転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の見所!ネコちゃんは今日も可愛い!以上!


第二十八話 平和も束の間、魔王が来ちゃった

「んにゃぁ〜…………随分と賑やかになったわね」

 

何時もと変わらぬ時刻、目を覚ましたネコリアの耳に届くのは活気に満ちた町を行き交う魔物の声。三ヶ月前までは嘘の様な光景に彼女は笑みを浮かべる

 

「ややっ!ネコリア様!ご覧ください!遂にヒポクテ草の栽培に成功しましたぞっ!!」

 

「ガビル殿。其方はネコリア様が育ててらっしゃる植物の鉢で、ヒポクテ草は此方です」

 

家から出たネコリアを待ち構えていたのは、ヒポクテ草の栽培を任されたガビルと彼等が尋ねて来た翌日くらいにガゼル王が半ば強引に連れてきた何時ぞやの大臣基ベスターだ

 

「ベスターちゃん。大変ね………相方がちゃらんぽらんだと」

 

「そうでもありませんよ。意外にもガビル殿は研究熱心ですから………まぁ、歌うのは勘弁していただきですがね……」

 

「何をおっしゃる!ベスター殿!我輩の歌には発育効果があるのですぞっ!それではネコリア様にも一曲披露いた----ぐほっ!?」

 

歌い出そうとしたガビルの頭上に拳骨が落ち、恐る恐る振り返ると仁王立ちする一人の少女基ソウカが佇んでいた。彼女は名を与えられた事により、龍人族(ドラゴニュート)に進化を遂げていた。ガビルも同様の進化を遂げたが然程の変化が見受けられないのに対し、彼女の場合は人間に近い見た目に変化している

 

「兄上、ネコリア様に一族の醜態を晒さないでください。それと!私は今からソウエイ様の下に向かなわければならないので、フウとクウの御世話をお願いします」

 

「う、うぬ………」

 

「兄者だ」

 

「ネコちゃん様もいる」

 

ソウカの背後から姿を見せたのは二人の幼女、ガビルとソウカの妹たちであるフウとクウである。二人も龍人族(ドラゴニュート)への進化を期に人間に近い見た目となった

 

「フウちゃんにクウちゃん。おはよ」

 

「おはよう。ネコ様」

 

「おはよう。ネコちゃん様」

 

「ソウカちゃんは今からお仕事?」

 

「はい。スイヒョウ様が武芸に自信があるなら、ソウエイ様の元で腕を磨いてみては?とおっしゃってくださいましたので」

 

「にゃるほど、がんばってね〜♪」

 

「はいっ!」

 

元気の良い返事を返すとソウカは走り去っていく。残されたフウとクウは、兄のガビルを突きながら遊んでいる

 

「兄者。頭にデカいのある」

 

「いたそう……」

 

「二人はソウカの様な直ぐに手が出る女子になってはいかんぞ……姫君なのだからな」

 

「分かった」

 

「うん」

 

「アンタもさっさと仕事に戻りなさい。フウとクウはあたしが見ておくから」

 

「忝い!ではベスター殿!参りましょうぞ!」

 

「はい。それではネコリア様、これで失礼します」

 

「また成果が出たら教えてね〜」

 

ガビルとベスターも去り、残されたフウとクウが視界を左右に動かすのに気付いたネコリアは《変幻》で人型になり、二人に手を差し出す

 

「お散歩しましょうか」

 

「お散歩好き」

 

「うん」

 

「わふ!お散歩って言ったか?ネコリア様!」

 

「あら、エンちゃん」

 

何処で聞き付けたのか、話に入ってきたのは狼姿のエンカ。その後方には生きる屍と化したゴブタが転がっている

 

「ゴブタがお散歩してたら倒れたんだぞ」

 

「軟弱ね。ハクロウちゃん、鍛えた方が足りないわよ」

 

虫の息であるゴブタに文句を吐き捨てながら、茶屋で茶を啜っていたハクロウに呼び掛ける

 

「いやはや、これは手厳しい。それでは……明日からは二倍に……」

 

「勘弁してくださいっす!!!だいたい!エンカさんのお散歩をさせたのはネコリア様じゃないっすか!!!」

 

「……………ああ!ゴブタ。お散歩役がんばったわね」

 

「忘れてたっすよね!?明らかに!」

 

自分が命令していた事を綺麗さっぱりと忘れていたネコリアが取り繕う様に褒め言葉を投げ掛けると、ゴブタの鋭い突っ込みが飛ぶ

 

「わふっ!ネコリア様!でっかい気配が近付いてるぞ!」

 

「…………ガゼル王の比じゃにゃいわね」

 

『ネコリア様!ソウカです!場所は町の高台方面!既にリムル様はソウエイ様の報告で向かわれました!』

 

「分かったわ。ゴブタ!フウとクウをお願い!エンカ!」

 

「わふっ!」

 

素早い動きでエンカに跨り、フウとクウをゴブタに任したネコリアは報告のあった場所へと急行する。道中で修行中のライメイ、休憩中のスイヒョウを拾い、目的地に辿り着く

 

「初めまして。私はただ一人の竜魔人(ドラゴノイド)にして、破壊の暴君(デストロイ)の二つ名を持つ、魔王、ミリム・ナーヴァだぞ!」

 

同時刻、高台付近に着地した一人の少女基ミリムの名乗りを聞いたリムルは驚愕する

 

「魔王だと………!?」

 

「にゃるほど…………その格好寒くない?」

 

驚くリムルを他所に、ネコリアは頷いた後、何時もと変わらない安定の失礼な発言を繰り出す

 

「初対面で失礼な事言わない!!!すいません!ホント!」

 

「寒くないのだ!魔王だからな!」

 

「お前も答えなくていいわっ!!!」

 

然し、ネコリアの失礼な発言をものともせずに能天気な発言を繰り出すミリム、其れに突っ込みを放つリムル。此処に最強の関係性が生まれる、後に此れがジュラ・テンペスト連邦国に伝わる三馬鹿誕生の瞬間である

 

「ネコリア様の御言葉は何時も的確ですわね」

 

「わふっ!?あの魔王さま、アタイと同じ喋り方してるぞっ!?」

 

「ま、魔王………ん?なんだ、あの見覚えのある………妹ォォォ!?どうしたァァ!妹ォォォ!!!」

 

安定のスイヒョウ、自分と似た口調のミリムに驚くエンカ、そして魔王という存在に興味を抱いたライメイであったが、視界に入った見覚えのある何かに気付き、半狂乱気味に叫びながらその何かに駆け寄る

 

「し、シオンです………」

 

「ミリム様に挑んで負けてましたよ」

 

倒れるシオンに呼び掛けるライメイの側に現れたソウカが事の経緯を簡潔に説明すると、彼女の方を振り向く

 

「なにっ!本当かっ!?それは!ソウカ!」

 

「はい、すごい見事に」

 

「妹ォォォ!!!」

 

「し、シオンです……」

 

かくして、ジュラ・テンペスト連邦国に新たなる災厄が訪れた。その名は魔王ミリム、果たして彼女がもたらすのは破滅か?それとも………




魔王襲来!その噂は直ぐに連邦国中に広まり、誰もがおそれ………てない?ミリムと仲良くなったリムルとネコリア、三人はまさかの………!?

ネコリアの真骨頂その23 実はうっかりさん

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