転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の見所!ネコちゃんは人気者!以上!


第三十話 魔王を案内してたら、部下が失礼な態度を取っちゃった

「ネコ!あの店はなんだ!?美味しそうなものが並んでるぞっ!ぬおっ!あっちからも良い匂いがするぞっ!」

 

「はいはい、落ち着いて。全く………ヴェルちゃん並の好奇心ね……退屈しないから構わないけど」

 

初めて見る物に身形に相応しい無邪気な反応を見せるミリムの姿に、懐かしい親友の面影が重なり、僅かに表情を綻ぶ

 

「兄者だ」

 

「道で寝てる……」

 

「…………ぬおっ!フウ、クウ!吾輩を突くのをやめんかっ!!!」

 

「あら、ガビル。それにフウちゃんにクウちゃん」

 

「ん?龍人族(ドラゴニュート)か!珍しい種族がいるな!此奴等もネコの配下か?」

 

「そうね。龍人族(ドラゴニュート)は全員があたしの配下よ。ガビルにはヒポクテ草の栽培を、フウとクウはソウカの下で警備隊の仕事を任せてるわ。ほら、挨拶しなさい」

 

「フウ。ネコ様の配下やってる」

 

「クウ……ネコちゃん様の配下」

 

「フウにクウか!私はミリム・ナーヴァだ!」

 

「「ミリム………本物?」」

 

龍人族(ドラゴニュート)よりも高位の存在にある竜魔人(ドラゴノイド)であるミリムに興味津々な双子は、尻尾をふりふりと揺らし、両眼を輝かせる。だが、彼だけは違った

 

「妹たちよ。このちまっこい小娘(・・・・・・・)を知っておるのか?」

 

その発言に、ネコリアは勿論ながら、フウとクウまでもが両眼を見開いた。流石にこの発言は無知では済まされない、何故なら魔王を前に放つにしては無礼極まりない失言。当の本人は其れが失言である事に気付いておらず、彼の目の前には怒りの形相と怒気を含んだ妖気(オーラ)を放つミリムが佇んでいる事も気にすら留めていない

 

「今のは、私に言ったのか?ガビルとやら」

 

「なんだ、馴れ馴れしい。貴様以外に誰が---ふごおっ!?」

 

全てを言い終える前に、ガビルはミリムの拳を叩き込まれ、数軒の家屋を破壊しながら、最終的には地面に減り込む

 

「兄者。魔王様に失礼」

 

「兄者がごめんなさい」

 

減り込んだガビルを引き剥がしたフウとクウがミリムに対し、謝罪を述べると同時に綺麗な角度の御辞儀をする

 

「ミリムちゃん……暴れないって約束はどうしたのかしら?確かにガビルに落ち度があったかもしれないけど、無闇矢鱈に誰かを殴るのは絶対に駄目よ。分かった?」

 

「う、うぬ………仕方ないな、ネコが其処まで言うなら今後は気を付けるのだ」

 

「分かれば良いの。今後は何かあれば、ゴブタに八つ当たりしなさい。ガビルよりは頑丈だから」

 

「人の居ないとこで勝手に生け贄にするのはやめてくれないっすか!?」

 

「居たの?」

 

「存在すら認識されてなかったんっすか!?」

 

ミリムを言い聞かせながらもゴブタという生け贄を捧げようとするネコリア。其処へ偶然にも通りかかった本人からの突っ込みが飛ぶ

 

「ネコ!他にウマーな食べ物はないのか?」

 

「そうねぇ………あー、お魚を油で揚げるフィッシュフライとかはどう?」

 

「ふぃっしゅ………ふらい?よく分からないが美味しそうなのだ!何処にあるのだ!?」

 

「ん〜まだないわね」

 

「なにぃっ!?ないと言われたら余計に食べたくなるではないかっ!!!」

 

「え〜………スイちゃ〜〜ん」

 

「はい、此処に居りますわ」

 

詰め寄るミリムに困惑したネコリアが呼び掛けると、近くの露店で価格調査を行なっていたスイヒョウが呼び掛けに応える

 

「油とかって手に入る?」

 

