転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の見所!ネコちゃんはやっぱり寝起きが一番可愛い!以上!


第三章 この度、国を作ることになりましたので御挨拶に伺います!
第二十六話 結論を話し合ってたら、相棒が盟主になっちゃった


「んにゃぁ〜…………にゃによぉ〜……もうちょっと寝かせて欲しいんだけど……」

 

オークとの戦に勝利し、束の間の平和を満喫せんと寝息を立てていたネコリアは、急にその平和を壊された事を不服そうにしながら、体を伸ばす

 

「御疲れの所、申し訳ありません。トレイニー様が事態の収束に向けた会議を行うにあたり、ネコリア様に御同席を願いたいとの事ですわ」

 

「むぅ………面倒だけど、仕方にゃいわね」

 

首を左右に動かし、僅かに眉間に皺を寄せながらも面倒そうな表情を浮かべるも、流石に重大な会議を放り出す訳にもいかず、渋々ではあるが了承する

 

「おっ、ようやく来たか」

 

「なに?まだ始まってなかったの?」

 

会議場所に着くと、既に待機していたリムルがネコリアの姿に気付き、声を掛ける。当の本人は会議が始まってもいない事に呆れた様子を見せる

 

「ネコちゃん待ちに決まってるだろ。なので、遅れた罰にネコちゃんには議長をやってもらう」

 

「…………え〜」

 

「不服そうにしないっ!」

 

強制的に会議の議長に任命され、不服そうな声を挙げるネコリアにリムルの素早い突っ込みが放たれる

 

「では……議長ネコリア=テンペスト、会議を始めてください」

 

「はぁ〜い………えっと、議題は今後のあたしの可愛さを如何に近隣諸国に知らしめるかについてだけど」

 

「そう、ネコちゃんのかわ…………って!ちがーーーうっ!オークの今後についてだよっ!!!」

 

「えっ?じゃあ死刑」

 

「即決すなっ!!!もういいっ!議長は俺がやるからっ!ネコちゃんは見ててっ!」

 

「むぅ……スイちゃん、リムちゃんがいじめる」

 

「御可哀想なネコリア様………あっ、お魚ありますよ?」

 

「あら、朝ごはんね。気が利くじゃない」

 

一瞬で議長解任になり、不貞腐れるネコリアであったがスイヒョウが取り出した魚を前にした瞬間、機嫌が良くなる

その横でリムル主体の会議は進行し、オークの処遇についての議題が持ち上がっていた

 

「俺はオークの罪を咎めようとは思わない。勿論、オークのした事は許される事じゃない。だけど、良く考えてもらいたい。コイツらが何故、あんな事をしなければならない状況に陥ったのかを。もしも、同じ立場ならば、リザードマンも同様の判断をしたかもしれない………違うか?首領」

 

「…………確かに一理ある。しかし、それは建前に過ぎない、貴殿の本音を伺いたい。構わぬか?盟主殿」

 

「オークの罪は俺が引き受けた。だから、文句があるなら俺に言え。俺は逃げも隠れもしない、二十四時間三百六十五日、誰からの文句でも受け付ける。異論がある者は前に出ろ」

 

リムルの決意、其れは筋の通った言葉に誰もが納得を示す中、納得のいかない者たちもいた

 

「お…………お待ちいただきたい!いくらなんでも、それでは道理が………!」

 

「無茶で無謀………良いじゃない、道理があるなら我を通す、其れもまた人の上に立つ為には重要な力よ」

 

「そ、それは………そうですが……」

 

待ったを掛けたのは、生き残ったオークの中でも一番の権力を持つ豚頭魔王(オークディザスター)ゲルドの息子である豚頭将軍(オージェネラル)。しかし、その反論を打ち消す様にネコリアの鋭い横槍が入り、彼は言葉を失う

 

「御言葉だが、ネコリア殿。其れは少々狡い御答ではないか?」

 

「そうね、簡単に受け入れられるモノじゃないわ。でも魔物には不変のルールがある筈よ」

 

「確かに。この世は弱肉強食、弱い者は淘汰され、強い者が生き残るが当たり前の世界……立ち向かった時点で覚悟は出来ていた筈だ」

 

「ライメイの言う通りだ。俺たちも里を滅ぼされた事を許すつもりもないが、次があれば、同じ無様は晒さない。そうだな?お前たち」

 

ベニマルの発言に鬼人全員が首を縦に振る。其れはリムルの決定に従うという事を示していた

 

「なるほど………ですが、一つ、どうしても確認させていただきたい。貴殿等はオークをどうなさるおつもりだ?罪を問わぬということは、生き残った彼等全てを、受け入れる………そういう解釈になるが?」

 

「確かに数は減ったがオークは十三万もの大群だ。そこでだ、俺は考えた。ネコちゃん」

 

首領の疑問に頷きながらもリムルは企み笑顔を見せ、隅で会議を傍観していたネコリアに呼び掛ける。すると彼女は指を鳴らし、スイヒョウにある物を配布させる

 

「手元に行き渡ったわね………今後、リザードマンには良質の水資源と魚を。ゴブリンからは住む場所を。あたしたちの町からは、加工品を提供し、その見返りにオークは労働力を提供してもらうものとする。以上が盟主リムル=テンペストからの提案よ」

 

「おおっ……!」

 

「ジュラの大森林の各種族間で、大同盟を結び、相互に協力関係を築く。多種族共生国家とか出来たら、面白いと思わないか?勿論、無理にとは言わない」

 

「わ………我々が………!その………同盟に参加させて貰えると言う事ですか?」

 

「帰る場所も行く宛もないんだろ?居場所は用意してやる。だから其れ相応の成果を上げてみせろ。分かったな?」

 

「ははっ……!」

 

