転生したらネコちゃんだったから自由に生きていきます。   作:田中滅

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今回の見所!ネコちゃんは昼夜問わずに可愛い!以上!


第三十三話 英雄に成り得る器が、町に滞在することになっちゃった

英雄(・・)…………いやいや待て待て、何を言ってんだよ、アンタは………」

 

ネコリアの発言に、ヨウムは驚きながらも頭を掻き乱し、問い掛ける。すると彼女は軽く欠伸をした後、魔性の笑みを浮かべる

 

「何をって、そのままの意味よ。豚頭帝(オークロード)を倒したのが魔物じゃ、脅威が去ったって人間は思わないでしょう?だ・か・ら、ヨウムちゃんたちにはその代役をお願いしたいの。引き受けてもらえる?」

 

「はぁ………!?」

 

「…………その計画、ブルムンド王国も協力出来るかもしれません。知り合いの大臣に掛け合えば、周辺諸国への噂を流す事は出来るかと……その程度で申し訳ないが構いませんか?」

 

「助かるわ、今は正に猫の手も借りたい状況……噂一つでも有益な武器になるわ」

 

素っ頓狂な声を挙げるヨウムとは裏腹に、フューズが状況を冷静に見定め、提案を持ち掛けるとネコリアも其れを快諾し、使える手札が増える事に満足気に笑う

 

「何を考えてんだっ!?アンタは!魔物だぞっ!その提案を呑むなんて正気かよっ!!!」

 

「ヨウムだったか?君の言い分にも同意しない訳ではないし、困惑に関しても理解出来ない訳でもない。だが、彼等との友誼は人心の混乱を避ける以上の意味がある」

 

「どういうことだよ」

 

魔物、その提案を呑むリスクを恐れるヨウムはフューズの意見に難色を示し、反論するが彼には思惑があるようで今回の件の重要性を語り出す

 

「我々が知り得た情報を教えておこう。この国の国民は総勢で一万を超える、その種族の中に名無しは存在しない」

 

「は…………?」

 

名持ちの魔物(ネームドモンスター)なんだよ、全ての国民が。彼等が本気を出せば、この場にいる我々は勿論、国の一つを滅ぼす事も造作もないだろう」

 

「…………」

 

本来、魔物は名前を持たない。しかし名持ち(ネームド)となれば話は大きく変わって来る。ヨウムは其れ以上の反論をすることをせず、会議は続く

 

「先程の計画、私としては前向きに検討したい。勿論、御二方が人間の敵ではない事が大前提ですがね」

 

計画に乗り気なフューズはリムル、ネコリアの両名が敵対する存在でない事を明白にする為、威圧気味に質問を投げ掛ける

 

「其れは保証する。俺たちは人間と敵対するつもりはない」

 

「相手を知るには先ずは、その考えを汲み取る事が大前提よ。そうね………此処に滞在してみたら?この国を知ってもらうには丁度いい機会だわ」

 

「それは助かります」

 

「ヨウムちゃんもね。さっきも言ったけど、この計画にはアンタの力が必要不可欠。良い返事を期待してるわ」

 

「…………ガラじゃねぇよ、そういうのは。勇者にでもなれってか?」

 

「駄目だぞ」

 

計画を再度、持ちかけるネコリアに頭を抱えながらも勇者と口にしたヨウムに、沈黙を貫いていた人物が待ったを掛けた。そう、十大魔王が一人、ミリム・ナーヴァである

 

「勇者は魔王と同じで特別な存在なのだ。勇者を自称すれば因果が巡る。長生きしたければ、英雄を名乗る事をオススメするぞ」

 

「なんだ?ガキ。大人の会話に口を----おごっ!?」

 

「ミリム様!?流石に暴力は良くないかと……」

 

「姉上の仰る通りですよ。話し合いの場で、其れは如何なモノかと……」

 

全てを言い終える前に、ミリムの物理的制裁を受けたヨウムは倒れ、同様の理由で物理的制裁を行ったライメイとシオンが彼女を咎める

 

「ち、違うのだ!今のは!あいつがガキとか言ったから……っ!ネコ!リムル!私は悪くないのだ!」

 

「いや駄目だから。ネコちゃん、判決を」

 

「う〜ん…………おやつ抜き♪」

 

「……………」

 

有罪判決を受けたミリムは燃え尽きた様に真っ白な灰となり、ヨウムの怪我を回復させ、リムルは呆れた様にため息を吐きつつ、彼に向き直る

 

「ちょっと考えてみてくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな時間に夜回り?男の子なら、興味があるのは構わないけど、まだ刺激が必要な年頃には見えないわよ」

 

町を見て周り、住民に追いかけ回されたヨウムが辿り着いたのは首都リムルの隣に位置する歓楽街ネコリア、もう一人の重要人物の名を冠する町に彼女は居た

 

「ネコ耳の………いや、ネコリアさんだったか。さっき、リムルさんにも話してきたんだがアンタからの提案を受け入れようと思う」

 

「そう……考えは纏まったのね。嬉しいわ」

 

自分が出した提案を彼が受け入れた事を嬉しく思ったネコリアは優しく微笑む

 

「俺は学もねぇし、権力もねぇ………それでも人を見る目はあるつもりだ」

 

「そうね、アンタの仲間を見てたら分かるわ。誰もヨウムちゃんを嫌ってない。それで?その目で見たあたしたちはどう映った?」

 

問いを投げ掛けられながらも、真っ直ぐと自分を見据える金色の瞳に吸い込まれそうになりながらもヨウムは答えを返す

 

「この国にアンタとリムルさんを嫌う奴は誰もいない、仲間に慕われる奴の言葉には力がある。俺はアンタ等を信用することにした。英雄でもなんでもなってやろうじゃねぇか」

 

「ふふっ………御眼鏡に適ったのなら、嬉しいわ。これからも仲良くしましょうね?ヨウムちゃん」

 

魔性の笑みは月明かりに照らされ、昼間よりも妖艶さに溢れ、彼女の魅力を更に引き立てる。この日を境に、ヨウムという英雄の名が歴史に登場していく、その中に彼の慕う、二人の人物にはテンペストの姓が記されていた。しかし、これは遥か未来の話である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クレイマン!クレイマン!」

 

傀儡国ジスターヴ。この国を治めるのは魔王クレイマン。優雅に佇む彼は、自分の名を呼ぶ声に振り向く

 

「おや、ティア。随分と早かったですね」

 

「そりゃね!アタイだって、中庸道化連(ちゅうようどうけれん)の一員なんだから!」

 

「そうでしたね、これは失礼。それで?収穫の方は?」

 

ティア、そう呼ばれた彼女が、ぷんすかと頬を膨らませる姿に謝罪し、頼んでいた仕事に関する情報を問い掛ける

 

「うんとね!フレイはね、ジュラの森に関わる気はないみたい。何かを警戒している様子だったよ。それでね、詳しく調べたら、なんとビックリ!あの暴風大妖渦(カリュブディス)が復活するってさ!」

 

「ほう………それは……」

 

「あっ!クレイマンってば、悪いこと考えてる〜!」

 

「おや……分かりますか?」

 

「とーぜん!長い付き合いだも〜ん、クレイマンの考えなんかお見通しだよ〜」

 

何かを企むクレイマンの意図を読み取ったティアが嬉しそうに答えを返すと、彼は水晶を彼女の目の前に置く

 

「どうです?ぴったりだと思いませんか………暴風大妖渦(カリュブディス)の依代に」




動き出す新たな陰謀、しかしネコリアがその接近に気付いていない筈などなく………

ネコリアの真骨頂その26 実は妖艶

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