをした後、彼女に突っ込まれたリムルはオークロードに視線を向け、衝撃を受ける

 

「食べているのか……!?」

 

「名を与えた魔物に喰らわれるとは、哀れな輩だ。ゲルミュッドも」

 

「なにっ!?あの食べられているのはゲルミュッド様だったのか……!!通りで見覚えのある趣味の悪い仮面だと思った……」

 

「ガビルちゃん。さてはアンタ、ものすごいバカでしょ」

 

首を刈り取っただけでは飽き足らず、ゲルドは既に絶命したゲルミュッドの亡骸を喰らい始めていた。その光景にベニマルもリムル同様に戦慄し、ライメイはその最期を嘲笑し、ガビルに至っては今更ながらに食べられたのがゲルミュッドである事に気付き、ネコリアが、ビシッと鋭い突っ込みを放った

 

『確認しました。個体名ゲルドが魔王種への進化を開始します』

 

そして、世界を破滅に誘うその声は響き渡った。新たな魔王の誕生日を祝うかの様に、響いた




同胞、リザードマン、オーガ、更にゲルミュッド……様々な魔物を糧に遂に魔王へと進化を果たしたゲルド。迎え撃つは我等がリムル=テンペストとネコリア=テンペスト、満たされぬ食欲の果てに待ち受けるモノとは……?

ネコリアの真骨頂その19 実は本来の姿は巨大

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