「「はっ!!!」」

 

新たな居場所と仕事、生きる意味を得たオーク達は歓喜の声を挙げる。次にリムルはリザードマン側へと向き直る

 

「リザードマンはどうだ?」

 

「是非、協力させていただきたい」

 

「トレイニーちゃんは?」

 

「宜しいでしょう。私の守護する樹人族からも、森の実りを提供いたしましょう。当面、オーク達の飢えを癒す事は、出来るかと思います」

 

「おおっ………!」

 

リザードマン、森の管理者からの確約も取り付け、話が綺麗に纏まったと思った瞬間だった

 

「では………森の管理者として、私、トレイニーが宣誓します。リムル様を、ジュラの大森林の新たなる盟主として認め-----」

 

「盟主っ!?ちょっと待って!なんで俺っ!?ネコちゃんは!!!」

 

「あっ、参謀役なんで盟主はちょっと。まあ既に何度か自分から名乗ってるし、良いんじゃない?スイちゃん、メイちゃん、エンちゃん、リンちゃん、どう思う?」

 

「ネコリア様の決定に異論などある筈がありませんわ」

 

「ドライアド様からの提案でもありますからね。私も異論はございません」

 

「わふ………盟主ってなんだ?」

 

「あー分かりやすく言うとリムルのダンナがトップになるって意味だな」

 

「わふっ!リムル様がトップかー!すごいな!リムル様!」

 

「えっ……あっ、そう?じゃあ、やろうかな」

 

尊敬の眼差しを向けるエンカに気分を良くしたリムルは胸を張り、盟主を引き受ける事を宣言する

 

「良い?この子を上手く操るには可愛い子からお願いさせるのよ」

 

「やっぱり、ダンナってエッチなスライムだな」

 

「そうね、生まれながらの性分ね」

 

「エッチなスライムちゃうわっ!!!」

 

リムルの上手な操り方講座を開くネコリアと、其れに納得しつつ彼が邪な妄想の根元である事を再確認するカイリンに御決まりの文句が放たれる

 

「オークの者よ、私はお前たちを許した訳ではない。だが、我々は其々が役職を賜った身、勝手に同じ方を盟主と仰ぐ者を始末する事は我が主人であるネコリア様の威に反する行為だ。故に私はお前たちを仲間と認め、提案する。今後はリムル様の崇高な理念実現の為に働け、其れを詫びと受け取ろう」

 

「やれやれ、ライメイのヤツに言いたいことは言われてしまったな」

 

「姉上!シオンは感動しました!まさか畑を耕す事にしか興味がない畑バカな姉上から、その様な言葉が聞ける日が来ようとは!」

 

「ベニマル様の考えは分かりやすいからな。あと、妹は後でシバく」

 

騒ぎながらも、去っていく背中に豚頭将軍(オージェネラル)は頭を下げる

 

「父王、ゲルドの名に誓って」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(我輩は死罪であろう。それで良い。そうでなければ、示しがつかん。ただ………心残りがあるとすれば………聞いてみたかった。何故、あの二人は、我輩を助けてくれたのかと。こんな………何の価値もない間抜けを。特にあのネコリアという方は……我輩だけではなく、妹たちも助けてくれたとか……)

 

会議から十日後。謀反を起こしたガビルに判決が下されようとしていた、目の前に鎮座するのは首領であり父であるアビル。その状況で浮かんだのはリムルとネコリアの姿だった

 

「顔を上げい」

 

「ん………」

 

「判決を申し渡す」

 

(せめて、堂々と、死罪を受け入れようぞ)

 

「ガビルを破門し、追放する。二度と蜥蜴人族を名乗る事は許さぬ。即刻、追い払うが良い!」

 

「なん………だと!?」

 

死を覚悟していたにも関わらず、意外な判決にガビルは驚きの声を挙げる。しかし、それも束の間。洞窟の外に追い出されたガビルが途方に暮れる

 

「忘れ物だ」

 

投げ渡されたのは首領の証である水渦槍(ボルテクススピア)と荷物。刹那、ガビルの瞳から涙が溢れ落ちる

 

「あ………ああっ………!」

 

「待ってましたよ、ガビル様!」

 

「ったく、待ちくたびれたぜ」

 

「時は金なり」

 

「な………何をしておるのだ、お前達!我輩は破門になったのだぞ!?」

 

「ガビル様が破門なら、皆、破門ですよ!」

 

「然り!」

 

「バカな奴らだな………仕方がない、お前たちの面倒を見れる者は我輩しかおらんからな!着いてくるが良い!是非とも御支えしたい方がいらっしゃるのだ!」

 

「「「ガビル様となら何処までも!!!」」」

 

そして、ガビルは旅立った。新たな居場所と主人を求め、長い旅へと

 

「準備できた」

 

「兄者と一緒」

 

「行くのか……娘たち」

 

「父上。兄者に会えたら、お手紙書く」

 

「待っておる。親衛隊長!」

 

「はっ!」

 

旅立とうする娘たちの決意を理解し、アビルはもう一人の娘を呼ぶ

 

「お前は何人かの同胞を連れ、二人の護衛をしろ。その道中で彼奴を見かけたら、少しくらいは便りを寄越せと伝えておけ」

 

「…………はい、仰せの通りに。行きましょうか?二人とも」

 

「姉者も一緒?」

 

「兄者に会える?」

 

「きっと会える。私が嘘を吐いたことはないだろう?」

 

「「うん!」」

 

息子に続き、旅立つ三人の娘の背をアビルは何時までも見送っていた。その姿が見えなくるまで、いつまでも、いつまでも




彷徨い続けたガビルがたどり着いたのは、ネコリアの修行場。そして時を同じくして妹たちも………

ネコリアの真骨頂その21 実は用意周到

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