「油ですか………取り引き次第で手に入らない事もありませんが……」

 

「ふふんっ!油であれば私に任せていただきたいっ!ネコリア様!」

 

「あら、メイちゃん」

 

頭を悩ませるスイヒョウの背後から、話を嗅ぎつけたライメイが姿を見せ、誇らし気な表情を浮かべながら、胸を張る

 

「油が御所望と聞きました。であれば!このライメイにお任せを!私の畑で栽培している植物から抽出した油をお使いください!」

 

「流石はメイちゃんね。褒めてあげる」

 

「あっ……そんな……だ、ダメぇ〜」

 

(お、おう…………)

 

「エンちゃん。お散歩の時間よ」

 

「わふっ!お散歩っ!」

 

「あぎゃぁぁぁぁ!!!」

 

褒美を受け、悶えるライメイの色気溢れる声にゴブタの邪な考えを読み取ったネコリアに呼ばれたエンカが頭に齧り付き、お散歩という名の終わりのない旅に旅立つ

 

「さっ、フィッシュフライを作るわよ〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴様等ァァ!私の畑を土足で荒らすとは何事だっ!成敗してくれるわっ!」

 

「姉上。どうしたんですか?朝早くに」

 

ミリム来訪の翌日。時刻は早朝、畑を耕していたライメイの怒号が響き渡る

秘書の仕事に向かう為に自宅を出ようとしたシオンが姉の異変に気付き、声を掛ける

 

「妹か。今し方、ネコリア様を馬鹿にした挙げ句の果てに私の畑を荒らした不埒者が居たので、説教をしていた」

 

「シオンです。説教ですか、それは構いませんが………埋めるのはやり過ぎではありませんか?」

 

「そうは言うがな、此奴はリムル様も馬鹿にしていたぞ」

 

「……………前言撤回!成敗してくれるわっ!!!」

 

先程までの温和な秘書は何処に行った、と言いたくなる様な掌返しの早さにライメイも引き気味の表情を見せるが不敬を働いた者への説教を止めようとはしない

 

「んにゃぁ〜………朝からうるさいんだけど……寝れないじゃない」

 

「「ネコリア様っ!?」」

 

鬼姉妹の自宅の屋根で寝息を立てていたネコリアが目を覚まし、不満を口にする。まさかの存在の登場にライメイとシオンが驚愕する中、当の本人は、ひらりと軽い身のこなしで屋根から飛び降り、瞬時に《変幻》の力で人型に姿を変える

 

「それで?獣王国ユーザラニアの三獣士が我が国に如何なる御用件かしら?盟主に代わり、参謀であるあたしが聞いてあげるわ」

 

全てを見透かした様に品定めの視線を向けていたネコリアは、埋まっている中でも一番の妖気(オーラ)を持つ男性の獣人に声を掛けた

 

「参謀………はっ、猫風情がこの黒豹牙のフォビオと対等のつもりか?笑わせる。良いか?この地は今日より魔王カリオン様の支配領域となる!」

 

「……………………さっ、二人とも。仕事に行くわよ」

 

余りにも馬鹿馬鹿しい内容の発言に男性基フォビオに対する興味が失せたネコリアは、ライメイとシオンに呼び掛けその場を後にしようとするが、無視された事に怒りを覚えたフォビオが背後から拳を振り抜く

 

「……………なっ!背後に目でもあるのかっ!?」

 

完全なる不意打ちであるにも関わらず、フォビオの拳を受け止めたネコリア。剥き出しになった妖気(オーラ)は明らかに常識の範疇を超え、並の魔物の魔素量を遥かに凌駕していた

 

「特別にこの町を見て回る許可を、我が盟主に取り付けてやる………だが、もしも今の様な不敬を一度でも働いてみろ、その時は容赦はせんぞ」

 

かくして、魔王の国からの使者を受け入れたジュラ=テンペスト連邦国。此処から物語は更に激動の展開を迎えていくのだが、其れは少しだけ未来の話である




魔王の国からの使者に町の散策を許したネコリア、その件はリムルの耳にも入り………

ネコリアの真骨頂その24 実は失礼な部下がいる

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